戦うことを決めたのに。
進むことを決めたのに。
どうしていないんだろう…。
「大丈夫?」
「はい」
尋ねる雰囲気はまるで違う。
いつも笑顔を見せていた彼女とまるで違う。
それでも同じだと、かの魔女は言う。
「根底は一緒よ。考え方も、行動パターンも。あなたも彼女を見ていればわかるわ」
そういった魔女の言葉は正しい。
違うのに、行動は一緒。
どこか抜けてることも、無茶するところも、全部一緒。
違うところを見つけて関心して同じところを見つけて感動する。
どうして、ここにいるのに、彼女はいないんだろう。
そこまで考えてため息をついた。
彼女も同じことを思っているはずだ。
俺に対して。
同じなのに違う。
もしかすると俺よりひどいのかもしれない。
彼女は目の前で『もう一人の俺』が変化したことを見た。
変わっていく様を目の前で、起こした惨劇を。
だから余計に戸惑う。
考えることは一緒なのに…。
俺とあいつは同じで違う。
彼女と彼女は同じで違う。
分かってるはずなのに、分かってるはずなのに、納得できない。
本当だったら、俺は彼女と同じ中学に行って、それから………。
本当だったら彼女と俺はあの国で平穏に暮らしてそれから……。
違う次元なのに、一緒にいることは当たり前だったはずなのに。
「それでも、俺は守ると決めた」
「力入りすぎんだよ」
そう言った黒鋼に酒を勧められる。
飲んでもいいのかな…。
一応未成年なんだけどなぁ………。
「今は、ここを抜けることだけを考えろ」
「分かってる」
黒鋼の言葉に俺はうなずいた。
立ち止まっている暇はない。
うずくまってる暇もない。
「息抜きも必要なんだよ」
そういった黒鋼の言葉にもう一度うなずいて、酒を飲むことに決めた。
……小学3年生の小狼じゃない気がするんだよね。
最初はサクラで書いてたんだけど、小狼もおんなじこと思ってるっぽいなぁと思って小狼サイドに変更。