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不動清水から 9分程緩やかな斜面を登ると、林道に飛び出した。林道には砂利が敷き詰められ、最近の道のようである。
道は林道を横切り、そのまままっすぐ斜面を登っていく。このようにまっすぐ登り続ける道はあまり好みでは無い。しかし、
それほど傾斜がきつくないので我慢できる範囲である。
周囲は雑木林に変わる。先ほどの林道から 15分程でまた林道を横切る。そしてそこから さらに 25分程登ると、
またまた林道を横切ることになった。
斜面が緩やかなので、林道が作りやすいのであろう。
登山道にほとんど雪はなく、雪は周辺に見えるのみである。 |
不動清水を出発して少し登ると、
先の方に登山者が見えたのだったが、先ほどの林道の手前で、休憩しているところを追い越した。年配のご夫婦であった。
もう、抜き返されることはなかろうと思っていたのだったが、後ほどこのご夫婦にかなり迫られてしまった (理由は後ほど)。
登山道は、ひたすら樹林の中を歩くので、周囲の景色は全くと言って良いほど得ることができない。
ただ、所々に気持ちの良い平地状の場所があり、青い空と太陽の光が得られるので、閉塞感はなく、開放的である。
気温は高く、風も冷たくないので、春を感じさせるが、周囲の木々はまだ芽吹いていない。 | |
| 途中まで、
登山道に雪はほとんど見られなかったのだが、周囲の木々が針葉樹となり、道も傾斜を増してくると、足下に雪が現れ始めた。
ただ、凍っている訳でもなく、量も少なくて足を踏み抜く心配も無い状態なので、歩行には全く問題ない。
雪の上に新しい踏み跡はなく、小生が本日西岳一番乗りとなるようである。
と思って喜んでいたら、斜面が急になるに連れ、凍った雪がそこかしこに現れ始めた。
しかし、面倒くさいので軽アイゼンは付けず、足の置き場所を選びながら進む。 |
凍った雪のため、足下に注意が集中する。
それでもふと目を上げると、樹林越しに
編笠山らしき山が見えた。
斜面にまだかなり雪を有している。やはり、今日はピストン登山として、西岳までとしておくのが正解のようである。
足下の状態はドンドン悪くなる。アイスバーンを迂回しつつ、木々につかまりつつ進む。
時には途中まで進んだのは良いものの、その先の足場が見つからず二進も三進も行かない状態となって 一旦戻るなど、かなり無駄な歩行となる。
軽アイゼンを付ければ全く問題ないのであるが、面倒くさいと思い、わずかの時間を惜しんだために、
却って時間をロスする羽目になってしまったのだった。 | |
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そうこうしているうちに、下の方から先ほど追い抜いたご夫婦が追いついてきた。
圧倒的に差をつけたと思っていたのだが、足下の苦戦は予想以上に時間を使ってしまったようである。
無論、ご夫婦はアイゼンを装着している。
抜かれまいとスピードを上げようとするが、慌ててはかなり危険である。
木々にしがみつきながら、何とか足場を確保して進む。
そして、悪戦苦闘すること10分弱。どうにか樹林帯を抜け、ガレ場に飛び出すことができたのだった。助かった。
もう頂上も近いはずなので、このまま行けそうである。 |