韓国旅行その1
1995
10日〜
日付内容行き先
動機+1995.10.01マクドナルドで待つマクドナルド(笑)
1日目1995.10.02出発!明洞
2日目1995.10.03バーチャファイターとロッテ百貨店竜山、ロッテ百貨店
3日目1995.10.04市場と古書店、M上合流東大門市場、夜の南大門
4日目1995.10.05ロッテワールド、ニューデリー蚕室ロッテワールド
5日目1995.10.06霊は写っていません、熱イ!三豊百貨店、垢すりツアー、ソウルタワー
6日目1995.10.07うわっ、こんなところに!帰国

「10/4(水)」

 今日はM上が合流する日である。昼過ぎに来るはずので、午前中は東大門市場へ行くことにした。有名な南大門はM上のためにとっておくのだ。ちなみに朝食はいつも通りバイキングでした。今日もいい天気。
Y「あっパクや、パクおる」
 
見ると、ドアの外でポクがタクシーの運転手と雑談しながら煙草を吸っていた。
Y「やる気無いなぁ、あいつ」
 
雑談に夢中で他のお客さんにも気づかない。Y岸は接客にこだわりを持って仕事しているので気になった様だ。「接客業にあるまじき態度やな。(笑)」確かに。

Y「ほないこか?」また、シイ・ケンスウの真似で歩き出す。
ペ「肉まんでも食え」
Y「あれ?どうしてんて」
ペ「飽きたわ。もっと違うことせーや」
 その後、たまに「撃つ(近接技)」様になった。(笑)

 いつも通り明洞駅から地下鉄に乗る。余裕が出てきたのか、いろいろなものを観察する。ホームへ降りて行くと、いつも風が吹いている。列車の運行によって、空気が押されているのかもしれないと思う。また、朝は学生やサラリーマンが多い。来たときから思ってはいたのだが、中国と同じように人々は足が長くて、特に女の人が美しい。「ひょっとして日本人はアジアで一番足の短い人種ではないか?」と思った。列車が到着する。

 ラインが引いてあるところにいたので、ちょうど扉が目の前に来たのだが、Y岸が急に右方向へ走り出した。わざわざ隣の車両から乗車する。驚いて、慌てて追いかける。
ペ「どうしたん?」
Y「こっちの方が女子高生、いっぱいおったから。
ペ「お前は痴漢しに来たんか〜〜!」
 車内で、日本での女の子に関する話をする。
Y「えぇ!?何でそんなこと知っとるん?ペルシャ、怖いやっちゃなー」(ご想像にお任せします。笑)

 東大門駅に着く。「WAY OUT」と、書かれてある看板を目印に外に向かう。
Y「あれ、何ねんやろ?昨日から気になってたんやけど」
 駅の通路や地下道などにキヨスクのような小さなボックスがある。
Y「宝くじか、ナンバーズみたいやな」
ペ「物価的にいって、当たってもたいしたこと無さそうだなぁ」
Y「やってみたいけど、買い方わからんしなぁ」

 ほんとにギャンブル系好きなんだなぁ。

 地上に出た。

 おぉ!東大門だ。駅の出口すぐそばにあるとは。さっそく記念写真を撮る。ガイドブックでしか見たことなかったけど、実物はやっぱりすごいなぁ。感動する。形は南大門そっくりだ。資料によるとここで古本とおもちゃが買える予定である。

 地図を見ながら歩く。ここには、コピー漫画を目当てにきたのだが、一向に店が見つからない。どちらかというと、服や布団屋さんの方が目に入った。日本に持って帰るお土産のことが頭をよぎる。日ごろ仲の良い、N支店の店長になんとかして「うる星やつら」のコピー漫画を買っていかなければ。(彼は「高橋留美子」のファンなのです。笑)買っていかなかったら、きっといじめられるに違いない。(笑)しばらくY岸とお土産の話題で盛り上がる。

