根石岳 (天狗岳敗退) ( 根石岳:2,603m ) 2015.10.13 登山



【PHOTO & 記録 根石岳 (天狗岳敗退) 6 】

やがて、鞍部に下って、ガスの中に白砂新道の入口が現れる。
意外に近かったので、ホッとする。時刻は 10時43分。

ここで 天狗岳に向かうか、 下山するか最後の思案をする。
しかし、ここから天狗岳までの時間が手元の地図では分からない。
しかも、目の前に高みがあることは分かるものの、ガスでその根元部分しか見えておらず (写真)、 そのため この先何が待ち受けているのか分からず、不安を掻き立てる。
また、風は相変わらず強く、左手の指が凍傷になるのでは と思われるほど冷たくなってきている。

ということで、結局、天狗岳はあきらめて白砂新道を下ることにする。

右に道を取って稜線を下った途端、風がピタッと止む。 今までの強風が嘘のようである (実際は尾根によって風が遮られたのである)

出だしの道は少し荒れ気味、そしてダケカンバが少々五月蝿い。
暫く下ると、ガスが少し薄れ、麓の方が見えるようになり、緑と黄色の木々の波が続く中にゴルフ場が見えている。
今朝ほど、車にてその脇を通った小海リエックス・カントリークラブのようである。

そこからすぐに樹林帯に入り、 シラビソの林を下ることになる。
林の中の道は明瞭、迷うことはない。

ドンドン下っていくと、 やがて樹林越しに硫黄岳の火口壁らしきものが見えるようになる (写真)
いかにも火口壁らしき色合いを持ち、一方で如何にも脆そうな岩肌である。
そして、残念ながら、その上方には相変わらずガスが停滞していて、硫黄岳の姿は全く見ることができない。

小さな流れを 2つほど渡り、暫く下っていくと、 やがて本沢温泉の建物が見えてくる。本沢温泉到着は 11時33分。周囲はまさに紅葉真っ盛りである。

小屋前のベンチにて暫し休憩する。
その際に地図を見たところ、地図の表側には白砂新道分岐から 天狗岳までの コースタイムが記載されていないものの、なんと裏側の部分拡大地図には 登り 25分と記載されていたのだった。これにはショックを受ける。
箕冠山から天狗岳まで 1時間10分と書かれていたため、まだまだ先は長いものと勝手に思い込み、 寒さには耐えられないと判断して下山してしまったのだったが、登り 25分なら行けた可能性が高い。
無論、白砂新道分岐から先はガスが濃く何も見えなかったことから、登高意欲を削がれたことは確かだが・・・。

後悔の念を抱きながら、本沢温泉を 11時42分に出発。 今朝ほど辿って来た道を戻る。

この頃になると、かなり樹林越しに日が差し込むようになるが、それでも 八ヶ岳の稜線付近は雲の中のようである。

11時51分にミドリ池への分岐に到着。
25年前には疲れていたため大変キツく感じた登りも、本日はそれ程アルバイトをこなしていないため、容易に登っていくことができる (写真)
また、樹林の隙間からは青空も見えている。

登り斜面を終え、平らな道を進んだ後、緩やかな下りに入って湿地帯へと下る。 中山峠への分岐は 12時31分に通過、ミドリ池には 12時37分に戻り着く。

ミドリ池を見ると、その向こうに稲子岳の姿が見えるようになっている。 ガスはまだ残っているものの、かなり稜線上も回復してきているようである。
また、しらびそ小屋では、小屋内で数人が談笑している。やはり小屋は営業していたのだった。

小屋では休まずに、そのまま通過し、辿ってきた道を忠実に戻る。
時刻は 13時を回っている中、この下りでも 10人弱の人と擦れ違う。
この頃には日も当たるようになり、少々暑いくらいで、中には半袖の人もいる。 先程の稜線の状況が嘘のようである。

駐車スペースには 13時23分に戻り着く。

本日は、 天狗岳に登ることはできなかったものの、 主目的 ? であったミドリ池、本沢温泉、夏沢峠、箕冠山、根石岳というルートを辿れたことであるし、 さらには図らずも初冬の山を体験できたので 良し としよう と思っていたところ、途中で 天狗岳までわずか 25分であったことを知り、 行くべきだったとの後悔の方が大きくなってしまった。

こうなったら是非ともリベンジしたいし、晴天の下に稜線上を歩きたいところである。
しかも、国道141号線を戻る頃には天候もかなり回復してきており、 赤岳横岳がよく見えて、 悔しさがさらに増したのだった。



根石岳 1、   根石岳 2、   根石岳 3、   根石岳 4、   根石岳 5、   根石岳 6  もご覧下さい。

百名山以外の山のページに戻る   ホームページに戻る