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そして、その展望地からも さらに樹林帯を登っていくと、
漸くガレ場に飛び出したのだった。時刻は 11時35分。
このガレ場は日当たりが良いはずなので、岩が露出しているのかと思っていたのだが、意外に雪が多く、
休憩に適した場所は限られてしまっている。
仕方なく、登山道脇の岩に腰掛けて休憩とする。
ここからの展望は抜群で、
最早 明るい日差しの中に霞み気味ではあるものの富士山が見え、
さらには黒金山、
国師ヶ岳、北奥千丈岳、
そして金峰山、
その左奥に間ノ岳が見える。
写真はその 国師ヶ岳+北奥千丈岳、朝日岳、そして真っ白な金峰山。
食事を終えた後は、10本爪アイゼンを装着し、出発。
時刻は 11時54分。
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再び樹林帯に入る。
この辺になると雪の量は増してくるが、踏み跡部分が溝状になって良く踏まれているので、問題なく進むことができる。
しかしである、この頃になると、例の左膝が痛み出すとともに、
左足の付け根の外側も痛み始め、歩行にやや支障を来し始める。痛みをこらえつつ登っていく。
痛さを我慢して何とか登り続けていくと、
ようやく先の方に木賊山の稜線 (戸渡尾根への分岐点) を示す標識が見えてきた。
時刻は 12時11分。
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その分岐を左に曲がり、少し登るとほぼ平らな尾根道が続くこととなる。
木賊山頂上はもう少しである。
足下が平らになると、ありがたいことに足は痛まない。
しかし、この後 一旦 甲武信小屋に下った後、
甲武信ヶ岳への最後の登りが待っている。
少々不安である。 |
ほぼ平らな道を進む。
途中にあるはずの木賊山の三角点、標識は雪の下らしく、思い描いていたのとは別の方向標識が わずかに雪の上に顔を出しているだけであった。
記憶では、右の写真に写っている雪に埋もれた標識の左横にベンチ、
そして三角点があり、木賊山の立派な標識は登山道を挟んで向かい側にあったはずである。
今は皆 雪の下のようである。
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そこから少し下って樹林を抜けると、
ついに甲武信ヶ岳が姿を現す。
ここで失敗をしてしまった。石楠花が邪魔する所を強引に通りぬけたところ、左側から黒い物が小生の腹の前を横切り、
右手斜面をコロコロ転がって行くではないか。何かと思って見ると、それはカメラのレンズフードで、
どうやら石楠花に引っ掛かって外れてしまったらしい。
慌てて追いかけようとしたが、レンズフードは雪の斜面を軽快に転がって、アッと言う間に斜面の遙か下へと消えてしまったのであった。
恐らく、そちらには木賊山の巻き道があるはずだが、今は雪の中。泣く泣く回収を諦めたのであった。
閑話休題。ここからの甲武信ヶ岳は何回も見ているが、
それでもその素晴らしさに息を呑む。 |
甲武信ヶ岳の左方には、
八ヶ岳も見える (写真)。
気温が高いためか、ややぼやけ気味なのが残念であるが、それでもそれぞれのピークは確認できる。
写真では、左端に編笠山が少し顔を見せ、
その右に三ツ頭、そして権現岳、
旭岳と続く。一旦下った稜線は主峰の赤岳に向かって再び盛り上がり、
赤岳の右に横岳、そして真っ白な硫黄岳が続いている。
写真には写っていないが、さらに箕冠山、根石岳、
そして天狗岳が続いている。
また、国師ヶ岳と朝日岳の間には、
北岳らしき山も見えるが、
あまりにもぼやけているのでよく確認できない。 | |