韓国旅行その1
1995
10日〜
日付内容行き先
動機+1995.10.01マクドナルドで待つマクドナルド(笑)
1日目1995.10.02出発!明洞
2日目1995.10.03バーチャファイターとロッテ百貨店竜山、ロッテ百貨店
3日目1995.10.04市場と古書店、M上合流東大門市場、夜の南大門
4日目1995.10.05ロッテワールド、ニューデリー蚕室ロッテワールド
5日目1995.10.06霊は写っていません、熱イ!三豊百貨店、垢すりツアー、ソウルタワー
6日目1995.10.07うわっ、こんなところに!帰国

「10/6(金)」

 今日は自由行動最後の日だ。しかし、行きたいところはあらかた行ってしまった。どこへ行こう…。朝食は最後ということで、21階からの眺めを楽しむため、和食を選ぶ。意外と周りのビルも高いので、平凡な風景に見えた。お代わりできないので不満。

 M上の提案で三豊(さんぷん)百貨店へ向かうことにした。夏ごろ、崩れたアレだ。本当に行くとは思っていなかったので、やや驚く。正確な場所がわからないので、フロントで聞く。また、現地へ行っても尋ねられるように、ハングル文字でメモも書いてもらう。

 地下鉄を使うために、明洞駅に向かう。

教大駅に到着

 案の上、教大駅へ着いたら方向がわからなくて、警察で聞くことになる。M上が聞いている間、ビデオを預かっていたので、周りの風景やパトカーをじっくりと撮影する。ここの警察は「112番」なんだね。ボンネットに書いてあった。珍しいビルが見える。高い建物が二つ並んでいて、上の方で渡り廊下のようなもので繋がっている。
Y「あの渡り廊下の所で、メシ食ったらメチャメチャ怖いよなぁ」
 確かにあの渡り廊下が透明だったら、怖くて下を見ていられないと思う。M上はまだ出てこない。説明に時間がかかっているようだ。面白いので、自首しに来た犯人という設定でビデオカメラに撮る。M上が、首をかしげながら出てきた。道がなんとなくしか判らなかったらしい。言われたように歩いてみる。5分くらいで着くようなことを言っていたが、なかなか見つからない。

 歩くこと15分ぐらいで、三豊百貨店へ着く。軍人がウロウロしている。(警備のためか?)

 最初どの建物か判らなくて、僕達も辺りをウロウロしてしまう。はじめにここか?と思っていたところは駐車場で、帰る時、判ったのだが、葬式をしていたらしい。(日が経っているので、このビルの被害者の方ではないと思いますが…。)百貨店そばのベンチ。日よけ屋根の柱が傾いている。ビデオに現場がどういう状態になっているか、ニュース・キャスター気取りで解説を入れながら撮る。現場では、他にも見物している人が4〜5人いた。全員日本人だったので驚いた。観光地でもないのに、わざわざここに来て、「事故」のことを話している。何かヤジ馬みたいで嫌。だが僕達も同じだ。人の不幸を楽しむ気質があるのかもしれない。現場は塀で囲まれていて中がほとんど見えない。軍人が近付いてくるたびに「やばい、やばい」と言いながらカメラを隠した。
ペ「なんか言ってー」
M「壊れてる〜」
建物を指差しながら、芝居がかった動きをする。
ペ「それだけか。(笑)」
M「おばけがいっぱい。(笑)あ、でも、何日間かぶりに助かった人がおったんでしょ?あれ、最高どんだけでしたっけ?」
と、急にまじめにニュースで伝えられた話題を話し始める。
ペ「4日…じゃなかった?もっとあったっけ?」
M「1週間とか無かったですか?何それ
(救助が遅れたこと)って…」
Y「たくさん、死んどるんて」
と口を挟んできた。更に、たぶん、霊が写るわいや。昼間から」
ペ「昼間だから、(霊を撮るのは)難しいか?」

 M上が工事用車両出入り口の隙間から、中が見えないかと言い出したので向かってみる。隙間から覗いたり、ビデオを差し込んで撮影したりもした。M上はY岸に、この百貨店が崩落した時に伝えられた「従業員の方なんかも何人か助かったけれども、上におった人みんな死んでしまった」「その日の朝から崩れてきていて、一部封鎖しながらも食品売り場だけやっていた」「社長は早々と逃げ出していながら、記者会見に出ていた」ことを話していた。

