自分はバカまんがもバカゲーもどっちも好きな人間なのですが、バカまんがの「バカ」とバカゲーの「バカ」はニュアンスとして別物かもしれません。ゲームのバカゲーにあたるまんがはバカまんがではなくギャグまんが(笑えるまんが)で、じゃあバカまんが(ふざけたまんが)のゲーム版はというと多額の開発費用をかけてわざわざふざけたゲームを作るメーカーもないのでダイレクトに対応するものがないようにも思うけど、あえて言えばクソゲーがニュアンスとして近いと思います。ただし好意を込めて呼ばれる場合に限るけど。クソゲーを故意に作るメーカーがいるのかいないのか定かではないけれど。
しかしこのへんの感覚は人それぞれかもしれないなあ。バカまんがとギャグまんがの線引きだって明確ではないような気もするし。
いきなりこんなこと書き出したのは過日バカゲーセンサーがいきなり起動して知りもしないゲームを買ってしまったからです。これで積んであるゲームは3つ。積んである漫画は数えたくない…
とうとう2ヶ月一緒の感想になってしまった。なんだか周回遅れのレーサー気分。
「幽玄漫玉日記」 と「オールナイトライブ」 、さらに「LAZREZ」 が5月号で最終回。「幽玄漫玉日記」は最後の方かなりしんどそうな感じだったけどひと休みふた休みしてまた復帰してくれるでしょう。だって夏に新連載って書いてあるし。唯一創刊以来続いていた「オールナイトライブ」はこの漫画らしくいつもどおりの内容で最終回。こちらも次回作までまたしばし。「LAZREZ」は内容もさることながら竹谷州史の化け方が素晴らしく印象に残る漫画でした。連載陣では敷居の住人も7月号でラスト、このまんがも5年近くになるのだなあ。どういうラストになるのだろうか。
読切連載「少年少女」 は5月号が閉塞したふたりの物語、6月号は人語をしゃべる「宇宙パンダ」を持ち出して、作者ならではの現実と非現実のはざまのおはなし。宇宙パンダに情けはあった、のだろうか。5月号でめでたく初表紙を飾った「エマ」 、エマが引き続きもてもて…ではなくストーリーはシビアな方向に。いつもはすっかり忘れているけど、そう昔は50歳なんてもう晩年だったのだ。今だともう70歳くらいの感覚だろうか。
「よみきり▽もの」 は耳そうじ大好きな話と方向音痴の話。方向音痴ならこちらにも自信があるがそんなことはどうでもよくて、このシリーズってキーワードを入れると漫画が出てくる感じでいくらでも続きそう。作者の気に入るキーワードがたくさんあればの話だけど。
ああちくしょうたくさん書くことがある2号まとめてなんてやるんじゃなかった。「ウルティモ・スーパースター」 がどさ回りプロレスという日常生活と祝祭空間をごちゃごちゃにしたテーマでたいへんいいです。始まったときはどうかしらと思ったけどおみそれしました…というのは実は個人的に前回作と同じパターン。回を重ねるにつれ味が出る、連載向きの作風かもしれません。
読切では5月号にシリーズもの「西蔵童話」 の2回目が。1回目が載ったのはいつだかもう記憶になくて、調べてみたら11ヶ月ぶり。目次の作者コメントに「また近いうちに顔を出しますので、どうかお忘れなく」とあるのを見て、あんたの近いうちはあてにならんと毒づきたくなる(怒っているわけではありません)。まあマイペースで続けてもらえればそれだけで。5月号のシリーズもうひとつ「期末試験前也」 はペットボトルの中で誕生し消える理想少女のおはなし。次回はシリーズ最終回とのことです。6月号の読切「待ち人」(安永知澄)については別記。
5月号…最終回:「幽玄漫玉日記」(桜玉吉)、「オールナイトライブ」(鈴木みそ)、「LAZREZ」(竹谷州史+TKD)
シリーズ読切:「西蔵童話」(仲能健児)、「期末試験前也」(新谷明弘)
6月号…隔月連載:「デンドロ・ロリータ」(小林哲也)
シリーズ読切:「驚異の旅」(摩訶国彦)
読切:「のもたろう」(おおひなたごう)、「彼女」(谷弘兒)、「待ち人」(安永知澄)
「くそがき」「ももこの禁止生活」に続く3作目。1作目と2作目で絵柄がえらく違ったのだが、今回は1作目に近い絵でした。個人的にはこっちのほうが好き。
