本日快青是日々平和也
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前編
 アタシは遠山和葉。
 改方学園に通ってる高校生。
 今日は幼なじみで、同級生で、彼氏になった服部平次とデートすることになった。
 そうようやくアタシと平次は彼氏彼女の仲になった。
 長かったなぁ…。
 なんてつい思ってしまう。
 平次は探偵なんかやってて西の名探偵って言われてる。
 そう、西がいるんだから東がいる。
 東の名探偵は平次がライバル視(って言うてるけど…知ってる人間が見ればどうみても熱い視線としか思えへんのやけど!)してる工藤新一君。
 彼もアタシや平次と同い年で…多分平次がライバル視してる理由は同い年で高校生探偵なんて言われてるからじゃないのかな?
 彼は日本警察の救世主とか、平成のホームズとか言われてるんだって。
 でその彼女が毛利蘭ちゃん。
 めちゃくちゃ可愛いんだよね。
 工藤君が事件でどっかに行ってたときつらいのに色々アタシの愚痴に着きあってくれたメッチャいい娘。
 あんなん可愛い娘ほっぽって工藤君ってホンマどこにいっとったんやろ。
 って言うと平次は
「それは言わんとき」
 って言うんだよね…。
 その意味アタシはわからないから……、ちょっと困るんだけどね…。

「和葉、何しとんねん」
 玄関から出てきたアタシに平次は言う。
「そんなに怒らんでもえぇやんか」
 そう反論するアタシに平次はバイクに早く乗れと指示をする。
 分かってるってばぁ。
「何で和葉そんなワンピース何?」
「…えぇやんかワンピースやって」
「風にあおられんよう気いつけや」
 平次の言葉にアタシはうなずく。
「乗ったか?」
 バイクの後ろに乗ったアタシに平次は聞く。
「うん」
「ちゃんと捕まっとき」
「分かってるって」
「ホな、いこか」
「うん」
 と言うわけで、本日アタシと平次は付き合うように(今までとあんま変わらんのやけど…)なってから初めての遊園地デートをすることになりました。
 二人っきりでね。
 場所はYランド。
 めちゃくちゃ可愛くしようと頑張っていたら約束の時間より遅くなってしまったのである。
 ワンピにしたのもその理由。
 バイクに乗るときはだいたいパンツルックなんだけど……。
 やっぱり、可愛くしたいやんか………彼氏の前では……。
 きゃーーーーーーーーーーー彼氏だって。
 もうダメ。
 壊れた!!!
 いつもとあんまり変わらない平次だけど…なんか今日は違く見えんのはやっぱり好きやってはっきりわかったせいやろか……。
 なーんてね。
 ともかくだ、いつもとおんなじ行為をしているはずなのにドキドキしてしまう。
 蘭ちゃんもこんな気持ちだったんだろうなぁ……。
 なんて考えちゃうぐらい今日のアタシはかなり余裕がある。
 いつもは平次ってアタシのことどう思ってるんだろうに集約されてしまうんだけど。
 はっきりと平次の気持ち分かったときは嬉しかったなぁ……。
 えへ。
 顔、真っ赤にして(浅黒いからわからへんやんかって言う突っ込みはなしやで)告白してるのを見たときはおもろかったし……。
 ってココで面白がってたらあかんやんか……。
 ともかく、アタシと平次はバイクにまたがり一路Yランドへと向かったのでした。
「よぉ、乗ったなぁ」
 お昼時。
 Yランド内にあるレストランのイスに座るなり平次は言う。
「そうやねぇ」
 アタシ達が午前中で遊んだアトラクションを数える平次を見ながらアタシは賛同する。
 今日は実は平日。
 学校は創立記念日で休みなあたし達は混雑に全くと言っていいほど邪魔されずアトラクションを堪能することが出来ている。
 やっぱり遊園地は待たされないで乗れる平日に来るのが一番。
「せやけどすいてて良かったなぁ」
「ホンマや。新しく出来たばっかりの遊園地言うても平日にはあんまり人おらへんしな。」
 そう、この遊園地実は2週間前にオープンしたばっかりなのだ。
 学校でもかなり噂になっており、京阪神地区の新たなデートスポットとしてテレビにも紹介されていたのである。
「この分やったら完璧乗り放題やな、元取りまくりや」
 と平次はにっこにこ顔で言う。
 そう一日パスポートを買ったアタシ達は十分に遊園地を堪能出来ている。
「平次、ありがとね」
「な、なにがや」
 アタシの言葉に平次は戸惑う。
「…ココに連れてきてくれたことに決まっとるやろ」
「あ、アホ…いきなり言うなや。先に誘ったんは和葉やないか」
 そう言って平次は顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。
 デートしようと言ったのはアタシだけど、ここに来ようと言ったのは実は平次なんだ。
「せやけど…、ここの遊園地にしよ言うたのは平次やろ、アタシ…嬉しかったんよ」
「そん何こというなや……。調子くるうやろ」
「調子くるう平次なんか見物やねぇ」
「アホ…何言うてんねん」
 そう言って平次はますます顔を赤くする。
 ホンマ、つきあうようになってから、ちゃう、好きやって分かってから良いことばっかりやで。
 へへヘへ。
 後で蘭ちゃんとこにでも電話しよ。
 聞いてもらうんだぁ!!!
