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燕岳の左には、本来ならば南アルプス、富士山、
八ヶ岳と続くのであるが、
さすがにこの時間になると、雲の中に紛れ込んでしまってハッキリと見ることができない。
これらの山々は諦めて、さらに左に目を向ければ、信濃富士と呼ばれる有明山が大きい。
有明山から左に下る尾根が再び盛り上がっているピークは、今朝程 樹林越しに端正な姿を見せてくれた清水岳であろう。
その清水岳の上方、雲の上に黒く浮かぶ島が見えるが、
合戦小屋からも見えた浅間山である。 |
有明山からの稜線は清水岳、東餓鬼岳、東沢岳と続き、
さらには餓鬼岳へと続いている。
そして、餓鬼岳からさらに目を左に向ければ、最初に紹介した針ノ木岳 (写真 左) があり、
その右に蓮華岳 (写真ほぼ中央)、そして今は雲に隠れてしまっているが、
鹿島槍ヶ岳が続くことになる。
というように、360度の大パノラマである。
これを誰にも邪魔されずに独り占めできたのは大変幸せである。それも、ほんの少しの所に、多くの人々で賑わう燕岳があるにも拘わらずである。
10時10分、北燕岳を後にする。 | |
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燕岳直下、頂上をパスする巻き道への分岐があり、このまま燕岳は通り過ぎようと思ったのだが、
ここはやはり無視できず、再度 燕岳の頂上を踏む。時刻は 10時24分。
ここからの眺めも当然素晴らしいが、こちらは人が多いだけに北燕岳に軍配が上がる。
これからどうしようかと大天井岳方面を眺める。時刻は 10時半近い。
大天井岳へと続く道は魅力的だが、地図上では往復 4時間50分となっており、そこに残雪が加わったら下山はかなり遅くなると思い、
諦めることにする。やはり余裕を持って、山中 1泊すべきであろう。10時27分、下山開始。 |
途中、右手を見ると、
西鎌尾根の後方に笠ヶ岳の姿が浮かび上がっているではないか。
ようやくその姿をハッキリ見ることができた。
これで主立った山々は全て見ることができたことになる。
本日は大満足である。 | |
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さて、ここまで来ていながら、定番のイルカ岩を写真に撮らずに帰る訳にはいかない。
もう何も言うことは無い。見ての通りである。 |
10時49分、燕山荘に戻り着く。
相変わらず人で賑わっているが、幸いベンチが空いていたので、大休止とする。
ここで未練がましく、もう一度地図を見て、大天井岳往復の可能性を探る。
地図上の時間を見れば何とかなりそうな気もするが、体力が心配である。もっと新陳代謝が活発になっていれば、行く気になるのだが、
まだシーズン始めという気持ちが強く、結局 大天井岳往復は断念する。
今一度 燕岳を眺めた後、11時7分に下山を開始する。 | |