シェイプファクタ(RBW)

スペアナ -3dB幅 -6dB幅 -20dB幅 -60dB幅 RBW1MHz
フィルタ種類
71210C 0.92 1.35 3.09 9.68 アナログ
8565E 0.98 1.48 3.28 7.93 アナログ
E4440A 1.00 1.40 2.48 3.86 デジタル
N9918A 1.01 1.40 2.39 3.69 デジタル
N9020A 1.00 1.40 2.49 3.93 デジタル
N9030A 1.00 1.40 2.49 3.93 デジタル
N9040B 1.00 1.40 2.49 3.95 デジタル
N9041B 1.00 1.40 2.49 3.95 デジタル
MS2717B 1.00 1.40 2.50 4.17 デジタル
MS2760A 0.99 1.36 2.45 3.92 デジタル
MS2691A 0.94 1.33 2.42 4.16 デジタル
MS2692A 0.94 1.33 2.42 4.16 デジタル
MS2830A0.941.332.424.19デジタル
MS2840A 0.94 1.32 2.41 4.18 デジタル
MS2850A 0.93 1.32 2.41 4.17 デジタル
R3273 1.02 1.48 3.22 9.78 アナログ
R3681 1.00 1.44 2.69 4.71 デジタル
FSEK30 1.08 1.57 3.33 7.76 アナログ
FSU67 1.02 1.50 3.19 8.98 アナログ
FSVR40 0.99 1.41 2.57 4.45 デジタル
FSW26 0.98 1.39 2.56 4.45 デジタル
FSW67 0.99 1.41 2.57 4.45 デジタル
RSA6114A 1.03 1.44 2.57 4.14 デジタルKaiser α11
RSA5126A 1.03 1.45 2.57 4.12 デジタルKaiser α11
ご注意:(RBWフィルタの上限や設定ステップにも注意が必要です。)
①この値は、周波数1GHzの値ですが、メーカによるバージョンアップなどで変更される場合があります、最新情報はメーカにご確認ください。ちなみに、シェイプファクタとは、60dB減衰帯域幅と3dB減衰帯域幅の比で表示されるのが一般的で選択度特性とも呼称されるようです。

②アナログ/デジタルの適用はRBW1MHzのものです。R3273でもRBW100Hz以下では、アナログフィルタとデジタルフィルタの両方があります。またFSU67でもRBW100kHz以下はデジタルフィルタ、E4440AもRBW8MHzはアナログフィルタ、MS2830AはRBW20MHzまでデジタルフィルタです。

③FSW50、FSW67、FSW85などでは、オプションでRBWが80MHzまで可能なようですが、RBW80MHzは、3dB減衰帯域幅がなんとか80MHzにしたようで、80MHz帯域内でもリップルがあるほか、80MHz帯域外は急峻に減衰していますので、パルス測定の場合にオーバーシュートがあり値がずれる懸念があります。なお、RBW50MHzではFSU67よりも大幅に改善されているようです。ただし、トップがLPFの場合のみで、YTFの影響が顕著になる数GHz以上ではRBW20MHzを超えると周波数によって帯域幅が変動し、RBW80MHz設定では40MHz程度になる周波数が有り注意が必要です。⑥も参照してください。
また、N9040B、N9041BはRBW8MHzが上限ですが、RBW5MHzと8MHzの帯域外が急峻に減衰するため、パルス測定は大きなオーバーシュートが発生します。RBW5MHzと8MHzは、N9030AのRBWフィルタの方が特性がよいかも知れません。

④ MS2830A、MS2691AなどはRBW1MHz設定の3dB幅が940kHzのため広帯域信号を測定する場合に1MHz幅の他機種にくらべ、約0.25dB程度低い値になります。1GHzを超えた不要発射の測定はRBWを1MHzに設定して測定することになるため、有利かも知れません。

⑤ N9041Bの212MHzRBWオプションは、通常の周波数掃引では使えずに多くの制約があるため注意が必要です。(a)ゼロスパンの時のみ有効なようで、RBW:10MHzから212MHzまで可能とのことですが、VBWが50MHzまでしか設定できません。(b)DETもPosiPeakしか選択できず、VBWも50MHzまでしか設定できないので、ピーク測定はどんなに妥協してもRBW:50MHz以上は大幅に低い値になり測定値が信用できません。ただしVBWの設定値を狭くしても波形が変わらないためVBWの実際の値は不明です。(c)RBWの設定は10MHz、15MHz、20MHz、25MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、100MHz、133MHz、150MHz、200MHz、212MHzに設定できますが、VBWの設定最大値は50MHzのままなのは不思議です。(d)RBWの種類は周波数掃引で設定可能な従来のRBW:8MHz以下では、Gaussの-3dB、-6dB、Inpulse、Noiseの選択や、Flattopの選択ができますが、0スパンで設定可能なRBW:10MHz以上では、フィルタの選択機能がありません。もともとRBW:8MHz以下といっても、Gaussフィルタの選択はRBW:3MHz以下のE24シリーズの設定ができる範囲に限られていましたので選択できないのは当然ではありますが。(e)RBWを10MHz以上に設定するとSWTも任意に設定できなくなり、SWTが勝手に変わってしまい使い物になりません。(f)また、RBW10MHz以上ではSWTも2ms以下に設定不可でRBWの値によって掃引時間が変動し、時間軸が-3%~-9%までずれた値になります。(g)トリガ点はRBW8MHz以下でも2データ点分ずれています。バグがあっても、不十分で使えない機能でも販売するのがキーサイト(アジレント)の姿勢のようです。

⑥ 71210Cは全部アナログフィルタなのでRBWによってシェイプファクタが大きく異なりますし、RBW3MHzを超えると誤差が大きくなります。FSU67はRBWが50MHzまでありますが、3.6GHz以下で50MHz-20%、+20%ですが、3.6GHzを超えるとプリセレの影響で広いRBW50MHzは-30%、+100%がカタログ値となります。

⑦ 機種によって差はありますが、3G~4GHzを超えると、プリセレ(YTF:YIGチューナブルフィルタ)の影響で広いRBWはフィルタの形状が大きく変わります。キーサイトはRBWの上限が8MHzですが、数GHz以上ではフィルタの形状に大きな影響があります。ローデ&シュワルツはRBW20MHz程度まではYTFの影響は限定的ですが、RBWを50MHzや80MHzにするとYTFの影響が大きくなり、RBW80MHzだと、測定する周波数によっては-3dB帯域幅が40MHzになることもあり、上限周波数67GHzや85GHzの機種では周波数ごとにYTFの影響が大きく異なるため事前に十分確認してから使用する必要があります。ソフトが最新のバージョンではYIGフィルタの影響がある旨の注意表示がされるようになりました。最終段のRBWがデジタルフィルタでも前段のアナログ回路の影響で特に広いRBWフィルタは特性が変動しますので注意が必要です。




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