型式名称はスペクトラムアナライザの測定可能な上限周波数によって異なっていましたが、最近はキーサイトやアンリツはダッシュ番号で識別しているようです。 ① キーサイト・テクノロジー(以前のアジレント・テクノロジー、ヒューレット・パッカード) (a)PSAシリーズ E4443A(6.7GHz)、E4445A(13.2GHz)、E4440A(26.5GHz)、E4447A(42.98GHz)、E4446A(44GHz)、E4448A(50GHz)のように上限周波数によって型名が異なっていました。なお数字は周波数順でもないようです。 (b)PSXシリーズ N9030A-503(3.6GHz)、N9030A-508(8.4GHz)、N9030A-513(13.6GHz)、N9030A-526(26.5GHz)、N9030A-543(42.98GHz)、N9030A-544(44GHz)、N9030A-550(50GHz)のようにダッシュ番号の末尾2桁が上限周波数のGHzのようです。 (c)UXAシリーズ N9040B-526(26.5GHz)、N9040B-550(50GHz)のように整理されており、N9030Aと同様です。 (d)UXA Xシリーズ N9041B-590(90GHz)、N9041B-5CX(110GHz)も上記と同様ですが、110GHzの機種は110とすると桁数が多くなるため2桁にこだわってローマ数字CXにしたようです。 (e)なお、キーサイトでは、EやNから始まる型名は、パワーメータなど他の種類の測定器でも用いられています。 ② アンリツ (a)MS2690Aシリーズ MS2690A(6.0GHz)、MS2691A(13.5GHz)、MS2692A(26.5GHz)のように上限周波数によって型名が異なっていました。 (b)MS2830A/40A/50Aシリーズ MS2830A-040(3.6GHz)、MS2830A-041(6.0GHz)、MS2830A-043(13.5GHz)、MS2830A-044(26.5GHz)、MS2830A-045(43GHz)、MS2840A-040(3.6GHz)、MS2840A-041(6.0GHz)、MS2840A-044(26.5GHz)、MS2840A-046(44.5GHz)のようにキーサイトのN9030Aのようにダッュ番号になりましたが、周波数のGHzが反映されているわけではなく、040から周波数順に昇順になっていましたが、MS2850A-047(32.0GHz)、MS2850A-046(44.5GHz)となり、周波数順ではなくなったようです。 (c)MS2760Aシリーズ MS2760A-0032(32GHz)、MS2760A-0044(44GHz)、MS2760A-0050(50GHz)、MS2760A-0070(70GHz)、MS2760A-0090(90GHz)、MS2760A-0110(110GHz)のようにキーサイトのN9030Aと同じダッシュ番号の末尾が上限周波数のGHzのようですが、110GHz対応についてもN9041B-5CXのように3桁にこだわらず、わかりやすくダッシュ番号は4桁を採用しています。 (d)なお、アンリツの場合は、以前に無線機や公衆電話など幅広くやっていたので、測定器の型名のトップにはMを付しているようで、スペクトラムアナライザはMSxx、標準信号発生器はMGxxなどのようにわかりやすくなっています。 ③ ローデ&シュワルツ (a)FSUシリーズ FSU3(3.6GHz)、FSU8(8GHz)、FSU26(26.5GHz)、FSU43(43GHz)、FSU46(46GHz)、FSU50(50GHz)、FSU67(67GHz)のように型名の数字が上限周波数のGHzのようです。 (b)FSWシリーズ FSW8(8GHz)、FSW13(13.6GHz)、FSW26(26.5GHz)、FSW43(43.5GHz)、FSW50(50GHz)、FSW67(67GHz)、FSW85(85GHz)、FSW90(90GHzまでオプションで拡張ですが、YTFが85GHzまでなので型名はFSW85のままです)のように型名の数字が上限周波数のGHzのようです。 (c)なお、ローデ&シュワルツの場合は、スペクトラムアナライザはFSxx、標準信号発生器はSMxxかSGxx、ネットワークアナライザはZVxx、EMIレシーバはESxxなどのようにわかりやすくなっています。 ④ テクトロニクス (a)RSA6000シリーズ RSA6106A(6GHz)、RSA6114A(14GHz)、RSA6120A(20GHz)のように型名の下2桁の数字が上限周波数のGHzのようです。 (b)RSA5000シリーズ RSA5103B(3GHz)、RSA5106B(6.2GHz)、RSA5115B(15GHz)、RSA5126B(26.5GHz)のように型名の下2桁の数字が上限周波数のGHzのようです。 (c)なお、テクトロニクスの場合は、スペクトラムアナライザはリアルタイムスペクトラムアナライザなのでRSAxx、オシロスコープはTxxなどのようにわかりやすくなっています。 ⑤ アドバンテスト (a)最近はスペクトラムアナライザから撤退し、半導体テスタをメインにしているようです。タケダ理研のころは、TRxxと言う型名でしたが、1982年にアドバンテストになってからはRxxと言う型名になっていました。R3681A(32GHz)が発売された2004年ころは画期的な、大画面カラーLCDのタッチパネルが採用されていたほか、デジタルフィルタのRBWもアジレントが8MHz対応というものの3MHzを超えると怪しくなり8MHzは完全にアナログフィルタだったのに比べ、アドバンテストはRBW10MHzまで特性が揃っていました。 |
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