** てっぺんまでもうすぐ:music by 槇原敬之 / まじっく快斗
遊園地の最後はどうしてこう観覧車に乗りたくなるんだろう。
って考える。
「快斗」
オレを呼ぶ青子の顔を見れば楽しそうで。
なんか分かった気がした。
開園と同時に入ったトロピカルランド。
閉園までいたいけど、さすがに夜9時っていうのは無理だから。
日が落ちる頃には帰ろうと来る前に決めてた。
それが、もう少しでやってくる。
「快斗、どうしたの?」
科学と宇宙の島の端にある噴水にいるとき、青子がオレに聞いてくる。
「ん?いや、なんでもない」
「なんでもないって顔してないよ」
心配そうに青子はオレの顔をのぞく。
「快斗、青子と一緒にいて楽しくなかった?」
「んな訳ねーじゃん。楽しかったに決まってるって。たださ」
言いたくなかったんだけど。
言ったら、今日一日楽しくて笑ったことや、はしゃぎまくったことや、ジェットコースターのはしごしたことや、青子と居られたことや全部、終わるんだと。
明日からまた普通の日がやってくるけれど。
青子と楽しかった今日が終わるのがどこか寂しくて。
でも、そんなこと青子に言ったら、バカにされそうで(いつもしてるから逆に)。
「もう、夕方なんだなってそう思っただけ」
だから、それだけ言った。
「じゃあ、青子と同じ事考えたのかな?」
「ん?」
「寂しいなって。今日、もう帰るんだなって思ったら寂しくって、快斗もね寂しいのかなって思ったら、一緒だなって思ったんだよ」
そう言って青子はオレの手を掴む。
「だからね、最後に観覧車乗ろう」
「そこでだからって論理はわかんねえけど、アホ子ちゃんが乗りたいって言うんだったら乗りましょ?」
「何よぉ!アホ子って言わないでよバ快斗!!快斗が乗らないって言うんだったら、青子で一人で乗ってくるから」
いつもののりに戻ると思ったら青子はそう言ってオレの手を放して一人でさっさと観覧車の方へと歩き出す。
「だー、待ってって!誰が乗らないって言ったよ」
「バ快斗」
………かなりご機嫌斜めなようで。
「…………………………アホ子って呼んでごめんなさい」
「最初っからそうすれば良かったんだよ。行こ、快斗」
その言葉にうなずいてオレは青子の手を取って観覧車乗り場へと向かった。
のんびりと上に上がっていくゴンドラ。
1周10分ぐらいの観覧車。
青子は一人外の景色を見ている。
こう自分たちが住む街を見下ろす事なんてそうそう無いから。
「ガキみてー」
「どっかの誰かさんはいつもハンググライダーで空飛んでみてるから見飽きてるかも知れないけどねぇ、青子は滅多にみれないんだからね」
言葉の端々がきついですよ、青子さん…。
それ持ち出されたら反論できねぇじゃねぇか。
「ワリィ」
謝ればこっちを不満げな表情で見る。
「別に、怒ってないもん」
「怒ってるじゃん」
声にからかい含ませれば
「怒ってないもん!!」
とこっちを見る。
呼べばやだって首振るだろうから言う前に自分から動く。
「ちょ、快斗!!!」
「誰も見てねぇって」
もうすぐで頂上。
青子を抱きしめたって、ばれやしない。
「青子」
「やだ」
「青子こっち向いて」
「や」
「青子〜」
仕方ないから見えてる素肌に唇を落とす。
「快斗のバカ!!エッチ!!」
「オレがエッチなのは仕様だから諦めろ!」
「やだ」
「じゃあ、こっち向いて」
「もう、降りてきてるからやだ」
「じゃあ、もう一周」
「バ快斗」
「はいはい、アホ子ちゃんの言う通りです」
「知らない」
「じゃあ、勝手にさせて貰う」
だから、係のお兄さん、俺たち、もう1周ね。
