<ブラウンガス>
<JCF8の報告>
渡久地明氏(沖縄観光速報社編集長)のブログに常温核融合が紹介されていたので、お知らせします。
2007/5/12の記事で「改めて確信を持って常温核融合をおすすめする」というタイトルで大きく紹介されています。
「なぜ、常温核融合のような技術開発に世界は力を入れないのか、わたしは理解できない。」と氏は言われていますが、
同感です。これが正論であることは当サイト「常温核融合は本当だった!」を順番に見ていただければわかるはずです。
渡久地(とぐち)氏のブログは時事解説が主体のようです。他の記事もすこし読みましたが、愛国的な観点から感心す
る指摘が随所になされていて優れた内容となっています。現代のマスコミは権力に支配されていて、そのためおかしな
情報操作が頻繁になされ、私たちはゆがんだ情報を日々信じ込まされているわけですが(ほとんどの日本人はこの種の事情
を知らない)、そんな情報に惑わされないしっかりした意見が主張されています。
ネット検索をしていたら偶然にブラウンガスの記述を見つけたので紹介します。国際戦略コラムというサイトの中の頁です。
うまくまとめられています。
岐阜・羽島市で10t炉のガス化溶融炉の実証試験や、日刊工業新聞等にとり上げられた話、幕張展示会でのびっくり
の実験など面白い話が載っています。
既存の科学では説明できない不思議な性質のガスであることは、上HP後半をよめばわかるでしょう。
常温核融合研究年会・JCF8開催が近づいてきました!
JCF8は2007年11月29日(木)と30日(金)の2日間、同志社大学(寒梅館の地下A会議室)で開催されます。
”JCF8”はJCFが主催する日本人主体の常温核融合研究の第8回目の年会(発表会)です。
ぜひ一度参加してみてください。
会員でなくとも誰でも参加できます。参加費5千円ほど?、その場で払えばOKです。
先生方の最先端の報告を、生で聞くことができます。
寒梅館は、京都市内にあって交通の便がよく、おまけに美しい建物です。寒梅館の地図です。
京都駅から地下鉄烏丸線に乗るのが便利。今出川駅を降りて北へ徒歩3分のところに寒梅館があります。
京都駅から約20分でつきます。
高橋亮人先生が、こんな講演をやっておられたとは知らなかった。(検索で偶然見つけました)
11/7に神戸大学で行われたようで、いまとなっては遅しですが一応紹介しておきます。
世話人の北村晃先生も、常温核融合の世界で有名な方です。北村先生の研究は、以前紹介した高橋先生の素晴ら
しい次の論説にも紹介されています。
常温核融合(最近は”凝集系核科学”と呼ばれることも多い)の講演も、あちこちで行われているのですね。
見落とさないように注意しておきたいところですが。
11/29(木)と11/30(金)の2日間、同志社大学でJCF8(第8回日本CF研究会の年会)が開催された。
私は29日1日だけの参加であったが、簡単にまとめてみたい。
まず今年の目玉として、文化勲章受賞者の荒田吉明先生(大阪大学名誉教授)の招待講演があった。それがたいへん
面白く、先生の若い頃からの巨大な業績に(皆が)舌をまいた。
(山本寛氏撮影)
荒田氏は1958年に日本ではじめて熱核融合の公開実験を成功されたことで有名だが、世界最大の電子ビーム溶接機、
レーザービーム熱源の開発など画期的なハイテク加工技術を次々に生み出され、産業発展に寄与された。
定年退官後は常温核融合に注力され、Arata方式によってヘリウム発生を確認。熱を取り出すことに成功されている。
このArata方式は何度か当サイトでもとり上げた。
(-->例えば、技術ジャーナリスト山本寛氏・記事関連のこちらを参照)
参加者は多いというわけではなかったが、これまで参加のなかった大手企業数社が偵察?に来ておられた。ある企業
の方は「この現象にはなにかがあると感じる」と言われたが、センスのよさを感じた。荒田先生も「直観が大事だ」と
講演で言われていた。
11/29の発表を順に述べよう。(Abstractを参照したので漢字がわからないものはそのままローマ字で書いた。)
1番目
技術ジャーナリスト・山本寛氏の地震と常温核融合の関連の話。現代地震学のプレートテクトニクス理論の矛盾点と、