 
あぁ!鉄の棒で補強した自転車!!そうまでして荷物を積まなければならないのかーー。さらに、信じられないほど荷物をたくさん背負った人々を見た。自分の身長と同じくらいの布団をかついで、つえをつきながら歩いている。ものすごく大変そうだ。問屋とはこういうものなのか。

 地図に書いてある辺りを行ったり来たりしても、あまりに本屋が見つからないので、少々疲れてきた。地図から少し外れてしまうが、歩道橋の向こうに本屋らしきものが見えたので、向かってみる。ようやく古本屋発見。無造作に積んである本の中から、僕の興味のあるアニメ系の本などを探す。うーむ、あまりない。おぉ、マクロスプラスの本を発見。日本で売ってるものをそのままコピーしたらしく、あまり珍しくもないので買う気がしない。もう1冊、マクロス系の本を発見。美樹本晴彦の絵でリン・ミンメイが描いてある表紙。だが、ビニールがかかっていて中が確認できない。結構、分厚かったので(1cmくらい)内容も濃いだろうと、思い切って買ってみる。Y岸は、ここでは何も買わなかった。他にも本屋がないかと、探してみることにする。この通りには、軍人御用達とみられる店が多々あり、ワッペンやオイル・ライター、迷彩服なども売っていた。髪を短くした軍人らしき人が出入りしている。角を曲がり細い通りに入ると、古本屋が結構あること発見。「はじめの一歩」が載っている漫画雑誌を発見。「マガジン」じゃない。これはそのままのコピーの様だが、似せて描こうと思ったのか?

ペ「誰だお前」

 
という感じの「はじめの一歩の続編」が、勝手に連載されている雑誌もあった。何軒か回ってY岸は韓国版「バナナフィッシュ」の本を買った。買った直後、Y岸が「おい、逃げるぞ」と僕の耳元でささやき、その店を後にする。
ペ「どうしてん?」
Y「今な、あの店のおやじ、おつり間違えてん。ほら、値段見てみ」
ペ「ほんとや」実際の計算よりも多くお釣りをもらっていたのだ。

 それにしても逃げるとは、結構コイツもせこいんだなぁ。と思う。(今思えば、問屋だったので安く売ってくれただけだったと思います。笑)

 うる星やつらの本も手に入り(1巻を買った。)、余裕が出てきたので、いろいろとまわってみることにする。地図に玩具と書いてあったので向かってみるも、どう歩いても見つからない。なくなってしまったのか?このガイドブックは最新のはずだったのに、かなりいいかげんだなと思う。ここは日本人観光客がほとんどいないせいか、店員も日本語を話せないし、客引きも激しくない。そのおかげでじっくり見れるので、僕はすっかり気に入ってしまった。欲が出てきたので、地図に書いてないところも歩き始めた。と、いうよりも、ガイドブックに載っていた玩具店が無かったのが悔しかったのだ。このままでは帰れない。こうなったら足で探してやる。Y岸は、又かと思ったようだが、僕に付き合ってくれることになった。

 市場から少し外れた通りに小さな露店を発見する。この通りには、おもちゃ屋が1軒だけあったので、期待して中をのぞく。プラスチックやABSのおもちゃがほとんどで、僕の好きなプラモデルはない。どれも新しくはないが、なかなか味のあるものはそろっている。ライディーンには少し心がひかれたが、やはり本命はプラモデルなので、結局買わなかった。この通りの先には何もなさそうだったので、腹も減ってきたことだし戻ることにした。今度は来たときと、向かい側の道を通って帰ることにする。常に新しい道を使って、発見したい。やはり、同じ「帰る」にしても只では帰らないのだ。帰る途中で学校らしき建物近くを通る。どうやら女学校らしく、女の子しか見かけない。またY岸と女の子の話をする。この通りでは、模型店は見かけなかった。