M「記者会見で上役が顔を揃えとって、何じゃおめーらって

 ここからでも、やはりよく判らなかったので、我々は高い所へ登れば見えると思い、探す。すぐ隣のマンションの高さが適当だと思い、屋上に登ろうとするが管理人に止められた。

 しかたがないので、他にも三豊百貨店を一望できる高い建物を探そうと歩き回っていたら、偶然にプラモが詰まっている屋台式の車(軽トラックの荷台を屋台にしたような感じ)を路上に発見する。この時点で僕は三豊百貨店が、どうでも良くなった。もともとそんなに乗り気ではなかったのだ。でも、ここに来なければこれは見つからなかったわけであり、何だか複雑な気分だ。しかし残念ながら、営業していないらしく運転手もいない。目の前にあるのに何も買えない。中にはBB戦士がジャイアントロボという名で置いてあったり、ガリアンもあった。悔しい。

 その後、さらに歩く。1階が商店になっている高層アパートの敷地に入った。

Y「TAMIYA(タミヤ)って書いてないけ?」

 1番最初に見つけたのがY岸だった。期待のあまり、僕は走り出してしまった。割とまともな模型屋さんをついに発見。ウインドー越しに、たくさんのプラモデルが見えた。今までに韓国で見た中では一番多い。しかし、ドアに鍵がかかっていて、また買えないのか?と、あきらめかけたところに店の人がタイミング良く来て、営業してくれた。プラモデルの大半は日本の商品そのままのコピーなのだが、価格が1/10ぐらいと非常に安い。竜山で見た1/60のV2ガンダムもあった。内容は、プラスチックの色が違うくらいでほとんど同じ。精度も見たところ、かなりのものだ。ポリキャップも入っている。物によっては部品が一体化されて少なくなっているのもある。面白いのは、日本でガンダム関係はパンダイしか作っていない(他のメーカーは版権の都合上、作れない)のだが、韓国では同じガンダム・シリーズなのに別々のメーカーが作っている(それも何社も)ところが興味深い。また、東大門で見たのと同じシリーズか?プラデラのパクリューオーに「孫悟飯」のソフビ人形付のも売っていた。

 日本にあるものを買っていってもしょうがないので、韓国でしかないと思われる1/72、TA-4Jスカイホーク(ハセガワのコピーと思われるが、なんと!凹モールド。素晴らしい)。デカールの質も良さそうだ。他にはミニ四駆(タミヤのコピーではなく、コンセプトだけ流用した韓国オリジナルのもの!?)のアスラーダ(サイバー・フォーミュラ。今はアオシマから出ていますが、このころ日本でプラモデルになる気配は全く無かったのです。)を買う。まぁ、これはお土産用だ。僕自身はあまり興味が無い。一応満足。だけど本当は専門店に行ってみたい。この店は、文具と模型と半々のところだったのだ。この辺りの店の感じ(融合の仕方)は僕の地元の感じと良く似ている。韓国との意外な共通点だった。

 見るものもだいたい終え、腹も減ってきたので帰ることにした。帰り道でM上とY岸から、K田の話を聞いて驚く。あいつ、そんな奴とは思わなかった。

お腹が減りました

 どうにも腹が減って、魚の鍋料理を食べる。本当は、カルビかプルコギを食べたかったのだが、店があまりないところで選んでいる場合ではなかったし、魚はここへ来てまだ食べてなかったので入った。店内は普通のテーブル席と、座敷(オンドル?)が用意されていた。僕達は少々、歩き疲れていたので、迷わず座敷に上がる。それぞれのテーブルの上にはガスコンロが置かれていた。やはりメニューが読めず、良くわからなかったがジェスチャーで注文。ちゃんと鍋料理が届く。キムチ色の汁に、カニやら、貝やら入っていたが、僕はあまり美味しいとは思わなかった。Y岸とM上も合わなかったようだ。食が進まなかったが、みんなで何とか鍋を空にした。

世軍商街に行ってみる

 いったんホテルに戻り、くつろぐ。欲しい物のほとんどを手に入れた僕に対して、ほとんど何も手に入らなかったY岸がかわいそうになり、ガイドブックを見たところ、鍾路(チョンロ)3街駅近くの世軍商街が電気街であると書いてあるので、勧めてみると、
Y「どうせ、同じものしかないと思うよ」という答え。僕は、行ってみなくちゃ判らないとばかり、みんなで出かけることになった。