地震が爆発現象であることをブラックライト・プロセスを絡めて説明された。
2番目
東京都立大学のSasabe氏らの発表。ローレンツ・ディラック理論からの真空中での電子の質量や放射電磁波の速度
が変化する可能性に言及。それと物性的観点を合わせてCold Fusionを説明された。
3番目
RIMMのSawada氏の発表。理論物理学における磁気単極子(モノポール)の理論から、常温核融合現象が説明され
ると主張。
4番目
トヨタ中央研究所の発表、代表でJunsi Gao氏(中国から来られている)が発表。
三菱重工・岩村氏らの重水素の透過型の核変換実験に関してパラジウム(Pd)中の硫黄(S)の不純物が実験精度に
影響することを様々な角度から検証。岩村氏らの実験を追試するための前段階の基礎研究といえる。
トヨタ中研からは4名が参加。
5番目
東京高専の土屋賢一の発表。ラマン分光を用いたPd中の水素捕集の効果の測定の可能性を論じる。手軽なラマン分光
で常温核融合が測定できればすごいことである。ラマン分光という全く新しい観点を示された。
6番目
東京高専のASANO氏の発表。上記との継続の発表。Pd中へのH吸蔵とD吸蔵の試料によるラマン振動の実験結果
を示す。常温核融合研究へのラマン分光の可能性を考察。
7番目
岩手大学・成田氏の発表。難しい内容であったが、これまで様々に行われてきた常温核融合実験を、材料の視点から
とらえ直そうとする研究に見受けられた。Pdが粒子状か板状か多層か。また表面状態がどうか・・等々。
8番目
荒田先生の度肝をぬく講演。上を参照。
9番目
兵庫県立大学、理化学研究所等の招待講演、岸田氏(兵庫県立大学)の発表。
三菱重工・岩村博士らの結果をもっと局所的に見ようという実験。Spring8の蛍光X線装置(XRF)を駆使してサンプルの
局所局所を分析され、核変換がある部分で集中して起こっていることを見出された。
Ca+2d --> Ti+γ などの衝撃的な式(細かな添字文は略、dは重水素原子、γはガンマー線)も書かれていた。
以上。
2日目は参加していないので省略するが、詳しくはJCFが公開するAbsractを参照されたい。
偵察?企業の方々と話して感じたことは、常温核融合へのかつてのような偏見は確実になくなってきている。
Cold Fusionにたしかな可能性を見出そうという雰囲気が醸成されてきていると思った。
笠木治郎太氏(東北大学)はJCF(日本CF研究会)には所属しておられないが、私がこの常温核融合に興味をもった
ときから、気になって仕方がない先生である。
昨日、神戸大学の北村先生らの次のHPを見つけて眺めていた。
研究内容がうまくまとまっており面白い。2番目の「凝縮体(固体・液体)内核融合反応」のところが常温核融合の内容
である。
いまから3年前に当サイトで<常温核融合−東北大学グループの成果>として次のように書いた。
*****************
2003年に、常温核融合に関連した次の注目すべき論文が日本物理学会誌(Vol.58, No.3, 2003)に掲載されました。
「固体金属中の核融合--金属は核反応の特殊環境か?--
笠木治郎太<東北大学大学院理学研究科原子核理学研究施設>
結城秀行 <東北大学大学院理学研究科原子核理学研究施設>」
これは非常に興味深い内容をもつ論文で、Pd(パラジウム)などのある特定の金属中では、D+D核融合やLi+D核
融合が異常に促進されるという実験結果を示したものです。
*****************
北村氏らの実験と、笠木氏らの実験が関連があったかと思いあたり、この笠木先生からの論文がむずむずと気に
なって、上記論文を改めて読んだ。原子核物理の専門用語がたくさん出てきて難しいのだが、それでもだいたい
わかる(日本語だということもある)。
驚嘆すべきことが書いてある。
簡単にいうと重水素同士の核融合反応が通常の真空での場合より、Pdなどの金属中の方が、何十倍も促進される
ということ。そのメカニズムはよくわからない・・とするものである。
しかし、わからないなりにも様々な実験から、いろいろな推測を笠木氏らは書いていて、面白いことこの上ない!
