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赤岳、阿弥陀岳の槍のように尖った姿に目を引かれ、
あまり目だたないが、硫黄岳の爆裂火口壁も見事である。
また、手前の山(箕冠山と根石岳)の鞍部に根石山荘も見える。
地図を見ながら、硫黄岳に登るルートを確認する。根石山荘の前から箕冠山に登り、そこから一旦夏沢峠に下って硫黄岳へと登り返すことになるようだ。
初めて八ヶ岳に登った時には、
美濃戸口から行者小屋経由で赤岳に登り、横岳、硫黄岳と縦走して夏沢峠へと下り、そこから本沢温泉、しらびそ小屋経由にて稲子湯まで歩いたのだった。
今思えば、夜行列車でほとんど寝ていない中、よく歩いたものだ。若かったと思う。 |
10時58分、唐沢鉱泉に向かうべく、
西尾根を下り始める。
先ほど山頂で会った方が言っていた通り、岩ゴツの急下降。そこに新雪が結構積もっているので歩きにくいとともに、足場確保が難しく、少々怖い。
岩に捉まりながら、慎重に下る。
真下には展望台 (第二、第一) のある高みが見える。最初のピーク手前が第二展望台、
そのピークの後ろ側が第一展望台、そして最後のピークが枯尾の峰ということになるのであろうか。 | |
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岩ゴツの急下降を終えてもまだ安心できない。樹林帯の中の下りが続く。こちらは新雪と残雪が入り交じっており、
さらに雪が腐りかけていて歩くのに難儀する。
先ほどの方の苦労が察せられる。
そして、ようやく鞍部に着いたと思ったら、すぐに先ほど見た展望台への登りとなる。
振り返れば、縞ガレの木々の間から中岳を間に置いた
八ヶ岳の 2つの主峰が見える。
何か現実離れしており、別世界のように思われる。 |
真後ろには、先ほどまでその頂上に居た西天狗の姿が見える。
こちらは赤岳、阿弥陀岳とは違って、
山肌を覆う緑が春を感じさせてくれる。
もっとも、今の陽気は初夏だが・・・。 | |
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11時31分、第二展望台に到着。
展望台と言うだけあってここからの展望も素晴らしい。
大きな西天狗の横には根石山荘を鞍部に有する根石岳、箕冠山。箕冠山は下がスッパリと切れ落ちて、
ここも火口だったのではないかと思わせてくれる。
雪もほとんど無くなり、土や岩の方が露出しているこれらの山の後方には、まだまだ真っ白な硫黄岳が頭をのぞかせている。
そして赤岳、中岳、阿弥陀岳へと続く。
手前の峰の松目へと続く尾根が濃い緑色をしているだけに、後方のこの 3つの山の白さが目立ち、
モノトーンの不思議な世界を作り出している。 |
第二展望台から少し登ると先ほど西天狗から見えていたピークとなる。
そこからは樹林の中の下りが始まる。
雪はかなり残っており、足を何回も取られる。 | |