** Rhythm Red Beat Black:music by TMN / CITY HUNTER
「嘘つき」
そう言えば、あなたは困った顔をする。
困り顔で微笑んで、あたしを逆に困らせる。
あなたのそう言うところ、嫌いよ。
毒々しいほどの赤いのは熟成された証。
香りを楽しむように一口含めば味と香りが口いっぱいに漂う。
「ねぇ、今日は帰らなくていいんでしょう?」
「…冴子」
困らせるように言えば、ホントに困った顔する。
槇村はウソをつけない人。
事件解決のためには表情を変えることをしない人が、こういうプライベートに関してはくるくると表情を変える。
主に『妹』の話をするときだけ。
「どれだけ、あたしがやきもち妬いてるのか知ってるかしら?」
なんて言えたらどれだけいいか。
隙なんてないのよ?
なんて演じてるのは、見た目隙だらけの槇村よりも全身をブランドモノで防御しているあたしの方なのかも知れない。
「冴子、酔ったか?」
「そんなことあるわけ無いじゃない」
「お前は、酔うと饒舌になる」
「そんなこと無いわよ。でも、それって誰でもじゃない?槇村も酔ったら饒舌になるわ。妹さんの事とかね」
たまにはあたしのことを呟いても罰は当たらないと思う。
「仕事、どうするの?」
酔わなきゃ聞けない事は本音か、飾り言か。
槇村が辞表をだした。
特捜課で有能な刑事。
今は警部補だけれども、特別推薦枠で警部になれたはずなのに。
キャリア持ちほどエリートコースを歩めるわけでは無いけれど。
それでも、それなりの出世が望めたはず。
「冴子、お前には済まないと…思っている」
「そう思うんだったら、昇進試験受けてプロポーズしてよ」
そう叫んだって許されるだろう。
それでも、槇村は自分の信念をつらぬいて、仕事を辞めた。
「すまない」
謝る理由は、分かってる。
『サエバリョウ』という男。
槇村と気が合う、裏の世界の男。
「妬けちゃうわね」
聞こえないように呟く。
相容れてはいけない顔を持つ男に、そんな感情を抱く。
「今日は、冴子の好きなようにつきあうよ」
と、槇村は言う。
槇村に聞かれてしまったらしい。
「いいわよ、妹さん心配でしょ?」
「大丈夫、1日ぐらい。どうせ今日は残業だから警視庁に泊まるって連絡すれば香も納得するだろう」
と言って槇村はあたしの方を見る。
そうやってあたしを優先してくれるのは今日だけなんだろうなと思わず考えながらワインを飲む。
「今日は、お兄さんお借りするわね」
心の中で呟いて槇村の腕に自分の腕を絡めた。
そう言えば、あなたは困った顔をする。
困り顔で微笑んで、あたしを逆に困らせる。
あなたのそう言うところ、嫌いよ。
******
そのホテルの最上階のカクテルバーで飲むのは珍しくワイン。毒々しいほどの赤いのは熟成された証。
香りを楽しむように一口含めば味と香りが口いっぱいに漂う。
「ねぇ、今日は帰らなくていいんでしょう?」
「…冴子」
困らせるように言えば、ホントに困った顔する。
槇村はウソをつけない人。
事件解決のためには表情を変えることをしない人が、こういうプライベートに関してはくるくると表情を変える。
主に『妹』の話をするときだけ。
「どれだけ、あたしがやきもち妬いてるのか知ってるかしら?」
なんて言えたらどれだけいいか。
隙なんてないのよ?
なんて演じてるのは、見た目隙だらけの槇村よりも全身をブランドモノで防御しているあたしの方なのかも知れない。
「冴子、酔ったか?」
「そんなことあるわけ無いじゃない」
「お前は、酔うと饒舌になる」
「そんなこと無いわよ。でも、それって誰でもじゃない?槇村も酔ったら饒舌になるわ。妹さんの事とかね」
たまにはあたしのことを呟いても罰は当たらないと思う。
「仕事、どうするの?」
酔わなきゃ聞けない事は本音か、飾り言か。
槇村が辞表をだした。
特捜課で有能な刑事。
今は警部補だけれども、特別推薦枠で警部になれたはずなのに。
キャリア持ちほどエリートコースを歩めるわけでは無いけれど。
それでも、それなりの出世が望めたはず。
「冴子、お前には済まないと…思っている」
「そう思うんだったら、昇進試験受けてプロポーズしてよ」
そう叫んだって許されるだろう。
それでも、槇村は自分の信念をつらぬいて、仕事を辞めた。
「すまない」
謝る理由は、分かってる。
『サエバリョウ』という男。
槇村と気が合う、裏の世界の男。
「妬けちゃうわね」
聞こえないように呟く。
相容れてはいけない顔を持つ男に、そんな感情を抱く。
「今日は、冴子の好きなようにつきあうよ」
と、槇村は言う。
槇村に聞かれてしまったらしい。
「いいわよ、妹さん心配でしょ?」
「大丈夫、1日ぐらい。どうせ今日は残業だから警視庁に泊まるって連絡すれば香も納得するだろう」
と言って槇村はあたしの方を見る。
そうやってあたしを優先してくれるのは今日だけなんだろうなと思わず考えながらワインを飲む。
「今日は、お兄さんお借りするわね」
心の中で呟いて槇村の腕に自分の腕を絡めた。
**後書き:突発ノートに書いていたとき少し言葉が足らなかった気がするので(眠さ爆発だったのです。iTuneで小説〜は、ほとんどが0時にランダム掛けて、かかった曲になってます)付け足しました。
撩の所ぐらいですが。
撩の所ぐらいですが。