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シラビソの斜面を登る。鬼怒沼山の取り付きを示す標識が立派だった割に、登山道はまだ十分に踏まれておらず、やや応急的に作られた感じがする。
途中、足下が分かりにくいところもあるが、木に付けられたテープがそれを補ってくれる。9時55分、鬼怒沼山頂上に到着。
こちらの頂上は、毘沙門山よりもさらに狭い。
というよりも、無理をして頂上スペースを作ったという感じである。それでも、頂上には三角点が置かれている。
頂上は、ほぼシラビソなどの樹林に囲まれているが、恐らく 人為的であろう、南側だけが開けていて、そこから
奥白根山を望むことができる。 |
三角点に腰を掛け、食事をする。
シラビソに囲まれた狭い頂上は、圧迫感があってあまり落ち着けない。
さらに、不意に樹林からクマでも現れそうな雰囲気もある。従って、急いで握り飯 2つを腹に詰め込み、10時3分に頂上を後にする。
一気に斜面を下って、先ほどの鬼怒沼山の取り付きには 10時10分に戻り着いた。
後は往路を戻り、鬼怒沼へと向かうだけである。雪の斜面を登り返し、樹林を抜けて左方を振り返れば、
鬼怒沼山がササ原の向こうに見えた。 | |
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さらに少し先で、木々の間に双耳峰の山が見えた。
実はこの山は毘沙門山から鬼怒沼へ下る途中、鬼怒沼の向こうに見えていた山でもある。
その時は、燧ヶ岳
と反対側にも双耳峰の山があることにちょっと心惹かれた程度で、あまり気にもしていなかったのだが、ここから善く善く見れば、何とあれは
女峰山と
帝釈山ではないか。
そして、その右に
小真名子山、
太郎山と続き、
大真名子山がその頂を少し見せている。
奥日光であるから見えて当たり前であるが、鬼怒沼に来るために事前に集めた情報には、
女峰山のことは触れられていなかったので少々驚きであった。 |
往路を忠実に戻り、
鬼怒沼への分岐には 10時30分に到着。
道を左にとって木道を進む。
最初は前方に何も見えないが、緩い傾斜の木道を登っていくと、目の前にさらに広い湿原が広がるようになり、
その向こうに奥白根山が見えたのであった。
感激である。
木道を進む。ここで本日 初めて人 (ご夫婦) とすれ違うこととなった。
最後まで 1人きりかと思っていたので少々残念。
ただ、ご夫婦はそのまま鬼怒沼を出て行ったので、
後はこの広い鬼怒沼を独り占めであった。 | |
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振り返れば、ここからも燧ヶ岳が見える。
黄金色の草地の向こうに見える その姿は格別である。
北に燧ヶ岳、
南に奥白根山が見え、
この鬼怒沼の価値はさらにアップするというもの。
本日、2つの山を見ることができたことに感謝。
折角 苦労して訪れたのに、ガスなどが出たりしたのでは泣くに泣けない。 |
やがて、鬼怒沼で一番大きい池塘である金沼が見えてきた。
風で少々水面が波立っているが、逆さ富士ならぬ逆さ
奥白根山が見える。
これも素晴らしい。
そしてさらにありがたいのは、素晴らしい光景の中に人間が全く居ないことである。
道路閉鎖に促されて急遽やって来た鬼怒沼であったが、
この日に来たことは大変ラッキーであった。 | |