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このコーナーでは、ジャンル問わずPITSのお薦めを紹介します。CD、レコードの他、映画、書籍なども取り上げていく予定です。

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R-0098 クレイジーケンバンド - ガール!ガール!ガール!
(ダブルジョイ・インターナショナル/ユニバーサル)
1)VIVA女性 2)ガールフレンド 3)うっかり八時の半太郎 4)昼顔 5)夕食 6)お引越し 7)熱波 8)eye catch/泣いていた女の子 9)SOUL通信 10)僕らの未来は遠い過去 11)マリンタワー・ゴー・ゴー 12)ギラギラ 13)小東京 14)DUET 15)eye catch/公園の仔猫ちゃん 16)かわいい訪問者 17)本牧宇宙人 18)Gimmie a Goldfish 19)山の音 - そうだ、京都に行こう。REMIX - 20)eye catch/みんな赤ちゃんだった 21)俺の夢 OMAKE!!OFFICIAL BOOTLEG LIVE DVD (at PACIFIC YOKOHAMA)

  クレイジーケンバンド、'09年メジャー・レーベルのユニバーサル・ミュージック移籍第一弾アルバム。豪華なアレンジとクラブ・ミュージックのビートが同居したサウンドにまるで勝新太郎の熱い視線を表現したような@、永ちゃんマナーの歌唱で延長料金を支払うB、一家の主であるが故の責任への苦悩をソウル・ジャズ・ビートでのDと、彼が10代の頃はこんなに自由だったのにっと甘酸っぱい思い出も蘇るF。歌謡曲とニュー・ミュージックの境の時代を思い起こさせる名シティ・ポップスEは菅原愛子さんのリード・ヴォーカルでも聞きたくなります。歌のメッセージと楽曲のメロディ・アレンジとのバランスが絶妙のHとメドレーっぽく繋がるIのニュー・ソウル・レヴュー。リニューアルしたマリンタワーの過去と未来を一続きにしたブーガールー・チューンJ、軽快なオルガンの音色と共に車窓から流れる横浜の風景が浮かんでくるK、異国での幻想的な出来事を、デトロイト・ブラック・ミュージックの混沌としたテイストを注入したミッドテンポ・ヘヴィ・ファンクで聞かせるL。男と女のデュエットの形を採りながら、一対一だけでなくいろんな関係について歌ったまさに'09年版「ワッツ・ゴーイン・オン」M。短い夏の熱帯夜のようなジャズ・ファンクOとグラム・ブギーP、金魚売りの声と風鈴の音色とサウンドとの融合がありそうでなさそうな湿度を感じさせるインストQ。ラストもメロディ、アレンジ、歌詞のバランスが絶妙の大風呂敷ポップ21。それに名メロディーにユーモアたっぷり歌詞のキャッチ・アイ3ヴァージョン。そして先行シングルから3曲(ヴァージョン・ミックス違い)の全21曲。今回ダブル・フルート含むホーン・アレンジが印象的。そして音のよさ。いつもの作品のように聞く度、新しい感動、新しい発見が出てくるのでしょう。'09年の夏をたっぷり吸収して、その後ムクムクっと成長してくれる永遠の名作になること間違いなし。この時代にこの作品「ガール!ガール!ガール!」を取り扱いできる幸せを感じながら。

初回限定CD+DVD \3800-

R-0097 CHUCK BROOKS・JOE WILSON・GEORGE SOULE
    - MALACO SOUL BROTHERS VOLUME 1 (Soulscape)
1)Loneliness (Is A Friend Of Mine) 2)Baby Please Don't Set Me Free 3)You Can't Be In Two Places At The Same Time 4)Behind Closed Doors 5)A Little Bit More 6)I Believe In Love 7)Write A Little Prayer 8)What Would We Do Without Music 9)Once Upon A Love Affair 10)(Don't Let Them) Blow Your Mind 11)Let A Broken Heart Come In 12)Sweetness 13)When A Man Cries 14)Your Love Is Sweet (To The Very Last Drop) 15)Other Side Of Your Mind 16)Our Love Is Strong 17)Sour Love Bitter Sweet 18)Don't Look Back 19)Go On And Live 20)Nothing From Nothing 21)Walking Away From A True Love 22)You Need Me (Long Version) 23)Talkin' About Love 24)The Easiest Thing I've Ever Done 25)That's Why I'm Man 1)〜9) Chuck Brooks, 10)〜22) Joe Wilson , 23)〜25) George Soule

  英ソウルスケイプからの米南部ミシシッピー州ジャクソンのマラコ・レコード制作によるシングル・未発表音源を収録したコンピレーション、男性シンガー編第1弾。トップ・バッターはスタックスでギタリストとしても活動し、ソロ・シンガーとしてもシングルをリリースしていたシンシナティ出身の塩辛ディープ・シンガー、チャック・ブルックス。マーキュリー@A、チムニーヴィルBCDからリリースされたシングルは'70年代初期のサザン・ソウル・テイストたっぷりの作品。マラコ・リリースのFはキング・フロイドのナンバーをじっくり歌っています。
  お次はLが英ケントのグレイト・ディープ・ソウル・コンピのタイトルにもなったニュー・オリンズ出身のジョー・ウィルソン。ストロング・テナーからテッド・テイラーに似たハイ・テナーを駆使し、バラードからミッド・テンポ・チューンを魅力的に歌うシンガー。このCDに収録された多くのナンバーが同郷の重鎮プロデューサー/アレンジャー、ワーデル・ケゼルグが手がけており、彼のレーベル・ビッグ・Qからリリースされた音源も収録。
  ラスト3曲はデモ・シンガーとしてナッシュヴィルで活動していた白人シンガー。マッシュル・ショールズのミュージシャンが演奏していそうなカントリー・ソウル・ナンバーやじわじわと盛り上がるディープ・バラードを熱唱。
  これが第1弾。これからリリースされるでしょう続編も楽しみにしたくなる一枚。