田舎を舞台に、活発で奔放で「なんでもできる」幼なじみにコンプレックスを感じてしまう主人公が、結果として幼なじみに背中を押される形で一歩踏み出すというのが今回のストーリー。この作者の漫画に説得力を持たせているのは、目を中心とした登場人物それぞれの表情だと思います。ほかならぬ「人の目を見ること」がテーマなのでそのあたり気合いが入っていたのかも。
次はいつごろ載るのかな。読切かそれとも連載か、そろそろ続きものでもいいような気もしています。楽しみ。
作者は南研一さん一押し、でいいのかな。そういうわけで買ってみた本なのだけど読んでみてびっくり。こりゃべらぼうに上手い。
上手いにもいろいろあるのですが、このひとの上手さは描写が奔放でなおかつ的確である、という説明でいいのかなあ。描かれるまでこういう描き方は思いもつかないけど、描かれてみるとすごく納得するというか。天才かどうかはまだわからないが、描写という点では抜群の才能の持ち主なのは間違いないです。
内容は少女まんがの王道の恋愛ものが6編で、少女まんがだしうまくいく話が多いのはわかるけど、主人公が彼女持ちとひっつくタイトル作あたり、振られた彼女がかわいそうとそっちに考えがいくのは歳のせいでしょうか。そんななか唯一想いの実らぬ話「エンド オブ ザ ワールド」が6編のなかでは一番気に入ってます。ラスト6ページが素晴らしいのって。惚れます。
ソノラマ文庫で女性作者で野球小説、という組み合わせは珍しい。珍しいというよりおそらくこれ1冊しかないんじゃないかな。ネットでの評判をあてにして、でも古本屋でも見つからず、結局図書館で借りて読んだ本です。
全体として少女小説っぽさが漂うのは間違いない。だけどそれ以上にこれが純然たるプロ野球小説であることも間違いない。文章の端々に、または具体的に選手の成績として挙げられる数字のそれらしさに、この作者が(少なくともこの小説を書いたときは)あほほどプロ野球が好きであることは断言します。好きなだけじゃなくておそらくめちゃくちゃ詳しい。よく知っている。
ドラフト下位でピッチャーとして入団し、内野手に転向してたちまちスターに駆け上がった選手が主人公。三拍子揃って長打力もあり肩もよく、野球選手としては文句のつけようがない存在で、性格は朴訥。この主人公を同期入団の先発投手、ベテラン遊撃手、高校時代のチームメイト、長距離打者でビッグマウスの新人三塁手、小柄な若手二塁手、戦力外通告を受けた同期の投手、それにいきつけの喫茶店のアルバイト少女と、チームメイトや周囲の人間の視点からとらえた連作短編となっています。典型的なスタープレーヤーである主人公は措くとしても、出てくる選手たちは脇役タイプも含めてほんとにいかにも実在しそうな選手であり成績であり経歴です。よく知ってる、と思ったゆえんです。
このなかで、主人公にレギュラーを奪われるベテランショートストップを描いた二話目が一番印象に残った。守備力抜群ながら打撃は非力なショートが、まだまだやれる年齢でよく打つ後輩に逐われる、そういう実例をいくつも見てきたからかもしれません。外食中に読んでいてあやうく落涙するところでした。危なかった。
これだけしっかりしたプロ野球もののフィクションはそうはないはず。良作です。プロ野球好きなら探してでも読んで損はないはずだし、もしかしたら良作以上の一編が見つかるかもしれません。どれがそうなるかはたぶん人それぞれ、かな。
まんがタイムジャンボ連載中の4コマ。これが初単行本だと思うのだけど、作者紹介欄に「フリーター」とあるのがおかしかった。まあ、バイト収入の方が比率が高いということなんでしょうか。
内容的にはわりとオーソドックスな4コマなのだが、単行本買って読んでる理由は絵柄とかさっぱりした主人公とかだけでなく、警備士(工事現場でヘルメットかぶって警備してる人たちです)バイトものとしていろいろ知らないことが描いてあっておもしろい…というのもあります。もしかしたら内容が実体験に基づいてるからなのかなあ。
そうでなくても自由時間が減っているところに、使い方の配分バランスが崩れてて難儀なことになってます。具体的には小説とゲームに裂く時間が増えて、漫画とサイト更新の時間が減ってしまってる。体勢立て直しに向けて鋭意検討中。つうかこのままだと雑誌に埋もれて死んでしまう。