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右折して林道のような道を進む。
暫くすると、左手樹林越しに硫黄岳方面がチラチラ見えるようになるが、相変わらず雲あるいはガスに覆われていて山の上部は全く見えない。
テンションが下がる。
本沢温泉には 8時38分に到着。
小屋周辺はカラマツであろうか、黄色に染まった木々で大変美しい。 |
小屋を素通りし、右手に白砂新道を分けた後、少し進んで再び登りに入ると、
左手下方に湯川が見えるようになる。
いかにも、火山帯を流れる川という感じで、周囲には茶色が目立つ。
そして、先にも述べたように、湯川の後方に見えるはずの硫黄岳は、
相変わらずガスに囲まれており、爆裂火口は全く見ることができない。 |  |
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また、この辺になると硫化水素の臭いが漂い始める。
この本沢温泉は、硫黄岳爆裂火口の北側 1km強の所に位置しているため、温泉、硫化水素臭、左手下方を流れる湯川の渓相、
そして足下の砂礫や周囲の山肌など、火山を意識させるものが沢山現れる。
さらには、今進んでいる先に露天風呂まである。
その露天風呂への分岐を 8時45分に通過し、草木の生えぬ、
硫化水素臭のする砂礫の坂 (写真) を登ると、道は再び樹林帯に入って普通の登山道に戻る。 |
樹林の中を少し登ると、道は再び湯川を見下ろす谷の縁を歩くことになり、
少し展望が開けてくる。
振り返れば、紅葉の谷の下った先、雲が低く垂れ込めているその下方に、平らな山の連なりが見えている (写真)。
あまり特徴が無い山が連なっているので、同定が難しいが、方角から判断して、
恐らく四方原山方面ではないかと思われる。 |  |
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シャクナゲの群生地を過ぎると、
谷沿いを離れて道は再び山の中へと入っていく。
シラビソ、コメツガ、モミなどの樹林帯をジグザグに登っていく。
道は明瞭であるが、足下には岩屑が多く、歩きにくいところもある。 |
暫く展望の無い登りが続くが、やがて硫黄岳側へと下る斜面の縁を通るようになると、
少し樹林が切れ、僅かながらも展望が開けるようになる。
振り返れば、
御座山
(おぐらさん) が見えている。
その後、再び視界の無い樹林の道が続く。
足下の岩は黒く、あたかも火山弾のようだが、一方で苔生しているものが多いため、
硫黄岳の噴火によって飛んできたのはかなり昔であろうことが想像される。 |  |