「お客様、相席でよろしいですか?」
 突然ウェイターに声をかけられる。
「相席?別にえぇけど……」
 とウェイターさんの後ろにいたのは
「和葉ちゃんと服部君…だっけ?」
 と蘭ちゃん…にそっくりにな女の子。
「西の名探偵じゃん」
 と工藤君…にそっくりな男の子。
「あぁ、蘭ねーちゃんと工藤にそっくりな…二人組みや」
「中森青子ちゃんと黒羽快斗君やったよね。堪忍な、アホな平次が名前覚えとらんで」
「大丈夫、気にしてないよ」
 そう言ったあと青子ちゃんと黒羽君はイスに座る。
 その後メニューを選び、他愛もない会話をしながら食事をしていると突然平次が言った。
「黒羽、すまんな」
「な、何がだよ」
「前、犯罪を肯定しとるように聞こえる言うた事や。言うた後でちょっとだけひどいこと言うたなぁ思うてな」
「別に、服部が悪いわけじゃないぜ」
「んーーーーーーーーーー、快ちゃん」
「は?」
 突然の平次の言葉に黒羽君は驚く。
「そうや、快ちゃんや黒羽は快ちゃんや」
「な、なんだよ急に」
「工藤も黒羽も最初は『く』やろ絶対まちごうてまうと思うんや。せやから黒羽は快ちゃん」
 間違うのは平次だけだって……。
「は、ハハハハハ、変なやつだな、お前って」
「なんやねん、それ」
「良いやつだって事だよ」
 と黒羽君と平次はすっかり意気投合した。
 なんか……ライバルが増えたような気がする。
 工藤君と黒羽君…同じ顔やし…。
 そんなん嫌や。
「そう言えば、この後二人はどうするの?」
 食後のデザートを味わってるとき黒羽君は言う。
「和葉次行くのどこやったっけ」
「ジェットコースターや。平次、ここの」
 そう言ってアタシは遊園地のマップを広げる。
「ホント?青子達も次はここにいこうって言ってたんだよ。どうせだったらみんなで行かない?」
 とアタシと平次の言葉を受け青子ちゃんは言う。
「そうやね、その方が楽しそうやし。平次もえぇよな」
 アタシの言葉に平次はうなずく。
「快斗は?」
「いいよ」
 と言うわけで、アタシ達はお昼を食べ終わった後、次のアトラクションへ向かったのだ。
 何故か話題は工藤君と蘭ちゃんの事になる。
「そう言えば、青子ちゃんって蘭ちゃん達とあそんどんのやろ?」
「うん、この間トロピカルランドで会ったじゃない。あれがきっかけで結構いろんなところに行ってるんだ。買い物も一緒にしたんだよ」
「そう言えば、新一言ってたよ。服部の事」
 快斗君が思いだしたように言う。
「なんてや?」
「カナリ変なやつだって」
「……何言うとんのやあいつは……。そうや、快ちゃん。オレは平ちゃんや!!工藤もオレのこと服部って呼ぶやんか、二人おるときに呼ばれたらどっちがどっちやかわからへんやんか」
「……ってもう新一達と俺達と遊ぶ気でいるのか?」
「当たり前やろ。せっかく友達になったんや。東京行くときは遊ぶでぇ!!!」
 平次って物おじしない性格だよね。
 18年間側にいるけど…改めて思うわ。
「マジで変なやつだな」
 と黒羽君は平次に対してそう感想を持ったのだった。

「怪盗キッドからの予告状が届いた」
 と中森警部は大阪府警の捜査課にいる。
 今回も前回の時同様、大阪府警との合同捜査になるからである。
 もちろん、上司の茶木警視も一緒だ。
「全く忌ま忌ましい怪盗キッドだ!!!予告状を送り付けてきて!!!」
「暗号は解けたのかね中森君」
「今、解読中であります。茶木警視。希望の紫というのは間違いなく現在大阪宝石博物館に展示中の世界最大のアメジスト『パープルホープ』には間違いありません。しかし予告時間および、どこから来るのかが全く」
「取りあえず、今は暗号解読に専念したまえ!!」

