Home<
時の話題
2003-12〜2
2004-05-11
[→PC版]
総目次 先月
今月の目次
◇印は《日々雑感》より転載
イラク人は自衛隊派兵を望んでいない(03/12/26〜04/1/17) ◆建国義勇軍と在日朝鮮人差別(03/12/23〜24) ◇「北朝鮮」に関する出版社への抗議(03/12/18) ◇元ハンセン病患者宿泊拒否事件に思う(03/11/21〜12/18) ◇藤原史朗さん(03/12/17) ◇ビン=ラディンとサダム=フセイン(03/12/15) ◇あるフィリピン人男性(03/12/14) ◇自衛隊派兵反対・復興支援という米国のごまかし(03/12/9〜15) ◇イラク情勢に思う(03/9/9〜12/1) 


【イラク人は自衛隊派兵を望んでいない】vol.168《日々雑感より》
◆今日26日、自衛隊先遣隊がイラクへ出発した。サマワに、日本の自衛隊を歓迎する横断幕があり、日本政府は恰好の宣伝材料にしたが、これが明らかな誤訳だということが大きく知らされないでいる(HIROPRESS.net等参照)。自衛隊ではなく日本人に来てほしいというアラビア語を日本人ジャーナリストが誤訳したもので、医療機器等の修理技術をもつ民間日本人や現地人の雇用を拡大してくれる企業に来てほしいというのが実際で、治安を乱し雇用を奪う外国軍には来て欲しくないというのが彼等の願いといわれる。侵略に続く植民地化への荷担には、日本の軍国化という魂胆が見え見えだ。(447、03/12/26)
◆社民の福島党首の質問に対し、自衛隊イラク派兵の今年度負担分242億円のうち、自衛隊自身のための費用が241億円との防衛庁回答。NGOが現地人を雇用して支援すれば、はるかに安い金額で、もっと意味ある支援を、もっと素早く、安全に行うことができるだろう。イラクの震災に対してもそうだ。政府はNGOを支援し、血税を無駄に使うな!(448、03/12/27)
◆今はテレビを観たくない。子どもには観せたくない。「現地のニーズ」とは、米軍等の撤退による治安の回復と、生活を立て直すための仕事なんだ。自衛隊をイラクに派兵すべきではない。(456、04/1/17)[→12月目次]


【建国義勇軍と朝鮮人差別】vol.167《日々雑感に加筆》
◆建国義友軍は相当な差別者集団でもあるようだ。「朝鮮人を日本から駆逐する」というが、これは悪質な外国人差別であり、「在日」をともに生きる日本人からも、豊かな出会いや多様性を奪う偏狭な思想である。
 あまりの差別に民族を隠さざるをえないアジア系在日外国人は多い。犯罪報道の責任も大きい。外国人犯罪が増えているというが、在日外国人総数も増えており、実は民族別犯罪発生率は日本人と大差ないといわれる。被害者が外国人でも日本名で報道され、加害者なら本名で報道される。外国人は加害者としてしか認識されない仕組みなのだ。むしろ外国人は、日本人以上に真面目に暮らしている。ささいなことでも外国人だということで、すぐに排除されるからだ。固有の民族文化さえ忌避される。これは無言の同化強要だ。
 実は、在日外国人、とりわけ在日朝鮮人は日本社会で大活躍をしているし、だいたい日本の芸能界やプロ野球界は彼らの活躍なくしては成り立たない。ところがその多くは日本名で活躍し、多くの日本人も彼らを日本人だと思いこんでいる。民間・公務員ともに外国人に対する就職差別が厳しかった歴史が、芸能界・スポーツ界や医療の世界で、いわば一芸に生きる生き方を選ばざるをえなかった歴史があるのだ。
 しかし、今や超大物有名人となった人々が本名宣言をする効果は大きいはずだ。ぜひ今こそ、民族を明らかにし、民族名で活躍することで、外国人への偏見を打破し、多文化共生社会を築くために闘ってほしい。もちろん、立ち上がろうとする大物芸能人も大物プロ野球選手もいるのだが、プロダクションや球団が阻止する実態がある。まさに日本版3S政策なのだ。
 某悪質掲示板のように、在日芸能人が誰かなどの情報を決してここでバラまきはしないが、天皇家にもまた朝鮮人の血が流れていることを排外的な右翼にはぜひ大切にしてもらいたい。
 また、外国人登録法や出入国管理及び難民認定法など、外国人を犯罪予備軍として管理する前提にたつ極めて排外的な法律によって、外国人にだけ課される義務や制限が多く、微罪ながら日本人には犯しようがない犯罪が、外国人犯罪統計には多数含まれている。危ないのはむしろ日本人と在日米軍だと言いたくなるではないか。
 いまや日本全体で、住民約80人に1人が外国人。極一部の凶悪犯の存在を理由に、外国人全体に対する差別偏見を正当化し、助長さえしているのが現在の姿なのだ。正しい歴史認識と多文化共生の意識を広め、新渡日外国人の日本語収得や安定就労を保障し、異文化を尊重する意識の高揚をはかる施策も充実させる必要がある。「優しい顔」をした「建国義勇軍」は、まだまだそこいらにたくさんいるのである。(444、03/12/23)[→12月目次]


