Bird Talk − テキスト軽量版

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  ▽オカメインコの生態
  ▽オカメインコの飼い方
  ▼オカメインコの病気と治療
     ▼第一章:病気の予防と早期発見
     ▼第二章:病気の看護
     ▼第三章:オカメインコが掛かる主な病気


▼オカメインコの病気と治療
第二章:病気の看護
  ◆病気になったら
  ◆具合が悪くなったらまず保温
  ◆保温の方法
  ◆保温には白熱灯
  ◆その他の保温器具

◆病気になったら

もし、オカメインコの具合が悪くなったら、早めに鳥専門の動物病院へ連れて行って獣医師にご相談する事をお薦めします。
屋外移動は健康な鳥にでさえ、負担を掛ける行動です。ましてや、具合の悪い鳥を病院まで移動させるのですから推して知るべしですね。本当に具合が悪くてどうしようもなくなってからでは遅すぎます。まだ元気の残っている内に連れて行ってあげて下さい。病気は早期発見早期治療が原則です。小さな鳥です、病状が悪化するのも早いですから気を付けてあげて下さい。
又、複数羽を同じケージで飼われている場合は、具合の悪い子とそうでない子をすぐに分けて下さい。もし感染性の病気だった場合、早めに引き離せばそれだけ感染する確率が低くなります。
そして、病院では必ず同居の子のいる旨を伝え、獣医師の指示に従って下さい。
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◆具合が悪くなったらまず保温

具合が悪くなったら、まず保温をして無駄な体力を消耗させない様にしてあげます。
オカメインコの平常体温は40℃近くあります。あの小さい身体でそれだけの体温を維持するのですから、どれだけ体力を使うか想像がつくでしょう(体が小さいという事はそれだけ熱が逃げ安いという事です)。
ですから病気の時はできるだけ外部から保温を手伝い、体温維持に使う分の体力を、闘病に廻せる様にしてあげます。
保温をしてあげる事で、かるい鼻風邪程度なら自力で治る事もあります。
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◆保温の方法

先程も言いましたがオカメインコの体温は人間に比べてはるかに高いです。寒がっているからと言って布団の中や人間の懐に入れても、逆に体温を奪う結果になってしまいますので止めて下さい。
それでは、効果的な保温の方法をご紹介します。
  1. 小さめのケージを用意し、ケージの金網部分とトレイを離します。金網部分を、広げた新聞紙の上に直接置きます。
    こうして鳥の行動範囲を狭める事で、より効果的に暖める事が出来る様になります。小さいケージがあれば、ちょっとした移動に使ったり、多頭飼いの場合に病気や怪我をした子を分けるのに使ったりと、なにかと重宝しますので一つは用意しておくといいでしょう。
    もし、鳥がこのケージをイヤがって金網にしがみついてばかり居る様な場合は、体力を消耗させるだけですから水槽タイプの物に入れて下さい。ただし、水槽は大変蒸れやすいので、換気には充分注意して下さい。
  2. 電気スタンドと白熱灯を用意し、光がケージの横から当たる様に設置します。
    横から熱を加える事により、ケージの反対側との温度差を作り、寒ければスタンド側、暑ければスタンドから離れた所へ移動と、鳥自身が快適な温度を選べる様にします。
    鳥が羽をふくらませているのは寒がっている時。逆に体を細くして肩を怒らせた様なかっこうをしているのは暑がっている時です。鳥がケージの中央で普通にしていられる状態がベスト温度ですから、スタンドの位置を変えたり、白熱灯のワット数を変える等して調節して下さい。
    保温時の温度調節は、何度?何ワット?ではなく、鳥の様子を見ながら、鳥さんと相談して決めてあげて下さい。
    注意:白熱灯はかなり熱を発しますから、設置の際カーテン等燃えやすい物の側は避けて下さい。くれぐれも火事にはご注意下さい。
  3. 金網の一番下の部分に止まり木を一本固定します。
    止まり木の向きは、スタンドの方からスタンドの当たっていない方に鳥が移動できる向きにします。
  4. 餌と水を小さい容器に入れて、スタンドから一番離れた場所に固定します。
    水は熱源の側に置くと傷みが早くなりますから、できるだけスタンドから離れた場所に設置して下さい。
  5. 最後に蒔き餌をします。
    これから病気と闘う為に少しでも多くの餌を食べてもらわなくては成りません。鳥には拾い食いの習性がありますから、餌を口にする確率を高くする為にも必ず蒔いて下さい。
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◆保温には白熱灯

保温器具に白熱灯を使うのには理由があります。それは明るさと熱を同時に供給できるからです。
鳥はどんなに具合が悪くても、自力で餌を食べるしか体力を維持する事は出来ません。極端な話し、手術をした次の日から自分でご飯を食べなくてはならないのです。人間では考えられませんね。
又、鳥は「鳥目」と言われる様に暗くては何もする事が出来なくなります。
ですから、白熱灯で24時間ケージ内を明るくしてあげる事が大変重要になってくるのです。24時間明るい=いつでも餌が食べられる=体力の低下を防ぐ=24時間病気と闘う事が出来るのです。
「でも、ずーっと明るくては眠れないんじゃ…」
「ライトで、目がつぶれたりしない?」
大丈夫です。目もつぶれませんし、明るくても寝むたい時はちゃんと寝ます。それよりも24時間病気と闘える事の方が大事ですから、「病気の時には安静にね」と言って毛布を掛けたり、部屋を暗くしてしまっては逆効果です。ケージ内は明るく静かな所へ。そういう病室を作って上げて下さい。
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◆その他の保温器具

近年ペット用品売り場では様々な保温器具が売られる様になりました。中でも小動物用のパネルヒーターは割と手に入りやすいと思いますが、これだけでは病気の鳥を暖めるのには不十分です。悪いと言うのではありません。ただ、パネルヒーターの性質上、ヒーターにくっついていれば暖かいのですが、周りの温度を上げるのには不向きだからです。鳥はハムスター等の動物と違って寝そべったりはしません。ですから使用の際は他の保温器具も併用して使って下さい。
パネルヒーターを、差し餌中の雛を入れた「ふご」※1の下に敷くといった場合には大変効果的です。
又、従来からの保温器具として「ヒヨコ電球」と言う物があります(ペットヒーターという名前で売られている事もあります)。これは、熱源だけを供給し、光を発しない電球です。主に真冬時の保温に使用します。
これは、病気の時にも使用できますが、使用する場合は必ず光源も用意して下さい。
パネルヒーターや、ヒヨコ電球は、どちらかと言えば健康な時の寒さ対策に使うと良いでしょう。ただし、どの器具にせよ必ず鳥が暑すぎた時に逃げ込める場所を作る為に片側だけを暖める様にして下さい。
特におっとりとしたオカメインコはヒーターの上に乗っかって低温火傷をする可能性がありますので、充分注意して下さい。
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注釈説明:
※1:ふご
わら等で編んだ小さな蓋付きのカゴです。主に、差し餌中の雛のお家に使用します。

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