CD sale \2090-

R-0096 V.A. - SKIFFLE SHOWCASE (STOMPER TIME)
1)Chas McDevitt Skiffle Group / New Orlean 2)Cranes Skiffle Group / Don't You Rock Me Daddy-O 3)Chas McDevitt Skiffle Group / Bad Man Stack-O-Lee 1 4)Chas McDevitt Skiffle Group / Worried Man 5)Chas McDevitt Skiffle Group feat. Nancy Whiskey / Freight Train 6)Crane Skiffle Group / Cumberland Gap 7)Chas McDevitt Skiffle Group / I'm Satisfied 8)Chas McDevitt Skiffle Group fet. Nancy Whiskey / Face In The Rain 9)Chas McDevitt Skiffle Group faet. Tony Kohn / Sing Sing Sing 10)Chas McDevitt Skiffle Group / The Cotton Song 11)Coffe Bar Skifflers / Steamboat Bill 12)Chas McDevitt Skiffle Group feat. Tony Kohn / Sporting Life 13)Nancy Whiskey & her Skifflers / Ella Speed 14)Hallelujah Skiffle Group feat. Clinton Ford / I Saw The Light 15)Chas McDevitt Skiffle Group faet. Nacy Whiskey / Greenback Dollar 16)Chas McDevitt Skiffle Group / Everyday Of The Week 17)Nancy Whiskey & her Skifflers / He's Solid Gone 18)Coffee Bar Skifflers / River Line 19)Chas McDevitt Skiffle Group / Bad Man Stack-O-Lee 2 20)Hallelujah Skiffle Group feat. Clinton Ford / Jesus Remembered Me 21)Chas McDevitt Skiffle Group / Poor Howard 22)Chas McDevitt Skiffle Group / Johhny-O 23)Chas McDevitt Skiffle Group / Deep Down 24)Coffee Bar Skifflers / Ella Speed 25)Chas McDevitt Skiffle Group feat. Shirley Douglas / Across The Bridge 26)Chas McDevitt Skiffle Group feat. Bill Bramwell / My Old Man 27)Hallelujah Skiffle Group feat. Clinton Ford / In The Sweet Bye and Bye 28)Coffee Bar Skifflers / She's Solid Gone 29)Cranes Skiffle Group / Freight Train 30)Coffee Bar Skifflers / Bad Man Stack-O-Lee 31)Crane Skiffle Group / The Banana Boat Song 32)Lonnie Donegan / The Passing Stranger

  クリフ・リチャード、ビートルズ、ヴァン・モリソン、ジミー・ペイジ達のブリティッシュ・ロック〜ブルースの原型とも言われるスキッフル。ジャズ、フォーク、ロックン・ロール、カントリー&ウエスタン等のアメリカン・ミュージックに魅了されたイギリスの若者がアコースティック・ギター、(多くはハンドメイドの)アコースティック・ベース、ウィッシュボード、カズー等のアコースティック楽器を使って自ら演奏するスタイルは後のブリティッシュ・インヴェイションに繋がるバンド編成の原型であり、その構成だけでなく、ブリティッシュ・ロックの魅力としてパンク〜ニュー・ウェイヴから現在も継承されている「ドゥー・イット・ユアセルフ」精神を産み出しました。
  このコンピレーションは多くのカバー・ヴァージョンも録音された「フライト・トレイン」('57)Dのオリジナル・ヒット(女性シンガー、ナンシー・ウィスキーとの共演)で知られるチェス・マクデヴィット率いるバンドを中心にオリオール/エンバシー音源からのスキッフル・コレクション。 '57〜'58。ハンク・ウイリアムス、カーター・ファミリーやトラディショナルなブルース・ナンバーをジャグ・バンド・スタイルにも似たバンド・スタイルでプレイ。ソフト・ロック・シーンで再評価されている男女混声コーラス・グループ、マイク・サムネス・シンガーズ参加のハレルヤ・スキッフル・グループやロニー・ドネガンのオリオール作品まで全32曲。ブリティッシュ・ロックン・ロールの熱気いっぱいの一枚。

CD sale \1690-

R-0095 FACTS OF LIFE - JUST THE FACTS: Kayvette Recordings 1975-1978 (Southbound)
1-1)Somertimes 2)Caught In The Act (Of Gettin' It On) 3)Bitter Woman 4)Lost Inside Of You 5)Looks Like We Made It 6)A Hundred Pounds Of Pain 7)Uphill Peace Of Mind 8)What Would Your Mama Say 9)Givin' Me Your Love 10)That Kind Of Fire 11)Love Is The Final Truth 12)If You Can Give, You Can Get 13)L-O-V-E 2-1)Did He Make Love To You? 2)We Can't Hide It Anymore 3)He Ain't You 4)Do You Wanna Make Love 5)I'm Way Ahead Of You 6)You Always Get Your Way 7)It's Only A matter Of Time 8)This Ain't No Time To Sleep Apart 9)DR.Feelgood 10)Did He Make Love To You? Pt.1&2

