Bird Talk − テキスト軽量版

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  ▽オカメインコの生態
  ▽オカメインコの飼い方
  ▼オカメインコの病気と治療
     ▼第一章:病気の予防と早期発見
     ▼第二章:病気の看護
     ▼第三章:オカメインコが掛かる主な病気


▼オカメインコの病気と治療
第一章:病気の予防と早期発見
  ◆オカメインコも病気になるの?
  ◆病気になりにくい丈夫な体を作る
  ◆病気の予防
  ◆日頃の健康チェック
  ◆糞の状態をチェックする
  ◆体重を量る
  ◆身体検査
  ◆目で見る身体検査

◆オカメインコも病気になるの?

はい、病気になります。オカメインコとて人間と同じ生き物です、風邪もひけば、癌にもなります。
ただ、人間と鳥の大きな違いは、人間なら薬を飲んで治したり、危なくなれば注射や点滴を打って体力を回復したり出来ますが、鳥は長期間薬を飲み続ける事は出来ません。注射もかなり危険を伴う治療です。まして点滴などは鳥には出来ない治療です。
ですから、日頃から鳥にとって良い飼育を心がけ、病気の予防に努め、鳥をよく観察し、病気の早期発見・早期治療を心がけて下さい。
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◆病気になりにくい丈夫な体を作る

まずは、病気になりにくい丈夫な体を作る事が大切です。これは人間でも同じですね。

規則正しい生活
毎日決まった時間に起床就寝させます。昼は起きていて、暗くなったら寝せる習慣を付けましょう。夜更かしはいけません。一日のサイクルが狂うとホルモンのバランスが崩れ、病気の原因になります。

正しい食生活
毎日の綺麗な水、新鮮な野菜、偏食させない為の適度な量の主食や補助食。栄養の偏らない食生活を心がけて下さい。特に偏食は肥満の原因となり、そこから糖尿病や痛風といった病気に発展する恐れがあります。

適度な運動
一日一回時間を決めて1〜2時間部屋の中で運動させて下さい。放し飼いはいけません。放し飼いは人の目が行き届かない分、怪我や逃がしてしまう危険性も出てきます。

日光浴や水浴びをさせる
一日一回30分程度の日光浴が必要です。日光浴をさせないとカルシウムが不足し、病気や怪我の原因になります。
水浴びは、する子としない子がいるので、様子を見てしたそうな時は気分転換にも成りますからさせてあげて下さい。
これらの事もふまえて、「人間だってこれは不健康でしょう」と思う事は鳥にもさせない様にして下さい。病気知らずはふだんの生活からです。
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◆病気の予防

いくら丈夫で健康な体であっても、生活環境が不衛生であれば病気になります。
ケージ内は清潔に保つようにして下さい。
毎日の掃除はもちろん、週に一度は軽い大掃除。月に一度はケージ全体を水洗いし、日光消毒する大掃除をしましょう。
ケージが不衛生だと、一緒に暮らしている人間も細かい脂粉や羽を吸い込んだりして病気になる恐れがあります。
お互いの健康の為にも、面倒くさがらず、掃除はまめに、かつ丁寧に行って下さい。
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◆日頃の健康チェック

鳥は本来病気を隠す生き物です。自然界では弱った生き物はすぐに外敵にねらわれてしまいます。その為どんなに具合が悪くても鳥は健康なふりをし、飼い主が気づく頃には、健康なふりをする気力もないほど悪くなっていたという事もあるのです。
そうならない為にも、日頃からよく観察し、毎日健康チェックをしてあげましょう。
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◆糞の状態をチェックする

健康のバロメーターを測るのに一番良い方法です。掃除の時にでもチェックをしましょう。
健康な鳥の糞は、形がしっかり残っていて周りにしっとりと水分がにじんでいます。
色は食べている主食によっても多少変わりますが、種子なら濃緑から黒っぽい色、ペレットなら茶系色をしています。
糞の中に白い物が混じっています、これが鳥の尿の部分です。鳥は膀胱(ぼうこう)を持たず、糞と尿を一緒に排出するのです。
まずは、健康な時の糞の状態を覚えておきましょう。普段と違った糞をしていたら、体調が変化した証拠です。

具合の悪い時の一例を上げておきます。
下痢(糞の形が崩れて渦を巻いていない)・多尿(糞の形はあるけど、周りにしみている水分が異常に多い)・栄養吸収の不良(水分は出ているけど、白い尿の部分が全く見られない)・内臓疾患(尿の部分が黄色い、血便等糞の色がいつもと違う)・糖尿(乾燥した糞の周りにキラキラと粉を吹いたような結晶が見られる)等。
鳥は極度の緊張や、急激な気候の変化でも多少糞の状態は崩れる場合があります。しばらく様子を見て、この様な糞の状態が長く続く様なら、早めに鳥専門の動物病院へ連れて行って獣医師にご相談下さい。
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◆体重を量る

