鳳明館


残念ながらコロナ禍の2021年5月に閉館しましたが、その2022年からデイユースのみ営業再開しています。

鳳明館本館 玄関 階段 ロビー 廊下
 
売店 吹き抜け 別館玄関 本館2F・えびすの間   金魚坂
レストラン

 文京区本郷にある鳳明館本館は、明治時代の下宿屋を、昭和になって旅館に模様替えしたと言われており、登録有形文化財に指定されている歴史ある旅館です。かつて中学の修学旅行でこの旅館に宿泊したことがあり、数十年ぶりに訪れてみました。外国人観光客にも人気があるということで、訪れた日も宿泊客の半分以上が外国人の方々でした。
 昔ながらの木造の建物は、随所に銘木が使用され、とても風情があります。昔ながらの門構えの玄関を入り、昔ながらの帳場で受付を済ませ、旅館に入ると、完全にタイムスリップして別世界となります。黒光りの廊下、階段、売店等、昔ながらの日本旅館の雰囲気を感じながら、2階の10畳間、
えびすの間に案内されます。丸傘風の木造の天井、床の間の銘木、えびす様の彫刻が施された、駒や扇の形の木窓等、客室の随所に粋な雰囲気が漂っています。建てられた当時の棟梁の技能や心意気が偲ばれます。売店のある1階のホールは天井まで吹き抜けになっており、2階通路がこのホールを中庭のように四方から囲んでいる独特の構造になっています。館内を散策すると、廊下、階段、中庭等、随所に昔ながらの日本旅館の雰囲気が漂っており、何となく懐かしく落ち着くような気持ちになります。
 お風呂は男女1つずつあります。浴室は昔ながらの白壁と、タイル貼りの床がとてもレトロな雰囲気であり、やはりタイル貼りのひょうたん形の湯舟にゆっくり入りました。
 朝食は部屋食で、昔ながらのお膳の和食が客室まで運ばれました。とても美味しいご飯と和食をいただき、満足しました。

 本館の向かい側には、やはり昔ながらの木造の別館が、少し離れた場所には森川別館があります。鳳明館本館のある周辺は、静かで昔ながらの下町の雰囲気が残っています。樋口一葉、宮沢賢治始め、文豪たちの旧居がかってあった場所であり、ゆっくり散策していると、往年の古き良き東京の下町の姿が偲ばれます。なお、前日の夕食は、本館から歩いて近い場所にある、
「金魚坂」というレトロな雰囲気のレストランで、黒カレーや豚の角煮等、昔ながらの味を楽しみました。


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