過越
参照:神の小羊,最後の晩餐

過越の祭は、滅ぼす天使が自分たちの家を過ぎ越して、エジプト人から救われたときのことをイスラエルの子らが覚えていられるようにするために定められたものである(出エ12:21-28;13:14-15)。古代においては、傷のない子羊の血がイスラエルを救うためのしるしとして用いられたが、この傷のない子羊は、全人類を贖うために犠牲となられた神の小羊イエス・キリストの象徴である。

  • 過越の祭の定めは次のとおりである(出エ12:43)。
  • イエスと弟子たちは最後の晩餐のときに過越を守った(マタ26:17-29[マコ14:12-25])。
  • 見よ、世の罪を取り除く神の小羊(ヨハ1:29,36)。
  • わたしたちの過越の小羊であるキリストは、すでにほふられたのだ(1コリ5:7)。
  • あなたがたがあがない出されたのは、きずも、しみもない小羊のようなキリストの尊い血によったのである(1ペテ1:18-19)。
  • 神の小羊は世の罪を取り除く御方である(アル7:14)。
  • 知恵の言葉に従う聖徒たちは、イスラエルの子らのように守られる(教義89:21)。
  • 小羊は世の初めからほふられている(モセ7:47)。


    救い
    参照:贖い;贖う,贖いの計画,イエス・キリスト,死(肉体の),死(霊の),昇栄,贖罪,恵み

    肉体の死と霊の死から救われること。人は皆、イエス・キリストの死と復活を通して、神の恵みにより肉体の死から救われる。またイエス・キリストを信じる信仰を通して、神の恵みにより霊の死からも救われる。この信仰は、福音の律法と儀式に従順な生活とキリストへの奉仕の中に示される。

  • 主はわたしの光、わたしの救だ(詩篇27:1)。
  • 神こそわが岩、わが救(詩篇62:2)。
  • 福音は救を得させる神の力である(ロマ1:16[教義68:4])。
  • 恐れおののいて自分の救の達成に努めなさい(ピリ2:12)。
  • 神があなたがたを初めから選んで、きよめによって、救を得させようとし(2テサ2:13)。
  • 救いは無料である(2ニフ2:4)。
  • 救いの賜物に勝る大いなる賜物はない(教義6:13)。
  • イエス・キリストは、その名によって人の子らに救いが及ぶ、天下に与えられる唯一の名である(モセ6:52[使徒4:10-12])。
  • わたしたちは、キリストの贖罪により、全人類は救われ得ると信じる(箇条1:3)。

    【幼い子供たちの救い】

  • 心をいれかえて幼な子のようにならなければ、天国にはいることはできないであろう(マタ18:3)。
  • 幼い子供たちも永遠の命を得る(モサ15:25)。
  • 幼児のバプテスマは忌まわしい行いである。幼い子供たちは贖罪のおかげでキリストによって生きている(モロ8:8-24)。
  • 幼い子供たちは、独り子によって贖われている。サタンには幼い子供たちを誘惑する力が与えられない(教義29:46-47)。
  • 子供たちに福音を教え、8歳のときにバプテスマを施さなければならない(教義68:25-28)。
  • 幼い子供たちは、イエス・キリストの贖罪によって聖められている(教義74:7)。
  • 人々は、幼児の状態で、再び罪のない者となった(教義93:38)。
  • 責任を負う年齢に達する前に死ぬ子供たちは皆、天の日の栄えの王国に救われる(教義137:10)。
  • 子供たちは世の初めから罪がない(モセ6:54)。


    救い(死者の)
    参照:死者の救い

    救い主
    参照:イエス・キリスト

    救いをもたらす御方。イエス・キリストは贖罪によって、全人類に贖いと救いを与えようとされた。「救い主」は、イエス・キリストの名であり、称号である。

  • 主はわたしの光、わたしの救だ(詩篇27:1[出エ15:1-2;サ下22:2-3])。
  • ただわたしのみ主である。わたしのほかに救う者はいない(イザ43:11[教義76:1])。
  • その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をもろもろの罪から救う者となるからである(マタ1:21)。
  • きょう救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである(ルカ2:11)。
  • 神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。この世が救われるためである(ヨハ3:16-17)。
  • キリストの名のほかに、人を救い得る名はない(使徒4:10-12[2ニフ25:20;モサ3:17;5:8;教義18:23;モセ6:52])。
  • 救主、主イエス・キリストのこられるのを、わたしたちは待ち望んでいる(ピリ3:20)。
  • 父が御子を世の救主としておつかわしになった(1ヨハ4:14)。
  • 主なる神はメシヤ、言い換えれば、世の救い主を立てられる(1ニフ10:4)。
  • 神の小羊は世の救い主であられる(1ニフ13:40)。
  • 救い主についての知識が、あらゆる国民、部族、国語の民、民族の間に広まる(モサ3:20)。
  • イエス・キリストは必ず死ななくてはならない。救いがもたらされるためである(ヒラ14:15-16)。
  • イエス・キリストの恵みによる義認と聖めは、正しく、かつ真実である(教義20:30-31)。
  • わたしは世の救い主イエス・キリストである(教義43:34)。
  • わたしの独り子は、救い主である(モセ1:6)。
  • 御子を信じて自分の罪を悔い改めるすべての者は救われる(モセ5:15)。