ご飯食べたい

 再び東大門に戻り、食べ物屋さんを探すが見つからない。見つかっても決め手がなく、入りそびれてしまう。Y岸も空腹でつらそうだ。競技場の裏あたりで、お菓子を焼いている屋台が目に入り、Y岸がぱっと買う。ほんとにこいつの決断力は、すごい。僕は少し気が進まなかったが、一緒に買うことにした。焼いているところを見ていたが、面白い。餃子の皮みたいな平べったいお菓子が暖まるとドラ焼きのように、膨れ上がるのだ。しばらく観察する。さてY岸は、このお菓子を歩きながら食べられるようにと買ったようで、さっそく袋から出して僕にくれる。皮がカリカリで中は中空でハチミツが入っている。熱くておいしい。結構ボリュームもある。
Y「なぁ、さっきから気になっとったんやけど。ジロジロ見られてないか?」
 うーむ、確かに。よく見ると、僕達みたいに食べながら歩いているのは1人もいない。競技場近くの小さい公園にベンチを発見したのでそこで食べることにした。近くの自販機でTVのCMで気になっていたジュースを買う。お菓子のせいで手がべとべとになったが、近くに水道がないので、駅のトイレで洗うしかないな、と思う。

 昼になり、M上が来そうだったので東大門から、引き上げることにした。僕はここでは他に小さなラジオ、シルクのネクタイ(3,000W)を買った。夜食用に果物を買う。柿、梨、ぶどうを選ぶ。本当に安いなぁ。

 しかし、地下鉄に乗ってホテルに戻る間に
ペ「俺の柿が、すぷらったに!!」
 食えなくなった。店のおばちゃんの言う通り、完熟したものを選んだのだが、完熟しすぎじゃ〜〜〜っ!!

M上の日記より

 この韓国の旅行なんだけど、僕、すっごく不安だった。旅行の詳細なんてぜんぜん知らないし、「とにかく、△△発の直行便に乗れ」とのこと。親がすっごく心配していたのを覚えている。僕もわからないなりにも、もう少し青写真というか……。現地集合(2人は先に行って楽しんでる)っていうのはこの狭い地元に居ても、交通機関が遅れることがあり、あまり賛成できなかった。行く前の前の晩くらいかな?Y岸さん、ペルシャさんから現地の様子とか、持っていった方がいいものとか、国際電話で落ち会う場所を聞いていた。でも、!このときの内容と来たら、日本で話していた時、確かこの人達、空港まで迎えに来ると言っていたのに、
Y「わけのわからん韓国人が迎えに来るから、そいつとタクシーに乗ってホテルに向かってくれ。俺らもそこで待っとる」てな、具合だった。
 「ガーン」僕はだんだん心配になってきた。なんか、スーファミ、サターン、プレステ持ってこいと言っていた。トランプ、花札まで。何しに行ったんだ、いったい!

 まぁ、何も言っても始まらないので、「ええい、乗りかかった船だ、なるようになる。なすがままよ」と、○○から汽車に乗り、△△県へ。そしてバスで△△空港へ向かった。空港には高校生がいっぱいいた。(こちらの地元の、K高校の修学旅行らしい。)

 こちらは雨だったのに、韓国は晴れていた。飛行機は実質2時間程のフライトだった。高校生たちは浮かれていた。チキショー俺ん時はヨー、北海道だったのに、こいつら海を渡って異国に行けるなんて。


 明洞駅に着き、買った果物を食べるためにコンビニでナイフを購入して帰る。
Y「まだ、じろじろ見られとる気がする」と言う、彼によると「俺らぐらいの歳で、ジージャン着とる奴っておらんと思わん?」そういえばそうだ。ここの「大人の男」はみなスーツか、ジャケットを着ている。「徴兵制があるらしいので、皆まじめなのだ」という結論に至る。かといって、いまさら服を替えるわけに行かないしなぁ。

