レトロな町並み72−本郷
文人たちが居を構え、かつて日本文学、文化の中心となっていた本郷界隈を散策しました。
求道会館 | 徳田秋声旧宅 | 菊富士ホテル跡 | 金魚坂 | 坪内逍遙旧居跡 | 金田一京助・春彦 旧居跡 |
樋口一葉旧居跡 | 旧伊勢屋質店 | 源覚寺・こんにゃくえんま | 八百屋お七墓 (円乗寺) |
富士見湯(閉館) |
【求道会館】
東京大学に近い住宅街の中にあります。ヨーロッパの教会と日本の寺社建築の様式が融合した仏教の説教場で、建築家武田五一が設計し、大正4年(1915年)に竣工したと言われています。平成14年(2002年)に修復され、当初の形に復元されたとのことです。
【徳田秋声旧宅】
同じく東京大学に近い住宅街の中にあります。自然主義文学の巨匠、徳田秋声は、金沢から上京後、現在の文京区内で居を代え、明治38年から没するまでこの地に住んだと言われています。
【菊富士ホテル跡】
同じく東京大学に近い住宅街の中にあります。宇野千代・竹久夢二・谷崎潤一郎・坂口安吾等、文人たちの集まる宿となった菊富士ホテルは、明治29年に開業した下宿・菊富士楼を前身に大正3年、その隣地に開業したと言われています。建物は戦災を受け焼失し、現在は石碑のみ残っています。
【金魚坂】
金魚坂という坂の上、創業350年と言われる金魚問屋の場所に建てたカフェと言われています。敷地内には金魚鉢や水槽があります。レトロな雰囲気の館内では、懐石料理等の食事もいただくことができます。
【坪内逍遙旧居跡】
坪内逍遥は明治17年から3年間この地に住み、『小説神髄』を著したと言われています。現在は表札のみが残されています。
【金田一京助・春彦旧居跡】
岩手県出身の言語学者、金田一京助がこの地に住み、その長男で国語学者の春彦がこの地で生まれ育ったと言われています。
【樋口一葉旧居跡】
樋口一葉は、24年間の短い生涯のうち、約10年間現在の文京区内に住んだと言われています。
【旧伊勢屋質店】
樋口一葉が菊坂の家に住んでいたときから、生活が苦しくなるたびに通ったと言われています。1860年の創立とされています。
なお、この界隈には、既に日本のクラシックホテルとして紹介した鳳明館もあり、昔ながらの佇まいの町並みが残っています。また、東京大学本郷キャンパスは、既に御茶ノ水・本郷・神田ページでもご紹介しています。
本郷界隈を散策の後、小石川・白山エリアを散策して帰路に着きました。
小石川エリアは、既に九段・小石川ページにて後楽園や伝通院、小石川植物園もご紹介しています。白山エリアは、既に駒込・巣鴨ページにて、白山神社もご紹介しています。
【源覚寺・こんにゃくえんま】
浄土宗の寺院で17世紀の開創と言われています。眼病平癒の「こんにゃくえんま」として親しまれ、境内にある「塩地蔵」は歯痛緩和のお地蔵さんと言われています。小石川七福神の一つである毘沙門天を祀っています。
【八百屋お七墓(円乗寺)】
江戸観音11番札所としても知られる天台宗円乗寺。井原西鶴の名作『好色五人女』などで有名なお七の墓があります。
【白山】
明治時代末期から昭和時代初期まで花街が栄えた白山1丁目エリアは閑静な住宅地となっており、往年の面影はありません。昔ながらの風情ある銭湯・富士見湯は残念ながら昨年閉店してしまいました。