とくに興味を惹かれたのは「Pd等の金属中に吸蔵されたD+(重水素イオン)が、プラズマのように金属中でふるまって
いるのではないか?」とする推論である。(私の言葉でわかりやすく言い換えた)
その特異的な環境にDをぶち込めば、核融合が容易に起こってしまう・・ということなのだろうか。
プラズマの不思議な性質は現代物理でもまだよくわかっていないそうなので、このあたりにヒントが隠されている気も
するが、どうなのか。
なお、金属であればなんでもOKというわけではなく、PdOやPd、Feなどが核融合を大きく促進させ、Ti、Auなどでは
それほどでもないという結果が書いてある。核反応は金属そのものに大きく依存することがわかる。
笠木氏らの研究は、高橋亮人先生の次の論文にも言及されている。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/No75-06.pdf
(この論文もCold Fusion研究では必読のもの!難解な箇所はとばして大雑把に理解するだけでも十分な価値あり)
上の笠木論文の最後に、ウプラサ大学の池上氏(大阪大学名誉教授)の液体リチウムを標的として、重陽子を当てる
と、LiとDの核融合反応が大幅に増大したとする結果にも言及されており、きわめて興味深い。また、この池上氏の結果
は上記高橋論文にも言及されている。
笠木-北村-高橋-池上のラインは、三菱重工・岩村氏や北大・水野氏らとはまた違った方向である。
常温核融合にもいろいろあるのだ。
雑誌『選択』に、常温核融合が掲載されたことがわかりました。
●現実味帯びる「常温核融合」―日本の科学者たちの粘りが原動力
という見出しで出ています。
この雑誌は、政界や財界、ジャーナリズムの世界で高い評価を受けている雑誌であることが紹介からわかります。
私も読みましたが、内容は常温核融合の歴史の解説から最近の動向まで正確に調べてありうまくまとまっています。
「日本には常温核融合の先駆的研究者が多い」として、
岩村康弘(三菱重工)、水野忠彦(北海道大学)、高橋亮人(大阪大学)、山田弘(岩手大学)、山口栄一(同志社大学)
そして文化勲章受賞者の荒田吉明氏(大阪大学)ら常温核融合(Cold Fusion)に多大の貢献をした人たちの名前が掲載
されている。
研究では三菱重工・岩村氏の核変換実験や、荒田吉明先生の高エネルギーを取り出す技術などが力強くとりあげられ
ています。「日本の科学者たちの粘りが原動力」というのはよい副題と思いました。まさにそうですから!
紆余曲折があったとしても、本物は見直されるときが必ず来ます。
昨今の情勢をふまえて、本物志向の『選択』が取り上げたことがそれを暗示しているといえるでしょう。
当サイトで、何度も取り上げてきたブラウンガスは、着々と実用化へ向けて動きが出てきているようです。
昨日、検索で次のHPを見つけました。
アスベストなどの廃棄物をブラウンガスの特異な性質を利用して処理しようというプロジェクトです。
ブラウンガスは、熱くないのに対象物を瞬時に溶かす。鉄やステンレスを瞬時に切断できる。非常に融点の高いタングステン
もトロトロに溶けるなど、非常に不思議な性質をもっています。
本HPでは、次で紹介してきました。
<ブラウンガス>
ブラウンガスは、あまりにも不思議な(不可解な?)性質のためかその理屈は解明されていないようです。
まだ広く知られていませんが注目している人は確実に増えています。検索で「ブラウンガス」として当サイトにたどりつく人
が増えていることからもそれはわかります。
このガスの説明では、著名な批評家コリン・ウィルソンの著作
「アトランティスの暗号」(コリン・ウィルソン著、学研)
で「超高温で冷たいブラウン気体」として書かれた解説が非常に面白い。金属のみならず、木材にも瞬時に穴を開ける
こともできるそうです。引用すると(p.83,84)、
「・・そこで、モンゴメリは物は試しとばかりに、その炎を直接自分の腕に当て前後に動かしてみた。だが何やら温かい
ものを感じただけだった。摂氏6000度でタングステンを焼くことができるのに、人体にはほとんど損傷を与えないのだ。
ミシュロフスキーは、この発生器でさらにいろいろな驚異をモンゴメリに見せた。たとえば煉瓦に向けると、煉瓦はまず
白熱し、次に融解しはじめる。ガラスを銅に溶接したり、耐火煉瓦−高温に耐えるよう設計されている−に穴を開け、また
そこに銅を溶接することもできる。ひとつかみの砂を溶かしてガラス玉にしたり、さまざまな異なる金属同士を溶接したり、
金属をどろどろの液体にすることもできるのだった。」
なんと不思議な性質でしょう!