 部屋のドアが開いてた。メイドさんが掃除中だったのだ。「がんばってね」と思いながら、僕がトイレに行って帰ってくると、Y岸とメイドさんが、何やらもめている感じだった。この人は日本語が話せないらしく、ジェスチャーを交じえてY岸に詰め寄っている。かろうじて「チップ」と言う言葉を聞き取ることが出来た。
ペ「どうしたん?」
Y「今な、コイツ、チップ要求してん」あげればいいじゃない。と思い、財布を用意して渡そうすると、
Y「渡さんでええ、韓国にはな、チップの習慣はないんや」
 確かに僕らの見たガイドブックには、韓国にチップの習慣は無いと書いてあった。でもこんな汚くしてしまった部屋をかたずけて、綺麗にしてくれた人に渡さないのは何か、気が引けた。しかし、Y岸の理屈で行くと、僕らが日本人だからチップを要求されたような気にもなってきて、結局渡さなかった。納得がいかない顔で部屋を出ていくメイドさん。(ヒドイ話である。帰ってから読んだ別のガイドブックには、「チップの習慣はないが、少しは渡しましょう」とあり、次の旅行からは置いておくことになります。)

 部屋でスプラッタの柿を捨てた。

 M上を持つが、来ない。予定の時間をかなり過ぎている。光化門旅行社に電話したが、チョイさんは迎えに行っていないそうので、僕達の時のように遅れたのかもしれない。ヒマだが、行き違いになっても行けないので、部屋を動けない。Y岸が「梨でも食べんけ?」といって、皮をナイフでむき出す。プラモデルで刃物の使い方に自信があった僕だが、皮むきは苦手だ。かなり器用なので感心する。
Y「俺、よく手伝いさせられとってんて」後、子供たちの引率をして(ボーイスカウトのようなもの?)キャンプなどに行っていたので上手くなったそうだ。彼女ともそこで知り合ったらしい。

 先ほど買った本でも読んで時間つぶし。マクロス系の本を読んでみる。うわ〜〜っ!!
ペ「麻雀漫画〜〜っ!」
 正確に言うと、リン・ミンメイのような女刑事が、おとり捜査で敵組織に入り込み、麻雀で敵を破っていく(!?)というものだった。カンフーも使ってる。全然マクロスと関係ないじゃん!思い切って買って、失敗だった。Y岸は「わはは〜、ほんとや。バナナフィッシュは、なかなかよく出来とるよ」といって、僕に見せたが、何がよく出来てるのか判らず、面白くない。うる星やつらは「噂どおり」胸が露になっているシーンなどで「黒で水着のような下着」が描き足されていた。やはり儒教の国は、モラルが厳しいのだなぁと思う。この感じで行くと、桂正和の「ビデオ・ガール」などは大変だな、とも思った。

M上到着

 4時を回った頃、部屋のチャイムが鳴り、やっとM上が到着する。安心した。しかし何だか元気がない。どうしたんだろう?その後、ボーイ3人の手によって、部屋の中にエキストラ・ベッドが入れられる。僕は最初、それが何だかわからずに作業を見ていた。
ペ「あれ?オンドル部屋に移るんじゃなかったっけ?」
Y「そう言えば、そうだったな。どうなっとるんやろ」
M「僕、わからないです」
 説明して、ごたごたもめるのが嫌だったので、そのままにすることになった。まぁ、この密度も楽しそうだ。

 7時にチョイさんが食事に連れてってくれるので、それまで散歩に行くことにした。
Y「M上、腹へってないけ?」
M「少し、減ってますけど、7時に焼肉食べに行くんじゃないですか?」

1日5食

 食事に行くのが判っているのに食べに出るあたり、「1日5食」なのである。ホテル近くの店で、チゲを食べる。鳥鍋だ。(このときは、鳥鍋のことをチゲだと思っていましたが、サムゲッタンが正しいです。「チゲ」は「鍋」の意味です。だから、日本でよく使われている「チゲ鍋」という言い方は間違っているといえるでしょう。鍋鍋という意味になる。笑)正直言ってあまりウマくない。M上はここで酒を飲んだ。少し調子がでてきたようだ。この2日間で体験したことなど、得意げにM上に話す。この後、僕はポン引きに遭い、次に、怪しい男に連れて行かれそうになる。