 しかし着いてみると、そこ全く見当違いのところだったのだ。確かに電器製品は扱っていたのだが、我々の趣味であるTVゲームとは程遠い。腹は減るし疲れるし、みんなスマン。揚げ句には道に迷ってしまった。結局、判るところに出ようということで、東大門近くまで歩くことになった。

 この辺でまた迷う。道を渡ろうと歩道橋に入ると、地下道と同じように店が建ち並んでいた。急にY岸が「うお〜っ!」と小走りになった。その内の一軒で、ニセソニックのぬいぐるみを発見したのだ。体は似ているのだが、目の感じが「バカボン」に出てくるお巡りさん「本官」みたいに大きく目が繋がっていて、明らかに偽物と言う感じでうれしい。セガ男としては見逃せない。ここも竜山のTVゲーム屋さんみたいに価格が表示していない。相当欲しそうだ、迷っている。ぺ「あっ、ソニックっぽい。(笑)」
ペ「電卓貸そうか?」
 僕は値段を聞いて電卓を渡し、価格を打ち込んでもらうと言うやり方をしていた。聞き取りが出来ないので、中国旅行の時に考えたのだった。そういえば今回の旅行で、値段を聞いたり、値切ったりするのはいつも僕だった。初めてY岸が自分からやる気になっている。こういうのもいい思い出になるだろう。
Y「なんていうんだっけ?」
ペ「オルマイヨだよ、オルマイヨ」
 店の親父に値段を聞きにいく。その間、僕はM上とぬいぐるみを売っている他の店で、「まんま(さんまのまんまの犬)」に似たぬいぐるみを見て、買おうかどうしょうか話していた。
Y「だめや、行こ、行こ」
 どうしたのか聞くと、とんでもなく高い値段を言ってきたらしい。負けさせれば?と言ってみたが、すっかり買う気を無くしたようだ。僕とM上が見ていた店にも、同じ商品があったので、一応どのぐらい違うか聞いてみれば?と言う事になり、聞いてみる。ここはおばちゃんが経営している。…驚いた。先ほどの店の1/3くらいの価格だったのだ。即、購入。この「言い値の違いは何なのだ」と言う話をしつつ、店を後にする。竜山の方位磁針のときもそうだったが、「おじさん」はボろうとし、「おばさん」はそんなことが無さそうだという経験から、これから、店に入る時はおばさんの店やね」ということになった。男女で、反日感情に差があるのだろうか?もちろん、一概にそうではない。たまたまそうだったのだと思います。それにしても結論が早い。笑)

ぺ「思いっきり毛皮羽織って帰ったら、すごいぞォっ。(笑)」 途中喫茶店でコーヒーを飲み、市場で僕は焼き芋を、Y岸はトウモロコシを買って食べる。芋はパサパサしてて、2個目から食べるのがつらくなる。トウモロコシにすれば良かったと後悔する。
M「ペルシャさん、芋、美味いですか?」とビデオで撮りながら皮肉っぽく言うので、
「ああ、めっちゃ美味いな。M上も買えばよかってん」
というと、
勇気が無くて、屋台を利用できない。M「あっ、やせ我慢しとる〜」と見破られてしまった。芋をY岸にも分ける。その後、商店街アーケードから出る際、またY岸が韓国人に間違われた。M上、ウケる。東大門スタジアムに向かう途中でM上が、路上で将棋を打っている人をビデオに撮っていた。ここの駒は丸かった。

 明洞へ戻り、ホテルに向かう。M上、又ビデオを撮り始める。そのとき!車に轢かれかけた。明洞の道は人で賑わっているのに、平気で車やバイクが入ってくる。クラクションを聞いたら注意だ。まず自分だと思っていないと危険である。

 しばらく歩いていると、Y岸が急に僕の腕につかまってきた。
Y「なぜみんな、手をつないでるんでしょ〜?」
 
M上のビデオカメラに聞こえるように、しゃべる。
Y「1.レズ、2.迷子にならないためにしている、3.韓国の風習」
ペ「4番、手を接着剤で誤って着けてしまった。(笑)」

