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管理人からのお知らせのページです。




★追悼 大伴良則さん   2022/04/30

3月末にご逝去を知ったときは、あまりにも突然のことで、しばらく茫然自失となりました。数日経過した後、とある箱の中から古いカセットテープを取り出し、再生してみました。それは数あるクロスオーバーイレブンの録音の中でも、高校の頃に本当によくリピートして聴いていたもので、FM誌付録のカセットレーベルには、自筆で’92.7.14と記してあります。この日の選曲は大伴良則さんによるもので、全体的にクールなクラブ系サウンドで構成されています。

①フランキー・ナックルズ 「レイン・フォールズ」(Frankie's Original Version)
②Mr.フィンガーズ 「オン・マイ・ウェイ」(Dude Part 2 12")
③ジャズマスターズ 「シー・ユー・イン・ジュライ」
〓ナレーション〓
④ジャズマスターズ 「ロスト・サマー」
〓ナレーション〓
⑤ジャズマスターズ 「ブルー・デイズ」
⑥イノセンス 「アイル・ビー・ゼア」(Masters At Work 12" Mix)
⑦リサ・スタンスフィールド 「タイム・トゥ・メイク・ユー・マイン」(Sugar Lips Mix)

久しぶりに聴いてみて懐かしさを覚えるのと同時に、やはりいいものはいいという感慨に浸りました。スクリプトは玉村豊男さんによる雨の日の過ごし方をテーマにしたエッセイで、津嘉山さんが落ち着きを放った渋いナレーションを聴かせてくれています。

1曲目はリサ・マイケレスのヴォーカルをフィーチャーしたフランキー・ナックルズの「レイン・フォールズ」で、かのサトシ・トミイエが作曲したハウスの名曲です。2曲目はラリー・ハードによるソロ・プロジェクト、Mr.フィンガーズの「オン・マイ・ウェイ」。1992年当時、宇都宮のCDショップでMr.フィンガーズのアルバム『Introduction』にこの曲が入っているのを見つけ、購入して聴いてみたところ、放送されたものとは違うヴァージョンでした(アルバムがオリジナル)。一般にはあまり知られていない12インチのリミックス・ヴァージョンを、さりげなくセレクトされることも多かったですね。その後はナレーションをはさみながらジャズマスターズの3曲。このポール・ハードキャッスルが手掛けたプロジェクト、ジャズマスターズがとても気に入り、日本盤のアルバムを購入してみたら、ライナーノーツを書かれていたのが大伴さんだった、ということもありました。

2005年に一度だけ大伴さんにお会いする機会に恵まれ、お話しさせていただいたときに、こういったクラブでかかるようなハウス系の楽曲で構成された回はとても好きでしたとお伝えしたところ、大伴さんは「たまにクラブでお皿を回すこともあるんですよ」と答えてくださいました。クラブでDJをされることもあったのかと驚き、その場に行ってみたかったと思ったものです。またこの時にリサ・スタンスフィールドやフランキー・ナックルズのお話もさせていただいたのですが、その後のクロスオーバーイレブンの復活特番やCDで、リサ・スタンスフィールドの「チェンジ」(ナックルズ・ミックス)を選曲されていたことは、僕にはとてもうれしいセレクションでした。

そして音楽評論家の大伴さんにとってクロスオーバーイレブンの選曲はどのような位置付けになるのですかと質問したところ、「一番好きな仕事です」と笑顔でお答えになったことを思い出します。膨大な音楽の知識と、洗練された感性によって、クロスオーバーイレブンの選曲を楽しみながら続けてなさっていたのだろうと推察します。

大伴さんの選曲は、番組の50分、45分、60分といった時間の流れの中で、スクリプトの内容にも寄り添いながら、ジャンルにとらわれずに、さまざまな楽曲をコンパイルされていました。セレクトされた曲とその曲順には、どこかしら大伴さんらしさがにじみ出ていて、そしてこの曲いいなと思わせてくれるものがたくさんありました。世界中にあふれている未知の音楽を知るきっかけの数々を与えてくださり、また形や枠にとらわれない自由な音楽の楽しみ方を教えていただきました。

もう大伴さんによる新たな選曲でのクロスオーバーイレブンを聴くことは叶わなくなってしまいましたが、過去に録音したカセットテープやMD、CDを、これからも折に触れて聴いていくことと思います。