上記本には、ブラウンガス発生器の発明者、ブルガリア人のユル・ブラウンのことが詳しく書かれている。
ブラウンはジュール・ヴェルヌの小説をヒントに「水こそが将来の石炭になる」と確信する。軍隊や、強制収容所に
投獄されたりとごたごたなどを長く経験し、その後 オーストラリアで電気技師の資格をとり機械製造会社の部長となる。
その後発明家として身を立てるが、水の電気分解の実験中に危うく命を失いかける事故を起こしたり・・とそんな紆余
曲折をへてブラウンガスに到達した過程が描かれています。
本には、上で述べた以外のさまざまな応用も紹介される。原料が水であるところもいい!
そして、また
「ユル・ブラウンはまた、後の研究で、ブラウン気体が放射性廃棄物を完全に無毒化できることも発見している」
という驚くべき記述もある。
日本の企業では、なんとか新しい面白いネタはないか?と日々探しておられると思います。
私に言わせれば、ブラウンガスと常温核融合に注目すればよいのです。その応用は無数にありますから。
21世紀の科学として、両者とも将来りっぱな技術に成長していることでしょう。
見るところ、ブラウンガス製造技術では中国と韓国が先行しています。
なぜ中国なのか?
中国がブラウンガスに興味を示しユル・ブラウンを中国に呼び寄せ、内モンゴルのパオトウに研究所を与えて実験を続け
た(上記本p.86,87)ことがその理由でしょう。
ユル・ブラウンという人物は、超頑固な変人的な面をもっており、葉巻(タバコ)への愛着からアメリカとの契約がおじゃん
になってしまう・・。本には面白い話が満載されています。
コリン・ウィルソンの本は古代史の本です。なぜそこにブラウンガスが登場しているのでしょうか?
その謎解きは本を読んでもらって、としましょう。
東京都議会の議事録に、ブラウンガスのことが載っていました。
なんと、自民党(東京都議会議員)の田中晃三氏が、韓国がブラウンガスを国家プロジェクトとして取り上げていることを
指摘し、なぜ日本の大学や企業が研究しないのか不可解だとの見解を述べられているのです。もっと積極的に取り組む
べきだ、と主張されている。政治家にも見る目をもった人がいるものだと感心しました。
荒田吉明先生の常温核融合研究の初期の論文「Complex Cathodeにおける常温核融合」が公開されていることが
わかったので紹介します。
荒田先生(大阪大学名誉教授、文化勲章受賞者)は、上でも述べたとおり停年までは熱核融合の公開実験成功、
電子ビーム溶接機やレーザービーム熱源の開発など画期的なハイテク加工技術を次々に生み出され活躍されまし
たが、停年退官後は常温核融合を中心に研究されています。
上記論文は、1991年(1992改)という非常に初期のものですが、興味深い結果が載っています。
この頃は1989〜1990年のフライシュマンとポンズの大フィーバーがあった頃にほぼ相当し、世界がてんやわんやの
大騒ぎをしていたという状況下であり、まだ皆が水の電気分解ばかりをやっていた時期でもあります。
常温核融合は電極物質の表面に傷や凹凸がある方が発生しやすいとよく言われますがその点に着目され、Ni電極上
にPd粉体層をつくって意図的に凹凸を作り出し、常温核融合を再現性を高めた重要な実験となっています。中性子の発生
も確認され、熱に関しても結果が出ています。(中性子発生は核反応によるのでしょうが熱は別原因を示唆されている)
近年の荒田氏らの画期的な成果については、技術ジャーナリスト山本寛氏が紹介されたこちらをご覧ください。
高橋亮人先生の次の論文にも荒田-張の実験として紹介されています。
「常温核融合は本当だった!」シリーズをはじめて3年とすこしが経過した。
その間主に固体物理的な常温核融合を紹介してきたわけであるが、心にひっかかりつづけているものに、
生体内元素転換がある。
これは、
<常温核融合界の現況--T氏より-->
でも紹介したが最近では書いていなかった。ちなみに生物学的元素転換=生体内元素転換である。
常温核融合が科学の革命であることは明らかだが、生体内元素転換もそれに負けず劣らず重要で、科学史上における