  短命ながら各ジャンルの良質リイシューCDをリリースしていた英ウェストサイドから'98年に「スウィート・ブラウン・シュガー」というコンピレーションがありました(現在廃盤)。これは米フロリダ州マイアミのレーベル、TKとその多くの傘下レーベルからリリースされたシングルを集めたものでしたが、そのライナーに「このコンピレーションに続いてリリースされるであろう」と記されながら、レーベル消滅により実現していなかったCDが10年の歳月を経て、同じく長老名再発レーベル、エース系のサウスバウンドからリリースされました。編者は先のコンピレーション同様トニー・ラウンス。TK傘下ケイヴェットからの「サムタイム」('77)「ア・マター・オヴ・ファクト」('78)のアルバム全曲に前身のゴスペル・トゥルース音源含むシングル・オンリーを収録。タイロン・デイヴィスの妹、ジーン・デイヴィスとインペリアルズ、フラミンゴスにも在籍していたキース・ウィリアムス、そしてファクツ・オヴ・ライフ以前ソロ・シンガーとして「ア・ティアードロップ・フェル」(Bedford)という名サザン・バラードをリリースしているグレイト・シャウター、チャック・カーターの3人組。プロデューサーのミリー・ジャクソンはスタックスのソウル・チルドレンに対抗するグループにと思っていたようです。内容はミリー・ジャクソンお得意のチーティン・カインド(不倫ソング)がメイン。モナさんや紀香さんも御愛聴でしょうか?
  いずれのオリジナル・アルバムも比較的容易に入手できるせいかソウル・ファンの間であまり話題にはなりませんが、この素晴らしいサザン・ソウル・グループがようやくCDでたっぷり聴くことができるようになりました。この機会に是非体験していただきたいと思います。

2CD sale \2290-

R-0094 MIDNIGHT MOVER UNLTD.
- TRUCKIN' (FUNKY DELICACIES)
1)Pickin' and Chippin' 2)Sweet Darling 3)Medicated Goo 4)Crabs 5)Stop Look and Listen 6)Tough Enough 7)Try Our Thing 8)Why Don't We Do It In The Road 9)Music Makers 10)Funk Don't Mean A Scent 11)In The Palm Of Another's Hand 12)Truckin' 13)Put Your Mind In Your Pocket 14)Masai (Do The Masai Children) 15)Something Has Got To Change 16)Follow The Wind (Part 1) 17)Follow The Wind (Part 2)

  '60年代にシカゴで結成されたファンキー・ソウル・バンド、ミッドナイト・ムーヴァーズの音源集。モーリス・ホワイト(ご存知、後のE.W.&F.)と共にシカゴのチェス・レコードのスタジオ・ミュージシャンとして活躍していたサックス奏者ジョージ・パターソンがジャズ・バンドとしてトム・トム・ワシントン達とツアー活動を行っていた'60年代半ばに、シカゴのR&Bスター、ジーン・チャンドラーのツアー・メンバーであったギタリストで後行動を共にする事になるギタリスト、チャールズ・ピッツにバンド・リーダーとして誘われ参加。このバンドがミッドナイト・ムヴァーズの母体。この時期の録音@Aはギターのチャールズとベースのアーネスト・スミスがサム・アンド・デイヴ・スタイルのデュオとしてリリースしたスキップ・アンド・アーネスト名義のシングル(Bunky '67)。その後、ウィルソン・ピケットのツアーのバック・バンドとして活動、その時期のヨーロッパ公演のヴィデオが出回っているので、前半にバンドでの魅力的な演奏シーンをご覧になった事のある人は多いと思います。もちろん、この時期にこのグループ名になったのでしょう。
  その後グループ名義でアルバムを'71年に発表(ディープ・ファンク人気「Do It InnThe Road」)、その間もアイズレー・ブラザーズのバック演奏(!)を担当しながらも活動を続けるが、そのアイズレーとの契約のおかげでグループは解体状態に。
  このCDに収録されているのは先のシングルに'71年のアルバムからB〜H、ジーミー・ノーマンと共に録音されたBuddahのシングルIJ、'72〜'73年N.Y.のReneeに残したシングルK〜P。オハイオ・アンタッチャブルズあたりを思わせるゴキゲンなファンキー・ソウル〜プレ・ファンク・サウンドが楽しめます。
  解説には上記のアイズレー・ブラザーズとの関係やウィルソン・ピケットとのツアー決定直後にオーティス・レディングからツアー・バンドの誘いがあったことも記されています。もし、ピケットとの契約がなければバーケイズの代わりにオーティスと同じ飛行機に乗っていた、、、(その前にミッドナイト・ムヴァーのバンド名もないけどね)などという武勇伝(?)も。

CD thank you sold out

R-0093 V.A. - ECCENTRIC SOUL:
THE YOUNG DISCIPLES (NUMERO)
1)LaVel Moore / The World Is Changing 2)Young Disciples Co. / Crumbs From The Table 3)Third Flight / Third Flight 4)Debonettes / Tears 5)Ames Harris Desert Water Bag Co. / Checking Myself 6)Sharon Clark & the Product Of Time / I'm Not Afraid Of Love 7)DeDe Turner Happening / Anyone Or Anything 8)Young Disciples Co. / Girls Girls Girls 9)Dauphin Williams / I Love You 10)Georgettes / Hard Hard 11)Bobby McNutt / Country Loving Country Style 12)Sharon Clark & Product Of Time / It's Not Your Business 13)Ames Harris Desert Water bag Co. / People 14)Georgettes / Choose Me 15)Thrid Flight / Love Love Love 16)Debonettes / Choose Me 17)De De Turner Happening / Outside Of memphis 18)Sharon Clark & the Product Of Time / That's A Good Reason 19)Dauphin Williams / I'm Your Man 20)Young Disciples / Bang Bang Bang 21)Eddie Fisher & Allen"Death"Merry

  独自の視点で発掘音源を編集し続けるNumeroの「エキセントリック・ソウル」シリーズ、今回はセントルイスの'60年代ソウル。
  同地の「サウス・エンド・コミュニティ・センター」に集まった問題を抱えた青少年達の矯正プログラムとしてソロ、グループでの歌唱やバンド演奏を収めたもの。これだけ聞くとアマチュアの記録テープかよ、、、と思ってしまいますが、なんのこれがプロ顔負けのグレイト'60sソウル・コンピレーションになっています。デヴィッド・ラフィン・マナーのグレイト・ヴォーカルを聞かせるHR、ノーマン・ホイットフィールドが手掛けそうなコーラス・グループ・スタイルのBN(後者はファルセット・リードがイカす!)、女性リードのコーラス・グループEK、モータウン・スタイルのガール・グループCI等、本気度100%の作品が集められています。
  このプログラムを指導したのはかつてレイ・チャールズやアイク・ターナーを手がけた事のあるセントルイスR&B界の重要人物、アラン・メリー。納得の出来。ラテンのHar-You Perscussion Groupの60sソウル版。もしくはLangley Schools Music Project の青年の部、にしては出来が良過ぎるか。

