鬼怒沼{ 毘沙門山(物見山)、鬼怒沼山 } ( ルート中の最高峰は 鬼怒沼山:2,140.8m ) 2009.11.8 登山



【PHOTO & 記録 鬼怒沼{ 毘沙門山(物見山)、鬼怒沼山 }山行 1】

10月31日に奥日光の 根名草山に登った時、 根名草山の頂上から遙か先に見えた鬼怒沼が、恰も桃源郷 (ちょっと大げさか・・・) のように思え、 是非とも鬼怒沼に行ってみたいという強い欲求にかられたのであった。
そして、直ぐさまその場で鬼怒沼へ至るルートを調べたところ、この根名草山からさらに先に進むルートや、 ポピュラーである女夫淵温泉側からのルートの他、大清水側から毘沙門山 (物見山) を越えて行くルートがあるのを知ったのだった。 険しい ? 山を越えていくと、そこには桃源郷というか、エルドラドが待っている というような、 なかなかロマンを感じさせる面白そうなルートではないか。
こうして、根名草山登山記録に書いた通り、次の山行は大清水から鬼怒沼へ行くということに決めたのだった。

ただ、そんなに急いで行くつもりはなく、次の週末は、身体も疲れ気味であった上、 6日の金曜日に季節型インフルエンザの予防接種を行ったためか、少々ノドが痛かったこともあって、 家にいるつもりでいたのである。
ところが、7日の土曜日、家でインターネットを使って大清水から鬼怒沼へのルートを調べていたところ、 何と肝心の大清水まで行くための国道401号線が 11月9日(月)で冬期閉鎖されるというではないか ! (片品村戸倉交差点から大清水までの間。 2010年4月16日まで。)
つまり、8日の日曜日を逃したら、大清水経由にて鬼怒沼に行けるのは来年の 4月中旬以降になってしまう訳である。
これは耐えられないということで、ノドが痛いのを押して、8日の日曜日、急遽 大清水に向かったのであった。

いつも通り、横浜ICから東名高速道に入り東京ICで降りて、環状八号線を進む。 早朝にも拘わらず いつも混んでいるこの道もこの日はスムーズに進む。練馬ICからは関越自動車道に入って、 沼田ICを目指し、沼田ICからは国道120号線に入って、暫くは道なりに進む。
片品村に入り、鎌田の交差点で左折して件の国道401号線に入る。すぐに立派な尾瀬大橋を渡ることになる。 この道の終点が大清水である。
やがて、尾瀬戸倉温泉を過ぎ、明日より通行止めとなる区間に入る。道は大変良く、快調である。
そして、大清水には 6時14分に到着。1日 500円と書かれた駐車場に車を駐める (結局は 支払わないで済んでしまったのだが・・・)

広い駐車場には 5台ほど車が駐まっていたものの、本日駐められたものではなく、 車の窓の濡れ具合から、皆 前日から駐まっていた様である。
尾瀬の小屋はもう閉まっているはずなので、テント泊か、あるいは日光沢温泉の方に行っているのだろうか。
夏であれば、この時間でもかなりの混雑を見せているのであろうが、今は もうシーズンオフ。活気がない。物見小屋も営業していないようだ。
天候は何となくどんよりしていてすっきりしないが、天気予報では晴れることになっている。 もう少し時間が経てば、青空が広がるのかもしれない。
トイレで小用を足し、身支度をして 6時21分に出発。建物の陰には雪が残っている。 11月2日の悪天候は山では雪だったようだ。この先の登山道はどうかなと、少々心配になる。


駐車場の前に写真のような標柱が立っている。
尾瀬沼に向かうには先の国道401号線をそのまままっすぐ進む感じである。 無論、この大清水より先は車止めで車は進めないようになっているが、地図上ではこの先も国道401号線と同様、沼田街道となっている。
沼田街道は、沼田市から尾瀬沼を通って福島県の会津若松へ至る道で、群馬側からは会津街道、福島側からは沼田街道と呼ばれており、 会津と上州を結ぶ交易路であったとのこと。
本日目指す鬼怒沼は、右に曲がって沼田街道と分かれ、東に進むこととなる。 標識には鬼怒沼まで 6kmとある。山越えなので、地図では 4時間10分かかることとなっている。