    救いの計画
    参照:贖いの計画

    ステーク
    参照:(なし)

    末日聖徒イエス・キリスト教会の組織上また管理上のユニット。ステークは、幾つかのワードや支部で構成される。通常、ステークには地理的な境界があり、イザヤ54:2に描かれた天幕を連想させる。「あなたの綱を長くし、あなたの杭を強固にせよ。」(イザ54:2)杭(stake)が天幕を支えているように、シオンの各ステークは教会を強くするための支えとなり、助けとなっている。ステークは、散乱したイスラエルの残りの者たちの集合場所である(教義82:13-14;101:17-21)。

  • あなたの杭を強くし、あなたの境をとこしえに広げて(モロ10:31[教義82:14])。
  • このステークのほかに、シオンのために他のステークも定めてくださり(教義109:59)。
  • シオンの地とそのステークに集合することが、防御のためとなり(教義115:6[教義101:21])。
  • 他の場所がステークとして定められる(教義115:18)。
  • 大祭司定員会会長は、ステーク会長に任命される者たちに資格を与える目的で置かれた(教義124:133-134)。
  • あなたがたはシオンの地へ行って、シオンのステークが強くされるようにしなさい(教義133:9)。


    ステパノ(人名)
    参照:(なし)

    『新約聖書』の中の人物。救い主と教会のために殉教した。ステパノの宣教はパウロの偉大な働きを予告するものであり、パウロに影響を与えたと思われる。ステパノがサンヒドリンで弁明をしていたとき、パウロはその場にいた(使徒8:1;22:20)。

  • 十二使徒を助ける責任に任じられた(使徒6:1-8)。
  • めざましい奇跡としるしとを行っていた(使徒6:8)。
  • ユダヤ人たちと議論した(使徒6:9-10)。
  • 訴えられ、議会で裁判を受けた(使徒6:11-15)。
  • 弁論を行った(使徒7:2-53)。
  • 聖霊に満たされて、示現の中で御父と御子を見た(使徒7:55-56)。
  • その証のゆえに殉教した(使徒7:54-60)。


    スミス、エマ・ヘイル(人名)
    参照:スミス、ジョセフ、ジュニア

    預言者ジョセフ・スミスの妻。主はエマに、教会のために賛美歌の選定をするよう命じられた。エマはまた扶助協会の初代会長を務めた。

  • 主の御心について啓示が与えられた(教義25章)。
  • 主は結婚について勧告を与えられた(教義132:51-56)。


    スミス、サミュエル・H (人名)
    参照:スミス、ジョセフ、ジュニア

    預言者ジョセフ・スミスの弟(ジ-歴史1:4)。1808年に生まれ、1844年に死去した。『モルモン書』の八人の証人の一人であり、回復された教会のために最初の宣教師の一人として務めを果たした(教義23:4;52:30;61:33-35;66:7-8;75:13)。


    スミス、ジョセフ、シニア(人名)
    参照:スミス、ジョセフ、ジュニア,スミス、ルーシー・マック

    預言者ジョセフ・スミスの父。1771年7月12日に生まれた。ルーシー・マックと結婚し、9人の子供をもうけた(ジ-歴史1:4)。末日の回復の業を忠実に信じ、初代の大祝福師となった。1840年9月14日に死去した。

  • 神は息子ジョセフを通して指示を与えられた(教義4章;23:5)。
  • わたしの年老いた僕を、彼の家族とともに引き続き住まわせなさい(教義90:20)。
  • アブラハムの右に座している(教義124:19)。
  • ジョセフ・スミス・ジュニアは、日の栄えの王国の示現の中で自分の父を見た(教義137:5)。
  • 使者がジョセフ・スミス・ジュニアに、受けた示現のことを父親に告げるようにと命じた(ジ-歴史1:49-50)。