CD\2190-

R-0092 MARILYN McCOO & BILLY DAVIS JR.-
MANY FACES OF LOVE (BIL MAR PRODUTCTION)
1)You Are So Beautiful 2)How Sweet It Is (To Be Loved By You) 3)When A Man Loves A Woman 4)(You Are My) Shining Star 5)This Girl's In Love With You 6)Just Once 7)We Can Work It Out 8)Precious Love 9)Try A Little Tenderness 10)You Make Me Feel Brand New 11)Never My Love 12)How Do You Keep The Music Playing 13)Love All The Hurt Away

  ロスの混声コーラス・グループ、フィフス・ディメンションから'70年代半ばに夫婦で独立、「You Don't Have To Be A Star (邦題・星空のふたり)」が米だけでなく日本でも大ヒットし東京音楽祭にも出場した夫婦デュオ、マリリン・マックー&ビリー・デイヴィスJr、'80年代以降は各ソロでのゴスペル・アルバムが数枚リリースされていた記憶しかないのですが、なんと'08年新作をリリースしてくれました。
  曲目を見ていただければわかるように、ソウル・クラシックス、ポピュラー・ヒット・ソングのカバーで構成されていて、あくまで2人のデュエットの歌声を主役とした落着いたアレンジ。透き通ったマリリンのヴォーカルは全盛期との差のあまり感じさせません。そしてフィフス・ディメンション以前はゴスペル・グループやコーラス・グループでも活躍していたビリーは特にGHあたりで、しっとりした曲調の中でも持ち味のディープさを表現する瞬間もしっかり披露。個人的には'70年代の作品でしばしば現れるサム・ムーアっぽい歌唱が大好きで贔屓のシンガーの1人です。
  年末に向けてぴったりのデュエット作品、いろんな場面で聴いていただきたい作品です。

CD thank you sold out

R-0091 KENI MYLES
- MY RHYTHM & MY BLUES (KENI MYLES)
1)2 Way Gift 2)Last Night 3)I Can't Count 'Em 4)Bad Man VS Good 5)Rain 6)DAMN! 7)Sexi 8)My Rhythm & My Blues 9)4 This Luv 10)Dirty Sexy 11)No One's To Blame 12)Baby Girl 13)This Can't Go On 14)Breakin' My Heart

  アトランタから注目インディ・ソウル・シンガーが'90年代のインディ・ソウル・シーンの雰囲気を思い出させてくれる作品をリリースしてくれました。曲、サウンドも'90年代R&Bテイストを継承しながら現在のシーンもしっかり意識した作り。
  狂おしいテナー・ヴォイスで甘く、時にディープなフェイクを決めてくれるスタイルはロイ・アンソニー好みの方にも喜ばれそうな歌唱。バックのコーラスとの絡みも堪らないのAJはグループ・ファン必聴。'80sアーバン・ソウル風サウンドのミディアムEも個性的なヴォーカルを引き立てています。一方、Jazzmine Flowersの歌/ラップの絡むKは南部らしいR&B。そしてラストのピアノ・ソロがバック(弾き語り?)のM。しっとりムーディーに締めるかとおもいきや、これがディープに暴れまる!完璧にプロデュースしつくされていないインディならではの魅力たっぷりです。
  今後、より幅広いスタイルの曲を歌ってもらいたい楽しみなシンガーです。ウィリー・クレイトンのようなサザン・ソウルも似合いそうだぞ。

CD\2390-

R-0090 LITTLE CAESAR - YOUR ON THE HOUR MAN (ACE)
1)Cadillac Baby(previously unreleased version) 2)Don't Mention The Blues 3)Tried To Reason With You Baby 4)Chains Of Love Have Disappeared 5)You Can't Bring Me Down 6)Talkin' To Myself 7)Long Time Baby 8)Lying Woman 9)Atomic Love 10)Cadillac Baby 11)Going Down To The River 12)Move Me 13)Here Is A Letter 14)Goodbye Baby 15)If I Could See My baby 16)No No Cherry 17)Tick Tock A Woo 18)The Nest Is Warm 19)When I Return 20)Baby What's That You Got 21)Personal Question 22)What Are They Laughing About 23)Show Me The Time 24)In Lonelyville 25)I Hope That It's Me 26)The Ghost Of Mary Meade Pt.1
(8:Little Caesar&Rusty, 14:Little Caesar with Que Martyn&his Orchestra, 17〜19: Turbans, 25:Little Caesar&the Ark Angels))

