キミはやっぱり泣くんだろうか。
遠い彼方で美しく輝く白い星。
銀河を統べる女王はどういう人なんだろう。
向かった星で出会った彼の人はとても泣き虫で、目が離せない女の子だった。
時間が変わった今でもキミはとても泣き虫で目が離せないんだろうか……。
「初めまして、ちびうさちゃん」
「………」
ちびうさがたまたま近くにいたので、彼女を紹介する事にした。
って言うか、なんでボーッとしてるのよっ。
「こんなおしとやかな人……、うさぎとなんか付き合っちゃダメだよ。うさぎってばおっちょこちょいでドジで泣き虫なんだからっ」
「あのねぇ、あんたねぇ、そこまで言うことないでしょう?」
自分でも分かってるけどっ。
ちびうさにまで言われたくない。
「うさぎさんはとてもステキな方よ。ご挨拶が遅れましたわ」
「知ってる、キンモク星の火球王女でしょ?」
なんで、ちびうさが知ってるの?会ってったっけ?
「会ってないよ。ママがね」
あぁ、そう言うことか。
30世紀の未来でも火球王女と会えてるんだ。
なんか、うれしいな。
「で、こいつは誰?」
火球王女にくっついてきた星野がちびうさを指さして言う。
「星野くん、こいつって言い方やめた方が良いわよ〜」
そうそう、美奈Pの言うとおり、ちびうさ性格悪いもんねぇ。
あたしもまもちゃんも性格良いのにどこでひねくれちゃったんだろう。
「ショック受けるかもね」
何、レイちゃん、ショックって。
「あぁ、確かにアレはショックだね」
分かんないよ、まこちゃん。
「先に、信じられないっていう方が来るんじゃないかしら。ある意味SFだもの」
確かに、あたしたちも最初は信じられなかったよね。
ちびうさが未来から来た〜だなんて。
「うさぎ〜、浮気なんてしてないよね。やめてよね、あたし絶対許さないからね」
「何、こいつ『まもちゃん』が好きなわけ?」
「ちょっと、まもちゃんの事、まもちゃんって勝手に呼ばないでよっ。まもちゃんをまもちゃんって呼んで良いのはあたしが許した人だけなんだから〜〜!!」
って、ちびうさ、それあたしの台詞なんだけど〜〜。
「ちびうさぁ、ちゃんと火球王女に挨拶しなさいよ、いくら知ってるからって挨拶しないのは失礼だよっ」
「は〜い」
うんうん、いやいやだけどちゃんと返事するところはまぁ、許してあげよう。
「火球王女、ごきげんうるわしくぞんじます。私はうさぎ・SL・セレニティと言います。ネオ・クイーン・セレニティ、いやだけど、このバカ面してる月野うさぎとキング・エンディミオン。今はアメリカに留学しちゃったまもちゃんの娘です」
バカ面って何よ!!
あんた、一言余計なのよっ。
「アホヅラの方が良かった?」
「あのねぇ」
「だったら、進路希望、お嫁さんなんて今時小学生でも書かないようなこと書くのやめてよぉ」
な、何でちびうさ知ってるのよ!!!
「育子ママがため息付いてたんだからね〜。大学ぐらいは行って欲しいってっ」
「あたしがいけるような頭じゃないこと知ってるでしょう?」
「あたし、バカな母親欲しくない」
うっっ。
「二人とも、話がずれてるわ。うさぎちゃんの進路については後で成績と一緒にじっくり話しましょう?今は、固まってる星野と火球王女をどうにかする方が先」
亜美ちゃんの言葉に二人を見ればビックリしてる火球王女と星野。
「火球王女?星野?大丈夫?」
「うさぎさん一つお聞きしても?」
うん、いいよ。
「この方は」
こわごわと火球王女はちびうさを見ながら聞いてくる。
ちびうさが言ったことやっぱり分かんないよね。
「あぁ、あたしとまもちゃんの娘。当たり前だけど、今って訳じゃないの。未来のなんだけどね……えへ」
なんか、改めて言うと照れちゃうよね。
「ママと一緒」
「30世紀の未来でもクイーンの反応は今と一緒って訳?」
「うん」
あたしは、あたしだもん。
「娘……なんだ」
星野がなんか元気ない。
「そうだよ、可愛くないけど、………かわいいよね………」
「ちょっと、ちゃんと素直に可愛いでしょって言いなさいよ!!」
「903歳の奴に言いたくないわよ〜〜」
「年言うのやめてよ〜〜。あたしは一応9歳なんだから!!!」
「二人ともっっ、いい加減にしなさい!!!!」
れ、レイちゃん……。
「どうしてそういつもいつも喧嘩ばかりするの」
仕方ないじゃない、ちびうさと話してるとけんかになっちゃうんだもん。
「星野、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫ですよ?プリンセス」
え?
「星野、どっか具合悪いの?大丈夫?」
「………大丈夫……だから」
「そっか。で、分かってくれた?未来には帰るように言ってるんだけどね、クイーンとキングが心配してるはずなんだけどなぁ」
いなくなったらいなくなったでさびしいんだけどね。
やっぱり……。
「そっか……娘か……娘か……」
「ちょっと、あたしはあんたは認めてないから」
つぶいている星野にちびうさは人差し指を向けて言う。
「みとめるって何を?」
「何って……、あんた、浮気しないわよね」
「だからぁ、最初っから言ってるとおり、浮気なんてしないわよっ」
「はるかさんにぐらついた癖に」
「あれは〜」
はるかさんははるかさんでしょ?
「ぐらつくぐらいしてるんじゃない?」
………………………………。
「うさぎ!!!!」
「あの時はあの時だもん。非常時だもん。あの時とは違うもん」
「だと良いけど」
「なに〜その疑いの目は〜〜」
「まぁ、一応信じてあげる。だからあたしがいるんだもんね」
そうよね、だからちびうさがいるんだもんね。
「あたしの未来にあんたはつながってるのよね」
「当たり前でしょ?何寝ぼけたこと言ってるのよ」
ほんと、ちびうさってば一言多い。
「帰ったらママを問い詰めなきゃ」
やめて〜〜いきなり、何言い出すのよ〜〜〜。
「娘………」
「いつまでショック受けてるわけ?星野は」
「さぁ」
期間が終了次第王子様とご結婚です。実はプリンスも来てるらしい?
でも王子様を出す予定はまるでなし。