大転回であるといえる。しかし科学の主流からは無視され現在にいたっている。農業分野ではケルヴラン(1901-1983)
の学説はよく知られているようであるが。
(ケルヴランはケルブランとも書かれるが今後”ケルヴラン”を中心に使う。ケルブランとする場合もある。
また生体内元素転換、生物学的元素転換も「生体内」のほうを多用していく。)
常温核融合がフィーバーとなって世界に知られたのはここ20年ほどのことだが、生体内元素転換は、はるか200年
も前から延々と多くの人により研究が続けられている。そして40〜50年前に自身の実験もふくめそれらを体系的に
まとめあげたのがフランスのルイ・ケルヴランである。
なんと、
植物や生物の生体内では、いとも簡単に元素転換が起こっているのである!
例えば、
20Ca - 8O=12Mg
19K + 1H=20Ca
など、その他多くの驚くべき転換が起こっている。 注意:8Oなどの左下の添字は原子番号(陽子の数)。
生物学的元素転換、ケルブランでは次の朔明社のサイトが有名である。
数年前にここから2冊の本を購入した。
@「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)
A「微量エネルギー元素転換の地質学と物理学における証明」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)
どちらもケルヴランの代表作と思われるが、以前読んでいた@の方をまず紹介していきたい。
著作権の関係もあるので自分の言葉におきかえ断片的に主に結論部分だけ(実験の詳細は省いて)の紹介になること
をお断りしておく。多数回に分けて載せていく形をとる。
詳細を知りたい方は朔明社から本を買っていただくしかない(市販本ではない)。上サイトでも生体内元素転換の
概要を知ることができるのでぜひ熟読していただきたい。
Cold Fusionの領域をながめるに、常温核融合の研究者は生体内元素転換にはまったく関心がないように見える。
先生方のお話を聞いていてそう感じるのだが、なぜなのか?
常温核融合と生体内元素転換、一見関係なさそうで元素が転換するという共通の面があるわけであり、私には、
関連する重大ななにかが潜んでいる気がしてならない。難問はさまざまな角度から見たいものである。
今回は1回目ということで。すこしだけ。
****************************************
土中の微生物は、炭素と酸素を利用して窒素を作っている。つまり、微生物は
6C + 8O=2N7
を行い、窒素を作り出す。
ミミズは粘土質の土壌(珪酸塩が主体)に含まれるカルシウムを増やすことができる。ミミズは炭酸カルシウムを排泄す
る腺をもっているのである。
ストレプトマイセスなどの放線菌類もまた珪酸(SiO2)をカルシウムに転換することができる。これらは
14Si + 6C=20Ca
の形でSiと炭素Cを融合させてCaを作る元素転換の例である。
****************************************
渡久地(とぐち)様のブログで、10/27に「低温核融合の記事の反響」として、本サイトが紹介されたのですが、
お知らせするのをうっかり忘れていました。--->http://toguchiakira.ti-da.net/e1804098.html
常温核融合は「挑戦すべき面白いテーマ」と渡久地さんは述べられていますが、その通りと思います。
常温核融合、ブラウンガス、生体内元素転換は地下に眠る巨大な山脈です。
医学・生物分野では千島学説があります。これも面白いテーマです。
常温核融合と同じく主流からは無視されていますが、千島(ちしま)学説にも隠れファンは多く、故・千島喜久男博士(1899-
1978、岐阜大学教授、名古屋商科大学教授)の緻密な実験により証明された革命的なものである。
骨ズイ造血説の否定(血液はじつは腸で作られる!)、赤血球分化説(赤血球は別の様々な細胞へ分化転換していく!)