  R-0074で採り上げたコンピレーションにも収録されていた主に'50年代に活躍した(後、コミカルな舞台俳優として活動)西海岸のユニークなR&Bシンガー、リトル・シーザー(本名はリー・シーザー)の作品集がリリースされました。
  '28年ペンシルヴァニア、ピッツバーグ生まれのハリーが第二次大戦後カリフォルニア州オークランドに居を構えてからレコーディング・キャリアが始まり、'51年にモダン・レコードに初録音@、結局未発表になるが、'52年にジョン・ドルフィンとの契約で再録、彼のレコーデッド・イン・ハリウッドからリリース。タイトルから想像できる軽快なR&R。後に舞台俳優として活躍するだけあって、表現力の豊かさは抜群で、特にバラードにおいてブルージーなナンバーではフェイク混じりの泣き節を聞かせ、ジャイヴ感覚溢れるバラードでは、まるでビリー・エクスタインのようなスタイリッシュな歌い方をしています。BCは'53年RPMからのシングル。
  そして'55年に西海岸のドゥー・ワップ・グループ、ターバンズ(東海岸ヘラルドからの「When You Dance」で有名なドゥー・ワップ・グループとは異なるグループ)に参加、マネーからのリリース作品を収録。マーヴィン&ジョニーのヒット「チェリー・パイ」のアンサー・ソング的内容O等を録音。ベスト・トラックはR、私のモスト・ウォンテッド・シングル(Money211)。東海岸のドゥー・ワップ・バラードにはない独特の雰囲気を持ったパーフェクト・バラード!(ちなみにB面がTurks「Emily」。これがまた素晴らしいスウィート・バラード!このグループは後に「Buzz, Buzz, Buzz」のヒットで知られるハリウッド・フレームス、そこには「Rockin' Robbin」のボビー・デイ、ジャッキー・リーの名で「Duck」等のヒットがあるアール・ネルソン、東海岸に拠点を移した時期にはグレイトNYディープ・ソウル・シンガー、ドナルド・ハイトが在籍する...などと言う話は長くなるので、また別の機会に)'50年代後半のソロ未発表作品やダウニーからの'60作まで収録。きっとこの後も舞台ではエモーショナルな歌声を聞かせていたのでしょう。
  当CDの解説はビリー・ヴェラ。リトル・シーザー本人との出会いはジョー・リギンスのライヴの夜。前座はまだデヴュー前のロス・ロボスというエピソードもロケン・ロール。この秋へヴィー・ローテーションのCD。

CD\2190-

R-0089 V.A. - BIRMINGHAM SOUND
THE SOUL OF NEAL HEMPHILL (RABBIT FACTORY)
1)Bobby Dobyne&the Brefacts - Strictly Soul 2)Unknown - Get Up And Get At It 3)Cotez Greer - Testify 4)Ralph"Soul"Jackson - Matchbox 5)Chuck Mitchell - Let Me Be Myself 6)Wes Lewis - I'm A Telling You 7)David Sea - Work Hard 8)Frederick Knight - Take My Hand 9)S.O.B. - Instrumental 10)Bobby Dobyne&the Barefacts - Soulful Sound Of Music 11)Cortez Greer - Da Da Dee Dee Da 12)Hope Parker - Everybody's Doin' The Worm 13)Frederick Knight - It Slipped Right By You 14)Fletcher Flowers - When You Wake Up 15)Sam Fraizer - Set Me Free 16)Frederick Knight - How When Or Where 17)Chuck Mitchelle - Stop By 18)Frankie - Let's Go To The End Together 19)Sam Frazier - Take Me Back 20)Wes Lewis - Best Of My Years 21)Ralph"Soul"Jackson - Let Your Sweet Love Surround Me 22)Frederick Knight - I've Been Lonely For So Long(demo) 23)Ralph"Soul"Jackson - Set Me Free

  マッスル・ショールズでサザン・ソウル・ファンにはお馴染みアラバマ州で'70年代を中心にサザン・ソウルの名作を制作したサウンズ・オヴ・バーミンガム。オーナーのニール・ヘンフィル所有の'70sサザン・ソウル・コンピレーション、第二弾が'06年に続いてリリースされました。今回も未発表音源中心に聴き応え十分の内容。
今回も印象に残るのが、フレデリック・ナイトの未発表音源(スタックスでリリースされた23はデモ・テイク)。曲・アレンジもさることながらエモーショナルな歌唱はやはり心惹かれます。そして今回もデヴィッド・シーの初期録音。まだまだ出てくるのか、と妄想が膨らみます。シングル・リリースされている音源ではウェス・ルイスのブラック・キャットからの'77年作(20)、これもフレデリック・ナイトがサム・ディーズと共作のグレイト・バラード。
未発表のデモ・テープ中心なのでアーティストが未確認の音源もありますが、'70年代サザン・ソウルの魅力を再確認できるシリーズ、今回も大推薦。

CD thank you sold out

R-0088 TERRY ADAMS - LOVE LETTER TO ANDROMEDA (CLANG)
1)Enter Lewed 2)Grav-A Minor 3)Out Of The Cage 4)Every Thing I Do 5)Duet For Cousins 6)If I Had A Dream 7)Pannonica 8)Love Letter To Andromeda 9)Yes,Yes,Yes

  '08年7月後半現在の猛暑に涼しげな世界を与えてくれるCDが届きました。アメリカン・ミュージックをいろんな解釈で表現しているライヴ・バンド、N.R.B.Q.のキーボード奏者テリー・アダムスのソロ'08年作。'08年1月ニューヨークでのライヴを収めたもの。
  グランド・ピアノにまるで子供の悪戯のような細工をしたプリペアード・ピアノとヴィブラフォーンのような音色がキュートなセレステのソロ演奏。ミュージック・コンクリート風なオリジナルからセロニアス・モンクF、N.R.B.Q.のライヴでもお馴染みのナンバーHをよりフリーなフォームでプレイ。彼の敬愛するサン・ラーのような宇宙的な印象を与えてくれます(過去にはサン・ラー・オーケストラのサックス奏者マーシャル・アレンとの作品もリリースあり)。
  美術館のような空間で小さく流れていてもいいかもしれませんが、大きめの音量でこの音に身を委ねてみるのが、この夏一番のお薦めの猛暑対策です。

