| ガスの中、
往路を戻る。ガスはかなり漂っており、先程まで見えていた木曽前岳、麦草岳も隠してしまっている。
ところがである、下っている途中でドンドンとガスが流れ、再び 木曽前岳、麦草岳が姿を現してくれたのだった。
これから登ろうとする 2つの山が見え、その素晴らしい形に 急遽 予定を変更したことが正しかったことを確認する。
もし、本日晴天であったら、そのまま木曽駒ヶ岳頂上から先に進んでしまい、
この木曽前岳、麦草岳には今後とも登るチャンスがなかったかもしれない。そう考えると、
ガスによる予定変更に感謝である。 |
玉の窪小屋前には 11時56分に戻り着く。
皮肉なことに、この頃になると木曽駒ヶ岳を覆っていたガスは流れ、
山荘前からは頂上木曽小屋まで見通すことができるようになる。これも山、タイミングのズレは致し方ない。
山荘前で食事をする。周囲を見渡せば、南側の主脈もガスが流れて その姿を見せてくれている。中岳、宝剣岳、三ノ沢岳の他、
三ノ沢岳の左後方には空木岳、
南駒ヶ岳まで姿を現してる。
先程 タイミングのズレは仕方がないと述べたが、やはりこうなると悔しい。ガスがないうちにと、12時4分、木曽前岳に向かう。
高度を上げて振り返れば、木曽駒ヶ岳、中岳、宝剣岳と続く岩峰がよく見える。 | |
| また、
木曽駒ヶ岳の左手を見ると、
本来進む予定であった行者岩、茶臼山方面が見えるではないか。
将棊頭山にはかつて登っているのであまり未練はないが、行者岩は桂小場から登って分水嶺に登り着くと、
御嶽ともに目に飛び込んで来る山であり、
その姿は 登りたいと思わせる魅力を十分に持っている。従って、今回 チャンスを逃したのは残念である。
いつか今回取りやめた周回コースに再挑戦したいものである。
玉の窪小屋から見上げる木曽前岳は、登りがきつそうに見えたのだが、
登ってみるとそれ程でもなく、かなり速いペースで登って行くことができる。 |
暫く登って振り返ると、
木曽駒ヶ岳方面には再びガスが湧き上がってきており、
まずは三ノ沢岳、宝剣岳を飲み込み始めている。
こう考えると、一時的にでもガスが無くなり、中央アルプスのほぼ全容を見ることができたのはラッキーであったのかもしれない。
これが、玉ノ窪カールに入った時であれば、全く見ることができなかった訳で、前向きにとらえるべきであろう。 | |
|
木曽前岳の頂上の一角に登り着くと、道から外れた高みに標識らしきものが見えたので、まずそちらに行ってみる。
そこにはケルンと、赤い文字で 『 木曽前 2826 』 と書かれた標識があった。ここが頂上だろうか。
さらにそこからハイマツ、大岩の上を進んで、本来の道に戻ると、そこにも標識がある。どちらが正しいか分からないが、一応 頂上は踏んだことになろう。
この木曽前岳から麦草岳へのルートもあるようだが、崩壊が進んでいるとも聞くし、
写真の様にガスが湧き出している中、厳しいルートを選ぶ勇気はなく、12時21分、往路を戻る。 |
12時29分、玉の窪小屋前に戻り着く。
この頃になると、ガスが周囲を覆っており、最初にこの場所に着いた時よりも視界が利かない状態である。
そのまま山荘前から左に下り、往路を戻る。ガスの中を進む。
ガスのため、青空は見えず、日の光も当たらないものの、周囲の紅葉は素晴らしい。
大体、これまでの山行は紅葉のタイミングを外してしまっていることが多かったのだが、今回は大当たり。これも穴場を選んだお陰である。
順調に下り、8合目を 13時2分に通過。 | |
| 8合目を通過すると、
右手に木曽駒ヶ岳の姿が見える様になってくる。
写真は 1つ目の桟橋を渡った所で見えた 木曽駒ヶ岳。 なかなか素晴らしい姿である。
よく見れば、右斜面の鞍部に玉の窪小屋も見える。往路では全く気づかなかったのだが、一度 道を通って学習すると、往きに見えなかった色々なことに気がつくことがある。
そういう意味では、ピストン登山もそう捨てたものではないのかもしれない。 |