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このうどんや峠は、南側がガレているため、南西方面の展望が開けている。
岩に腰掛け、南西方面を見やれば、檜尾尾根、檜尾岳、そして濁沢大峰の姿が見える。目を凝らせば、檜尾岳の左下、稜線上に檜尾避難小屋と思しき突起も見える。
残念なことに、こちら側は完全に稜線付近を雲が覆っており、檜尾尾根の向こうに見えるはずの
空木岳は全く見ることができない。
先行きが不安になるが、一方で 樹林越しに見る北側には青い空が広がっているので、まだ期待は持てそうである。
峠で 10分休憩して、10時23分に出発。
道は峠から左に折れ、西へと進む。 |
ここからはコメツガの樹林帯が続く。
少し進んで振り返れば、樹林越しに南アルプスの塩見岳、
荒川三山、赤石岳、
聖岳が見える。
道は、一旦 少し下り、そこからはほぼ平らな道が続く。
尾根の北側を横切って進み、暫くすると左側 (南側) の尾根に向かって少し登り、そこからまた暫く尾根を横切って進む というパターンの繰り返しである。
従って、それ程 きつくないのが有り難い。樹相は再びシラビソに変わる。 | |
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右側 (北側) には、樹林越しに 権現づるねの尾根が見える。
ただ、樹林が邪魔をして大きく展望が開けることは無い。
この 権現づるねというのは、将棊頭山から辻山、権現山、
伊那谷へと繋がる尾根で、江戸時代に高遠藩が 3回検地でこの尾根道を辿り、またあのウェストンも下山路に使ったとのことで、歴史のあるルートのようである。
このルートも、いつか登りたい山、辿りたいルートの候補に入れておきたいところである。 |
高度が上がって、時々 振り返ると、
再び樹林越しに南アルプスの山々が見える。
とは言っても、見えるのは、先程までの塩見岳以南の山々とは異なり、
塩見岳以北の山に変わってきている。
農鳥岳、西農鳥岳、
間ノ岳、
北岳、
そして先日、三伏峠手前や烏帽子岳、小河内岳から眺めた姿とは全く異なる形をした
仙丈ヶ岳、
そしてアサヨ峰、甲斐駒ヶ岳が見える。
写真は 甲斐駒ヶ岳であるが、冠雪したように白い頂上がここからでも良く分かる。 | |
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苔むした石を踏みながら進んでいくと、やがて足下の登山道に水の流れが現れた。
そして少し進めば、ヌタ場のような場所となり、その先に大きな水溜まりが現れた。一丁ヶ池である。時刻は 10時58分。
ここも何となく雰囲気が良くないので、サッサと池の横を通過する。すぐに小さな広場に飛び出し、そこには、一丁ヶ池の標識とともに六合目の標柱が立っていた。
ここも清水平と同様に大雨に洗われた後のような雰囲気がある。大雨が降り、すぐ先の斜面から雨水が大量に流れ込んだのかもしれない。
ここで暫し休憩。ノドを潤し、甘いものを補給する。 |
日は時折射すものの、
やや風が冷たいので、ここでレインウェアを着込む。このレインウェアは、もう 20年以上前にカモシカスポーツ (だったと思う) のバーゲンで手に入れた Heritage社製のゴアテックス。
さすがに雨具としての機能は終わったが、風よけとして今でも重宝している。
11時6分に出発。この広場からは、再び登りが始まる。
ここまで明瞭だった道は、この広い斜面の登り (無論樹林の中) では少々不明瞭になる。ただ、注意深く進めば迷うことはない。
一登りすると、またまた小さな広場に飛び出す。小屋場である。時刻は 11時13分。ここは日当たりも良く、腰掛ける岩もあるので、
こちらで休むべきであったと思いつつ、そのまま通過する。 | |