CD\2490-

R-0087 PRESTON GLASS - MUSIC AS MEDICINE (EXPANSION)
1)Love Will Get Us Through The Times (feat. LaToya London) 2)Groove Injection (feat. Seabron) 3)Blackberry (feat. Ali Woodson) 4)Save The Stress For Last (feat. Brian Culbertson & Rebbie Jackson) 5)Feel No Pain (feat, Keni Jackson) 6)Calming The Beast (feat. Dave Koz) 7)Panic Button (feat. Maurice White) 8)Good For Me (Good For You) (feat. Wilton Felder, Larry Graham, Amy Keys) 9)Burn It (feat. Silver Turtle) 10)Ready To Mend The Breaks (feat. Oya) 11)Everybody let's Dance (feat. Lyndon Carter) 12)The Healing Touch (feat. Kellie Blaise & Craig Thomas) 13)In Small Doses (feat. Carlos) 14)Somethin' You Can Bounce To (feat. Darric Graham) 15)Without The Music (feat. Ali Woodson & Punkin) 16)Music As Medicine (feat. Gem)

  主に米西海岸のインディ・レーベルや'90年代末の新生ヴォルトなどでプロデューサーとして良質な作品を残しているセッション・キーボード奏者でもあるプレストン・グラスの新作リーダー・アルバム、英エクスパンジョンより。
  西海岸のフュージョン・マナーのコンテンポラリー・ソウルあずらりと並び、参加しているヴォーカル陣も豪華。なんといっても話題は同レーベルから彼のプロデュースでソロ・アルバムをリリースしているアリ・オリ・ウッドソンが2曲の参加。その他レビー・ジャスソン、モーリス・ホワイト、エイミー・キーズ、ラリー・グラハム、ウィルトン・フィルダー等が主役の曲、サウンドを十分に消化した歌、プレイを披露。
  アリ・オリ・ウッドソンのBはアリ・オリの歌唱の魅力を生かしたオープニングから持っていかれる気持ちのいいミッド・ダンサー。ただ、アリ・オリのソロ・アルバムでも思った事ですが、曲あんな曲とそんな曲のモロ引用したあたりはエクスパンジョンらしいな、というかUKソウルの伝統、英国内のニーズなのでしょうか。それを思うとUKモダン・ソウルの創始者の一人、イアン・レヴィンを思い出し、彼の影響力の大きさを改めて思い知らされます。

CD thank you sold out

R-0086 HANK BALLARD -
YOU CAN'T KEEP A GOOD MAN DOWN (Soul Brother)
1)How You Gonna 2)Teardrops On YOur Letter 3)You're So Sexy 4)Funky Soul Train 5)Slip Away 6)Which Way Should I Turn 7)With Your Sweet Lovin' Self 8)Are You Lonely For Me Baby 9)Thrill On The Hill Woman is A Man's Best Friend 11)Unwind Yourself 12)Come In Wit It 13)Butter Your Popcorn 14)Blackenized 15)How You Gonna Get Respect(Part 1)(7"vesion) 16)Annie Had A Baby 17)Finger Poppin Time 18)From The Love Side 《LP-@FJKC/QLMOP》

  先のコンピレーション「James Brown's Production 1962-67」の時代にJBと行動を共にしたシンガーの一人ハンク・バラード。ジョニー・オーティスに見出されたデトロイトのドゥー・ワップ・グループ、ロイヤルズに参加しキング/フェデラルで人気を博しソロに転向(残りのメンバーはミッドナイターズとして行動を共に続ける)、'58年「ツウィスト」の大ヒットで大スターとなったハンクですが、'60年代になると時代の変化に伴ってヒット曲も少なくなりリリースも控えめに。一方同じレーベルの後輩、ジェームス・ブラウンは強烈な個性と'60年代の時代の変化の波にのり、キングの大スターに。それでキングの社主シド・ネイサンからの要請もありJBの憧れのシンガーでもあるハンクをJBズ・レヴューに参加させる。そしてレヴューの他のシンガー同様ソロでの録音も行い'67年からJB制作でシングルがリリースされる。
  「You Can't Keep A〜」そんな中'68年にキングからリリースされたソロ・アルバム。JBズ・プロダクション制作のファンキー・ソウル/ファンク・ナンバーとサザン・ソウル・スタイルのバラード、R&Bが収録されています。ミッドナイターズとのナンバーの再録Aやバート・バーンズ作のディープ・ソウル名曲G収録。ボーナス・トラックは当時のシングルの他'71年に再びJBと組み、ピープル等からリリースされたグレイト・ファンクO〜Q(Pも再録)を収録。オリジナルLPは高価プレミアが付いていたので、嬉しい再発です。尚同時発売のアナログはオリジナル・アルバムから5曲、シングルから5曲のファンク仕様。

CD\1790-/LP\2090-

R-0085 V.A. - The Godfather's R&B
James Brown's Productions 1962-67 (BGP)
1)Dizzy Jones - I Don't Care 2)Bobby Byrd - I'm Lonley 3)James Crawford - Got No Excuse 4)Elsie Mae - Do Yo Really Want To Rescue Me Pt.1 5)The Jewels - Lookie Lookie Lookie 6)James Crawford - If You Don't Work You Can't Eat 7)James Brown - New Breed (The Boo-Ga-Loo) Part 1 8)Anna King - That's When I Cry 9)Vickie Anderson - Wide Awake In A Dream 10)Dizzy Jones - Unexplainable 11)The Poets - Devil's Den Pt.1 12)Yvonne Fair & The James Brown Band - It Hurts To Be In Love 13)Rev Willingham - That's The Spirit 14)James Crawford - Help Poor Me 15)The Five Royales - Faith 16)Vickie Anderson - Nobody Cares 17)Bobby Byrd - I'll Keep Pressing On 18)Yvonnie Fair - I Found You 19)Al "Brisco" Clark &his Orchestra - Soul Food Pt.1 & 2 20)Anna King - If You Don't Think 21)Bobby Byrd - I Found Out 22)Tammy Montgomery - I Cried