このたびのご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。そして、永きにわたりクロスオーバーイレブンの選曲や制作に尽力されましたその功績をたたえさせていただきます。大伴さん、ほんとうにありがとうございました。


岩田由記夫氏Twitter
吉岡正晴氏Twitter
ディッセンバーズ・オフィシャル・ウェブサイト

大伴良則さん死去 音楽評論家(東京新聞サイトへ)




★2021夏の放送は見送り   2021/08/26

2021年の夏、クロスオーバーイレブンの復活特番は放送されませんでした。ただただ残念です。ネット上でも放送がなかったことについて、残念がり、寂しがる声がたくさん見られました。

NHKに放送がなかった理由について問い合わせてみたところ、編成上の都合によるもの、とのことでした。

次の放送があることを願って、また復活を希望する声をNHKへ届けていきたいと思います。しかし僕一人の声では、小さなものでしかありません。復活を希望するみなさま、下記のリンク先にある「番組へのメッセージ」へ、ぜひともその声を送ってください。よろしくお願いいたします。

クロスオーバーイレブン番組ホームページ(NHKサイトへ)




★YouTubeで亀次郎物語   2021/08/26

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、かつてこのお知らせページでご紹介しました、津嘉山さんのひとり語り舞台『沖縄の魂-瀬長亀次郎物語』の全編が、YouTubeの青年座チャンネルにアップされています。津嘉山さん渾身の名演です。戦後の沖縄の歴史や、“不屈”の精神を語り受け継いでいくこと、考え続けていくことの大切さについて、改めて胸に刻まれる思いがします。まだ観劇されていない方や、ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてください。

津嘉山正種ひとり語り『沖縄の魂-瀬長亀次郎物語』全編(YouTubeへ)




★おかげさまでファンサイト開設20周年   2021/01/01

新年おめでとうございます。おかげさまでクロスオーバーイレブン・ファンサイト開設20周年を迎えました。ありがとうございます。

2001年の元日にこのファンサイトを立ち上げた当時は、まだレギュラー放送が続いていましたが、同年3月にレギュラー放送が終了してしまい、しばらくはどうすることもできませんでした。その後、ファンサイトに番組を懐かしみ、復活を望む声が多く寄せられたことから、番組の復活を求めてメールでの署名活動を行いました。それが功を奏したのか、2005年に番組がCD化されたり、同年の夏には期間限定で復活特番が放送されました。そして2009年にCDボックスが発売され、同年の夏以降は、冬とともに、年に2回、定期的に復活特番が放送され続けています。

おそらく、リスナーそれぞれに、クロスオーバーイレブンに対する思い入れがあるのだろうと思います。僕にも相当なものがあります(長くなるのでやめておきます)が、ひとえに、クロスオーバーイレブンは安心できる場所なのかもしれません。それぞれの生活の中でいろいろなことがあるわけですが、夜11時のその時間だけは、クロスオーバーイレブンを聴いていれば、リラックスできて、さまざまな音楽に身をゆだね、いろいろな話を想像し、そしてやがて眠りにつくことができる。そのような空間・時間を提供してくれるクロスオーバーイレブンは唯一無二の存在で、本当に大切なもので、これからもずっとあり続けてほしいものです。

これまで、このファンサイトのいろいろなページを閲覧していただいたみなさま、またメールを通してさまざまなやりとりをさせていただいたみなさまに、あらためて感謝申し上げます。

そして、夏と冬の年に2回、定期的に復活特番を制作し放送を続けてくださっているNHKの関係者のみなさま、津嘉山正種さん、小倉エージさん、大伴良則さん、スクリプトを執筆された作家のみなさまにも、あらためて感謝申し上げます。

これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。




★「クロスオーバーイレブン名作選」の放送予定   2020/12/21

この冬は「新春」の放送はなく、夏と同様に、アンコール放送となるようです。

「クロスオーバーイレブン名作選」
12月28日(月)~30日(水) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン名作選(NHKサイトへ)

新作ではないので、その点はやはり残念ではありますが、放送があること自体は大変ありがたいことです。年末のこのひとときは、巣ごもりながら愉しむとしましょうか。

なお、前回の夏の名作選のときから、NHKのクロスオーバーイレブンの番組ホームページに「聴き逃し」機能がつき、放送から1週間までは、番組をくり返し聴くことが可能となったようです。

2020年はコロナに翻弄され続ける日々でしたが、2021年には少しでも早く収束の兆しが見えてくるように、祈るばかりです。そしてクロスオーバーイレブンの新作放送も、心待ちにしたいと思います。




