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先に出発した数人のグループがかなりゆっくりのペースだったため、雪の斜面に止まり、暫し写真撮影をして時間を稼ぐ。
ようやく、間が空いたので、斜面を横切るようにして登って行くと登り着いた所が合戦沢ノ頭であった。時刻は 8時40分。
ここからの展望も素晴らしく、大天井岳を始めとして、ここに至るまでに見てきた山々をほぼ見ることができる。
ただ、富士山は最早 周囲の空と区別がつかないような状況である。
休んでいた若者と少し話をした後、先に進む。
少し登ると、手前の尾根の向こうに槍ヶ岳の尖った穂先が見えてきた。
その姿にどういう訳かゾクッとする。 |
ここからは完全な裸尾根なので、
周囲の山々を眺めながらの楽しい登りとなる。
無論、足下は雪であるが、まだまだ腐ってはいないようで、小生の体重でも踏み抜くことは無い。
槍ヶ岳の穂先を左に見ながら進む。
右手を見れば、一瞬 剱岳かと思うような美しいピラミッド型の山が見えた。
針ノ木岳である。
この尾根道歩きは最高に気分が良い。 | |
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そして上を見上げれば、青い空をバックにいくつかのコブを持った稜線が見える。
そして、その稜線を左の方へと辿っていけば、白い雪の斜面の先に赤い屋根を有した燕山荘が見える。
ということは、稜線上の一番高いコブが燕岳に違いない。
ゴールが見えてきたことで、さらにテンションが上がる。
燕岳方面にもう一度目を向ければ、残雪の合間に白い岩肌も見える。
その様子は、南アルプス前衛の山である日向山の雁ヶ原にある風化した花崗岩群を彷彿とさせる。 |
高度が上がるに連れ、
燕岳から大天井岳へと続く尾根の向こうに見える槍ヶ岳の穂先も、
徐々にせり上がってくる。
先程までは槍ヶ岳の左に大喰岳しか見えなかったが、今はさらにそれに中岳、
南岳が加わっている。 | |
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燕山荘には徐々に近づいているものの、こちらから見上げる山荘の姿は山の上に立つ要塞のようである。
しかも、雪がその要塞を守っていて、なかなか近づきがたい雰囲気を感じさせる。
ただ、実際の登りは見た目程厳しくない。
残雪を楽しみながら登る。アイゼンなどは全く不要である。 |
右手を見れば、
先程の針ノ木岳は、燕岳の斜面に隠れ、代わりに針ノ木岳よりさらに右の山々が見える様になってきた。
針ノ木岳から下った斜面は蓮華岳に向かって盛り上がる。手前のズングリした黒い山の左後方が蓮華岳である。
稜線は蓮華岳から再びなだらかに下っていき、
その下り斜面の後方に鹿島槍ヶ岳の双耳峰が見える。
やや雲が邪魔をしているのが残念である。
鹿島槍ヶ岳の右手前に黒い山群が見えるが、恐らく右側の雲に隠れている部分が餓鬼岳であろう。 | |