  ゴッドファーザー・オヴ・ソウル、ジェームス・ブラウン関係の新しいコンピレーションがファンク/ジャズ・ファンクの熱心な再発をし続けている英BGPから。とは言ってもJBのファンク期のものではなく、それ以前、1962〜67年のR&B時代のもの。
  50年代末からJBは多くの男女シンガーやミュージシャン達を引き連れてのいわゆるJBズ・レヴュー・ショウとしてタイトなスケジュールでツアーをし始め、そのショウに参加しているアーティストの録音作品をリリースしようとしましたが、当時のJBが契約していたキング・レコードの社主シド・ネイザンに反対される。そこでJBはジェームス・ブラウン・プロダクションズを設立し、ツアー・メンバーの作品をキング以外のレコード会社からもリリースするようになります。そしてJB自身の作品のリリースに関してもキングと折り合いがつかなくなり、'64〜'65年にはスマッシュからJB名義の作品をリリースし始めます。このCDはこの時代のJBズ・プロダクションの音源を集めたもの。JB本人やボビー・バード、ファイヴ・ロイヤルズ、ヴィッキー・アンダーソン、アンナ・キングのスマッシュからの音源やディジー・ジョーンズ(ブルー・ロックからリリース)、アル"ブリスコ"クラーク、ポエッツ(トライ・ミー)、ジェームス・クロフォード(マーキュリー)等のプレ・ファンク期のJBズ・レヴュー参加アーティストによるリズム&ブルースがたっぷりと味わえます。後のピープル・レコーズ設立後のファンク期のコンピ・シリーズ「James Brown's Funky People」やPヴァインからの「ギミ・ヨ・ハンド JB!」の前編的位置付けの好編集盤。CD一枚通して聴かせる編集も素晴らしく、またポリドール/ユニヴァーサルからリリースされている一連のコンピレーションと同じく各曲の録音データもしっかり掲載されています。

CD\2190-

R-0084 V.A. - HY WEISS PRESENTS
OLD TOWN RECORDS (ACE)
Disc-1・1)Capris - There's A Moon Out Tonight 2)Fiestas - So Fine 3)Earls - Remember Then 4)Billy Bland - Let The Little Girl Dance 5)Robert & Johnny - We Belong Together 6)Five Crowns - You Could Be My Love 7)Five Crown - Good Luck Darling 8)Ursula Reed - You're Laughing 'Cause I'm Crying 9)Solitaires - Blue Valentine 10)Valentines - Tonight Kathleen 11)Valentines - Summer Love 12)Hal Paige &The Wailers - Rock The Joint This Morning 13)Harptones - Life Is But A Dream 14)Harptones - Mambo Boogie (Take 2) 15)Harptones - It All Depends On You 16)Vicki Burgess & The Solarettes - I Call To You 17)Solitaires - Wedding 18)Supremes - Zip Boom 19)Ruth McFadden &The Supremes - Darling, Listen To The Words Of This Song 20)Billy Bland - Chicken In The Basket 21)Royaltones - Crazy Love 22)Robert & Johnny - I Believe In You 23)Supremes - Tonight 24)Co-eds feat.Gwen Edwards - Love You Baby,All The Time 25)Solitaires - Angel Song 26)Robert & Johnny - Broken Hearted Man 27)Bob Grady - Operator 28)Billy Bland - Chicken Hop 29)Ruth McFadden &The Harptones - Dreaming Is No Good For You 30)Keytones - Seven Wonders Of The World
Disc-2・1)Solitaires - Walking Along 2)Fiestas - Last night I Dreamed 3)Ruth McFadden - Teenage Blues(Take 2) 4)Bob Grady - Paper Lady 5)Gene Mumford & The Serenaders - Please Give Me One More Chance 6)Vocaleers - I Need Yur Love So Bad 7)Titus Turner - We Told You Not To Marry 8)Titus Turner - Taking Care Of Business 9)Larry Dale - Big Muddy 10)Larry Dale - Let The Doorbell Ring 11)Browne McGhee & Sonny Terry - She Loves So Easy 12)Fairfield Four - Memories (Of My Mother) 13)Billy Bland - Harmony 14)Arthur Prysock - Good Rockin' Tonight 15)Larry Finnegan - Dear One 16)Vocaleers - One For My Baby (And One For The Road) 17)Ovations - The Day We Fell In Love 18)Bonnevilles - Lorraine 19)Adams Brothers - Burnin' In Pain 20)Fiestas - Broken Heart 21)Donald Height - I'll Never Forget You 22)Rosco Gordon - Gotta Keep Rolling 23)Buddy & Ella Johnson - Like You Do 24)Lester Young - Down To The River 25)Tarheel Slim & Little Ann - I Really Don't Want To Know 26)Eddie Alston - I Just Can't Help It 27)Crowns - Possibility 28)Gypsies - Jerk It 29)Jessie Gee - Baby, I Need You 30)Thelma Jones - Never Leave Me

  '50〜'60年代のR&B/R&Rの重要レーベル、オールド・タウン。ルーマニア生まれのハイ・ワイズが弟サムと共にニューヨークのハーレム中心地、東125番ストリートにインディ・レーベルとして事務所を構えたのが1953年。そして創立50周年を記念して2003年にリリースされたのがこのアンソロジーCD。
  レーベル初リリースはファイヴ・クラウンズの1-E、その後ソリティアーズ、フィエスタス、カプリス、アールズ等ドーワップ・スタイルのコーラス・グループと契約しR&B/R&Rナンバーを次々とリリースしていく様子が主にディスク1に。'50年代後半になってくるとニュー・オリンズや西海岸のR&Bが流行り出すのを察知し、ドゥー・ワップ・スタイルに拘らないビリー・ブランドやラリー・デイル、アーサー・プライソック等R&B・ブルースのアーティストを積極的にリリースしていきます。そして'60年代に入るとディープ・ソウル・ファンにも人気のBarryレーベルからドナルド・ハイト、セルマ・ジョーンズ、レスター・ヤング等のソウル・シンガーを世に送り出した様子がディスク2に収録。
  全60曲を収めたこのアンソロジーでオールド・タウンがハイ・ワイスのニューヨークの黒人音楽を中心にストリートに根ざした触覚でリリースをし続けていたことが実感できます。それは彼の息子バリー・ハイス(先のレーベル名もここから採られました)がヒップ・ホップの重要レーベルの一つであるJiveの幹部である事にも繋がってくるのでしょう。
  この英エースが編んだアンソロジーCDは単にオールド・タウンの代表曲を集めただけではなく、詳細な解説と共に素晴らしいマスタリングによる臨場感のある音質がニューヨークのロックンロール・エラに連れて行ってくれるテーマパークのようなコンピレーションです。