 ポン引きだが、歩いていると嫌な近付き方をしてくる。「旅行デスカ?観光?」そして、最後には「女、どう?」と言う。かなり、しつこく勧誘してくる。断ってもしつこくするので、別の方法を考えた。僕は、いろいろなことに興味があるので、調査がてら反応を見ようと思ったのだ。まず、相場はいったいいくらなのか?聞くと、「20,000円ヨ」と言う。次に、こういう商売はどのくらい値切れるのか?また、いくら以下だとあきらめるのか?を調べてみる。
ペ「高いなぁ。16,000円だったらいい」と言うと、「おおっ、それはヒドイネ」と言ってポン引きはあきらめ顔になってきた。「よし!逃れられた」と思っていたら、今度は「じゃあ、女の子、見るダケ、見るダケでいいから、来るヨ」と、強引にジージャンの袖を引っ張って連れて行こうとした。何とか振りほどいて助かったが、Y岸に「相手にすんなや」とたしなめられた。うむ、勉強になった。(もちろん、買う気はさらさらないです。笑)

 怪しい男というのは、同じように「旅行デスカ?」と近付いてくる。最初、「また、ポン引きか」と思ったのだが、どうやら違うみたいで、「私、昔、日本に住んでました」と言い、東京の地名を出しながら、僕らには「懐かしくて」声をかけたと言う。「どこいきますカ?」と聞くので、「当てもなく散歩してるんです」と答えると、「ショッピングしましたか?」と尋ねてきた。この人に聞けば、プラモ屋が判るかもしれない。と考えて、聞いてみた。「あっ、知ってるヨ。このすぐ近くにあるネ」と言うので、うれしくなりY岸、M上が止めるのも聞かずに案内してもらうことにした。どうせ当てのない散歩なのだ。それに、近くと言っているので、7時までには戻れるはずだ。ところが、
ペ「メトロ美都波ですか?」と、場所を聞いてもはっきり言わない。

 だんだん、怪しく思えてきた。この地元に住んでいる韓国人が、店の名前も答えられないのは、おかしい。Y岸もそう思ったらしく、
Y「おい、逃げるぞ。怪しいわ、こいつ」
上も
M「そーですよ、ペルシャさん。逃げましょう」
ぺ「判った」と、だっと後ろを振り返って走ろうとするそのとき!
怪「いいから!すぐそこヨ。私の店、いいカバンあるヨ!!」と、ぎゅっと手をつかまれた。
ペ「!?、何だこいつ」
 
プラモデル屋さんを案内する振りをして、自分のカバン屋に引き込もうとしていたのだ。Y岸とM上に助けてもらい、手を振りほどき、3人で全力で走る。なんとか上手く逃げることが出来た。危ないところだった。親しげに日本語で近付いてくる韓国人には、気をつけなくてはならないと思った。

 チョイさんにつれられ、ワゴン車で日本人向けと思われる焼き肉屋さんへ向かう。と、言うのも店の造りが日本の料亭そっくりになっていたからだ。我々の他に、日本人がいた。久しぶりに日本人を見た気がする。座敷に上がり、(オンドルでは無さそうだ)料理を待つ。チョイさんも一緒に、と誘ったのだが「仕事なので別のところで食べる」という。まじめなんだなぁ。食事しながら、韓国の話をいろいろ聞きたかったのに。M上は空港からの車内で、チョイさんと車の話題を話していたそうだ。以後、親しみを込めてさん付けはやめることにした。