 来たときからよく目にしていたのだが、韓国も中国と同じに、女の子同士または、ごくまれに男同士で手をつないで歩いているのをよく見かけた。中国では、手をつないでいるのは「親友なんです」ということを聞いていたので、中には、そう言う人(ホモとかレズ)もいるであろうが、ここも「親友」なんだろうという話をしていた。
 前方に手をつないでいる女学生が歩いている。
Y「お〜、いいね〜、いいね〜」
M「うあー、止めてくれー」
 Y岸はM上が撮っているカメラを横からつかんで下に向け、女学生のふくらはぎを写そうとしていた。
ペ「もう、いいよスミダ」

Y「うあ〜、誰もやってねぇ、誰もやってねぇ」
 以前入った妙なゲームセンターの脇を通ったので中を覗く。お客さんが何人か入っていたが、誰もゲームをやっていなかった。寄ってみる。今度は僕もバーチャ・リミックスをすることにした。竜山で勝てなかったし、Y岸がこの間やったとき、特殊な技を使って何人かギャラリーが出来たので羨ましくなって僕も、という気分になったのだ。何しろこの店には技表が貼ってない。持ちキャラの「サラ」を使えば、僕も客を呼べるはずだ。(笑)それっ、→P、P、P、P、←K!見たかっ!!更に追い討ち攻撃、起き上がりに重ねてレッグ・スライサー。
 店の人も、どうやってその技を出しているのかと言う感じで覗き込んできた。だてにサターン版で6段は取ってないぜ。(笑)しかし、やはり、10分ではエンディングまでたどり着くことは出来なかった。そこでY岸は掟破りの方法を考え付いた。こちらの方で、設定を変えてしまうのである。現在の状態では1人に付き、3本勝負、制限時間60秒になっている。これを2本勝負、相手の体力最小で、制限時間を縮めてしまおうというものだった。

 セガサターンを持っている人なら判ると思うが、コントローラーでゲームをリセットすることが可能なのだ。これを利用してゲームの設定を変えることに成功した。店の人が気付く前に急いで入力しようと、僕とY岸はあせっていた。Y岸が、「パイ」で見事エンディングを見ることに成功。でも結構、時間ぎりぎりでヤバかった。

 そんな僕達に、M上はついていけないという感じで外を歩く人々をビデオで追っていた。彼もここの女の子に目覚めたらしい。

Y「アイスだっ!」
 帰り道で何やら、意味不明なことを言う。天気が良くて暑かった上に、通りで見かけたので食べたくなったらしい。そのまま歩いてホテルの前の通りに出た。ロイヤルの向かいの「サーティ・ワン」に入る。31日分、31個の種類があるので「サーティ・ワン」のはずなのに、ここには20種類ほどしかない。Y岸は「ダブル(2段重ね)」を頼んだら、2個出てきた。又、うまく通じなかった様だ。

垢すりツアーのイケナイ匂い

 本当にすることが無くなったので、垢すりツアーに行くことにした。提案したのはM上。僕とY岸は韓国に来る前に、
Y「キレーなお姉ちゃんが、タマの後ろまでコスってくれるらしいぞ」
ペ「へー、やばいな。でもやってみてー」などと言っていたが、チョイから渡された料金表を見て高い(約9,000円)と思っていたので、今まで行かなかったのだ。どう考えても、垢を擦るだけで焼肉のオプション・ツアー(約5,000円)よりも高いのは、絶対変だ。気乗りしない。冗談だと思っていたが、Y岸の言う通りなのだろうか?何か、イケナイ(風俗)匂いがする。しかし、今まで、僕とY岸に引っ張られて、M上はあまり面白くなかったろうと思うと、むげに断ることも出来なかった。(うわーっ、でもやっぱりもったいないよぉ〜〜!プラモデルがいくつ…)

 チョイが到着、ワゴン車で移動開始する。夕方の街並みがきれいだ。30分くらい走って到着、青い建物が見えた。垢すりサウナは、それだけぽつんと立っている感じで、ちょっと寂しい。少しくたびれたたたずまいが、よりそう感じさせる。チョイはやはり「終わった頃に迎えに来る」と言う。期待と不安の中、入っていく。

 観光客向けらしく、他に日本人が何人か居た。従業員は皆、韓国人だった。中を覗くと、予想していた風俗の匂いとは程遠くて、安心したと同時に少し腹が立った。これだったら安くしろ!どうせ高くするんだったらイヤラシクしろ!と心の中で思う。眼鏡のフレームが焼けると怖いので、脱衣場のロッカーにおいていく。視力が結構悪いので30cmくらい離すと指紋が見えなくなります。)不安。Y岸、M上と離れない様についていく。言葉が通じないので、従業員の身ぶりで判断。