★「クロスオーバーイレブン名作選」の放送予定   2020/08/03

2020年の夏は、これまでの復活特番の中から5編が選ばれてアンコール放送されるようです。このコロナ禍の情勢下では新作の制作が難しかったのだろうと推察しますが、アンコール放送があるだけでも、大変ありがたいことだと思います。

「クロスオーバーイレブン名作選」
8月10日(月)~14日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン名作選(NHKサイトへ)




★2020年   2020/07/25

新型コロナウイルスによる影響で、世界がこんなことになろうとは、2020年の初めには思ってもみませんでした。生活や働き方が変わり、不安な日々が続いています。おそらくは年単位で続いてしまうであろうこのコロナ禍が、1日でも早く収束するように願うばかりです。
大変なこのご時世となってしまいましたが、どうかみなさん、乗り越えてまいりましょう。




★「2020新春」の所感   2020/07/25

2020新春は小沢章友さんのスクリプト「やっかい半次郎」の新作でした。女性の相撲観戦がまだ許されていなかった江戸時代。かわら版の物書きで人情に篤い半次郎は、おはる婆さまの相撲が観たいという願いをかなえるために、神田猿楽町の仕立て屋の娘おみよと大関雷光のかけそば早食い勝負を立案する。半次郎の目論見通り、おみよが見事に勝利。性格が悪いと評判の雷光だったが、負けた時の約束を潔く守り、迫力あふれる相撲稽古の様子を、おはる婆さまに披露する、という、お正月にふさわしいおめでたいお話でした。

1日目の選曲は、サラ・ブライトマン、エニグマ、サンタナ、ジプシー・キングス、ディープ・フォレストと、いかにも大伴さんらしいラインナップでした。なかでもジプシー・キングスの「インスピレイション」には、日本の四季折々の情景で紡ぎ合わされた、テレビ時代劇「鬼平犯科帳」のエンディング・シーンを想起された方が多かったのではないでしょうか。そもそも、鬼平のエンディングに「インスピレイション」が使用されることになったのは、かつてのクロスオーバーイレブンの放送で、大伴さんがセレクトされたこの曲が流れたとき、それを聴いていた鬼平のスタッフがNHKへ問い合わせを入れたことがきっかけなのだそうです。それにしても、ラテンのギターの楽曲と江戸の風景の組み合わせは絶妙に相性がよく、今回のやっかい半次郎の世界観にも、しっくりとなじんでいました。

2020新春を制作してくださったスタッフのみなさま、津嘉山正種さん、小沢章友さん、大伴良則さん、小倉エージさんに感謝いたします。




★「2019夏」の所感   2020/07/25

2019夏は北阪昌人さんによるスクリプトでした。「再会の湖」、「額縁の家」、「最終搭乗案内」、「海辺の記憶」、「川の音」という1話から5話まで、それぞれ独立した物語でありながら、登場人物同士の細かなつながりもあって、連夜で楽しめました。

それぞれの人生のなかで、自分ではどうすることもできない事態や境遇のために、それぞれが翻弄されながらも生きている人間模様が描かれていました。そして、物語のたどりつく先には、希望や邂逅や受容がありました。聴いていてほろ苦くもあり、そしてどこかふっきれさせてくれるような気持ちにもなりました。それは選曲された数々の音楽による効果も大きかったわけですが、なかでも5話のナレーションが終わったあとに流れたプロコル・ハルムの「青い影」は、今回の一連の物語すべてを包み込んでいるようで、ある種のカタルシスを感じました。この感覚は、やはりクロスオーバーイレブンでしか味わえないものです。

2019夏を制作してくださったスタッフのみなさま、北阪昌人さん、津嘉山正種さん、小倉エージさん、大伴良則さんに、感謝いたします。




★「2020新春」元日から3日間放送   2019/12/28

2020年のお正月もクロスオーバーイレブンが復活します。関係スタッフのみなさま、いつもありがとうございます。

「クロスオーバーイレブン2020新春」
1月1日(水・祝)~3日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2020新春(NHKサイトへ)

例年ですと、元日の夜11時は坂本龍一教授のニューイヤースペシャルで、クロスオーバーイレブンは翌2日からの放送でした。2020年は、教授の特番が元日の夕方4時からの放送となり、クロスオーバーイレブンは元日の夜11時からの放送と相成るようです。僕はもちろん両方聴きますし、録音して永久保存ですね。