M上の日記より

 韓国でカルチャーショックを受けたこと(ペルシャさんは女の脚の長さにショックしていたようだが)。乗用車の種類がなんと4種類。外車は走っていない。車好きの僕にとって、これはすっげー嫌だった。一発で韓国には住みたくないって思った。だって若者でもおじさんの乗るような車しかないもん。唯一、2ドアクーペと呼べるのは、あのレビン・トレノまがいのナンパ・カーだ(たぶん中身はおじさん車といっしょだと思う。サスもエンジンも一緒)。又、運転が乱暴なんだよな。お前ら韓国人にとっても、車は決して安くないはずだ!そんなやわなシャシー、ボディでとばすんじゃネーヨ。死ぬぞ!120km/hぐらい平気らしい。


 隣に女子大生と思われるグループがいて「カンパーイ!!」とか言いながら、写真を撮りまくっていた。僕は内心「判ってないよな」と思いながら見ていた。そして、いざ焼き肉とキムチの小皿が出てきたが、キムチはそんなに辛くなく、(M上には効いたみたいだが。)やはり日本人向けにカラくしてないらしい。焼き肉は1.5人前だと聞いていたが足りない。僕とY岸は1日5食、食べてきたのだ。M上はダウン。1日5食、食べて欲しいのでM上にも胃腸薬を飲ませる。

 ホテルへ戻り、南大門に行くことにした。地下鉄は11時までやっているし、市場も遅くまでやってるらしいからである。また、あの「判ってない日本人観光客」も夜はいないはずだ。ここからビデオカメラでも撮ることになる。M上、疲れ気味。地下鉄、明洞駅へ。

踊るY岸。 会賢駅を出て、ソウル駅経由で南大門へ。歌を唄いながら歩く。♪24時間うごめく街を〜TONIGHT TONIGHT駆け抜けるぅ〜〜っ……M上、撮ってくんない。M上がぶつぶつビデオカメラに話しながら撮影している。韓国の公衆電話がKDDばかりなのが珍しい様だ。

 ライトアップされた、南大門が見えた。ずっとFire Bomberの歌を唄ってる。知ってんの僕だけかと思ったら、みんな知ってやんの。同じ穴のムジナやね〜。合唱。(笑)南大門、きれいだなぁ。じっと見ていたくなる。Y岸はここで記念写真を撮ろうといい、何枚か撮った。ところが、僕もY岸もカメラの使い方をよく知らなくて、長時間露光できない。日本に帰って、現像された南大門の写真はことごとく失敗していた。残念。

M上の日記より

 ホテル近くのチゲ(サムゲッタンのことです。)なんだけど、やたら骨ばっかりであまり身がなかったような気がするな。酒なんだけど、ぜんぜん匂いがしなくて、旨かったな。後で思ったんですけど焼酎だったんでは、と思いました。僕は元気がないことはないんですよ。あれは普通なんです。お二方は、テンションが高すぎだったため、僕がしぼんでいるように見えたんでしょう。
 それと、あの「模型屋を教えてやる」と言っていたおっさん、怪しい。絶対怪しかった、身なり服装からして、(人を見た目で判断してはいけないが、)プラモ屋に出入りするような人に見えなかったし、模型屋そのものに対してもなんか誤解しているようだった。にもかかわらず、知ったかぶりして地下街へ連れていくという奇妙な行動は、胡散臭いと思わずにはいられなかった。


M「僕、カメラ持ってて、
襲われたらどうしよう?
Y「そやな、ペルシャみたいに連れて行かれるかもしれん。(笑)」
 Y岸はM上を怖がらせて、楽しんでる。そして、僕にも皮肉交じりに笑いかける。
ペ「えっ、だいじょーぶ。いざとなったら、中国人のフリするから、俺は助かる。
(笑)称叫什公名字?我叫波斯太郎。我是日本人的留学生」

M「うわー、判っからーん。何いっとんげん。(笑)」
ぺ「お前、中国語選択だったくせに。秦先生に申し訳ないと思え!(笑)」
M「よ、ようめいよう?」
ペ「それは、するかしないかだっ!(笑)」
 Y岸も中国語選択で僕と同じクラスだったが、このときは何も言わなかった。(笑)

