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このガレ場に着くと、展望が一気に開ける。
南東方面には、編笠山と
編笠山から左に下る稜線の後方に三ツ頭が見える。
南には南アルプスの山々が、間に小淵沢の町並みを挟んで屏風のように並んでいる。
本来ならこの展望に暫し足を止めたいところだが、
後ろから追われる身にとっては、この雪のないガレ場が差を広げるチャンス。後ろのご夫婦はアイゼン装着なので、
ここでは歩きにくいはずである。 |
とは言っても、
数枚写真を撮っておかずにはいられない。
残念ながら南アルプス方面はこの暖かさに霞みがちであるが、それでも、右の方から編笠山 (鋸岳のそばにあるもう1つの編笠山)、
鋸岳、
仙丈ヶ岳、
甲斐駒ヶ岳、
そして北岳、
高嶺、
鳳凰山といったお馴染みの山々を見ることができる。
ただ、本来であれば、南アルプスの左側、つまり八ヶ岳の
編笠山の右側に
富士山も見えるはずなのだが、
霞んでしまってよく分からない。
写真を数枚撮った後、ガレ場をジグザグに登って、再び樹林の中に入り込む。暫く樹林帯が続くが、すぐにまたガレ場に出る。
ここからも編笠山がよく見える。 | |
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道は再び樹林帯となるが、長くは続かず、すぐにそこを抜けて、西岳頂上に飛び出した。時刻は 10時ジャスト。計ったようなタイミングである。
当然、一番乗り。やはり嬉しい。
頂上には標柱の他、『 妙見大菩薩 』 や 『 御嶽神社 』 と彫られた石碑を始め、
数体の石仏、石碑が置かれている。この山もかつては信仰の山だったのであろうか。
しかし、それにしては、不動清水に石碑がいくつかあったものの、不動清水からここまでの間に、信仰を感じさせるものは見当たらなかった。
尤も、妙見様は星の信仰から生まれた神様なので、星に近いこの場所に祀られていてもおかしくないのかもしれない。 |
この西岳頂上からの展望は素晴らしい。
今まで編笠山、三ツ頭しか見えなかった八ヶ岳だが、
ここからは八ヶ岳核心部の主要な山々を見ることができる。若干、木々が邪魔をする部分があるものの、頂上にある大岩に登れば、
ほぼ全容を見ることができるのである。
まず目に付くのが、
権現岳。
というよりは権現岳手前のギボシの鋭鋒。普段でさえ頂上直下の急斜面が迫力を見せているのに加え、今回は未だ残る雪がさらにそれを増幅している。
権現岳・ギボシの左には旭岳。稜線のすぐ下に見える雪の線は登山道であろうか。 | |
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そして、旭岳の頂上から一旦大きく下った稜線は再び大きく盛り上がり、
槍ヶ岳を思わせるような大天狗の岩峰を経て、
主峰 赤岳の高みへと続いている。
そして、赤岳から左に下りた稜線は中岳で小さく盛り上がった後一旦下って、再び盛り上がり、
迫力ある阿弥陀岳へと続いている。
こちらからは、主峰 赤岳よりも阿弥陀岳の方が迫力を感じさせてくれる。
まだ雪が多く残る岩場の斜面が印象的である。 |