教育の近代史   シラバス

 

  教育の近代史

担当者氏名 :             古賀 徹                          

授業の概要
 「教育の歴史」を学ぶということは、「過去にあったこと」の記録をながめるだけでも記憶するだけでもない。現代に生きる私たちが「教育」や社会について判断するときの比較の対象として(判断する材料として)「歴史をみる目」を養うことが第一の目的である。これは教育を理解して(物事を考えて)いくうえでの「多角的な思考法」の一つでもある。
 「近代」以降、世界中で学校教育制度が急速に普及され、確立されてきた。本講義では、明治維新期以降の日本の学校教育の変遷を主たる考察の対象とする。その変遷を示す諸資料(史料)・文献類を確認し、また国際関係の中での位置づけを試みながら、「教育の歴史」に関する認識を深め、あわせて教育の現況・諸課題への関心と、教育の基礎理論についての理解を深めることをねらいとする。

達成目標
 全体の構成として、@「教育の歴史研究の有効性を学ぶ(調査・考察の方法)」、A「日本教育史の流れを理解する」という二つの柱に分けて計画している。

授業計画
1)
 Introduction ―「教育の歴史を考える」−歴史を意識して、現在をみるということ
2)
 教育発展の条件、変容の要因−人口・寿命、機材、教育観の変容
3)
 「発見された子ども」−近代の子ども観と教育原理
4)
 近代教育のはじまり(日本の近世〜近代化初期の教育)
5)
 近代教育の変遷−教育内容、教育観の変容と「循環」を意識する
6)
 戦後教育の変遷−学習指導要領の記述内容に注目する
7)
 「近代化」当初の日本の受容態度、実態−「大学規則」「学制」草案
8)
 「近代化」当初の日本の受容態度、実態−「学制」、「教育令」期
9)
 明治中期−公教育成立期、森有礼の教育構想、「学校令」、教科書制度
10
 明治中期−「教育ニ関スル勅語」(教育勅語体制)におけるシンボル化
11
 大正期における新教育運動
12
 戦時下の教育−「国民学校令」、学童疎開、学徒動員
13
 戦後教育改革における論議−教育刷新審議会、「教育基本法」の構想
14
 戦後教育改革における論議−教育の改革論議、臨時教育審議会まで
15
) 総轄−歴史を意識して、現在をみるということ

評価方法
毎回授業後に提出を求めるミニレポート40%、最終レポート60%

教科書・参考書
教科書は用いない。毎回、レジュメ・資料を配布する。参考文献等は授業中に適宜指示する。

履修前の準備
とくにありません。