鳥はどんなに鳴いていても遊んでいても、餌を食べなくなったら危篤です。鳥は動物と違い、点滴で栄養を補給する事は出来ません。どんなに具合が悪くても自力で餌を食べるしか命をつなぐ事が出来ません。餌をキチンと食べているかチェックするのは大変重要な事なのです。
餌の減り具合でチェックしようとしても、中には食べたフリ(嘘食べ)をする子もいます。本当に食べているかどうかを見るのには毎日体重を量るのが一番です。
朝一番、そのう※1が空の状態が本来の体重です。毎日同じ時間に測るようにします。
計りはデジタル式のキッチン計量器がお薦めです。出来れば1g単位で表示できる物が良いでしょう。
計量器の上に大人しく乗っていられない子であれば、ティッシュケース程度の大きさの容器に入れて、容器毎測ります。鳥を出し容器を計量して、先程の数値から引けば鳥の体重が出ます。
オカメインコの平均体重は成鳥で80g〜90g。成長期の雛で有れば90g前後。繁殖期で卵をお腹に持っている雌なら、卵が約4〜5g弱なのでその分を計算に入れて下さい。
急激に体重が増減するようであれば、何らかの内臓疾患を伴っている恐れがあります。なるべく早めに鳥専門の動物病院へ連れて行って獣医師にご相談下さい。
また、糞の量でも食べているかどうかのチェックが出来ます。極端に糞の量が減っていれば食べていない証拠です。
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◆身体検査

自宅でも定期的に鳥の体を検査する事は大切です。
しかし、鳥の骨は動物と違って大変折れ安い構造をしていています。掴み馴れていない人が鳥を無理矢理捕まえると、鳥が暴れた時謝って骨折させてしまう恐れがあります。
また、掴まれ馴れていない鳥を急に捕まえると、掴まれた時のショックで死んでしまう恐れもあります。特にオカメインコは神経質な子が多いので注意して下さい。
この様に、ある程度鳥に馴れた人でなければ、私は鳥を掴む事をお薦めしていません。
「じゃぁ、どうやって検査するの?」
大丈夫検査できます。それでは下記で、鳥を掴まなくても出来る簡単な身体検査をご紹介しましょう。
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◆目で見る身体検査

【行動をチェック】
鳥は昼行性の生き物です。明るい内は起きていて、餌を食べ、遊び、さえずります。もし以下の様な行動をとっている場合は何処か具合が悪いのかも知れません。
一日中止まり木に止まってじっとしていたり、居眠りばかりしている。普段は降りない床に降りてじっとしている。羽をふくらませている(寒がっている)。翼を少し広げて肩をいからせた様な格好をしている(暑がっている)。嘴をあけて苦しそうに口で息をしている(呼吸困難を起こしている)等。
鳥にも個性があります。普段から床に降りるのが好きな子だったり、じっとしているのが好きな子、活発な子と様々です。元気な時の行動をよく観察しておく様にしましょう。

【鳥の姿勢をチェック】
翼を見ます。元気な時の翼は、風切り羽※2が腰の上でクロスしています。翼をだらりと下げて風切り羽を床に引きずっている様な時は、どこか具合が悪いか、もしくは翼を痛めている可能性があります。
尾羽を見ます。普段姿勢の良い時は、尾羽は床に着くか着かないかの位置にあります。もし尾羽をぴっと上に持ち上げて、常に力んでいるような姿勢をしている様な時は腹痛を起こしている可能性があります。

【外見をチェック】
以下の様な場合は、何らかの病気に掛かっている可能性があります。
目を見ます。涙目になっている(目の周りが濡れている)。瞳が濁っている。目の周りに異物が出来ている等。
鼻を見ます。鼻の穴がふさがっている。くしゃみをしたり鼻の周りが汚れている(風邪を引いている)等。
嘴を見ます。嘴の表面がガサガサに割れている。異常に伸びてしまっている等。
羽を見ます。羽の艶が悪い。普段と違った変な色や形の羽が生えてきた。無羽部分以外の場所が禿げている(毛引き症)等。
足を見ます。表面がガサガサに荒れている。爪が異常に伸びている。爪に内出血をおこした様な赤い斑がある等。
お尻を見ます。お尻の周りが異常に汚れている(下痢)等。
お尻や足を診る時は、金網や止まり木に掴まらせて下から覗けば見る事が出来ます。
お腹を見ます。腹部が異常にふくれている(内臓疾患、もしくは雌なら卵詰まり)等。
その他、でき物がないか普段と違った所がないかチェックをします。
異常を見つけた場合は、早めに鳥専門の動物病院へ連れて行って獣医師にご相談下さい。
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注釈説明:
※1:そのう
鳥が食べた物を一時的に溜めておく場所。
※2:風切り羽(かぜきりばね)
翼の一番先端に出ている、長い部分。この部分が無いと飛ぶ事が出来なくなってしまいます。

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