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東天狗頂上より南に目を向ければ、本日初めて
硫黄岳、赤岳、
そして阿弥陀岳とのご対面となる。
今まで見てきた春を感じさせる緑の世界とは打って変わって、モノトーンの世界が広がっていることに驚かされる。
何度も言うようだが、昨日か一昨日に降ったと思われる雪が、冬に逆戻りさせたようだ。
赤岳、阿弥陀岳の右に
編笠山。
そして、その後方には南アルプスの山々が見える。
編笠山の真後ろが鳳凰三山、
その右隣が北岳、
さらに右には甲斐駒ヶ岳、
そして仙丈ヶ岳と続く。
しかし、いずれもカスミがかかったような状態なのが残念。 |
西には西天狗。
今まで見てきた饅頭のような山とはイメージを変え、意外と力強さを見せているのに少々驚かされる。
雪化粧が施されていない南側には、かつてこの山が火山であったことを示す荒々しい赤茶けた岩肌が見えており、
それがイメージを変える一因にもなっているようだ。 | |
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北を向けば、蓼科山。
もうこの時間になると、蓼科山もややカスミ気味だ。それでも諏訪富士と呼ばれるに相応しい美しい姿を見せてくれている。
それにしてもこちら側は赤岳、阿弥陀岳
のある側とは全く違う緑の世界が広がっており、この天狗岳を境としたあまりもの変貌ぶりに大変驚かされる。 |
少々腹ごしらえをして、10時18分、
西天狗へと向けて出発。
東天狗、西天狗の鞍部へとガレ場を下る。斜面にさほど雪はない。足元を崩さないように慎重に下る。
鞍部に下り着いて振り返れば、東天狗の緑の斜面に残る雪が鹿の子斑 (まだら) を作っていてなかなか美しい。
鞍部にはかなりの雪が残っている。しかも、それが腐り始めているものだから、
何回も足を踏み抜いてしまい、なかなか前に進めない。
それでも、何とか雪が固そうな場所を選んで進み、最後は雪を避けて崩れやすいザレ場を登り、
頂上に向かう。 | |
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10時39分、西天狗頂上に到着。こちらも誰もいない。
広い山頂は雪に覆われている。唯一 雪のない南側、ハイマツ帯の外側で休憩する。
この西天狗には三角点標柱の他、古びた石碑、石仏などもあり、東天狗とは対照的だ。残念なのは西天狗の標柱が倒れていたこと。
雪や風のせいなのか、人為的なのか・・・。
こちらも赤岳、阿弥陀岳の素晴らしい姿を見ることができる。
この 2つの山を見ながら、石に腰掛けて暫し休憩。 |
休憩中に西天狗西尾根の方から人が登ってきた。
言葉を交わすが、よく見たら今朝ほど唐沢鉱泉の前で挨拶した黒いハリアーの持ち主だ。
聞けば、この西尾根の登りは残雪も多い上に、新雪もかなりあり、予定より 30分以上も時間がかかってしまったとのこと。
そう考えると、小生のルート選びは正解だったと言えよう。
山頂を歩き回って、周囲を眺める。
やはり、先ほどまでその頂上に居た東天狗の鹿の子斑が印象的だ。 | |