** Fly to me:music by 鬼束ちひろ / スーパーロボット大戦OG
「アタシを可愛いなんて言ってくれた奴をあんたが初めてだよ」
「…な、何を」
「それに、あんた結構いい男だしね」
「っっ」
…テスラ・ライヒ研究所でも良かったんだけど、親父が捨てたあの場所に行くのはちょっとだけ気が引けた。
って、アタシが悪い訳じゃないじゃん。
あれは全部親父のせいだ!!!
ここで、主張したってしょうがない。
「お互い、変な親父持つと大変だよな」
マオ社で整備させて欲しいとリン社長に言ったとき、イルムがくだらないこと言った。
くだらないって言うか、思いっきり事実だから、思わず脱力しただけ。
ジョナサンも案外いい加減だ。
イルムよりいい加減だって思うときもある。
小さな頃から知ってるアタシはリン社長にいろいろ告げ口して、イルムが大あわてで謝るのも面白い。
リョウトもリオも出向からマオ社の方にきた。
元通りの日常。
…なのかな?
始まった日常と言った方が良いのかも知れない。
戦いの日々の間の休息かも知れない。
「マサキはどうしたの?」
「ヴィレッタ」
彼女は声を掛けるまで気配を絶つ。
「これは癖よ」
そう言いのけるヴィレッタは元々どこかの工作員でもやってたような気がする。
「てっきり、あなたはマサキと一緒にシュウ・シラカワを追うものだと思ってたわ」
「アタシには理由が無い」
追う理由はない。
信用はしてないけれど。
あいつはDCの面々のなかで一番うさんくさかったと思う。
アードラーも案外うさんくさかったけれど。
それ以上だ。
得体の知れないって言うか。
「マサキの事好きなんでしょ?」
「び、ヴィレッタ。あんたがそんなこと言うとは思いもしなかったよ…」
意外な台詞。
ヴィレッタから聞けるとは思わなかった。
「あいつにはあいつの目的があるから、その目的をアタシははっきりと知らない。こういう場合一人で探した方が効率が良いって事もあるしね」
「彼、方向音痴だけどね」
あ、はははそうだった。
「で用はそれだけ?」
「用が無いのなら、ちょっとつきあって欲しいところがある。時間が出来たら話だけでも聞いて欲しい」
厳しい表情を見せて彼女は格納庫より出て行く。
なんだろう…。
何かあるのかな。
ヴィレッタは戦闘になると表情が変わる。
普段は柔和なんだけどな。
…………。
あんまり、思い出さないようにしてたんだけどな。
マサキのこと。
あいつの事考えようとしないで居たんだけどな。
あいつにはやることあるし、アタシにもまだあった。
DCの残党。
あいつらはまだ何かをやらかそうとしている。
アードラーが死んだって言うこと知らないし。
バンも居る。
「泣き笑いの顔で泣いてんじゃねえよ」
DCとの決着の後…。
みんなと笑いながら居たとき、マサキがアタシに言ったんだ。
アタシの腕を引いて、皆から離れて。
アタシにしか聞こえないぐらいの声で。
面白いから涙が出てるんだって言おうとしたら
「気が抜けたんじゃねえのか?」
そう言ってその場から離れて誰もいないところに連れてかれた。
どこって聞いたら
「迷った」
って苦虫を噛みつぶしたような顔して言うから。
アタシは思わず笑ってしまった。
「だから、泣きながら笑ってんじゃねえよ。しょ、しょうがねえから、肩かしてやるよ」
そう言って照れた顔するから嫌がらせ(って言う訳じゃないけれど)思いっきり胸借りて泣いてしまった。
マサキの言うとおりだと思う。
気が抜けたんだと思う。
でも、気づかれたくなかったんだよね、マサキには。
でも、気づかれたかったのかな、マサキには。
矛盾してるけどさ。
今まで修行一辺倒で今までそこら中の人に可愛くないって言われて、マサキが言ってくれて。
人を好きになるのってこういう事かな?
弱いとこ見せたくないけど、弱いとこ気づいて欲しいって言うか?
アハハハ、なんかガラじゃないなぁ〜。
コクピットの中で笑ってしまった。
外じゃなくて良かったかな?
調整、整備を終了させ、アタシはヴァルシオーネから降りる。
「いつか、またマサキに会えるかな?」
なんて思いながら、ヴィレッタに呼ばれてることを思い出してその場を後にする。
マオ社の窓から見える地球は青くて、親父が護りたいと言った気持ちを改めて理解して、もう一回
「マサキに逢いたいなぁ」
なんて思った。
その再会が近いとも知らないで。
「…な、何を」
「それに、あんた結構いい男だしね」
「っっ」
******
月のマオ・インダストリー社を借りてアタシはヴァルシオーネの整備を行なう。…テスラ・ライヒ研究所でも良かったんだけど、親父が捨てたあの場所に行くのはちょっとだけ気が引けた。
って、アタシが悪い訳じゃないじゃん。
あれは全部親父のせいだ!!!