    スミス、ジョセフ、ジュニア(人名)
    参照:モルモン書

    地上にイエス・キリストの教会を回復するために選ばれた預言者。ジョセフ・スミスは1805年にアメリカ合衆国バーモント州で生まれ、1844年に世を去った。

    1820年に父なる神とイエス・キリストの現れを受けたジョセフ・スミスは、地上にある教会はどれも正しくないことを知らされた(ジ-歴史1:1-20)。後に天使モロナイの訪れを受けた。このモロナイは、アメリカ大陸の古代の住民の記録が刻まれている金版の隠し場所を彼に明らかにした(ジ-歴史1:29-54)。

    ジョセフはその金版を翻訳し、1830年に『モルモン書』として出版した(ジ-歴史1:60-67,75)。1829年に彼は、バプテスマのヨハネ、またペテロとヤコブとヨハネから神権の権能を受けた(教義13章;27:12;128:20;ジ-歴史1:68-70)。

    1830年4月6日に、ジョセフは神の命に従い、他の数人とともに回復されたイエス・キリストの教会を組織した(教義20:1-4)。ジョセフの指導の下に、教会はカナダや英国、合衆国東部、特にオハイオやミズーリ、イリノイで発展した。しかし、ジョセフと聖徒たちの住む所では必ず迫害が起こった。1844年6月27日、ジョセフと兄ハイラム・スミスはアメリカ合衆国イリノイ州カーセージで殉教した。

  • ヤコブの息子であるヨセフは、ジョセフ・スミスについて預言した(2ニフ3:6-15)。
  • 来るべき災いを知っておられた主は、ジョセフ・スミス・ジュニアを訪れられた(教義1:17[教義19:13])。
  • イエス・キリストの使徒、また、この教会の第一の長老に聖任された(教義20:2)。
  • ペテロとヤコブとヨハネによって使徒に聖任された(教義27:12)。
  • ジョセフとシドニー・リグドンは、御父の独り子を見たことを証した(教義76:23)。
  • オリバー・カウドリとともに示現の中で主にまみえた(教義110:1-4)。
  • 主はジョセフを、管理長老とし、翻訳者、啓示者、聖見者、預言者として召された(教義124:125)。
  • ただイエスは別として、他のいかなる人よりも、この世の人々の救いのために多くのことを成し遂げた(教義135:3)。

    【預言者ジョセフ・スミスが著した聖文】

    ジョセフは天使モロナイから託された金版の一部を翻訳し、1830年に『モルモン書』として出版した。彼はまた、教会の基本的な教義や組織について述べた多くの啓示を主から受けた。その啓示の多くは、現在『教義と聖約』として知られている書物に編さんされている。またジョセフ・スミスの働きによって『高価な真珠』も出版されるに至った。『高価な真珠』には、モーセやアブラハム、マタイの記録、またジョセフの自伝と証の抜粋、教会の教義と信条を13にまとめた信仰箇条が含まれている。


    スミス、ジョセフ・F (人名)
    参照:(なし)

    教会の第6代大管長。ハイラム・スミスとメアリー・フィールディングの間に生まれたただ一人の男子。1838年11月13日に生まれ、1918年11月19日に死去した。

  • ジョセフ・F・スミスは死者の贖いに関する示現を受けた(教義138章)。


    スミス、ハイラム(人名)
    参照:スミス、ジョセフ、ジュニア

    ジョセフ・スミスの兄で、忠実な友でもあった。ハイラムは1800年2月9日に生まれた。彼は教会の長であったジョセフの補佐として、また教会の2代目の大祝福師として働いた。1844年6月27日、ジョセフ・スミスとともにカーセージの監獄で殉教した。

  • 神はジョセフ・スミスを通して指示を与えられた(教義11章;23:3)。
  • 心が高潔であったので、主から愛された(教義124:15)。
  • 教会の祝福師の職に就くよう命じられた(教義124:91-96,124)。
  • ジョセフとハイラムはカーセージの監獄で殉教した(教義135章)。
  • ハイラム・スミスやその他の選ばれた霊たちは、時満ちる時代に来るようにとどめられていた(教義138:53)。


    スミス、ルーシー・マック(人名)
    参照:スミス、ジョセフ、シニア,スミス、ジョセフ、ジュニア

    預言者ジョセフ・スミスの母。ジョセフ・スミス・シニアの妻(ジ-歴史1:4,7,20)。1776年7月8日に生まれ、1856年5月5日に死去した。

  • ジョセフ・スミスは、日の栄えの王国の示現の中で自分の母を見た(教義137:5)。


    隅の石
    参照:イエス・キリスト

    建物の基礎の隅に据えられる重要な石。イエス・キリストは隅のかしら石と呼ばれる(エペ2:20)。

  • 家造りらの捨てた石は隅のかしら石となった(詩篇118:22[マタ21:42-44;マコ12:10;ルカ20:17;使徒4:10-12])。
  • ユダヤ人は隅の石を拒んだ(ヤコ4:15-17)。