** どんないいこと:music by SMAP / 銀魂
「姉御、どうしたアルか?」
「何でもないわ、神楽ちゃん」
そう、隣の少女の問いに答えた。
「本当ね」
「傘、持ってくれば良かったアルな。雨降らないと思って持ってこなかったアルよ」
常時、傘を持たなければならない少女は、外に出ないのだからということで傘を持ってきていない。
移動にはタクシーを使って、買い物三昧だ。
弟と、彼女の雇い主がろくでもない男で、常時そのろくでもない男にひっついている彼女は女性と買い物にいく機会が私が作らない限りない。
下に住んでいる人は、女性…と言っても問題無いわけではないけれど、年頃と言うには問題があるわけで。
剣道道場の師範という役目を持つ私は、思春期というモノを剣に費やしてきたわけで。
身近な同世代と言えば、男ばっかりで。
神楽ちゃんの様な子と一緒に買い物するのは楽しい。
彼女が少し、常識から外れていたとしても。
「銀さん、迎えに来てくれればいいけれど…」
「銀ちゃんは当てにならないアル。いつもジャンプ読んでて糖分とってるある」
「弟の雇い主がそんなんじゃ困るわねぇ」
「ホントアル〜」
なんて、悪口いうのは、挨拶のようなものだ。
タクシーを待つ列は長い。
「バスで帰ろうかしら…」
と思ったけれど、彼女の住む万事屋に行くには、バスを使うよりタクシーを使った方が楽だ。
かぶき町はバスよりタクシーの方が便利な街だし。
「しかたないわ、タクシー待ちましょう」
「分かったアル。帰ったら姉御、一緒にはーげんだっつ食べるアル」
「そうね」
タクシーを待つ列に入って、通りを眺める。
屋根がある所だから濡れなくても済むけれど。
反対車線では事故か何かがあったのか交通整理をしている。
そして、見覚えのある隊士服。
「何あるか?」
「さぁ、事故があったのかしら」
「あ、真撰組アル。姉御、ゴリラにあっておくって貰うアル。そうすれば楽ネ」
「こんな雨なのに、ゴリラに合わなきゃならないの?湿気だらけでうっとうしいじゃない」
「…そうアルな。姉御の言うとおりネ。我慢してタクシー待つアルよ」
神楽ちゃんがため息ついてうつむいて。
何ともなしに視線を向ける。
眼光鋭い、あの人の副官が…視線を向けて頭を下げた気がした。
「……気づいたのかしら?」
こちらもかすかに頭を下げる。
『送りますか?』
『いいえ、大丈夫』
そう会話して、タクシーに乗り込む。
「姉御、なんか楽しそうヨ」
「そう?そうだとしたら、このあとにおじゃましてはーげんだっつを食べるからかしら?」
そう、答えた。
雨は、かぶき町に近づくにつれやみ始める。
あの一帯だけだったのだと、万事屋について気がついた。
「何でもないわ、神楽ちゃん」
そう、隣の少女の問いに答えた。
******
「急に降ってきてビックリしたヨ」「本当ね」
「傘、持ってくれば良かったアルな。雨降らないと思って持ってこなかったアルよ」
常時、傘を持たなければならない少女は、外に出ないのだからということで傘を持ってきていない。
移動にはタクシーを使って、買い物三昧だ。
弟と、彼女の雇い主がろくでもない男で、常時そのろくでもない男にひっついている彼女は女性と買い物にいく機会が私が作らない限りない。
下に住んでいる人は、女性…と言っても問題無いわけではないけれど、年頃と言うには問題があるわけで。
剣道道場の師範という役目を持つ私は、思春期というモノを剣に費やしてきたわけで。
身近な同世代と言えば、男ばっかりで。
神楽ちゃんの様な子と一緒に買い物するのは楽しい。
彼女が少し、常識から外れていたとしても。
「銀さん、迎えに来てくれればいいけれど…」
「銀ちゃんは当てにならないアル。いつもジャンプ読んでて糖分とってるある」
「弟の雇い主がそんなんじゃ困るわねぇ」
「ホントアル〜」
なんて、悪口いうのは、挨拶のようなものだ。
タクシーを待つ列は長い。
「バスで帰ろうかしら…」
と思ったけれど、彼女の住む万事屋に行くには、バスを使うよりタクシーを使った方が楽だ。
かぶき町はバスよりタクシーの方が便利な街だし。
「しかたないわ、タクシー待ちましょう」
「分かったアル。帰ったら姉御、一緒にはーげんだっつ食べるアル」
「そうね」
タクシーを待つ列に入って、通りを眺める。
屋根がある所だから濡れなくても済むけれど。
反対車線では事故か何かがあったのか交通整理をしている。
そして、見覚えのある隊士服。
「何あるか?」
「さぁ、事故があったのかしら」
「あ、真撰組アル。姉御、ゴリラにあっておくって貰うアル。そうすれば楽ネ」
「こんな雨なのに、ゴリラに合わなきゃならないの?湿気だらけでうっとうしいじゃない」
「…そうアルな。姉御の言うとおりネ。我慢してタクシー待つアルよ」
神楽ちゃんがため息ついてうつむいて。
何ともなしに視線を向ける。
眼光鋭い、あの人の副官が…視線を向けて頭を下げた気がした。
「……気づいたのかしら?」
こちらもかすかに頭を下げる。
『送りますか?』
『いいえ、大丈夫』
そう会話して、タクシーに乗り込む。
「姉御、なんか楽しそうヨ」
「そう?そうだとしたら、このあとにおじゃましてはーげんだっつを食べるからかしら?」
そう、答えた。
雨は、かぶき町に近づくにつれやみ始める。
あの一帯だけだったのだと、万事屋について気がついた。
**後書き:姉御でしっとりと。
土妙ちっくに。分かりづらいぐらい土妙ちっく。
土方の名前すら出てないっつーのにな。
土妙ちっくに。分かりづらいぐらい土妙ちっく。
土方の名前すら出てないっつーのにな。