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カイロ(3) オールド・カイロ


オールド・カイロは、タハリール広場から地下鉄で10分くらい。地下鉄マリ・キルギス駅を降りるとすぐ目の前。

前回は駅ごとに値段が違って困ったもの、今回は、地下鉄料金は一律になっていた。(そのお陰で料金表を探し回った…)
自販機があってもよさそうなのにキップは窓口で買う。一律料金でキリよくなったため、小銭(ピアストル)が無駄にたまらずベンリ! ただしあんまり大きい額のお札を出すと、お釣りないよと言われる。

地下鉄はクーラー効いてなくて若干蒸し暑い以外は快適。女性専用の車両があるので男性陣は注意。
駅名は英語名も併記なので降りる駅には困らない。


オールド・カイロの見所はほとんど駅周辺に集中してるので、徒歩で散策できます。古き時代のカイロの町なみがそのまま残っている感じ。シナゴーグ(ユダヤ教の教会)、モスク(イスラム教)、コプト教会(キリスト教の一派)がすぐ近くに並んでいるさまが特徴的であり、宗教の共存という意味で珍しかったり。

三つの宗教が共存しているといえばエルサレムを真っ先に思い出すが、そこと比べて平和的だ。どの宗教を信仰している人も、基本的に、みんなエジプト人だからかもしれない。


さて、ここから過去の記憶を辿りつつ自分の中のおさらいだ。
かつて地震やらなにやらで激しく壊れていたムアッラカ教会は、美しく立て直され…



モダーンな建築に。
駅を降りた眼前にあるこの教会、お手洗いは無料、写真撮影も可、だった。
ただし熱心な信者の人がお祈りしていたりするのでお邪魔にならないように。

ここのみやげ物屋は、・・・・・・なぜかマリア様と一緒に古代エジプトの神様像を売っていたり、聖書と一緒にツタンカーメン・ハンドブックを置いてあったり、ずいぶんテキトーというか寛容というか、観光客慣れしてる感じになっていた。



半壊して廃墟みたいになっていた、お隣、聖ジョージ教会も、本体が修復されてキレイにリニューアル。



入り口に、観光客狙いのカフェテリアも誕生。
ただ、聖ジョージバーガーってのは狙いすぎだと思います、教会の人。(笑)

ジョージさん「よう、久しぶり」

階段の踊り場で、懐かしのジョージさんと再会。

この教会は、入り口の階段から脇にそれたところ(ジョージさんの左右から奥から入れる)に隠れた小部屋があって、美しいマリア様の絵が飾られている。隠れ家っぽい礼拝室もあるので、見逃さないように。

お布施は、教会の本堂にお布施BOXがあるのでそちらで。1ポンドで蜜蝋のロウソクをたてることが出来る。

↓Myろうそく
この一本のロウソクが…

…お線香みたいだ。


本堂には聖人の遺物らしきものがあって、それにキスしている地元の人を見かけた。が、説明がアラビア語で何もわからん。



ガーマ・モスクは入り口で靴を脱がされ、お布施を要求される。靴は預かってもらえる。そして貸し出されるのが、緑色のローブ。

ほかのモスクでは肌が露出している人だけ着せられるけど、ここは、肌の露出がなくても、観光客はローブ着用必須らしい。
観光客はみんな緑色。だから、すぐ分かる。

↓小さいサイズのローブがなかったので、ズルズルしてえらいことに。
ジェノヴァ細胞が、六時をお知らせします。
リユ… ニオン…。

ジェノバ細胞のささやきが聞こえる。これが…神の啓示か…。(違う)

暑い昼間だからか普通に昼寝している人がいたり、寝てるのか瞑想してるのかわからない人がいたり、何か間違えたらしく座禅している外国人がいたり、ある種のまったり空間。疲れたときはドウゾ。



あとはコプト博物館。ここはおすすめ。
超きれいになっていた…!

ある意味おどろき。前回、半壊してるのに通常通りの値段とられて、壁ぶち壊れてる状態で見学したときとは大違いだ。

物凄い充実度。そしてエジプト考古学博物館と比べると、展示品の保存状態や展示の仕方、説明書きなどが、きちんと「博物館」の体を成している。中庭や、休憩用のベンチ、車椅子用のスロープもついているし、天井や窓枠の細かなアラベスク模様も美しい。

ここに行くと、古代エジプトの宗教美術が次第にキリスト教化していくさまが分かる。オシリスっぽいイエス・キリストを、アヌビスっぽい犬とホルスっぽい鷹が讃えている、という微妙な状態から、だんだんとキリスト教的な美術というアイデンティティを見つけて、ローマ風でもエジプト風でもない独特な雰囲気になっていくのが、解説とともにじっくり楽しめる。

そして、どうも、ここは美術学校の実習場所にもなっているらしい。熱心に模写している生徒さんがいたり、模造品が出口付近に飾ってあったり。作品は、みやげ物屋で販売もしてるようだった。

模写してる学生さんを見て、エジプトにも雲形定規があることを知った(笑)


オールド・カイロはその他、大小さまざまな見所があって、宗教美術が好きな人なら楽しめるはず。旧市街のため道が狭いこともあり、車はほとんど来ない。ホコ天状態。なので道を渡るのに命がけになることもなく、まったりとすごすことが出来る。
車が少ないので猫や犬も多い。



ちょっと離れたところまで行くと、ナイロ・メーターのあるローダ島へ渡る橋もある。道が狭くて薄暗いところもあるが、人通りは多いため、あまり怖いとは感じなかった。通りすがりの人が、やたらとフレンドリーに挨拶してくるというのも、あるかもしれない。

カイロに長期滞在するなら、この辺りはじっくり散策してみるといいと思う。
特に宗教美術がお好きな人は垂涎もののはず。


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