南大門へGO

 屋台がたくさん増えてきた。道路が明るくなってくる。ついに南大門市場に着いたのだ。食べ物の屋台と、服屋が目に付く。のり巻きみたいなの売ってるな。(キンパプのことです。)うわー、あの海老も美味そう。サラリーマン風の韓国人がかなり屋台で食べている。でも、勇気がなくて、僕達の中で屋台で食べよう、と言い出すものはいなかった。このままだと、只の見物で終わってしまうかもしれない。

 
ペルシャたろー、また捕まる!?
 南大門市場の革ジャン屋の客引きに目をつけられ、店内に引き入れられる。
 「おぉっ安いヨ、安いヨ、見るだけタダヨ」
 「お客サン、カッコイイヨ。ン〜モデルがイイからね」
 「外、寒いヨ。これ着て出るヨ」
 こんな感じ。

 少し心が動いた僕だが、Y岸に止められる。
Y「だまされとる。似合わん。やめとけ」
 M上は、「強引っスねー。何かイヤやな〜ああいうの

 この店員は、何を聞いても同じセリフを繰り返すのだった。

M上の日記より

 えっ、ペルシャさん、心が動いたの?信じられん。1発で押し売りだと思った。店員はまるでロボットだなぁ。


つまみはイカ!イカに決まってる。

 
つまみはイカイカに決まってる。

 会賢駅近くで、イカの屋台を見つける。屋台の手始めとしてちょうど良いと思い、買おうとすると、
Y「3匹買うから、2匹分の値段にねぎれ」
ペ「えー、でも悪いよ」小さなおばあちゃんがやっているのだ。
 しかし彼の韓国人に対する恨み(SSのパワーメモリー。笑)は深い。……まかってしまう。こんな安いものなのに。こんなもん、いくつ売ってこの人生きてるんだろう。そう思って悲しくなった。ヒドイことした。本気で反省してる。しかもこのおばあちゃんは日本語が少しわかり、よけい情が移る。さらにこれに対しY岸は、

Y「僕らねぇ。仕事に失敗して、自殺しに来たんですよ」

 おばあちゃん、信じる。我々にみりん焼きをくれる。あぁっもう、何て言っていいか判らない。おばあちゃん、どうやって生きていくんだ〜〜っ。Y岸、お前、ヒドイ奴や、あのおばあちゃんの顔、一生忘れん。

夜の愉しみ

 明洞駅に戻り、(ほとんど終電だった)セブンイレブンへ寄って帰った。この夜は買った果物をみんなで食べながら、韓国のTVドラマを見る。Y岸が勝手にアフレコを始める。それに大ウケする僕とM上。

 TVバラエティーでの「ウッちゃん、ナンちゃん」のような人が出てきたときのアフレコ。
Y「チョイ&ボンゲです」
 面白いので、僕もアフレコに参加する。

 姉弟と若い母親のドラマのアフレコ。
ペ「あなた最近、シーツにしみが多いけど、体の調子が悪いの?」
Y「何でや〜何で姉ちゃんが、弟にパンツ渡しとるんや〜?」
Y「あなた、これでしなさい」
Y「あのお姉ちゃんかわいいなぁー。好みや」
←2回繰り返す。相当、好みだったらしい。(笑)
 ビデオ回しておくべきであった。

M上の日記より

 まるで、韓国版「毎度お騒がせします」ですね。


 他に野球中継も見ていて、球場の広告や、TVCMで目にする「LG」は、何の略だろう?という話になった。Y岸が球団の名前にあるのを見つけて、「きっと、ロッテ・ジャイアンツの意味や」と言うことで納得した。

この日の名言

Y「俺、ムネとシリばっか見とるわ」
〜東大門へ向かう地下鉄でのY岸の発言でした。〜


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