ここで、主張したってしょうがない。
「お互い、変な親父持つと大変だよな」
マオ社で整備させて欲しいとリン社長に言ったとき、イルムがくだらないこと言った。
くだらないって言うか、思いっきり事実だから、思わず脱力しただけ。
ジョナサンも案外いい加減だ。
イルムよりいい加減だって思うときもある。
小さな頃から知ってるアタシはリン社長にいろいろ告げ口して、イルムが大あわてで謝るのも面白い。
リョウトもリオも出向からマオ社の方にきた。
元通りの日常。
…なのかな?
始まった日常と言った方が良いのかも知れない。
戦いの日々の間の休息かも知れない。
「マサキはどうしたの?」
「ヴィレッタ」
彼女は声を掛けるまで気配を絶つ。
「これは癖よ」
そう言いのけるヴィレッタは元々どこかの工作員でもやってたような気がする。
「てっきり、あなたはマサキと一緒にシュウ・シラカワを追うものだと思ってたわ」
「アタシには理由が無い」
追う理由はない。
信用はしてないけれど。
あいつはDCの面々のなかで一番うさんくさかったと思う。
アードラーも案外うさんくさかったけれど。
それ以上だ。
得体の知れないって言うか。
「マサキの事好きなんでしょ?」
「び、ヴィレッタ。あんたがそんなこと言うとは思いもしなかったよ…」
意外な台詞。
ヴィレッタから聞けるとは思わなかった。
「あいつにはあいつの目的があるから、その目的をアタシははっきりと知らない。こういう場合一人で探した方が効率が良いって事もあるしね」
「彼、方向音痴だけどね」
あ、はははそうだった。
「で用はそれだけ?」
「用が無いのなら、ちょっとつきあって欲しいところがある。時間が出来たら話だけでも聞いて欲しい」
厳しい表情を見せて彼女は格納庫より出て行く。
なんだろう…。
何かあるのかな。
ヴィレッタは戦闘になると表情が変わる。
普段は柔和なんだけどな。
…………。
あんまり、思い出さないようにしてたんだけどな。
マサキのこと。
あいつの事考えようとしないで居たんだけどな。
あいつにはやることあるし、アタシにもまだあった。
DCの残党。
あいつらはまだ何かをやらかそうとしている。
アードラーが死んだって言うこと知らないし。
バンも居る。
「泣き笑いの顔で泣いてんじゃねえよ」
DCとの決着の後…。
みんなと笑いながら居たとき、マサキがアタシに言ったんだ。
アタシの腕を引いて、皆から離れて。
アタシにしか聞こえないぐらいの声で。
面白いから涙が出てるんだって言おうとしたら
「気が抜けたんじゃねえのか?」
そう言ってその場から離れて誰もいないところに連れてかれた。
どこって聞いたら
「迷った」
って苦虫を噛みつぶしたような顔して言うから。
アタシは思わず笑ってしまった。
「だから、泣きながら笑ってんじゃねえよ。しょ、しょうがねえから、肩かしてやるよ」
そう言って照れた顔するから嫌がらせ(って言う訳じゃないけれど)思いっきり胸借りて泣いてしまった。
マサキの言うとおりだと思う。
気が抜けたんだと思う。
でも、気づかれたくなかったんだよね、マサキには。
でも、気づかれたかったのかな、マサキには。
矛盾してるけどさ。
今まで修行一辺倒で今までそこら中の人に可愛くないって言われて、マサキが言ってくれて。
人を好きになるのってこういう事かな?
弱いとこ見せたくないけど、弱いとこ気づいて欲しいって言うか?
アハハハ、なんかガラじゃないなぁ〜。
コクピットの中で笑ってしまった。
外じゃなくて良かったかな?
調整、整備を終了させ、アタシはヴァルシオーネから降りる。
「いつか、またマサキに会えるかな?」
なんて思いながら、ヴィレッタに呼ばれてることを思い出してその場を後にする。
マオ社の窓から見える地球は青くて、親父が護りたいと言った気持ちを改めて理解して、もう一回
「マサキに逢いたいなぁ」
なんて思った。
その再会が近いとも知らないで。
**後書き:OG1とOG2の間の話。
スパロボアニメにおいて冒頭の会話でマサキが頬染めました記念。
マサキとリューネは一緒になって出てくるよ記念。
マサリュー(シーン&ファン)増えたらいいなぁ祈願。
スパロボアニメにおいて冒頭の会話でマサキが頬染めました記念。
マサキとリューネは一緒になって出てくるよ記念。
マサリュー(シーン&ファン)増えたらいいなぁ祈願。