【「北朝鮮」に関する出版社への抗議】vol.166《日々雑感より》
◆この時期、学校には次年度副教材の見本が次々と届く。今日届いた「現代社会」資料集に関し、清水書院編集部に抗議の電話をする。まだ良心的な出版社だと思うのだが、最近の世界の出来事についての冒頭特集で、日朝首脳会談も取り上げられ、これについての高校生風コメントで、「北朝鮮はよく分からない国」とし、「ちょっとこわい」でくくられている。よく分からないのは何故かを考え、もっと知ろうとすべきだ。まだ編集中であり、その方向で検討しますとの回答を得る。社会科に限らず、これまでいろいろな指摘をしてきたが、これが検定後の教科書だと訂正はやっかいなのだ。(442、03/12/18)[→12月目次]
続報・・・・vol.195

【元ハンセン病患者宿泊拒否事件に思う】vol.165《日々雑感より》
◆熊本県の黒川温泉のあるホテルが、県の「ふるさと訪問事業」で予約されていたハンセン病元患者22名の宿泊を拒否をした問題で、ホテル側は「県が事前に元ハンセン病患者であることを知らさなかった」と反論しているが、これはとんでもない差別温存姿勢だ。世間の差別意識を理由に差別に荷担しているのだ。ホテル側は謝罪したが、誠意は感じられない。さらに、「あれは患者団体が金目当てにやっていること」などという歪んだ批判まで登場している。元患者に直接非難の電話がかかってきたりもしているようだ。余りに貧困な発想、根強い差別意識に、kurochanも怒りがおさまらないが、その他にも、盲導犬同伴の宿泊が拒否されたり、親がHIV感染者であるという理由で保育園の入園が拒否されたり、「外国人お断り」のことわりが飲食店や不動産屋に増えていたりと、このところますます差別意識が蔓延し、一般化しているのではないか。知的障害をもつみみさんのお孫さんピロくんの地元公立保育園への入園がのらりくらりと拒否され続けている問題(「みみの島便り」ピロへの想い3を参照)にいたっては、行政による差別である。競争原理・効率主義は、息苦しさをもたらし、差別・偏見を助長するものでしかないのではないかと思う。(03/12/18筆)
◆当該ホテル関係者の責任を追求するだけで事足れりとするのは、確かに問題ですね。「砂の器」はまだ読んでいませんが、僕も幾らかは入所者の手記やハンセン病患者を題材にした小説を読んできました。地域や親族から引き離され、新しい治療法も奪われ、強制断種手術も施されて、まさに人間の尊厳を奪う「らい予防法」が最近まで残されてきたのですからね。奈良県内でも元患者さんの講演が行われています。まだ参加できていませんが、僕も勉強を重ね、偏見を打ち破る一助となる実践をめざしたいと思っています。(みみさんへのレス、03/11/26掲示板より)
◆奈良市に、北山十八間戸(きたやまじゅうはちけんど)という、現存する中では日本最古のハンセン病療養施設があります。ここは、鎌倉時代の僧、忍性(にんしょう)が、13世紀に建設したものです。現存するのは、16世紀に火事で焼失したため、江戸時代に再建されたものですけどね。僕は、この近くの解放塾に以前講師としてよく通っていたんですが、最近特に、注目されるようになっているようですね。また、去年の全同教大分大会では、空き時間を利用して別府的が浜を歩き回りました。皇族の目に触れさせまいと、焼き討ちされたという歴史があります。奈良の洞村の「強制」移転と合わせ、天皇制という差別を撃つ教材としてよく紹介されてきたものです。これについては、「社会リンク」している「What's human rights」にも詳しい資料があります。その他、ハンセン病患者の手記なども随分と読んできましたが、では、子どもたちにどういうふうに伝えてきたのか?というと、ほとんど実践できていないというのが、正直なところです。最近、解放出版社から「ハンセン病をどう教えるか」という本が出ました。少し高いですが、購入して勉強しなきゃなぁと思っているところです。(バイオレットしおんさんへのレス、03/11/21掲示板より)[→12月目次]


home