って考える。
「快斗」
オレを呼ぶ青子の顔を見れば楽しそうで。
なんか分かった気がした。
******
日差しが傾いているのに気づいて、時計を見てみれば結構な時間がたっているのに気がついた。開園と同時に入ったトロピカルランド。
閉園までいたいけど、さすがに夜9時っていうのは無理だから。
日が落ちる頃には帰ろうと来る前に決めてた。
それが、もう少しでやってくる。
「快斗、どうしたの?」
科学と宇宙の島の端にある噴水にいるとき、青子がオレに聞いてくる。
「ん?いや、なんでもない」
「なんでもないって顔してないよ」
心配そうに青子はオレの顔をのぞく。
「快斗、青子と一緒にいて楽しくなかった?」
「んな訳ねーじゃん。楽しかったに決まってるって。たださ」
言いたくなかったんだけど。
言ったら、今日一日楽しくて笑ったことや、はしゃぎまくったことや、ジェットコースターのはしごしたことや、青子と居られたことや全部、終わるんだと。
明日からまた普通の日がやってくるけれど。
青子と楽しかった今日が終わるのがどこか寂しくて。
でも、そんなこと青子に言ったら、バカにされそうで(いつもしてるから逆に)。
「もう、夕方なんだなってそう思っただけ」
だから、それだけ言った。
「じゃあ、青子と同じ事考えたのかな?」
「ん?」
「寂しいなって。今日、もう帰るんだなって思ったら寂しくって、快斗もね寂しいのかなって思ったら、一緒だなって思ったんだよ」
そう言って青子はオレの手を掴む。
「だからね、最後に観覧車乗ろう」
「そこでだからって論理はわかんねえけど、アホ子ちゃんが乗りたいって言うんだったら乗りましょ?」
「何よぉ!アホ子って言わないでよバ快斗!!快斗が乗らないって言うんだったら、青子で一人で乗ってくるから」
いつもののりに戻ると思ったら青子はそう言ってオレの手を放して一人でさっさと観覧車の方へと歩き出す。
「だー、待ってって!誰が乗らないって言ったよ」
「バ快斗」
………かなりご機嫌斜めなようで。
「…………………………アホ子って呼んでごめんなさい」
「最初っからそうすれば良かったんだよ。行こ、快斗」
その言葉にうなずいてオレは青子の手を取って観覧車乗り場へと向かった。
のんびりと上に上がっていくゴンドラ。
1周10分ぐらいの観覧車。
青子は一人外の景色を見ている。
こう自分たちが住む街を見下ろす事なんてそうそう無いから。
「ガキみてー」
「どっかの誰かさんはいつもハンググライダーで空飛んでみてるから見飽きてるかも知れないけどねぇ、青子は滅多にみれないんだからね」
言葉の端々がきついですよ、青子さん…。
それ持ち出されたら反論できねぇじゃねぇか。
「ワリィ」
謝ればこっちを不満げな表情で見る。
「別に、怒ってないもん」
「怒ってるじゃん」
声にからかい含ませれば
「怒ってないもん!!」
とこっちを見る。
呼べばやだって首振るだろうから言う前に自分から動く。
「ちょ、快斗!!!」
「誰も見てねぇって」
もうすぐで頂上。
青子を抱きしめたって、ばれやしない。
「青子」
「やだ」
「青子こっち向いて」
「や」
「青子〜」
仕方ないから見えてる素肌に唇を落とす。
「快斗のバカ!!エッチ!!」
「オレがエッチなのは仕様だから諦めろ!」
「やだ」
「じゃあ、こっち向いて」
「もう、降りてきてるからやだ」
「じゃあ、もう一周」
「バ快斗」
「はいはい、アホ子ちゃんの言う通りです」
「知らない」
「じゃあ、勝手にさせて貰う」
だから、係のお兄さん、俺たち、もう1周ね。
**後書き:4巻発売前祝いの快青。