 まず最初にサウナへ。すごく熱イ!!日本のサウナと違って湿度もかなり高く、水蒸気がたち込めている。天井からのしずくが、もはや熱湯。従業員に、床に山盛りに置いてある竹塩を体に塗られるが、これも焼けていて、痛いくらい。このサウナ室内には、日本に働きに来ていた韓国の方もいた。少しその人と「日本の思い出」について話す。サウナを出たら、次に水風呂に入れと言う。心臓マヒするぞ!僕は中々入れなかった。そして段々と暖かい湯船へと移っていくのだ。これを2セット繰り返す。ようやくベットへ向かい、垢すりなのだが、2人分しか空かなかったらしく、Y岸とM上だけ。1セットだけでもつらかったのに、僕はもう1セットやらされる羽目になる。もうイヤ!!
そして、僕の番が来て垢すりしてもらったのだが、肌が敏感な僕は、くすぐったくて大笑い。なかなか終わらなくて、たまらなかった。しかも予想とはまるで違い、ゴツイ兄ちゃんに垢すりされていたのだ。この人ときたら、垢すり後のマッサージで、ぎゅうぎゅう押す。「痛いですかぁ?」と言うので「痛いです!」と言ったのだが、「気持ちいいですかぁ」と、まるで聞いちゃいねぇ。何を言ってもマイペースで仕事を進めるのだ。垢すり・マッサージが終了して、Y岸、M上を探す。ぼんやりとしか見えない上に、水蒸気がたち込めているので心細くなったが、2人は体を洗っていた。韓国に来る前に「どのくらい出るものか試す」つもりで、十分に垢すりしてから来たのに皆かなり出たと言う話になる。僕も体を流して外へ出た。

 サウナ…うーん、すごい効果。Y岸、痩せたもん。本当、入る前と出た後の写真、撮っとくべきだった。特に顔がすごい。
Y「うぁっ!俺、7キロ痩せとる!!」
ペ「うそつけ」
Y「本当やって。入る前、測っとったもん」お前の体重は水分か!(笑)
 僕は2キロほど痩せていた。上がってすぐ飲んだポカリスエットが沁みた。んあーっ、気持ちイイ!ここではじめて韓国の囲碁を見た。

文化の違い?

 帰りは来た時と違って、タクシーだった。帰り道をM上がビデオで撮る。今度も僕がディレクターになって指示を出した。車内でチョイに梨泰院(イテウォン)は偽ブランドで有名な所だと言うことを教えてもらう。チョイ曰く「物はいいですけど、全部偽物デス」。次、来たときはここも見たいものだ。あまりに僕が写すところを指図するので、「じゃあ、ペルシャさんが撮ってください」と途中からカメラを手渡された。酔わない様にズームをワイド側にして、なるべく揺らさないように撮ってみる。南大門が見えた。ライトアップされて美しい。更にタクシーですぐ傍を通るので、余計に感動する。
ペ「あの中、入ってみたいなぁ」
Y「中、入れないんですか?」

 チョイに疑問に思っていることを次々と聞いていく。M上が来る途中にチョイとよく話してくれたおかげで、僕達も話し易くなった。
Y「日本では、あんな感じで道路の真中に建物があるのって、考えられないんです。普通、よけていくよね」と、僕に相づちを求める。話によると、中は封鎖されていて、見学できる様にはなっていないらしい。

 チョイは、あまり複雑な日本語が理解できないらしい(本人曰く、「ワタシ、あんまり日本語、上手じゃない」)ので、僕はなるべく簡単な表現で話す様に心がけたが、Y岸はお構いなしだ。僕のは、中国人と話した日本語で。笑)経験が生きているからだ。しかし、チョイの目の前でY岸に「チョイさんは、難しい言葉は理解できないから、もっと簡単な言葉を使ったら?」とは言えなかった。何かチョイが、「自分をバカにしている」と思ってしまうのが、嫌だったのだ。(考え過ぎかもしれないが。)明洞駅付近で、タクシーを降りた。

