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カイロ(2) エジプト考古学博物館マリエットの作ったブーラク(ブーラーク)博物館から始まる、エジプト屈指の巨大博物館。古代の遺産を山ほど詰め込んだ、…巨大な倉庫。 ↓これが入り口 創設者のマリエットは、敷地内の西の端っこ、自分の石像のところに眠っている。 エジプトの黄金の遺物をほしがった、お国フランスの王妃様に「これはエジプトのものだから。王妃様相手でもあげられませんから。」と、突っぱねて不興を買い、結局、国に戻れなかったとかなんとかいう話がある。突っぱねたのは職務熱心だったからなのか、ブーラクという自分の「城」の所有物にしておきたかっのたか、そこらへんは解釈次第だろう。 しかし、ここは相変わらずだった…。 10年前に比べれば、そりゃまだマシになったかなと思うけど、しかし、あの山積み感はいただけない。 観光客で芋洗いのエントランス、有名な作品前は黒山の人だかり、なのはまだいいとして、全体的に汚い。建物が古いだけではなく、置かれた彫像などにほこりが溜まっている;; それを掃除の人が ぬれ雑巾 ではたいているのを目撃して眩暈が。嗚呼。ぬれ雑巾ではたかれるフォラオと女神…… 置くところが無く、なんのラベルもなく通路に放置されているものもあれば、中にお菓子のカスが放り込まれている棺、クモの巣張ってるガラスorz それでも警備員がいるぶん、昔よりマシになっていると思えるあたりがなんとも。 体力勝負で攻めるしかない巨大ダンジョン。 エジプト自身も管理できないほどの膨大な歴史が、ここにある。 たいていのガイドブックには、「エジプトに行ったら必ずここに行け」と書かれているけれど、ぶっちゃけ、私は、ここに行くくらいなら最近できた、もっと綺麗な博物館を幾つか回ったほうがいい と思う。ルクソール博物館とか、イムホテプ博物館とか。 巨大すぎて軽く見て回るだけで数時間はかかるのに、休憩できる場所もなくお手洗いは汚い。 発掘品は、ほとんどラベルも無く、説明皆無な状態で山積み。時代分類は一応なされていることになっているけど結構バラバラ。部屋によっては数千体の神々がガラスケースの中に無造作に並べてられていて「ああ…日本のどっかにこういう洞窟あった、お地蔵さんばっかりの…」とかいう明後日な方向に意識が飛びかける。 そんな具合で、遺物にはほとんど何の説明もないから、事前にある程度の知識を仕入れているか、ガイドさんを連れて行かないと、何がなんだか分からない。 目的もなく行くとただ圧倒されるだけだし、目的があっても見つからないかもしれない!(笑) もっと大きな箱を建設中だそうなので、将来、素敵な博物館に生まれ変わってくれることを祈ろう。 ちなみに写真撮影は不可なのだが、撮ってる人はたくさんいた。^^; 特にミイラ室。キミたち不敬罪でムチうちの刑な。 特別な有料展示室は、館内でお金を払って入る。 有料なのは以下の2つ。 ●ツタンカーメンの遺品の一部 行ったときはイギリスのツタンカーメン展に貸し出し中のもの多数だそうで、今回は中に入ってない。 有名な遺物の大半は部屋の外に展示されているので、お金を払わなくても見られる。 ●ミイラ室 入るのに100ポンド(約2000円)。エジプト的にかなり高い金額に設定したつもりのようだが、ミーハーなお金持ちは払う。おいらでも払う。 チケットは第一ミイラ室横で販売。第一ミイラ室はニューフェイスのハトシェプスト女王ほか、ヒクソス撃退時代のセケエンラー王など有名どころがそろっている。 ただし、反対側に第二ミイラ室があり、同じチケットで入れるのを見落とすと、半分損をする。 第二ミイラ室はあることを知らない人が多いのか、第一ミイラ室にくらべ、すいている。ただ、どっちにもいえることは、観光客うるさい。あとフラッシュ焚いて写真とるな。昔の、薄暗いシーンとした中にミイラが浮かび上がってる雰囲気が好きだったのに。 特に中東系の観光客のマナー悪すぎる。死者に敬意を払うのは、どこの文化圏でも同じだろうに。仏さんの顔を指差して大声で騒ぐのはバチあたりですよ。もうちょっと取り締まろう、警備員。 ここの中には、一部、テーマに沿った品を集めて、説明つきで飾ってくれている部分もあるにはある。たとえば2Fのミイラ室とミイラ室の間にある「動物ミイラ」コーナー。(ちょっと奥まっているので見つけにくいかもしれない) おそらく、整理できた部分からちょびっとずつ、「博物館」らしい展示に直して行こうとしているのだろうと思う。とかく、分類するだけでも気の遠くなるような時間を要するだけの所蔵品がある場所だし、そのうちの多くは出土場所も出土状況も不明なものだろうから、容易な作業でないのは確かだ。 学者さんに頑張っていただいて、今後に期待、というしかない。 ▲top |