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奥白根山がその姿を大きく現すようになると、
そのすぐ先が毘沙門山 (物見山) の頂上であった。時刻は 9時2分。
毘沙門山の頂上は狭く、また樹林に囲まれて展望は利かない。頂上より鬼怒沼側に少し下れば、
樹林越しに燧ヶ岳が見えるが、
これは落葉しているからこそのこと、夏場はほとんど見えないであろう。
頂上には腰掛けるような岩もなく、さらに一面に雪が残っていたので、休憩には適さず、ほとんど止まることなく通過。
ここまで来るのに結構 登り応えと距離があったのに、頂上がこれではちょっと寂しい気がする。 |
毘沙門山の頂上から少し下ると、
写真のように樹林越しに鬼怒沼湿原が見えてきた。
そうである、今日の目的は山ではなく、鬼怒沼であった。自然と足が速まる。
5分程進むと、樹林が切れて、鬼怒沼がハッキリ見えるようになってきた。
黄色く枯れた草地に所々雪が見える。11月3日頃だったら、完全に雪原であったであろう。
本日は快晴とは言えず、時折 薄日が差す程度であるものの、今日 登ったのは正解であろう。 | |
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鬼怒沼の左方にはいくつかのピークが見える。
いずれの山が鬼怒沼山か分からないが、恐らく 左に見える 2つのピークのうちのどちらかであろう (この後、鬼怒沼山に登り、
左奥の山が鬼怒沼山と判明)。
毘沙門山までの登り斜面は、雪があってもほんの少しであったが、
こちらの下り斜面には結構雪が残っている。ササ原の斜面を横切る道では完全に雪の道であった。
ただ、凍っていないので進むのに苦労はしない。 |
沢を横切って少し進むと、木道が現れた。
木道の上にも雪が残っており、こちらはやや凍結気味なので滑りやすく、慎重を要する。
そして、木道を少し進むと、鬼怒沼との分岐に到着する。時刻は 9時20分。
分岐を右に曲がれば鬼怒沼。まっすぐ進めば、鬼怒沼山、黒岩山となる。
ここは、鬼怒沼を後回しにして鬼怒沼山を目指すこととする。
写真は、その分岐から鬼怒沼方面を眺めたもの。 | |
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分岐から少し進むと、木道も終わり、シラビソの樹林帯に入る。
足下には多くの雪が残っており、その上には人の足跡も付いている。実は、毘沙門山までの雪の上には人の足跡は無かったのだが、
毘沙門山以降は新しい足跡が見られたのであった。それが鬼怒沼山の方へも続いている。
誰もいなくて少々心細かっただけに、足跡があるのはありがたい。
道は左側の高みを巻くようにしてドンドン進む。
左の高みは、先ほど毘沙門山から下る途中で見えた真ん中のピークのようだ。
地図では 2,141mと記されている。 |
道はその 2,141mのピークをドンドン巻いて、
南側から東側の斜面へと進む。
やがて、右前方に高みが見えてきた。恐らく あれが鬼怒沼山であろう。
一旦道は樹林帯の下りに入る。この下りは雪がかなり残っており、滑りやすい。
下りついて暫く進むと、突然 写真のような立派な標識が現れた。
先ほどの鬼怒沼との分岐以降、全く 鬼怒沼山を示すような標識がなかっただけに、いきなり現れた立派な標識には少々驚かされた。
標識に従って右側の斜面に取り付く。時刻は 9時47分。 | |