 アタシと平次は今大阪宝石博物館に来ている。
 何やら警官がでたり入ったりしているのに平次が事件か!!と思って博物館内に入ったのだ。
「キッドからの予告状ねぇ……」
 知り合いの平塚刑事に平次は何気に不服そうにいう。
 そう、怪盗キッドから大阪宝石博物館に予告状が入ったのだ。
 多分、平次が不服そうなのは…家にキッドからの予告状が入ったと連絡が行かなかったから…。
 アタシの家も同様。
 まぁ、オトンとおじちゃんがでている時に連絡入っても意味ないんだけどね。
「そうや、平ちゃん。どや、平ちゃんもキッドの逮捕につきあわへんか?」
「別にえぇよ。オレも一度はキッドと手合わせたかったんや」
 と平塚刑事の言葉に平次は嬉しそうにいう。
「で、どれがキッドがねろうとるものなん?」
「あぁ、こっちや」
 アタシの言葉に平塚刑事はキッドが狙っている宝石が展示してある場所まで連れていってくれた。
「平塚ハン、予告状見せてくれへんか?」
「ちょっとまっとって。今もろうて来るから」
 その平塚刑事がいった後を見ながら平次は部屋中を眺める。
「……そんなん広うないんやな。で、これがキッドがねろうとるパープルホープ。別名希望の紫」
「めっちゃ大っきいなぁ」
 部屋の中心に置かれているガラスケースの中にとても大きい宝石がどんと置かれている。
「これが世界最大のアメジスト……」
 世界最大のアメジストパープルホープ。
「平次、キッドが狙うのって宝石ばかりやな…」
「そうやな、しかもここ最近、キッドがねろう取るものは大きい宝石ばかりやと…」
 平次はアタシの疑問に答える。
 でもなんで知ってるんだろう。
「何でしってん?」
「工藤から聞いたに決まっとるやろ」
 と平次はさらっという。
 そして、工藤君はキッドが大きい宝石ばかり狙っていることを今疑問に思って調べている最中らしい。
「青子、あれがパープルホープだって」
 と突然声が聞こえる。
 見れば青子ちゃんと黒羽君。
「快ちゃんやないかどないしたんや?」
「青子がさ、この世界最大のアメジストを見たいって言ったからね。来てみたんだよ」
 と黒羽君は答える。
 青子ちゃんは大きいパープルホープに目を奪われている。
「快斗、凄い大っきいねぇ」
「あぁ、そうだな」
 軽く会話をしていると平塚さんがやってきた。
 その後ろには中森警部と…頼りなさ気な男が一人……。
「平ちゃん、もろうて来たで。後、中森警部ハン」
「ありがとな」
「オ、お父さん」
 平塚さんと平次の会話に気がついたのか青子ちゃんがびっくりする。
「青子は快斗君と何で大阪にいるんだ!!」
「あ、遊びに来たんだよ。あ、青子ね、和葉ちゃんに逢いに来たの。青子一人だと迷っちゃうから、快斗に来てもらったの」
「ったく…ふ、二人っきりで泊まってるわけじゃないんだろうなぁ」
「うんうん。違うの大丈夫だよ。うんうん」
「全く、快斗君、青子が迷惑をかけて申し訳ないね」
「い、いえ…大丈夫です」
「なにがやねん…ところで中森ハン、この予告状の暗号は解けたんか?」
 平次は予告状から目をあげふと中森警部に聞く。
「まだ、解けとらんよ。だがな今回は暗号解きのスペシャリストがいるんだよ」
「暗号解きのスペシャリスト?」
「どうも」
 その平次の声に中森警部の隣にいた頼りなさ気な男の人が一歩前にでて挨拶した。
「彼は、先日警視庁ないでやった暗号テストに見事合格した強者なんだよ。ワシと茶木警視が作った暗号を一発で解いたのだ。今回は彼に参加してもらってキッドが作った暗号を解いてもらうことにしたんだ」
 と中森警部は自信たっぷりにいう。
 だけど、カナリ頼りなさ気な暗号解きのスペシャリストだ。
 ホントに大丈夫なのかな?
