** Keep Tryin':music by 宇多田ヒカル / オリジナル(under the sky)
修行だって、大変なの。
これ、絶対普通の魔法使いやんない!!
家で見たこと無いもん。
だからやっぱり師匠はスチャラカエルフ王なのよ。
入った宿屋で、シュウは飲み物片手に言う。
「う、うーん」
「シェリー?妙に歯切れ悪くネェ?」
「う、んー………」
何とも言いたくないあたしにゼンも聞いてくる。
「何があったんですか?」
あったって言うか、なんて言うか…。
「魔法使いになるのがあんなに大変だなんて思いもしなかったって言うか…想像もつかなかったって言うか…」
「は?」
声をそろえてシュウとゼンは言う。
「大変…まぁ、大変と言えば大変ですが…、想像もつかないほどじゃないでしょう?」
「…魔法の訓練なんてどこも一緒だろ?うちでも見てたじゃネェか」
うん、あぁいうものだと思ってたんだけど…。
体力作りとかはあると思ってたんだけど。
なんて言うか、貯蓄の仕方?
「は?貯蓄?」
「野宿の仕方とか」
「野宿の仕方…ですか?」
「賢く、サバイバルを生き抜く方法とか…」
「……………マジかよ」
「何考えてるんですかあの人は」
あたしだって言いたくなかったわよ、こんなこと。
想像もしてなかったわよ。
魔法使いに体力は必要。
それは知ってる。
魔法使いは世間知らずになりやすいから世間のお勉強も必要、それも分かってる。
だけど、だけど!!!
「体力作りに無人島1週間生活!とか、商店街に行って無人島で得た宝売りさばくとか普通魔法使いがする?あり得ないと思ったわよ!!!」
「……あとで、シメテオキマショウ」
………いや、しめなくていいから…。
「で、ホントにやったのか?」
「やったわよ、連れてかれたんだから!転移関係の呪文、封じられちゃってるし、逃げ出しようないし、必死になってやったわよ!!!〜〜」
おかげで、今、ここで生きてるけどさ。
「苦労したんだな」
ゼン、お願いだからしみじみ言わないで。
はぁ、泣きたかったわよ。
泣きついても助けてくれない人だって言うのは分かってたしさ。
「やっぱり、私が師事するべきでした。ゴルドバになんて行かせるんじゃなかった…」
そう言ってシュウは頭を抱える。
それは、嬉しいけどね。
スチャラカ王のクゼル様より、昔から知ってるシュウの方が気が楽だもん。
……魔王だから厳しいかも知んないけど。
「でも、そのときゼンだって修行だったでしょ?どっちみち無理じゃない」
そう、あたしが修行していた期間、ゼンは魔法剣士の修行で外に行ってたんだから。
ゼンと一緒のシュウだって、同じ事。
「実際問題、修行に行かなくても平気だったんだけどさ」
「アルタロトリー工房(ゼンの剣を作ったところ)の紹介状を貰うには修行に出ないと無理だったんですよ」
そうだったんだ。
知らなかったよ…。
「どっちみち、あの人に当たってしまったのがまずかったって事でしょうね」
「いや、親父達がクゼル王にしたのかも知んないぜ?」
「……その可能性は、ありますね」
ゼンの父親は魔法協会の会長…。
どっちみちクゼル様以外無かったのかも知れない。
はぁ。
「ご苦労様でしたね」
「ありがとシュウ」
なんだか、シュウの言葉がものすごく身にしみた。
実家の占い師つがないで、魔法使いなんて選んじゃったせいかもこの苦労って。
なんて、思わず思ってしまった。
これ、絶対普通の魔法使いやんない!!
家で見たこと無いもん。
だからやっぱり師匠はスチャラカエルフ王なのよ。
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「シェリー、そう言えば、修行の話聞いてませんでしたが…、どうだったんですか?一応、エルフ王ですからいい加減な事は教えないでしょうが…、クゼル・ライエンですからね…」入った宿屋で、シュウは飲み物片手に言う。
「う、うーん」
「シェリー?妙に歯切れ悪くネェ?」
「う、んー………」
何とも言いたくないあたしにゼンも聞いてくる。
「何があったんですか?」
あったって言うか、なんて言うか…。
「魔法使いになるのがあんなに大変だなんて思いもしなかったって言うか…想像もつかなかったって言うか…」
「は?」
声をそろえてシュウとゼンは言う。
「大変…まぁ、大変と言えば大変ですが…、想像もつかないほどじゃないでしょう?」
「…魔法の訓練なんてどこも一緒だろ?うちでも見てたじゃネェか」
うん、あぁいうものだと思ってたんだけど…。
体力作りとかはあると思ってたんだけど。
なんて言うか、貯蓄の仕方?
「は?貯蓄?」
「野宿の仕方とか」
「野宿の仕方…ですか?」
「賢く、サバイバルを生き抜く方法とか…」
「……………マジかよ」
「何考えてるんですかあの人は」
あたしだって言いたくなかったわよ、こんなこと。
想像もしてなかったわよ。
魔法使いに体力は必要。
それは知ってる。
魔法使いは世間知らずになりやすいから世間のお勉強も必要、それも分かってる。
だけど、だけど!!!
「体力作りに無人島1週間生活!とか、商店街に行って無人島で得た宝売りさばくとか普通魔法使いがする?あり得ないと思ったわよ!!!」
「……あとで、シメテオキマショウ」
………いや、しめなくていいから…。
「で、ホントにやったのか?」
「やったわよ、連れてかれたんだから!転移関係の呪文、封じられちゃってるし、逃げ出しようないし、必死になってやったわよ!!!〜〜」
おかげで、今、ここで生きてるけどさ。
「苦労したんだな」
ゼン、お願いだからしみじみ言わないで。
はぁ、泣きたかったわよ。
泣きついても助けてくれない人だって言うのは分かってたしさ。
「やっぱり、私が師事するべきでした。ゴルドバになんて行かせるんじゃなかった…」
そう言ってシュウは頭を抱える。
それは、嬉しいけどね。
スチャラカ王のクゼル様より、昔から知ってるシュウの方が気が楽だもん。
……魔王だから厳しいかも知んないけど。
「でも、そのときゼンだって修行だったでしょ?どっちみち無理じゃない」
そう、あたしが修行していた期間、ゼンは魔法剣士の修行で外に行ってたんだから。
ゼンと一緒のシュウだって、同じ事。
「実際問題、修行に行かなくても平気だったんだけどさ」
「アルタロトリー工房(ゼンの剣を作ったところ)の紹介状を貰うには修行に出ないと無理だったんですよ」
そうだったんだ。
知らなかったよ…。
「どっちみち、あの人に当たってしまったのがまずかったって事でしょうね」
「いや、親父達がクゼル王にしたのかも知んないぜ?」
「……その可能性は、ありますね」
ゼンの父親は魔法協会の会長…。
どっちみちクゼル様以外無かったのかも知れない。
はぁ。
「ご苦労様でしたね」
「ありがとシュウ」
なんだか、シュウの言葉がものすごく身にしみた。
実家の占い師つがないで、魔法使いなんて選んじゃったせいかもこの苦労って。
なんて、思わず思ってしまった。
**後書き:インスピレーションのたまもの。曲の雰囲気だけで、書き始めました。
スチャラカというよりもでたらめクゼル王。
彼の出たらめっぷりは今後も出てくるでしょう…。
4つも偽名もって実家(で良いのか?)から逃げ回ってる人ですから。
スチャラカというよりもでたらめクゼル王。
彼の出たらめっぷりは今後も出てくるでしょう…。
4つも偽名もって実家(で良いのか?)から逃げ回ってる人ですから。