★津嘉山さん 沖縄でカメジローを演じる朗読劇   2019/09/16

津嘉山さんが沖縄で、ひとり語り舞台『沖縄の魂-瀬長亀次郎物語』を公演されています。

津嘉山正種ひとり語り『沖縄の魂-瀬長亀次郎物語』開催(沖縄タイムスサイトへ)
特集 俳優・津嘉山正種〜沖縄へ寄せる思い(RBCサイトへ)
津嘉山正種さん カメジロー熱演(QABサイトへ)

沖縄に今もあり続ける不条理――。少しでも解決に向けて、思い考え続けていくことが、大事なのかもしれません。




★「クロスオーバーイレブン2019夏」の放送予定   2019/08/11

2019年の夏もクロスオーバーイレブンが復活です。関係者のみなさま、ありがとうございます。

「クロスオーバーイレブン2019夏」
8月12日(月)~16日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2019夏(NHKサイトへ)




★第2部のテーマ曲   2019/08/11

これまでずっと不明だった、1988年4月から1993年3月までの、クロスオーバーイレブン第2部のテーマ曲の曲名・アーティスト名が、やっと判明しました。この期間の第2部は、週替わりでパーソナリティーが1名出演し、その方の一人おしゃべりが曲間に3回展開される構成で、毎月第1週にはピーコさんがレギュラーで出演されていました。

第2部のテーマ曲については、かつて大伴良則さんに質問したことがあったのですが、大伴さんは覚えていらっしゃらず、小倉エージさんにわざわざ聞いてくださったのですが、その小倉さんも、記憶も資料も不明ということだったので、それ以来ずっとわからないままで、ほぼ諦めていました。

ところがです。先日ふと思い立って、NHKに問い合わせてみたところ、あっさり答えが出てきました。なんだか拍子抜けしてしまいましたが、積年の疑問が解消し、下記の4曲をフルで聴くこともかなって、めでたしめでたし、です。


●1988年4月~1991年3月

オープニング:ロイ・エアーズ 「ナイト・フライト」 (アルバム『ユー・マイト・ビー・サプライズド』)
エンディング:ジョン・クリッチンソン 「バック・イン・ラブ・アゲイン」 (アルバム『ニュー・ナイト』英国盤、『パステル・ナイト』日本盤)

「ナイト・フライト」はリズミカルな打ち込みと、ロイ・エアーズの軽やかなヴィブラフォンの音色が印象的で、深夜のお楽しみがもう1時間延長されることへの期待感を煽り立ててくれるような、第2部のオープニングにふさわしい楽曲でした。ちなみに御年78歳のロイ・エアーズは、2019年3月にブルーノート東京でライブを行っていたようです。「バック・イン・ラブ・アゲイン」はジョン・クリッチンソンによる、ゆったりとした、とろけるようなフェンダー・ローズの演奏が心地よくて、そのまま眠りに落ちていけるような楽曲でした。


●1991年4月~1993年3月

オープニング:ロイ・エアーズ 「ミッドナイト・アフター・ダーク」 (アルバム『ウェイク・アップ』)
エンディング:ジョージ・ハワード 「スタンリーズ・グルーヴ」 (アルバム『ア・ナイス・プレイス・トゥ・ビー』)

オープニングは引き続きロイ・エアーズの楽曲から「ミッドナイト・アフター・ダーク」が使用されました。「ナイト・フライト」に比べれば、ややクール・ダウンした楽曲でした。エンディングの「スタンリーズ・グルーヴ」は、ジョージ・ハワードの伸びやかなソプラノ・サックスがどこまでも爽快な楽曲でした。


昔の新聞やFM誌では「パート2」や「Ⅱ」などと表記されることもあった第2部。いつの日か、ピーコさんが再び、身近な出来事や、時事ネタ、映画、本、ファッションなどについて、おしゃべりしてくれる第2部の復活を、僕は“ひそかに”夢見ています。




★「2019新春」の所感   2019/08/11

今回は長嶋有さんによるスクリプトで、鬼に金棒を返しに行ったり、吸血鬼のようなバンさんの思い出だったり、妻の風邪の看病だったりと、さまざまな突拍子もない話が入り乱れていました。結局は、元日の夜から3日間、高熱にうなされながら夫が見ていた夢の話だった、という落ちでした。夢の話の展開についていくのは正直大変でしたが、それでもある種の哲学があり、人間同士や雷様…じゃなくて鬼や吸血鬼とのハートフルなやりとりがあり、伏線の回収もありました。全体としては、まるで何かの抽象画の中にはまって、そこでさまざまな音楽が流れるなかで、ゆったりと自分の思索が揺蕩うかのような感覚でした。

