Bird Talk − テキスト軽量版

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  ▽オカメインコの生態
  ▼オカメインコの飼い方
     ▼第一章:オカメインコと暮らす為の準備
     ▼第二章:雛の育て方
     ▼第三章:毎日のお世話の仕方
     ▼第四章:オカメインコのお家(ケージ)
     ▼第五章:オカメインコのご飯(餌)
  ▽オカメインコの病気と治療


▼オカメインコの飼い方
第五章:オカメインコのご飯(餌)
  ◆主食
  ◆副食
  ◆野菜は緑の濃い物を
  ◆良い青菜、悪い青菜
  ◆蛎殻(ボレー粉)
  ◆イカの甲(カットルボーン)
  ◆土及び川砂(塩土)
  ◆おやつ
  ◆餌の与え方

◆主食

鳥の主食は主に穀類です。これに、青菜や蛎殻といった副食を加え、始めて生きて行く為に必要な栄養素が揃うのです。
では、オカメインコの主食についてお話ししましょう。
主食となる穀類は主に、ヒエ・粟・キビ・カナリーシードです。昔から言われている配合比率は、ヒエ6:粟1:キビ1:カナリーシード2とされています。
ただ、各社様々な配合飼料(餌)が発売されていますが、内容はまちまちです。私的調査結果によると、ヒエ3:粟4:キビ1.5:カナリーシード1.5だったり、ヒエ4:粟4:キビ1:カナリーシード1だったりします。
調査方法:市販の配合飼料を100gずつ取り、ピンセットで種分け、軽量。これを3回ほど繰り返し平均値を取りました(相当暇人)。
別に悪い訳ではありません。通常手に入る市販の小鳥用の配合飼料で充分です。ただし、どの配合肥料でも、必ず殻付きの餌にして下さい。
むき餌は餌殻が回りに飛び散らず、餌の減り具合も一目で分かって一件便利な様ですが、栄養価や保存の点で殻付きに比べて遥かに劣ります。
お米に例えると分かりやすいです。お米も精米した物より、籾の状態の方が保存状態も良く、食べる毎に精米して炊いたごはんの方がおいしいですね。また、「殻をむく」という行為は、鳥にとってはストレス解消にも成ります。特に栄養価においては殻付きの方が遥かに高いです。面倒でも必ず殻付きの餌にして下さい。
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◆副食

鳥の主食はヒエや粟等の穀類ですが、これだけを与えていたのでは、生きていく為に必要なビタミン、ミネラル、カルシウムといった栄養素が不足してしまいます。栄養をバランス良く摂取する為にも次に上げる副食は必ず与えて下さい。
青菜:ビタミン、繊維質を補給します。
蛎殻・イカの甲:ミネラル、カルシウムを補給します。
土及び川砂:餌の消化に必要な砂を補給します。
ソバの実、燕麦、ヒマワリの種、麻の実等:蛋白質や脂質を多く含む飼料です。上記に対し、これらは必ずしも与えなくてはならない物ではありません。おやつとして与えたり、体調や季節、成長に合わせて与えます。
以上、割と手に入りやすい代表的な物を上げてみましたが、この他にも様々な飼料が有ります。主食と合わせ、バランスの良い食事にして上げて下さい。
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◆青菜は緑の濃い物を

体のバランスを保つのに、ビタミンはとても大切な栄養素の一つです。そのビタミンの中でも鳥の体にとって特に大切なのがビタミンAで、このビタミンAを最も多く含む食べ物が、緑の濃い野菜です。
キャベツ等の緑の薄い野菜に対し、チンゲン菜等の緑の濃い野菜はビタミンAの含有量が遥かに高く、キャベツ10口分のビタミンAをチンゲン菜なら一口で摂取する事が出来ます。ですから青菜を与える時は、なるべく緑の濃い野菜を与える様にして下さい。
緑の濃い野菜の代表としては、チンゲン菜を始め、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー等が上げられます。特にブロッコリーはあのプチプチ感が良いのか、青菜嫌いな子も好んで食べる傾向にあります。
青菜は毎日新鮮な物をあげて下さい。野菜は生物ですから、決して前の日のがまだ残っているからと言って使い回しはしないで下さい。
与える時は流水で良く洗い、水を張った菜っ葉入れに挿し、止まり木の近く等、食べやすい位置に固定します。菜っ葉を抜いて食い散らかしてしまうようで有れば、洗濯ばさみ等でちょっと挟んで上げると良いでしょう。
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◆良い青菜、悪い青菜