 これだったら…平次の方が信頼出来ると思うんだけど。
「ふーん。しっかし世紀の魔術師から愚者への挑戦状…なんかやたら挑発しとんのぉ」
「ホンマやね」
 平次に見せてもらった予告状を見ながらアタシはいう。
「明日、智慧ある乙女が時を示すころ天の怒りを買う塔より希望の紫を頂きに上がります…。予告日はしっかり書いて…何で予告時間書かんのんや?」
 平次はそう言ってアタシから予告状を取り一人考え始める。
「警部、あのぉ、オレは通天閣から来ると思うんですが…」
 と突然頼りなさ気な暗号解きのスペシャリストがこれまた頼りなさそうな声で言う。
「通天閣?」
「ハイ、予告状がここに届いたときに花火が通天閣で上がったっていいます。だからやっぱり通天閣かと……」
 とその部屋から見える通天閣に暗号解きのスペシャリストは目線を向ける。
「なるほど…よし、警備を固めろ。ここにもしっかりと警備をまわしておけ。我々も通天閣に向かうぞ!!!」
 と中森警部はいったのだった。
 後に残されたのはもちろんアタシと平次。
 快斗君と青子ちゃんは違う所も観たいからと言っていってしまった。
 で、平次は一人暗号とにらめっこ中。
「平次どないしたん?」
「納得いかへんな」
 平次はそう不満げに言う。
「なんで?」
「あの暗号解きのスペシャリストいうやつが天の怒りを買う塔を通天閣にしたいのも気持ちはわかる。せやけど……どうも納得いかへん」
「天の怒り言うところ」
 アタシの言葉に平次はうなずき言う。
「そや…。それにな。キッドが一度前につこうた場所をまた使う思うか?」
「前?」
 前って何だっけ。
「忘れたんか?メモリーズエッグの時はキッドは通天閣からエッグの場所にいったんやで」
「…そうか……」
「そうやろ…まぁ、暗号解かん限りキッド捕まえることは出来んな」
 そう、前鈴木近代美術館に展示されるはずだったメモリーズエッグは通天閣のてっぺんから中森警部が持っていった場所に怪盗キッドは飛んでいった。
 平次はその事が引っ掛かっているのだ。

「予告状……いつの間にだしたの?」
 青子はオレに聞く。
「昨日の夜…だよ。黙ってたこと怒ってる?」
「別に…さっき電話あったよ…。多分、予告状来ると思ってったって言ってたよ」
 ハハハハ…あいつ、調べまくってたからな。
「それから、多分来ると思うって。ねぇ、わざわざ会いに行ったのってそう言うことじゃないよね」
「バーロ…会えたのは偶然に決まってんだろ」

『世紀の魔術師より愚者への挑戦状。美しき智慧ある乙女が時を示すころ、天の怒りを買う塔より希望の紫を頂きに上がる。怪盗キッド』




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