ご注意:
@この値は、確認時点のものでメーカによるバージョンアップなどで更新される場合があります、最新情報はメーカにご確認ください。
Aキーサイト・テクノロジーの26.5GHzタイプではN型が標準ですが、一般にN型は18GHzが上限(TE11モードのカットオフは19.4GHz)なのでAPC3.5(TE11モードのカットオフは38.8GHz)がオプションとして準備されています。
BK型やV型コネクタはアンリツ(ウイルトロン)の呼称のため、キーサイトやローデ&シュワルツは使いたくないようでK型を2.92、V型を1.85と表記しています。なおAPC2.4やAPC3.5のAPCはAmphenolPrecisionConnector(アンフェノール精密コネクタ)ですが、コネクタ大手のアンフェノールとHP(現キーサイト)が協力して開発したためPC2.4や2.4と表記しているメーカもあるようです。同軸コネクタの表記は悩ましいようです。
C測定周波数範囲が50GHzを超えるスペクトラムアナライザは、ミキサや切替スイッチなどが追加されるため、50GHz以下では、上限周波数が50GHzのスペクトラムアナライザよりNFが悪くなり、R&Sは10dB程度悪くなりますが。キーサイトN9041Bの90GHzと110GHzは専用の1.0mmコネクタで入力2として独立させ、50GHz以下は2.4mmコネクタを入力1とした別個のコネクタにしたことにより、50GHz以下のスペクトラムアナライザに対し、NFの悪化を1dB〜3dB程度の悪化に抑えているようです。ちなみにR&SのFSW85は90GHzまで対応したようですが、90GHz対応は1.0mmコネクタでRF1としており、67GHzまでをRF2として1.85mmコネクタにしてRF1、RF2の関係をキーサイトと逆にしているようです。
DN9041BのRF2コネクタ側の50GHz〜110GHzはYIGチューナブルフィルタがなく、ソフトウエアプリセレクションという機能が実装されていますが、外部ミキサを用いたシグナルIDと同様な機能のためCW以外はまともに測定できません。ソフトウエアプリセレクション機能はデフォルトでONになっていますので注意が必要で、特にFM-CW(車載のチャープレーダー)などは信号が消えてしまうためスペクトラムアナライザが壊れたのかとびっくりします。ソフトウエアプリセレクションというのは、ソフトウエアでプリセレクタ機能を実現しているような誤解を与える表現なので注意が必要です。
EN9041Bのオプション型名は、110GHz(Wバンド)オプション−5CXのCXはローマ数字で110ですが、−5110にすると桁数が揃わないため、桁数制限でCXにしたのでしょうか。なお、90GHz(Eバンド)の−590もアラビア数字とローマ数字混在にすると−5XCとなってしまい、混乱を避けるため桁数が超える部分のみ対応したのでしょうか??ちなみに140GHz(Fバンド)になると−5CXLになってしまいますが、校正周波数の上限がNPL:110GHz、PTB:110GHz、NIST:98GHzなので妥当かもね、でも国内ではNMIJ(AIST):170GHz、NiCT:170GHzまで可能なようです。170GHzだと−5CLXXになってしまうかも。2018年にはAISTとNICTで330GHzまでの校正サービスを開始したようです。
Fアンリツが平成29年2月16日に市販した、MS2760Aシリーズは、110GHzまで測定可能とし、USB3.0インタフェースでタブレット端末を表示画面とすることにより、本体を超小型(155×84×27mm、255g)で低価格とした画期的なモデルで、40GHz以上ではR&SのFSW85と同レベル、80GHz以上ではFSW85より低いノイズフロアを確保しているようですが、30GHz以下では10dB〜20dBも見劣りするようです。
GFSW85はオプション追加で90GHzまで拡張できるようになりましたが、YIGチューナブルフィルタは85GHzまでが限界のため、上の表ではFSW90としていますが、実際にはFSW90という型名にはしなかったようです。他のスペアナでは一般にミリ波の測定において、ハーモニックミキサのシグナルIDやソフトウエアプリセレクションなどの機能でイメージを消していますが、ローカルをロアーローカルとアッパーローカルを切り替えてミニマムホールド処理をするためFMCWや変調信号はまともに測定できません。YIGチューナブルフィルタは磁界を加えて高周波数に対応しているようですが、発熱が大きくなるなど85GHzを超えるのは困難なようです。また残念ながら90GHzまでの測定を選択すると85GHz以下もYIGフィルタPASSになってしまうようです。他のフィルタなどをプリセレクタとして使用して正しい測定ができる周波数範囲を拡張して欲しいものです。ちなみに、YIGフィルタを使用すると挿入損失分だけNFが劣化するためMA2808Aのファンダメンタルミキサに比べてNFが悪くなってしまいます。なお、RBWが20MHz(30MHz影響は限定的)を超えるとYTFの影響でRBWの値が周波数ごとに変わりますので注意が必要です。キーサイトはプリセレ付きハーモニックミキサ11974VEで80GHzまで対応していましたが、今では怪しいソフトウェアプリセレクションに依存し、YIGチューナブルフィルタは50GHzまでしか対応していないようです。
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