「家の子、青菜が大好きで放鳥中によくポトスなんかも食べるんですよ」
大変危険ですので速攻ヤメさせましょう。
観葉植物はあくまでも見る為の植物で、食べ物ではありません。中には毒性を持つ物も多いので、鳥が口にしてしまう様な場所に観葉植物を置くのは避けて下さい。与えて良いのは主に、チンゲン菜やほうれん草と言った食用青菜です。
「ほうれん草はアクが強いから、人間だって生で食べちゃいけないのに、そのまま食べさせても良いの?」
はい、大丈夫です。そもそもアクという物は苦み成分に含まれ、そのまま摂取するとカルシウムを取り込んで体の外に排出してしまう為、アクの強い物は煮出してから食べる様にと言われています。しかし、鳥には蛎殻やイカの甲といった副食できちんとカルシウムを補給していますよね、ですからそのまま与えても何ら問題はありません。むしろビタミンAの含有量が断然多いので、率先して与えて欲しい青菜の一つです。
また、ハコベやタンポポといった野草も与えて良い青菜です。ただし、その辺に生えている物を採ってきて与えるのはお薦めできません。道ばたに生えている物は、犬猫の排泄物等で大変不衛生です。高位置に生えている物でも、除草剤や農薬がまかれた事のある場所かも知れません。生野菜として与える物ですから、熱湯消毒する訳にも行きませんし、良く洗ったとしてもこれらの物は完全には落ちません。
どうしても上げたいのであれば、プランター等で自家製栽培をして与える事をお薦めします。元々は雑草ですから、少量の根からでもアットいう間に増えます。プランターで栽培する場合は、せっかくですから無農薬の土で日の光をたっぷりと浴びた健康な青菜を育てて与えて下さい。きっと鳥も喜びますよ。
また、パセリ等のハーブを与えてみるのも良いでしょう、与える時は刺激性の少ない、スパイス系では無い物をあげて下さい。
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◆蛎殻(ボレー粉)

蛎殻は、ボレー粉という商品名で売られている蛎の貝殻を細かく砕いた物で、ミネラル、カルシウムを多く含む副食です。
ペット用品を取り扱っているお店では必ずと言って良い程手に入りますが、買う時は必ず、白いボレー粉を購入して下さい。
元来蛎殻は白い物(多少黒混じり)です。緑色の物は合成着色料ですから、鳥の健康を考えるので有れば、与えない様にして下さい。
合成着色料なのかどうか判断が付かない時は、一度お湯に付けてみて下さい。合成着色料の場合はお湯が緑色に染まり、色落ちします。
購入後は不純物を取り除く為に白、緑を問わず、必ず水で10回以上良く洗い、天日干しをして、密閉容器に乾燥剤を入れて保存します。与える時は、小さな半月容器等に入れ、止まり木の近く等、食べやすい位置に固定し、週に1回は総入れ替えをしましょう。
中には、蛎殻を全く口にしない子もいますが、食べないからと言って撤去はしないで下さい。何かの拍子に食べてくれるかも知れません。
どうしても食べないので有れば、蛎殻の中に大好きなおやつを細かく砕いて振りかけてみる等、食べてくれる様な工夫をしましょう。
また、卵の殻を良く洗い、電子レンジ等で加熱消毒して砕いた物を与えても良いでしょう。ただし、蛎殻に比べて保存は長く持ちませんから、まめに取り替える様にして下さい。
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◆イカの甲(カットルボーン)

イカの甲は、イカの頭部にある骨で、カットルボーンという商品名で売られている事もある、ミネラル、カルシウムを多く含む副食です。
ペット(鳥)用品を取り扱っているお店で買う事が出来ますが、お魚屋さんでも手に入ります。魚屋ではイカを捌いた後は捨てるだけの物なので、タダで譲ってくれる事もあります。その場合は水で良く洗い、乾燥させてから与えて下さい。
与え方は、触ると崩れる柔らかい方が表に出るように、ケージの側面の食べやすい位置に針金や凧糸等でしっかり固定します。商品を買うと、専用の取り付け金具が付いている事もあります。
イカの甲も、蛎殻同様食べない子がいますが、食べないからと言って撤去はしないで下さい。
また、ただ嘴で削って下にかすを溜めているだけの様な場合も、少しは口に入っているのでそのままにしておきましょう。
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◆土及び川砂(塩土)