 チョイが、「最後デスから、どこか他に行きたい所、無いですカ?」と言うので、Y岸とずっと食べたいと話していた「本場のビビンバを食べたい」と伝えた。僕は前にちゃんと食べられなかったし、M上にもあの美味しいのを食べさせたい。近くに美味しい店があるのを知っていると言うので、チョイに任せてついていく。M上、街の風景をビデオカメラで撮り始める。

 M上は銀行を見つけるたびにビデオに撮ってる。同業なので、気になっている様だった。

 ガイドブックに載っていたビビンバの美味しい店に連れて行ってもらうが、中にいる客のほとんどが日本人で、唖然とした。メニューも日本語で、値段も高め。辛くなく、ここも日本人向けの味付けになっているらしい。竜山のほど美味しくなかった。僕は韓国の人がよく行く、隠れた名店に行きたかったのだ。がっかり。M上が「最後」だからと、チョイを夕食に誘うが、ここでも彼は「仕事」なので、と席をはずした。

 ホテルに戻る途中、Y岸がチョイにパチンコのことを聞く。
Y「僕、韓国にパチンコ屋さんがあるって聞きましたけど、どこにあるんですかねぇ。街歩いてても、見かけなかったんですよ」
 するとチョイは「あぁ〜、パチンコ、アリマセン。やると、死刑になります」と、衝撃的なことを言う。
Y「ええっ!?おかしいなぁ、日本のパチンコ屋の社長は、韓国人が多いって聞いたけどなぁ。TVで見たような気がするんやけど」
 チョイは本当だと言う。僕は「中国では、エロ本を人に売ると死刑」という、日本では信じられない法律があるのを知っているので、この国でそれが「死刑」でもありうることだなと思った。

 ソウルタワーに行くことにしていたので、出かける。明日早いので、こんな時間から?という感じで、チョイは驚いていたようだが、地図で見ると近い。大丈夫だ。僕は歩いていけると思っていたのだが、もうすっかり日も暮れて、時間もないのでタクシーを使う。地下鉄を攻略していたので、自分からタクシーを使おうとは1度も思わなかったのだが、正解。とても歩いていけない距離(高さ)だった。確かに、地下鉄に比べ料金が高く、ぐるぐる山の回りを走って、「ボラれてんのか?」と思ったりもしたが、使わなかったら行けなかっただろう。駐車場へ着いたところで、タクシーを返した。

ソウルタワー

 駐車場からタワーまでは、少し歩かねばならない。しかも結構な登り坂である。途中から、競い合う様に走り出したので、(恐らく、早く見たかったためで無かろうか?)登りきった頃には、皆息を切らせていた。日頃の運動不足を反省させられた。社会人になって自分の車を持つと、どうも車に頼るようになっていけない。歴史のあるように見える「塀」と小さな楼閣がある。

ペ「こっちの夜景も綺麗だよぅ」
M「どこの夜景ですか?あ〜(納得)…樹の間からは、ちょっとねぇ」
 この位置では、ちょっと邪魔。
Y「上行こ、上」

 移動。タワー上部の展望室には上らなかった(登れなかった)ので、タワーの根元に当たる柵の所で夜景を堪能する。そこには数人の見物客もいた。しかし、どうやら韓国人ばかりで、日本人は我々だけの様だった。この位の時間にソウルタワーにいるのは、相当珍しいのかもしれない。コイン式の双眼鏡が何台か用意されていて、街並みをアップで見られるのだが、我々はM上のビデオカメラがあるので、それで見ていた。

 夜景。素晴らしかった。今まで見た中で1番きれいな光だった。
M「100万ドルの夜景かぁ?違う。(笑)」
ペ「何で100万や。(笑)」
M「え〜と、1,000万W」
ペ「1,000万Wの夜景。(笑)安いなぁ〜
M「安すぎるぞー。(笑)…みんな、息、ハァハァ。ここまで歩いてきて、しんどーい」
 ビデオに話しかけるように夜景を撮ってる。

M「あっ、誰か今、フラッシュたいたぁ?」
ペ「俺で〜す」何枚か写真を撮ったが、きちんと捉えられていないのが惜しい。
 堪能しつつ、いろんな場所に移動。
ペ「あっ、あっ、柵に寝とる〜〜」すぐ後ろは絶壁だ。