右折すると、 すぐに大清水橋を渡って片品川を越える。
こちら側にも林道が続いており、片品川の支流、根羽沢沿いを進む。この先にはかつて 根羽沢鉱山があり、 金や銀を採掘していたとか。往時は大変な賑わいを見せ、小学校などもあったらしい。 林道からは分からなかったが、林道の枝道に入ればその名残が見つかるのかもしれない。
この林道歩きは結構長い。30分弱程で、大清水/鬼怒沼と書かれた標柱が現れた。 それによれば大清水から 1.2km歩いたことになる。周辺にはしっかりとした石垣塀が作られており、 その上にはズリ山 (坑道から出た砂利などを捨ててできた山) もあって、 かつて鉱山があったことを物語っている。

標柱の先で小さな流れを渡る。まさか、これが増水時に渡渉が大変になると聞く 湯沢出合ではあるまい・・・。
ここまでほとんど平らな道が続いていたが、ようやく山に取り付く感じの道となり、右斜面を登る。 が、しかし、登りが続くのかと思ったら、少し登ると再びほぼ平らな道となり、カラ松林の中を進むこととなる。 ササ原の中の道であるが、ササはしっかり刈り払われており、道も良く踏まれている。
樹林越しに時折 ピラミッド型の山が見えるが、その数は複数あり、そして高さもあまり変わらず、 どれが目指す毘沙門山なのか分からない。もしかしたらこの辺からは見えないのかもしれない。 情報不足でそれも分からない。

7時2分、 斜面を下って河原を進むことになる。
向こう岸を見ると、テープが見え、ここが湯沢出合と分かる。確かに結構流れが早く、増水時は少し苦労しそうだ。
岩伝いに流れを渡る前、上流の方に滝が見えたので、そちらの方に行ってみる。魚止めの滝というらしい。 なかなか流れ落ちる水に勢いがある。
この辺は滝から出るマイナスイオン ? でひんやりしており、また少々周囲も薄暗いのであまり居心地が良くない。 もう少し時間が経って、太陽が当たるようになったら、休憩するには良い場所と思うのだが・・・。

流れを渡ると、道は緩やかに登っていくことになる。
ブナであろうか、周囲の木々は既に葉を落とし、その枝の間から周囲の山々が見える。
その山の上の方を見ると、朝日が当たって黄色く輝き始めている。やはり天気は晴れのようだ。
落ち葉の上を進む。

緩やかな登りが続いていた道も、やがて写真のような尾根への急登が現れた。
足下には丸太の階段が付けられている。雰囲気的には登り着いた所に祠がありそうな感じである (実際は何もない)

息を切らせながら階段状の道を登り切ると、 そこからは細い尾根道となった。
周囲はアスナロの林。両側が切り立った細い尾根にアスナロが林立している。 足下にはアスナロの根っこがむき出し状態。引っかからないように慎重に進む。
細い尾根道を進んでやや広い場所に出たかと思うと、再び細い尾根が続く。

やがて、アスナロの林を抜けると、写真のような明るく広い尾根道となる。
道には時折、岩場も現れるようになる。



鬼怒沼(毘沙門山 鬼怒沼山)山行データ

上記登山のデータ登山日:2009.11.08 天候:晴れのち曇り単独行日帰り
登山路:大清水−湯沢出合−毘沙門山(物見山)−鬼怒沼分岐−鬼怒沼山分岐−鬼怒沼山−鬼怒沼山分岐− 鬼怒沼分岐−鬼怒沼−鬼怒沼分岐−毘沙門山−湯沢出合−大清水
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道路)−用賀IC−(環状八号線)−練馬IC−(関越自動車道)− 沼田IC−(国道120号線)−鎌田−(国道401号線)−大清水(車にて)
交通復路:大清水−(国道401号線)−鎌田−(国道120号線)−沼田IC−(関越自動車道)− 練馬IC−(環状八号線)−用賀IC−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷(車にて)

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