今回も企画・制作してくださったNHKの関係スタッフのみなさま、長嶋有さん、津嘉山正種さん、大伴良則さん、小倉エージさんに感謝いたします。




★NHK年鑑、舞台「象の死」、津嘉山さんのツイッター、映画「ジーマーミ豆腐」   2019/01/01

新年おめでとうございます。最近あったクロスオーバーイレブンと津嘉山さんに関する個人的な話を、いくつかしたためたいと思います。

先日、放送業界の端くれに勤めている僕の職場に「NHK年鑑2018」なる書物がNHKから寄贈されてきました。パラパラとページをめくってみると、NHKの1年間の動きが多岐にわたって紹介されており、番組解説の章のなかで、FM特集番組の一つとして、「クロスオーバーイレブン2017夏」と「クロスオーバーイレブン2018新春」が紹介されていました。NHKのいわば公的な放送史に、クロスオーバーイレブンの軌跡が確実に記されていて、なんだか誇らしい気持ちになりました。

また別の先日、津嘉山さんが企画・製作・出演された舞台「象の死」(作・齊藤瑞穂)を観劇してきました。(以下ネタバレあり)第二次世界大戦中、陸軍から動物園の猛獣に対する殺処分の命令が下りますが、ある都会の動物園のゾウ・チェリーは、毒入りのエサを食べようとはしません。皮膚がぶ厚いので注射の針も通りません。絶食を続けるチェリーは、最後に、普通のエサをもらおうと、普段エサをもらった時に見せていた芸・逆立ちを必死に行って倒れるという展開があり、その姿がありありと想像されました。そういう状況を作り出してしまった人間の愚かさが、何とも歯がゆく、また似たような構図が、実は今も、日本のどこかで進行しているのではないかと、考えさせられる舞台でした。

その舞台を見に行く前に、会場の場所をネットで調べていたとき、なんと津嘉山さんのツイッターを発見しました。このツイッターに載っていた会場への道案内写真のおかげで、迷うことなく会場のザムザ阿佐谷に到着できました。主に舞台「象の死」関連のツイートが多いなか、NINAGAWA・マクベスのテレホンカードや、朝日新聞掲載記事の紹介(本当に熟慮するべき内容です)、映画「ジーマーミ豆腐」の写真もアップされています。そしてクロスオーバーイレブン2019新春のことも、さりげなくリツイートされています。ツイートの一言一言が、まるでクロスオーバーイレブンのナレーションのように聞こえてくるような、津嘉山さんらしいツイッターです。

津嘉山正種Twitter

ここ数年、沖縄・那覇の桜坂劇場で毎年行われているゴンチチの年忘れコンサートに行っていまして、昨年末もしばらくの休息をかねて3日ほど、沖縄に滞在してきました。桜坂劇場はライブやイベントも行われる映画館で、ちょうどそこで、津嘉山さんが出演された映画「ジーマーミ豆腐」のアンコール上映が行われており、それも鑑賞することができました。シンガポール人の2人がメガホンをとった作品で、恋愛模様や親子関係を軸に、沖縄の食文化や歴史、自然、空気が、とても美しく、やさしく描かれていました。そしてこの映画では、夜11時という時間がひとつの肝になっていて、僕にとってはいろんな不思議なつながりを感じた、お気に入りの映画となりました。




★「2018夏」の所感   2019/01/01

2015夏でスクリプトを担当された藤井青銅さんが、再びスクリプトを担当されました。それぞれにちょっと摩訶不思議な世界が広がる物語でした。

廃校の夢では、自分が通っていた学校の校舎や教室のことを懐かしく思い出しました。同級生たちや先生の顔、授業や様々なイベントまで、いいことも、そうではないことも…。エドワード・ホッパーの夜は、ナイトホークスの絵の中から出てきたソフト帽の男との不思議なやりとりでした。合間にかかったライ・クーダーの楽曲(映画「エンド・オブ・バイオレンス」のサントラ、この映画もホッパーとの関連があります)、トム・ウェイツの渋い歌声ライブ、それに続く僕の大好きなウィントン・ケリー、最後のマイケル・フランクスの流れは、僕もナイトホークスの一員として聴いているようで、とてもほれぼれしました。夜の底の迷子は、深夜、自分の家の近所で迷子になってしまう男の話でしたが、夜の濃密な闇の描写のあとで、デイヴ・ブルーベック・カルテットの「テイク・ファイヴ」が流れました。この曲のドラムソロの展開部には、僕もどこかしら夜の深い闇を連想するところがあって、絶妙な選曲だったと思います。