などを提示され現代医学の根本的間違いを随所に指摘している。
「血液と健康の知恵」(千島喜久男著、地湧(ぢゆう)社)
千島氏には多くの著作があるが私はこの本をもっており、その膨大な実験と誠実な論証の姿勢に圧倒される想いがする。
一言一句おろそかに読めない書であり、大きな真実が隠されている。世間の風説にまどわされず一度読んでいただきたい、
真実だとわかる。1977年に出版され2002年に第10刷が出ており長く読みつがれている。
物理学のみならず、医学・生物分野も間違いだらけ・・人間のすることはどこでも同じです。
引き続き「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)から紹介したい。
第2章「偶発的に観察された実例」(p.28〜p.34)あたりである。
フランスのブルターニュ地方に住んでたケルヴランは子供の頃の疑問を語っている。その地方は、結晶片岩と花崗岩
の土壌であり、石灰質(つまりCaが少ない)を欠いている土壌であったにもかかわらず、鶏は毎日、石灰質の殻をもつ卵
を産み続けることをふしぎに思っていたという。観察により、鶏は散在していた雲母を選択してついばんでいることを発見
している。
フランスで、溶接工のガスバーナーでの一酸化炭素の中毒事故が多発した。しかし、あらゆる可能性を調べても原因
がわからず説明のつかないものとなっていた。
ケルブランは事故を様々な角度から検証するうちに、窒素Nから炭素Cへの元素転換が起こっている可能性が高いことを
見出す。2N=C+Oであるが、理屈として窒素分子が一酸化炭素分子に、アルファ粒子単位の安定性(仮説)の視点から、
ある種の触媒反応も加わって分子内核反応 N2->CO を示している。Cは3個のアルファ粒子、Oは4個のアルファ粒子
から構成されている。
「この窒素から一酸化炭素への変化は、植物における窒素サイクルや、動物における窒素の役割に関するある種の
観察報告を完全に説明するものである」(p.34)という。
自然はアルファ粒子を集合単位とした状態に移りたがるというケルヴランの説は、非常に興味深いものである。
「このアルファ粒子の「基本的な」集合は、1966年にポーリングによって認められている。」(p.33)という。
窒素分子N2から珪素Siへの転換も示唆しており、「これは地殻の起源について新しい視野を開くものである」(p.34)と
述べている。
さて、ここで小島英夫先生(静岡大学名誉教授)の著書(こちらでも紹介したもの)
「『常温核融合』を科学する−現象の実像と機構の探求−」(小島英夫著、工学社)
とケルヴランの関連をすこし指摘してみたい。この本は常温核融合という複雑怪奇な現象から、なんとか規則性を見出
そうと、様々な過去の実験結果が整理されている。良書である。
第2章(p.80付近)に
「・・これらのプロセスで説明するのがいちばん素直だと考えられる実験データには、次のようなものがあります」として、
一連の興味深い式が書いてある。ΔZは陽子数の変化である。
(既存の核種 -> 生成した核種)
22Ti ->24Cr (ΔZ=2)
22Ti ->26Fe (ΔZ=4)
28Ni ->30Zn (ΔZ=2)
38Sr->42Mo (ΔZ=4)
46Pd ->48Cd (ΔZ=2)
46Pd ->50Sn (ΔZ=4)
46Pd ->56Ba (ΔZ=10)
53Cs ->59Pr (ΔZ=6)
46Pd ->82Pb (ΔZ=36)
74W ->82Pb (ΔZ=8)
式は、例えばチタンはクロムや鉄に変化しやすく、ニッケルは亜鉛に変化しやすいことを示している。
ストロンチウム(Sr)がモリブデン(Mo)に、セシウム(Cs)がプラセオジム(Pr)に変化する反応は、三菱重工・岩村氏らの
ΔZがすべて偶数であることは注目に値する。式の後で小島博士は次のように述べている。
「・・すると、陽子数「Z」の変化が「2」tp「4」の場合が多いことから、原子核に吸収される核子の集まり(Z´δ)は、
「ヘリウム4」の原子核「2He」がいくつか集まって一塊になったものである可能性が考えられます。「ヘリウム4」が
安定なことは、アルファ(α)崩壊で「ヘリウム4」が核外に放出されることからも分かっています。」