鳥には「砂肝」という内臓があります。その名の通りこの中には砂が入っていて、食べた物を擂り潰す働きを持つ消化器官の一つです。したがって鳥は、有る程度砂を食べて補給しなければなりません。
鳥に与える砂としては塩土という商品があります。これは塩分を含む柔らかい土に蛎殻等を混ぜ、圧力機で固めた物です。
与える時は、触ってぽろぽろと崩れるくらい柔らかい物を選んで下さい。また、一度電子レンジで加熱消毒をすると良いでしょう。そして、ケージの床に直接置きっぱなしにはせず、糞等がかからない場所に固定するか、小さい半月容器に入れて少量ずつ与えます。
しかし、コレを与えるかどうかについては賛否両論です。塩土に含まれる物には不純物も多く、何が入っているか明記されている物は殆どありません。また塩分が含まれる為、コレを好んで食べ過ぎてしまう子も中にはいます。塩土を食べ過ぎると今度は喉が渇いて水をガブ飲みしてしまい、結果下痢やそのう炎と言う病気を引き起こしてしまう場合もあります。
ですから与える時は塩土を入れっぱなしにはせずに、1週間に1〜2回と決めて、定期的に与える様にすると良いでしょう。
もし塩土を与えないので有れば(我家もそうですが)、代わりの土や砂を用意して与える様にします。我家では鳥の食用焼き砂を与えています。また、川砂を良く洗い、天日干しして与えるのも良いでしょう。
ただし、園芸用として売られている土を買ってきて与えるのは止めて下さい。園芸用の殆どの土には予め化学肥料や農薬が含まれています。鳥が中毒を起こしてしまいますので注意して下さい。
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◆おやつ

上記に上げた餌で鳥が生きていく為に必要な最低限の栄養素は揃います。
その他、気候や体調に合わせて様々な副食を与えて、バランスの良い餌を作ってあげる事が大切です。
ソバの実、燕麦(えんばく):蛋白質を多く含む副食です。羽の抜け換わる換羽(とや)の時期には、羽の主成分である蛋白質が不足しがちです。羽が生え揃うまでは少し多目に与えると良いでしょう。
ヒマワリの種、麻の実:脂肪分をかなり多く含む副食です。与える時は与え過ぎない様に充分注意して下さい。与える量は、夏季は2〜3日に1〜2粒程度。冬季は1日おきに2〜3粒程度で充分です。
「でも、家の子はヒマワリの種が大好きなんです」
例えばヒマワリの種を毎日好きなだけ食べ放題にしていたとします。ヒマワリの種の脂肪分は人間の食べ物に例えると天丼一杯分に匹敵します。つまり、鳥は毎日天ぷらを食べ続けている事になる訳です。どう考えても不健康ですね。
さらに、この様な濃厚飼料を与え過ぎると、いずれ肥満となり、肥満からさらに、糖尿病、脂肪肝、果ては卵詰まりや骨折と言ったありとあらゆる病や怪我の原因にも繋がります。欲しがるから与えると言う前に、与えた後の鳥さんの体の事も考えてあげて下さい。
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◆餌の与え方

オカメインコの中には結構食べ物の好き嫌いをする子が多い様です。何でも均等に食べてくれるのなら問題はないのですが、偏食されたのではせっかくバランス良く食事を与えても意味がありません。偏食は万病の元ですから、偏食をさせない(好き嫌いをさせない)与え方をしましょう。
餌は朝と晩の2回取り替えます。朝と晩の食事では、夕食の方をメインに考えて与えるようにすると良いでしょう。鳥は空を飛ぶ生き物ですから、昼間はなるべく体を軽くしておく為に、朝からガツガツと餌を食べたりはしません。逆に、夕食は寝ている間の体力維持にとても大切ですので、夕食はしっかり食べさせてから寝かせる様にして下さい。
与える餌の量は、餌箱目一杯に与えると、その中から好きな物だけ寄り分けて食べる子も中にはいますので、なるべく一日で食べきれる量にします。だからと言って餌箱が殻になる程少なくしろと言うのではありません。肥満で食事制限をしている子ならともかく、普通の健康な子なら、寄り分ける余地のない程度(好きな物だけでは、足りないという位)に調節します。
また、ヒマワリの種等のおやつにしても、上げ過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
「大好きだから」「喜ぶから」と言ってそればかりを与え続けるのは、かわいがっているとは言えません。もし、アナタの子供がスナック菓子が好きだからと言って、普通のご飯を与えずにスナック菓子ばかり食べさて育てますか? それは、愛情とは違いますよね。鳥も同じです、おやつを与え過ぎると、そればかりを食べてメインの食事をとってくれなくなります。
おやつの与え方としては、常時ケージの中に入れっぱなしにはせず、放鳥時のコミュニケーションの一環として手から直接与える方が、飼い主との絆も深まり、鳥さんも健康で一石二鳥です。くれぐれも愛情と甘やかしをはき違えないようにして下さい。
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