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■ワタクシゴト■

交信・太宰治竹内浩三

虫話奈良美智草野正宗

泣いたりしないで大人になれない。

■康成サマとは関係のないことですが、ツラツラ書かせて頂きました。主に好きな人物について■

■ワタクシゴト■

 団地育ちのAB型です。自己紹介を兼ね(られるのだろうか?)、私も生まれ育った団地話。

 
エレファントカシマシの宮本浩次さんが、「HEY!HEY!HEY!」で、「ご覧の通り団地育ち」発言をされたのが、すごい、おかしくて。そういえば私も、「ご覧の通り団地育ち」だなぁと、しみじみ思って、こんなことを書くことにしてみました。えへ。宮本浩次さんをはじめて見た時、小学生の時のクラスメイトにそっくりだなぁと、思っていたので(でもその子は色素薄弱で白人のように金髪でした)、やっぱり!と思ってうれしかった。

 私が、約10年間、生活してきた団地(not マンション)は、自殺の名所でした。わざわざ遠方からはるばると足を運んでくださる自殺者多数!(今はそんなことはない、らしい)大人達はもう慣れっこで、夏場の飛び降りは、とびでた脳みそがコンクリートやアスファルトに染み込んで、それが腐るから猛烈に臭いのよ、とは母の談。私らなぞは、そんなこともつゆ知らず、(大人達は知ってても知らせず)その、まさにコンクリートの上でおままごとなぞをしてました。無知とはすごいパワーですね。お友達は、幼稚園の年少さんの時に、木に刺さってもがいている人をもろに見てしまったそうで。いろんな経験があるものです。

 また、住民の3分の1くらいが、某学会の構成員だったりして。胡散臭さはものすごいものがありました。友達のお家も、学会員の家庭が多かった。本棚にびっしりと「某詩集」が並んでいたり。でも大抵は、親が狂信的でも、子供は否定的だったりしてましたけど。度重なる勧誘に乗らなかった両親に感謝してます。えへ。

 で、通っていた小学校は、団地組と一戸建て組が半々くらい、で、それぞれが仲が悪いとかそういうことではなく、なんとなくきっちり分かれてました。やっぱり一戸建て組はそこはかとなく優雅で、団地組は圧倒的に雑多な、感じで。もちろん全員が全員そういうわけではないですが。団地組はどこか、いっぱいいっぱい感があって。悪ガキは大抵団地組で、一戸建て組は男の子でも半ズボンにハイソックスを履いたりして、ミッキ−のワンポイントの付いたチョッキなんかを着てた。で、やたら字が上手かったりして。私はよく、一戸建て組の男の子に「ボールペンのキャップは使ったらすぐしめなきゃダメだよ!」とか注意されていた。「線を引く時は定規使わなきゃ!」とか。そんなんでも私、好きになるのは一戸建て組の子ばっかだったなぁ。庭付き一戸建てへの憧れでせうか。女だわー。

 で、私はつくづく団地組の人間だなぁと、しみじみ感じている今日この頃。コンプレックスとまではいかないけれど、「でっかい家で 緑に囲まれて 育ったお前には 何もわからない〜」(
ボ・ガンボスの曲どす)気分にもなるのさ。貧富の差、とは、いいませぬ。どこか、圧倒的な余裕の度合いが、違う、気がする。どっちが良い悪い、ことはないし、そういう問題でもないですが。一軒家に住むようになっても、なんだか団地根性(康成様の「孤児根性」に対抗して。にゃんて)が抜けきれず。なので、『千羽鶴』の稲村令嬢や『山の音』の菊子のような、「幾代か経た血統の生んだ美しさ」(「秋の魚」『山の音』より)を持つ女性像に、嫉妬に近いくらいの憧れがあります。「血統」なんてありゃしない。父は酒に酔うと「義経の末裔なんだ」などと無謀なことを豪語するのですが、それにつけても空しいというか。せつない限りで。

 団地にいる方々はたいてい、一戸建てを建てるまでの仮の宿りとして住んでいるので(我が家もそうでした)、今はすっかり代替わりして、知ってる人もほとんどいなかったりするのですが、ごく偶にその団地に行って、住んでいた階に登って景色を眺めてます。怪しまれるので長居はできないですが。
 そういえば鳥肌実氏のネタで「団地から団地へ引っ越すのは許せないんです」というのが、あって、やけに受けてしまいました。団地から団地へ。酷すぎる!やっぱ鳥肌は最高だ。
 団地。って、きっと住んだ人じゃないとわからない。マンションでもアパートでもコーポ(って何?)でもなく、団地。これほど生活感みなぎる建造物もないんじゃないかと思ったりする宵の明星。

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