スペクトラムアナライザ(測定周波数範囲)

スペアナ 型名 下限周波数 上限周波数 コネクタ 外部ミキサ 備考類
8565E 9kHz 50GHz APC2.4 外部ミキサ ポータブル
E4443A 3Hz 6.7GHz
E4445A 3Hz 13.2GHz
E4440A 3Hz 26.5GHz 外部ミキサ
E4447A 3Hz 42.98GHz APC2.4
E4446A 3Hz 44GHz APC2.4 外部ミキサ
E4448A 3Hz 50GHz APC2.4 外部ミキサ
N9918A 5kHz 26.5GHz ハンドヘルド
N9020A-526 10Hz 26.5GHz
N9030A-503 3Hz 3.6GHz
N9030A-508 3Hz 8.4GHz
N9030A-513 3Hz 13.6GHz
N9030A-526 3Hz 26.5GHz 外部ミキサ
N9030A-543 3Hz 42.98GHz APC2.4 外部ミキサ
N9030A-544 3Hz 44GHz APC2.4 外部ミキサ
N9030A-550 3Hz 50GHz APC2.4 外部ミキサ
N9040B-508 3Hz 8.4GHz
N9040B-513 3Hz 13.6GHz
N9040B-526 3Hz 26.5GHz
N9040B-544 3Hz 44GHz APC2.4 外部ミキサ
N9040B-550 3Hz 50GHz APC2.4 外部ミキサ
N9041B-590 3Hz 90GHz 1.00 2016-10
N9041B-5CX 3Hz 110GHz 1.00 2016-10
MS2690A 50Hz 6GHz
MS2691A 50Hz 13.5GHz
MS2692A 50Hz 26.5GHz
MS2722A 9kHz 9GHz ハンドヘルド
MS2723A 9kHz 13Hz ハンドヘルド
MS2724A 9kHz 20GHz ハンドヘルド
MS2725A 9kHz 32GHz ハンドヘルド
MS2726A 9kHz 43GHz APC2.4 ハンドヘルド
MS2760A-032 9kHz 32GHz 画面無USB 2017-02
MS2760A-044 9kHz 44GHz 画面無USB 2017-02
MS2760A-050 9kHz 50GHz 画面無USB 2017-02
MS2760A-070 9kHz 70GHz 画面無USB 2017-02
MS2760A-090 9kHz 90GHz 画面無USB 2017-02
MS2760A-110 9kHz 110GHz 画面無USB 2017-02
MS2830A-0409kHz3.6GHz
MS2830A-041 9kHz 6.0GHz
MS2830A-043 9kHz 13.5GHz
MS2830A-044 9kHz 26.5GHz 外部ミキサ
MS2830A-045 9kHz 43GHz 外部ミキサ
MS2840A-040 9kHz 3.6GHz
MS2840A-041 9kHz 6.0GHz
MS2840A-044 9kHz 26.5GHz
MS2840A-046 9kHz 44.5GHz 外部ミキサ 2016-04
MS2850A-047 9kHz 32.0GHz 外部ミキサ 2018-07
MS2850A-046 9kHz 44.5GHz 外部ミキサ 2018-07
R3273 100Hz 26.5GHz
R3681A 20Hz 32GHz
FSU3 20Hz 3.6GHz
FSU8 20Hz 8GHz
FSU26 20Hz 26.5GHz APC3.5
FSU43 20Hz 43GHz 2.92
FSU46 20Hz 46GHz 2.92
FSU50 20Hz 50GHz APC2.4 外部ミキサ
FSU67 20Hz 67GHz 1.85 外部ミキサ
FSW8 2Hz 8GHz
FSW13 2Hz 13.6GHz
FSW26 2Hz 26.5GHz APC3.5
FSW43 2Hz 43.5GHz 2.92
FSW50 2Hz 50GHz 1.85 外部ミキサ
FSW67 2Hz 67GHz 1.85 外部ミキサ
FSW85 2Hz 85GHz 1.00 外部ミキサ 2015-08
FSW90 2Hz 90GHz 1.00 外部ミキサ 2017-09
RSA6114B 9kHz 14GHz
RSA5103B 1Hz 3GHz
RSA5106B 1Hz 6.2GHz
RSA5115B 1Hz 15GHz
RSA5126B 1Hz 26.5GHz
ご注意:
@この値は、確認時点のものでメーカによるバージョンアップなどで更新される場合があります、最新情報はメーカにご確認ください。

Aキーサイト・テクノロジーの26.5GHzタイプではN型が標準ですが、一般にN型は18GHzが上限(TE11モードのカットオフは19.4GHz)なのでAPC3.5(TE11モードのカットオフは38.8GHz)がオプションとして準備されています。

