鬼怒沼{ 毘沙門山(物見山)、鬼怒沼山 } ( ルート中の最高峰は 鬼怒沼山:2,140.8m ) 2009.11.8 登山



【PHOTO & 記録 鬼怒沼{ 毘沙門山(物見山)、鬼怒沼山 }山行 2】

きつい登りが続く。 そんな中、途中で面白い岩が現れた。
写真がその岩であるが、板状節理 (ばんじょうせつり) と呼ばれているのだそうで、 流れながら冷え固まった安山岩質の溶岩に、冷却による収縮とズレによる力が加わって規則的に割れ目が入り、板状に剥離するのだそうである。
この岩に到達する前、周囲に庭の敷石のような石が散見され、不思議だと思っていたのだが、この岩を見て納得した。
うまく剥がせば厚さ 2〜5cmほどの岩が何枚でも取れそうである。 柱状節理は良く見るが、このような板状節理はあまり見たことが無かったので少々驚いた。

板状節理が見られた場所から 5分程登ると、 展望がグッと開けるようになった。
右手を見れば、四郎岳 (右) がなかなか優美な姿を見せており、その左には燕巣山。 これらの山が壁のようになってこちらの尾根と平行して走っている。
従って、その壁が邪魔をして 奥白根山を見ることができない。
また、よく見ると、これらの山々には雪が見える。
こちらはまだ雪が現れていないが、この先 少し覚悟した方が良さそうである。

左手前方には形の良い山が見える。
時間的に考えても、方角的に考えても、恐らくあれが目指す毘沙門山であろう。
物見山というのが世間に通った名前のようだが、私としては毘沙門天 (四天王の一人、多聞天の別名。 日本では財宝や福徳を与える神様として信仰されており、七福神の一神。) の名が冠された 『毘沙門山』 の方が好みであり、 ここではそちらを正式名として扱いたい。
ところで、物見山の方はその名の通り 物見 = 斥候 のことだろうと思うが、毘沙門山と付けられたのは何故であろう。

展望が開けたのも束の間、 再び樹林の尾根を登ることになる。
また、この頃になると、足下に雪が現れ始めた。雪の上には人間の足跡はなく、鹿のものと思われる足跡があるのみである。 間違いなくここ数日は人が通っていないようだ。
樹林の中の登りと言っても、左側は落葉した木々の間から尾瀬方面がチラチラと見え、お目当ての一つである 燧ヶ岳も見えるようになってきた。
ただ、木の枝が邪魔でなかなかハッキリ見通せずイライラする。
漸くある程度見通せるようになったのがこの写真。
木々とともに、周辺の山も少々邪魔をしている。

写真のような斜面を登る。周囲はシラビソ (もしかしたらオオシラビソも) などの木々が目立つ。
この時はまだ雪が少なくて良かったが、もう少し積もっていたら少々難儀するルートである。
但し、道は全く迷う心配が無い。しっかり踏み跡、印が付けられている。

樹林に邪魔されてなかなか見通すことができなかった 燧ヶ岳であるが、 見晴らしの良い岩場に至り、ようやく見通せるようになった。柴安ーと俎ーの双耳峰が見事である。
しかし、燧ヶ岳が見通せるようになったのは良いが、 今度は、燧ヶ岳の左後方に見えている、ドーム型の冠雪した山が気になり始めた。
遠すぎて良く確認できないが、もしかしたら 越後駒ヶ岳 ではないだろうか。



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