CD\2890-

R-0083 OMAR CUNNINGHAM - TIME SERVED (SOUL1ST)
1)Intro with Tasha Simone 2)That's My Jam 3)My Life 5)This Old Music 6)Skit 7)Ain't Nothing Changed 8)The Saga Continues - Skit 9)The Right Woman feat.Daybreakk 10)The Same Soap 11)Check To Check 2008 Remix 12)If You Want Me 13)Could You Be 14)The Beauty Shop 15)Where Would I Be

  過去にウィリー・クレイトンのENDZONEなどから作品をリリースしていた中堅サザン・ソウル・シンガー、オマー・カニンガム'08年4作目はアラバマ州バーミンガムのインディ・レーベルからリリース。
  現在のサザン・ソウル・シーンから活動を始めたシンガーですが、サー・チャールズ・ジョーンズやオマーが楽曲提供もしていたヴィック・アレン(R-0060参照)らと同じく生演奏も重視したモダンなスタイルが特徴。今回もイントロに続くAは'80sメロウ・グルーヴ・フレイヴァーたっぷりのミディアム。BFなどはR-0077で紹介したOnyx-1が演っていてもおかしくないコーラス・グループ仕立て。Hはまるであのコーラス・グループSoloを思い出させるチューン。クワイエット・ストームな哀愁たっぷりのバラードBなど、幅広く聴いてもらうことのできる作品。オマーのテナー・ヴォイスもサザン・ソウルの熱い節回しを生かしながらも、各楽曲を丁寧に歌います。インディーズのチープな音は頂けないが、今様R&Bのビートも苦手、という方にぜひお薦めします。

CD thank you sold out

R-0082 C.L.BLAST
- LAY ANOTHER LOG ON THE FIRE (SOULSCAPE)
1)Don't Fight The Feelin' 2)Hard To Get The Feelin' Again 3)Love Don't Feel Like Love No More 4)Beautiful Lover 5)I Wanna Get Down 6)Let's Do Something Different Tonight 7)If I Had Loved You More 8)I've Got To Make It On My Own 9)Our Love Will Last 10)If I Could Feel That Old Feelin' Again 11)Share Your Love With Me 12)Lay Another Log On The Fire 13)Somebody Shot My Eagle 14)50/50 Love 15)Boomerang Love 16)I Need To Love You 17)Drown In My Own Tears 18)Never Let Me Go 19)I Just Don't Know 20)Let Me Entertain You

  '50年末のアーリー・ソウル期から多くのレーベルにシングルを残した南部アラバマ州出身のグレイト・シャウター、C.L.ブラスト。彼の1stアルバム「I Wanna Get Down」(Cotillion)'80 と「C.L.Blast」(Park Place)'84に'76/'77年のJuanaからのシングル曲4曲を収録したCDが近年絶好調のソウルスケイプからリリースされました。
  ミディアム・ファンキー・ディープ・ナンバー@とこれぞ'70sサザン・ソウルなバラードAは'76年サム・ディーズ・プロデュースのシングル。そしてこのCDの影の主役、フレデリック・ナイトが手掛けることとなる'70sサザン・ダンサー傑作シングルBCの収録も嬉しい。ラフでダイナミックな歌い方をする割には粗さを感じさせない丁寧な歌唱スタイルはフレデリック・ナイト制作の楽曲・サウンドにぴったり。
  2枚のアルバムもその路線を継承したもので、'70年代のサザン・ソウル・テイストを受け継いだ作りになっています。同じくフレデリック・ナイトが手掛けたコントローラーズ同様、初期マラコの重厚かつ華麗なサウンドの中を気持ちよく歌い上げる作品。いつまでも色褪せないソウル・ミュージック。今年のリイシューCD目玉の一枚です。個人的には今後、フレデリック・ナイトの手掛けた作品を集めたコンピ(または単独アーティストもの)・シリーズが始まってくれると嬉しいのですが。

CD\2490-

R-0081 PARKER-THIS WORLD'S GONE MAD(MOE SOUL)
1)I Wanna Be A Millionaire 2)This World's Gone Mad 3)Being Without You (Lonely Mr.Blue) 4)Shattered Dream 5)Things Can Get Better 6)Change Your Wicked Ways 7)I Want You (Take Me) 8)Pharaoh's Land 9)Believe (Savior Without A Race) 10)This World's Gone Mad(Reprise)

  バリー・ホワイトか逆さにしても顔になる騙し絵のような髭をたくわえたシンガー、ケネス・パーカー。西海岸を中心に活動しているようで、これがデヴュー・アルバム。
  顔に似合わず(失礼)シルキーなハイテナー・ヴォイス、マーヴィン・ゲイ・タイプの歌唱スタイル。ファンク魂溢れるベースラインが印象的な今様R&B@で始まり、アダルトな雰囲気のミッドA、留守番電話メッセージっぽい女性のヴォイスで導かれるBはサム・クック・マナーのコーラス・グループ仕立て、スティーヴィー・ワンダーを思わせるメロウな'70sニュー・ソウル・チューンC等、曲調はバラエティながら、一本筋の通った個性が魅力。インディ・ソウル・ファン、英エクスパンジョン辺りのアダルトなモダン・ソウル好き要チェックのシンガーです。

CD thank you sold out
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