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尾根を進んでいくと、本日 3人目となる登山者 (いずれも下山者) に会う。
聞けば、この先に鹿の死骸があるとか。良い情報を戴いた。そのまま何も知らずに進んでいたら、かなりドキッとさせられたことであろう。
鹿の死骸が横たわる所とは岩を挟んで反対側を進み、何とか鹿の死骸はチラ見で済ます。
その先暫く登っていくと、やがて近丸新道との分岐に到着。
時刻は 9時39分。ここで休憩するつもりであったが、そのスペースは大学生 ? のパーティーに占領されていたので、
そのまま通過することにする。
少し下り、再び登りに入る。途中振り返ると、
黒金山の姿が見る。
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足下の雪の量は徐々に多くなり始めるが、アイゼンは不要である。
そして雪の上に足跡は明瞭についており、そこを外さない限り雪を踏み抜くことはない。
ただ、雪によって足下が本来の登山道からかなり嵩上げとなった状態となっているため、再び現れた石楠花のトンネルを抜ける際に、
胸から上の部分に石楠花の葉や枝が当たり、進行の邪魔をする。
丁度、鶏冠山から木賊山へと進む際の石楠花の群落のように、
手でかき分けながら進まねばならない。
左手を見れば、奥秩父の主稜が見える。
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周囲はやがて石楠花の林から、やや細いながらもコメツガなどの林へと変わる。
斜面をジグザグに登っていくのだが、林の中になると凍った斜面も多くなり、かなり足の進みが鈍くなる。
周囲の木々は徐々に太くなり、斜面は果てしないような感じで続く。
それでも、やがて斜面の先を見上げると、樹林越しに稜線と青空が見えてくる。オッと思うが、この道は何回も登っており、
木賊山の尾根はまだまだ先であることが分かっているのでそう簡単には喜べない。
実際、登り着くと、先の方に木賊山の稜線が見える。まだまだ遙か先であり、時間がかかりそうである。 |
雪の斜面を黙々と登り続けていくのだが、
駐車場を出発してから全く休憩していないので、かなりバテてきている。
しかし、周囲は雪のため休むのに適した場所はない。こうなると木賊山の尾根近くにあるガレ場に出るまで休めないな との覚悟を決め、
雪の斜面を登り続ける。
途中、樹林越しに富士山を見ることができた。
しかし、本日は気温が高いため、
甲武信ヶ岳頂上に着く頃には、
富士山は霞んでしまっていると思われる。
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かなりバテが来始め、喘ぎながら登り続ける。
雪の上でも休もうと思えば休めるのだが、ガレ場で休もうと決めたので、少々無理をして登り続ける。
やがて、周囲がかなり明るくなってきたので、待望のガレ場に到着かと思ったのだが、残念ながら期待は裏切られる。 |
しかし、この場所は樹林が切れているので、
西側にある山々を見ることができる。
国師ヶ岳、北奥千丈岳や、
朝日岳が見え、朝日岳の右後方には真っ白な金峰山も顔を出している。
そして何よりも嬉しいのは、ぼやけ気味ながらも南アルプスの山々が見えたことである。
白く連なる山々の一番右が恐らく間ノ岳、
そして左に農鳥岳、
さらに塩見岳、
荒川東岳 (悪沢岳) と続いているようである。 | |