「わーい」すぐ後ろは崖っぷちなのに、ウケを狙うY岸。こいつの芸人根性はすごい。


 M上は僕達にお構い無しに、ソウルタワーを撮ってた。
M「…ソウルタワー。何メートルでしたっけ」
ペ「240m」
 Y岸、ぜいぜい言いながら「山が240m、合わせて480m。東洋一だと言う話です」ナレーターのような口ぶりでビデオに話しかける。
M「ほう、東洋一ねぇ」
Y「たぶん隣りのは、東京タワーとの比較で、あれは海抜で言うと330mなんじゃないでしょうか」
 ソウルタワーの隣りには、比較する様に東京タワーのミニチュア(に見える)が、建っている。
M「覗いてる人が、見えるかな?」
 M上、タワー上部の展望室を撮ってて、聞いちゃいねぇ。
Y「俺達は、こんなにでかいんだという事を言ってるだけなんじゃないでしょーか」まだ続けてる。
 僕も。
ペ「残念ながら、上から撮影するのは軍事上許されないらしいので、夜景はここが最後でーす」
 北朝鮮が見えてしまうので、タワー展望室からの写真撮影は禁止だとガイドブックに書いてあった。
M「あー、見える。ははは、今ねぇ、覗いてる人見えたわ」やっぱり、聞いてねぇ。

ペ「うわー、カメラじゃやっぱり収まんないよぅ」コンパクトカメラでは駄目だ。一眼レフを持ってこなかったことを悔やむ。
 Y岸は、道沿いにしか電気(灯り)がついていない山に興味が行っているようだ。M上のカメラでも、暗いところは苦手な様で、あそこは「光が入ってこない」と言っていた。
Y「6日間(←間違ってるぞ。笑)、忙しかったけど、まだまだ行き足りないよね」
 ぽそりとY岸がつぶやく。何か、しんみりとしてきた。明日からは又、平凡な日々が続くのだ。
M「街の看板見えるんじゃない?これで、もしかして」思いっきりズームをかけている。
M「あー、人が歩いとるんとか、見えるわ」ビデオカメラの威力はすごい。こんな離れた場所からでも、 はっきりと捉えることが出きる。少し欲しくなった。
Y「M上くん、そろそろお土産買いまひょ」
ペ「お土産かいましょ」

 ソウルタワーへは買い逃した土産と、ステーキをレストランで食べたいという目的もあったのだが、どちらも夜遅かったので、果たせず。閉店した売店のショーケース内にミニ四駆のスーパー・アスラーダを発見。戻ってきて、未練がましく最後の撮影。

 点滅する光が、ゆっくりと街の方に消えていく。旅客機が着陸していくのだ。最初に見つけたのがY岸。M上に撮るように指示している。明るいところは「明洞か」などと言いながらずっと撮ってる。
ペ「ここで、警察につれてかれるん。”お前、撮り過ぎだっ!”とか言って。(笑)」
 渋滞や、ネオン、Y岸が気になった「建物にくっ付いていて光る液晶TV(?)」を撮影。満足した。

 タクシーを返してしまったので、歩いて下山。Y岸とM上は嫌そうだったが夜景を見ながら、話して下りるというのは、記念になると思ってあえてそうしたのだった。ゴメンな。下り道で、夜景を見るために止まっている車の中に、愛を語っている韓国人のカップルが見られた。変な言い方かもしれないが、今回の旅行で様々な人が見れて、僕は良い経験になったと思っている。又、Fire Bomberの歌を合唱する。

明洞への帰り道

 終電がなくなった時間だろうが、僕は明洞への道を覚えきたので大丈夫。Y岸に、「いやあ、ペルシャがおって本当に良かったわ」と言われて、うれしかったよ。僕もY岸に助けられたし、迷惑かけてたしね。

 ふもとの方でY岸から、アルバイトに地元の工大生を雇った店の話を聞いた。牛丼屋のときはただ(無料)で友達に出してつぶれ、その後カレー屋になったときも同じ事をして、経営が傾いたという。
Y「ほら、牛丼とか、カレーって少し盗ったくらいじゃ判らんやろ。でもな、それが毎日続いたら、さすがにつぶれるやろ」
M「すごい話ですねぇ」
ペ「うわー怖いなぁ、気が抜けんな」
 僕達もアルバイトを使う立場なので、身につまされる話だった。
Y「そこの社長もアホや。新しく出来た店におんなじ工大生、雇っとるんよ

