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長かった車道歩きも、前方に木の橋が見えてくると漸く終わりとなる。
時刻は 8時32分。
ただ、車道の方はまだ先へと続いていて、登山道はその車道をショートカットするように木橋を渡っていくことになる。 |
木橋を渡り、標識に従ってすぐに右の林を登っていくと、
本日のお目当ての 1つである達磨石に到着する。時刻は 8時34分。
以前の記憶では、達磨石の梵字は赤く塗られていたように思うが、
月日も経ち、今は少しだけピンク色が残っているだけで、石の地肌そのものになっている。
梵字は、先にも述べたように 『 アーク 』 と読み、
大日如来を意味する。
傍らにある説明書きには、『 ・・・水の豊富な三ツ峠は、古来数多くの水難をもたらしていることから、
水難防止の祈願をこめて、五智如来の中心仏である大日如来の梵字を刻んだものである。・・・』 と書かれている。 |
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ここからは杉の植林帯の中を登ることになり、漸く山道らしくなるが、
すぐに先程の車道の延長となる林道に合流する。
しかし、林道を少し進んだ後、右手の斜面に取りついてからは完全に山道となって、なかなかの急坂が続くようになる。
足下は全面雪であるが、しっかり踏み跡がついており、
また凍っている箇所はないのでアイゼンは不要である。
但し、足跡はいずれも古いもので、本日の先行者はいないようだ。
杉林の中をジグザグに登っていく。
赤テープなどの目印はないが、道が溝状になっており、さらには雪の上に足跡が残っているので迷うことは無い。 |
高度を上げていくと、やがて周囲は自然林に変わり、
木に付着した雨氷が朝日にキラキラと輝いている。
雨氷は 1月末頃がピークだったようで、今は枝が氷で薄くコーティングされているだけという感じであるが、それでもなかなか美しい。
高度が上がっていくに連れ、左手樹林越しに
富士山が
チラチラと見えるようになる。
見た限り、富士山周辺には全く雲がないようなのでホッとする。
しかし、先程見たように 三ツ峠山
山頂付近にはガスが掛かっているので、果たして頂上から
富士山を眺められるのか ヤキモキするところである。
一方、今登っている辺りでは日の光が樹林越しに差し込んで大変明るい。 |
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雪の斜面を黙々と登っていくと、9時14分に
『 股のぞき 』 に登り着く。
ここからは遮るもの無く
富士山を見ることができる。
富士山は五合目付近に帯状の雲が見られるものの、頂上、そして麓がハッキリと見えているのでホッとする。
ここからも急坂が続く。
三ツ峠山はこの表登山道よりも、
金ヶ窪登山口からの裏口登山道の方が人気だというのも頷ける。こちらは結構キツイ。 |
そのキツイ登りも漸く緩やかになり、ほぼ平らな道が続くようになると、
『 馬返し 』 の標識が現れる。時刻は 9時34分。
しかし、楽になった道も再び急斜面を登るようになり、岩も所々に現れるようになる。
若い頃にこの道を登った時も、途中かなりキツかった記憶があり、確かにこの登山道はなかなかのものである。
とは言え、この先、久々に 八十八大師や 親不知の碑などの興味深い史跡に会えるという楽しみが残っている。 |
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