興味深いコメントである。
小島博士は核変換(元素転換)がアルファ粒子単位で行われやすいことを指摘しているのであるが、これが上の
ケルヴランの仮説と大きく関係していることはすぐにわかるであろう。
小島先生のコメントは純粋に固体物理的な観点から出たものである。一方のケルヴラン仮説は生体内元素転換から
出たもの。全く別の分野の二人が「このように考えざるをえない」として仮説を提唱してそれがほぼ一致した。ということは、
この仮説の信頼性が高いということである。
元素転換においは、アルファ粒子を単位としてやりとりしやすく、アルファ粒子単位の集合体になりやすいということが
いえそうである。
核変換現象は複雑怪奇であってこれだけではなかろうが、重要なポイントの一つであると思う。
注意)式の38Sr->42Mo は本では 38Ti->42Mo となっているが、明らかな凡ミスであると思われるので訂正しておいた。
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追記2008/1/18
小島英夫先生から「『常温核融合』を科学する−現象の実像と機構の探求−」(小島英夫著、工学社)の正誤表の
情報をいただきました。本を読まれる場合は参考にしてください。
Tさんからメール(情報)をもらいましたので、紹介します。
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今年は、ICCFが4回ぶりにアメリカ開催となり、
アメリカ陣営がどのような戦略を練ってきているのか興味深いところです。 前回のICCF10の時は、岩村さんの核変換の発表によるブレークスルーや エネルギー省による常温核融合の見直し再評価なども行われました。 再評価は失敗に終わりましたが、大きな動きではありました。 今年はどうなるんでしょうか? ****************************************************
私はまったく知らなかったのですが、なんと次のICCF14(常温核融合国際会議)はアメリカの首都ワシントンD.C.で
HPにある通り2008年の8/10 - 8/15の期間開かれます。10回から14回までは
ICCF10---アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジ
ICCF11---フランス・マルセイユ
ICCF12---日本・横浜
ICCF13---ロシア・ソチ(黒海沿岸)
ICCF14---アメリカ・ワシントンD.C.
ということで、Tさんは「4回ぶりにアメリカ開催となり」と書いているわけです。
B<ICCF12に参加して>
ICCF10は成田先生の@を、ICCF11に関しては水野先生のAを、ICCF12は杉岡のBを、ICCF13は高橋先生の
レポートを紹介したCを参考にしてください。
技術ジャーナリスト・山本寛氏の「水素プラズマエネルギー革命」(山本寛著、工学社)p.88を見ると、常温核融合の
研究者の数(推定)が書いてあります。アメリカが56人と最も多く、次いでイタリアの31人、3番目は日本の30人、4番目
はロシアの22人となっています。米国は表面的な態度とは裏腹にCold Fusionを重要視しているのがわかります。
アメリカ−イタリア−日本−ロシア
これが常温核融合研究の4大大国といえるでしょう。
第一の大国アメリカでまた国際会議が開催されます。さて、どのような結果が・・
ここでは、ケルヴランの著書「生物学的元素転換」(ルイ・ケルヴラン著、高下一徹訳、朔明社)の
第3章「植物の異常についての観察」(p.28〜p.37)を紹介したい。
ケルヴランは、古くから農業者によって知られてきた事実、休閑や輪作のシステムによって、枯れた土地に不思議に
必要元素が回復してくる現象を紹介し、その謎を考察している。ルドルフ・シュタイナーのこの種の農業の研究を引き継いだ
プァイファーの研究等を紹介。
英国式のりっぱな芝生は石灰分を多く含んだ土壌でないと育たない。しかし、石灰分(Ca)が不足しだすと、珪素(Si)を
好むデイジー(キク科)が増えはじめ、それが秋に枯れると土壌に石灰分がもらされる(微生物も関係か)。