BK型やV型コネクタはアンリツ(ウイルトロン)の呼称のため、キーサイトやローデ&シュワルツは使いたくないようでK型を2.92、V型を1.85と表記しています。なおAPC2.4やAPC3.5のAPCはAmphenolPrecisionConnector(アンフェノール精密コネクタ)ですが、コネクタ大手のアンフェノールとHP(現キーサイト)が協力して開発したためPC2.4や2.4と表記しているメーカもあるようです。同軸コネクタの表記は悩ましいようです。

C測定周波数範囲が50GHzを超えるスペクトラムアナライザは、ミキサや切替スイッチなどが追加されるため、50GHz以下では、上限周波数が50GHzのスペクトラムアナライザよりNFが悪くなり、R&Sは10dB程度悪くなりますが。キーサイトN9041Bの90GHzと110GHzは専用の1.0mmコネクタで入力2として独立させ、50GHz以下は2.4mmコネクタを入力1とした別個のコネクタにしたことにより、50GHz以下のスペクトラムアナライザに対し、NFの悪化を1dB〜3dB程度の悪化に抑えているようです。ちなみにR&SのFSW85は90GHzまで対応したようですが、90GHz対応は1.0mmコネクタでRF1としており、67GHzまでをRF2として1.85mmコネクタにしてRF1、RF2の関係をキーサイトと逆にしているようです。

DN9041BのRF2コネクタ側の50GHz〜110GHzはYIGチューナブルフィルタがなく、ソフトウエアプリセレクションという機能が実装されていますが、外部ミキサを用いたシグナルIDと同様な機能のためCW以外はまともに測定できません。ソフトウエアプリセレクション機能はデフォルトでONになっていますので注意が必要で、特にFM-CW(車載のチャープレーダー)などは信号が消えてしまうためスペクトラムアナライザが壊れたのかとびっくりします。ソフトウエアプリセレクションというのは、ソフトウエアでプリセレクタ機能を実現しているような誤解を与える表現なので注意が必要です。

EN9041Bのオプション型名は、110GHz(Wバンド)オプション−5CXのCXはローマ数字で110ですが、−5110にすると桁数が揃わないため、桁数制限でCXにしたのでしょうか。なお、90GHz(Eバンド)の−590もアラビア数字とローマ数字混在にすると−5XCとなってしまい、混乱を避けるため桁数が超える部分のみ対応したのでしょうか??ちなみに140GHz(Fバンド)になると−5CXLになってしまいますが、校正周波数の上限がNPL:110GHz、PTB:110GHz、NIST:98GHzなので妥当かもね、でも国内ではNMIJ(AIST):170GHz、NiCT:170GHzまで可能なようです。170GHzだと−5CLXXになってしまうかも。2018年にはAISTとNICTで330GHzまでの校正サービスを開始したようです。

Fアンリツが平成29年2月16日に市販した、MS2760Aシリーズは、110GHzまで測定可能とし、USB3.0インタフェースでタブレット端末を表示画面とすることにより、本体を超小型(155×84×27mm、255g)で低価格とした画期的なモデルで、40GHz以上ではR&SのFSW85と同レベル、80GHz以上ではFSW85より低いノイズフロアを確保しているようですが、30GHz以下では10dB〜20dBも見劣りするようです。

GFSW85はオプション追加で90GHzまで拡張できるようになりましたが、YIGチューナブルフィルタは85GHzまでが限界のため、上の表ではFSW90としていますが、実際にはFSW90という型名にはしなかったようです。他のスペアナでは一般にミリ波の測定において、ハーモニックミキサのシグナルIDやソフトウエアプリセレクションなどの機能でイメージを消していますが、ローカルをロアーローカルとアッパーローカルを切り替えてミニマムホールド処理をするためFMCWや変調信号はまともに測定できません。YIGチューナブルフィルタは磁界を加えて高周波数に対応しているようですが、発熱が大きくなるなど85GHzを超えるのは困難なようです。また残念ながら90GHzまでの測定を選択すると85GHz以下もYIGフィルタPASSになってしまうようです。他のフィルタなどをプリセレクタとして使用して正しい測定ができる周波数範囲を拡張して欲しいものです。ちなみに、YIGフィルタを使用すると挿入損失分だけNFが劣化するためMA2808Aのファンダメンタルミキサに比べてNFが悪くなってしまいます。なお、RBWが20MHz(30MHz影響は限定的)を超えるとYTFの影響でRBWの値が周波数ごとに変わりますので注意が必要です。キーサイトはプリセレ付きハーモニックミキサ11974VEで80GHzまで対応していましたが、今では怪しいソフトウェアプリセレクションに依存し、YIGチューナブルフィルタは50GHzまでしか対応していないようです。



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