 ステーキの夢を果たせなかったので、帰り道にあったヒルトンホテルでとろうとするが、格が違う。とてもロイヤルと一級差のホテルと思えない。中国では日本人だと言う理由だけで、どんな高級ホテル(北京飯店とか)にも入れたので、「それでも」と思い、入り口付近まで行ってみる。ガラス越しに見えた泊まっている人は、

ペ「いい外人(欧米系)ばっかりだ!」

 お前ら、パーティでもあるんか!と言う格好をした上流階級の人ばかりみたいで、ジージャン、ジーンズでは入れない。恥ずかしい、ということで3人で逃げる。このホテルは規模も大きく、駐車場も高級車(ほとんどがHUNDAI、DAEWOOであったものの、朗かに街で良く走っているものと造りが違う)が何台も停まっているような所だった。カジノ付きのようだ(外にルーレットの絵が描かれていたのでそう思ったのですが、実際は無いようです。)が、M上曰く、「ペルシャさんとY岸さんなら、いつものノリで入ってくんかと思いましたよ」M上、ノリで入れる所と入れないところがあるんだ。俺達にも常識があるんだ。(笑)


よく目にしたLGマーク。LGはロッテジャイアンツではなく、ラッキーゴールドスターの略だったのだぁ。 南大門に着き、最後の思い出にと、屋台でお好み焼き(?)を食べる。美味しい。3人で1枚だけ食べようとしたのだが、お代わりして結局、3枚食べる。味噌風のタレもよかった。食べている途中、リヤカーを引いたおばあちゃんが、売れ残りとみられるリンゴを手に僕を見て「買って」という仕草をした。腹がいっぱいな上、ホテルにまだ果物を残していたため、手を合わせてゴメンという仕草をしたのだが中々判ってもらえず、何度かやって、ようやく向こうへ行ってくれた。心が痛む。この人の顔も忘れそうにない。

 屋台から帰る際、料金を聞くと、最初ボろうと思っていたのか?店の人同士で相談したあと、特に何も言わなかったのに安くしてくれた。我々がたくさん食べたせいか、それとも身なりが貧しそうだったからか。同情されたのかな〜?

 今回の旅行を振り返って、と言う話になる。Y岸は「ドラム缶の焼肉」が心残りだったと言った。ドラム缶を鉄板代わりにして、焼肉を食べさせてくれる場所があるらしい。TVで見たことがあるそうだ。旅行中、一言もそんなこと言ってなかったが、ひそかに探していたらしい。

ちょっと待てよ?

 
明洞に戻れない。南大門へは今まで地下鉄を使っていたので、少し歩いたところで方角が判らなくなってしまったのだ。困った、どうしよう、覚えていたつもりだったのに。

M「僕、こっちだと思いますよ。さっき垢すりの帰り、この銀行のところを右に曲がったの覚えてますもん。ビデオにも入っているはずですよ」
 
でかしたっ!!M上の銀行を撮る癖が幸いしたのだ。
 しかし、念のためタクシーの中から撮ったシーンを巻き戻して位置を確認。無事に戻れた。

 見慣れた明洞に着く。街角の店で、僕とY岸はパイン・シャーベットを食べる。M上はコーラを買った。裏通りで、あの初日から我々に衝撃を与え続けてきたホンダ・ドリーム号を発見。記念写真を撮った。

 最後に、ロイヤル近くのコンビニへちょっとしたお土産を買いに行った。ここで僕とY岸は「辛」と書いてあるインスタント・ラーメンと、名産の海苔を買ったが、M上は気に入ったものが無かった様で、明日空港で買うと言っていた。

 最後の日は、一番あわただしく、又一番充実した日になった。この日のことは、一生忘れないだろう。

この日の名言

 その1

M「K田さん、50万円無くしたんですよ」
〜三豊百貨店通り前での、M上によるK田の武勇伝より〜

 1円狂うことも許されない銀行員でありながら、人様から集金した50万円を無くすとは。(笑)
Y「今度は撮りながら、K田の悪口とか、K田のスキャンダルを告白してしまう」
M「暴いてしまう。(笑)いやー、嫌だなぁ、残ってしまうんだもの」
Y「他、何かねぇ?」
M「言えない」


 その2

Y「わはは〜っ、お前誰や」

〜垢すりツアーで、シャンプー後のペルシャたろーの頭を見て思わず出たY岸の一言〜
(薄いのです。ニコラス・ケイジ。いや、本当はジャック・ニコルソン。泣)


前の日へ次の日へ
TOPページへ