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そして南西には編笠山。
先ほどのガレ場でも見たように、編笠山から
権現岳へと繋がる稜線の鞍部後方には三ツ頭が見える。
編笠山にはまだ雪がかなり残っているようだ。
先ほどのご夫婦はこの西岳をほとんど素通りする感じで、そのまま青年小屋へと続く源治新道へと進んでいった。編笠山か権現岳へと進むようだ。
時刻を考えると、時間はたっぷりある。小生もこのまま後を追おうかと思ったのだが、ピッケルやストックを持ってきておらず、
また体調も万全ではないので、やはりこの西岳までとすることにした。それならば頂上でゆっくりしようと、周辺を歩き回る。 |
ガレ場と同じく、
南には南アルプスの山々が並んでいる。先ほどと同じように霞み気味でぼやけて見えるが、それでも
仙丈ヶ岳、
甲斐駒ヶ岳、
北岳の三山は良く分かる。
先般登った大菩薩嶺では、
右から 甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳の順番だったが、
ここからは仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳の位置が逆になっている。
ついつい同じ方向から見ているような気でいるから、何か不思議に感じるが、先般の大菩薩嶺からの展望は、
南アルプスを東側から見ていたものであり、今回は北側から。
ほぼ 90度の違いがある。
状況は分かっていても、頭の方が理解できていないと言ったところである。 | |
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北から東にかけては木々が展望を遮っているが、先ほども述べたように、頂上にある岩の上に登れば、結構
権現岳より北の山も見ることができる。
写真は権現岳と赤岳のツーショットであるが、
この 2つの山の最低鞍部がキレット。いつかはこの権現岳と赤岳を結ぶルートを通ってみたいものである。
ルートとしては、天女山から三ツ頭、権現岳、キレット、赤岳、そして
真教寺尾根、
天女山が考えられるが、ここに日帰りという要素を入れると、美し森からの逆回りの方が良さそうである。
何せ、キレットと赤岳との標高差は 440mほど。権現岳まで登った後、キレットから
赤岳へのキツイ登りがあるとなるとちょっと厳しいからである。 |
今度は岩に登って
赤岳をズームアップ。
赤岳の右には小天狗、大天狗そしてさらにその先にも鋭い岩峰が続いているのが見える。
美しの森からさらに先に進んで出合小屋まで行き、そこから昭文社の 『 山と高原地図 』 にはルート記載がない天狗尾根を辿れば、
この大天狗、小天狗に到達できる。小天狗から少し進めば、赤岳への一般ルートに合流できるとのことだが、
厳しい岩場であるし、ロープも必要とあっては、小生にはとても無理である。
赤岳もどっしりとして素晴らしいが、
目を引くのは、赤岳から手前の中岳へと至る斜面が描く
カーブの美しさである。 | |
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そして、中岳の左には、
阿弥陀岳が大きい。
これもズームアップ。
阿弥陀岳の岩肌の窪みには雪が詰まっており、それが綺麗な白い筋を作り出している。
ここは甲斐国 (ではないかもしれないが・・・)。北アルプスの
五竜岳に見られる 武田菱と同じものが、
この阿弥陀岳の山肌にも見られるのではないかと目を凝らしたが、さすがにそれは見つからなかった。
こちらから見る阿弥陀岳は、どっしりとして貫禄を感じさせる。 |