ソバは砂粒や珪酸への著しい親和性を有しているにもかかわらず、その高い石灰分の含有量によって特色付けら
れている。
小麦は比較的石灰分に富む土壌を好むが、その灰には5.8%の石灰分と、67.5%の珪酸分が含まれている。小麦と 同じ
土壌にシロツメグサが植えられたとき、珪酸の土壌を好むシロツメグサは石灰分35.2%、珪酸分2.4%を含有する灰を生じる。
オークは花崗岩と結晶片岩など(石灰分に欠けた、珪酸分に富む)の土壌で育つが、その木質と樹皮には大量の
カルシウムが含まれている。
その他、植物によってもられされる元素の多くの異常を紹介している。
上の結果は原因までは示していないが、ケルヴランが体系づけたシステムの中での
14Si + 6C=20Ca
や
20Ca - 6C=14Si
を示していることは明白である。添字の番号は原子番号(陽子数)。
この章の最後は、次のような言葉で締めくくられている。
「以上のような植物の異常は、留まることなく引用することができる。おびただしい研究がそれらにささげられ
たが何の解釈も見出されなかった。しかし、生物学的元素転換によってこれら全ての異常は理解されうるの
である。これはすでに19世紀に幾人かによって予見されていた。1880年にフォン・ヘルツィーレは「物質の
創造についての発見は新しいものではない」ことを認めているのである。」
ブラウンガスのビデオがYou Tubeにいくつか出ていることがわかったので紹介したい。
次はブラウンガス発生装置の発明者ユル・ブラウンが登場しているビデオ!私はこれが一番面白かった。
いきなり自分の腕にブラウンガス炎をふき当てたのには驚いた。<ブラウンガス、実用化近し>で上げた本で
「・・摂氏6000度でタングステンを焼くことができるのに、人体にはほとんど損傷を与えないのだ。」と書かれているが、
実際にみると、へえーとびっくりである。最後は、なにやら金属塊に穴をあけているが、ユル・ブラウンはなんと素手で
もっているようである。ブラウンガスはふしぎだ。
次は韓国企業のブラウンガス発生装置の宣伝である。
韓国はやはり進んでいる。<東京都議会 田中晃三氏(自民党)>で書いたように、田中晃三氏が、韓国では
ブラウンガスが国家プロジェクトになっているといっていたが、その技術は日本とは比較にならないはずである。
コリン・ウィルソンは「アトランティスの暗号」(コリン・ウィルソン著、学研)で、ユル・ブラウンのことを
禿頭(とくとう)、眼鏡、短躯(たんく)(5フィート4インチ程度、約163センチ)
と書いているが、まさにその通りの人物であった。
同書のp.87には、
「・・契約が決裂し、中国人の心に疑念が生じたのにもかかわらず、ブラウンは包頭(杉岡注:中国のパオトウ)で働きつづけた。
その結果、中国の潜水艦は巨大な真水のタンクの代わりにブラウン気体発生装置を搭載するようになり、また中国の
科学者たちは放射性廃棄物をブラウン気体で熱処理するようになった。」
とある。
ユル・ブラウンは中国に大きな貢献をしたといえるであろう。
一つ上で気になるのは最後の
「・・また中国の科学者たちは放射性廃棄物をブラウン気体で熱処理するようになった。」
という記述である。
コリン・ウィルソンの本を読んでからこれが気になっていた。
そこで”ブラウンガス”、”放射性廃棄物”で検索をかけたところ次がヒットした。
平成19年7月5日の原子力安全委員会の「放射性廃棄物・廃止措置専門部会」での記録である。神原氏の提案。
「放射性廃棄物をブラウンガスで燃やすと放射能レベルが無くなるという話を聞いたことがあるのですが、もし
本当なら国家プロジェクトに値すると思うのですがいかがでしょうか?」
このようなよい提案がなされているのに、サイト中の回答が意味不明である。きちんと意味の通る文章を書いてもらい
たいものだ!
<東京都議会 田中晃三氏(自民党)>でも書いたけれども、田中氏が韓国ではブラウンガスが国家プロジェクトになって
いるのに、なんで日本ではやらないのだ!と言っているのをどうしても思い出してしまう。氏の気持ちがよくわかる。しかし、
この話が原子力安全委員会で出たということは、やっぱり気にしている人がいるのだ。
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