2018夏は、おそらく編成上の都合で1時間ディレイの放送となり、オープニングとエンディングのナレーションがどうなるのかと思っていましたが、ふたを開けてみれば、オープニングはいつもと変わらない90年代に使用されていた音源そのまま。エンディングは「もうすぐ時計の針は1時を回ろうとしています。今日と明日が出会うとき。クロスオーバーイレブン」となっていました。うーん、ちょっと強引だなと思いましたが、まあ致し方なかったのでしょうか。クロスオーバーイレブンは、今日一日のエピローグという番組の性格上、夜11時から0時という時間帯での放送が、やはり一番しっくりくるのだろうと思います。

今回も制作・放送してくださった関係各位に、感謝いたします。




★「2019新春」の放送予定   2018/12/29

あっという間に1年が過ぎ、もうすぐ2019年。そのお正月もクロスオーバーイレブンが復活してくれます。関係者のみなさま、ありがとうございます。

「クロスオーバーイレブン2019新春」
1月2日(水)~4日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2019新春(NHKサイトへ)

今回は放送時間が元に戻って、夜11時からの放送です。放送回数は3回に減りますが、時間が戻ったのと復活放送があることに、ひとまず安堵しています。




★「2018夏」放送予定 午前0時から放送   2018/08/03

2018年の夏もクロスオーバーイレブンが復活です。NHKの関係者のみなさま、ありがとうございます!

ただ今回は、放送時間がいつもとは違って、午前0時から1時までの放送です。

「クロスオーバーイレブン2018夏」
8月20日(月)深夜24:00~25:00 (21日(火)午前0:00~1:00) NHK-FM
8月21日(火)深夜24:00~25:00 (22日(水)午前0:00~1:00) NHK-FM
8月22日(水)深夜24:00~25:00 (23日(木)午前0:00~1:00) NHK-FM
8月23日(木)深夜24:00~25:00 (24日(金)午前0:00~1:00) NHK-FM
8月24日(金)深夜24:00~25:00 (25日(土)午前0:00~1:00) NHK-FM

クロスオーバーイレブン2018夏(NHKサイトへ)

いつもの夜11時からではなく0時からの放送となるのは、おそらくはNHK-FMの編成上の都合なのだろうと思いますが、気になるのはオープニングとエンディングのナレーションが、一体どうなるのかということです。番組名が示す通り、夜11時台の定時の帯番組だったクロスオーバーイレブンですから、オープニングとエンディングのナレーションは、一日の終わりの時間帯を大いに意識してつづられています。オープニングの「今日一日のエピローグ」は0時からでは辻褄が合いませんし、エンディングは、もう時計の針が12時を回って1時間ほど経過している頃になるので、すべて変えないといけません。あるいは0時から放送されていた第2部のオープニング・ナレーション「昨日から今日へのさまざまな出会いと別れの中で…」が使われるのかもしれませんが…。

いずれにしても、いつもより1時間遅れてのスタートとなりますので、放送時間に気をつけつつ、そしてオープニングとエンディングのナレーションにも関心を寄せながら、楽しみたいと思います。




★「2018新春 デトロイト!デトロイト!」の所感   2018/08/03

今回は磯﨑憲一郎さんによる、ご自身が商社にお勤めだった頃のアメリカ・ミシガン州デトロイト駐在時代の話をベースにしたスクリプトでした。出国前の不安、単身での渡米、家族の合流、サイダーミル、移民の国の公平さ、次女の出産、広大なクリスマス用品店、フリージングレインでの事故、ラスベガスの手品師、グランドキャニオンの静けさと緊張感、満天の星空、食事の悩み、至高のオレンジジュース、クリスティンの豪邸、デトロイトへの愛着など、7年にも及んだアメリカでの生活が、さまざまなエピソードで、淡々とではありますが、実にドラマチックに描かれていました。

残業続きで忙しかった日本での生活から、わりとのんびりした時間を過ごすことができたというアメリカでの生活だったようで、ご自身の2人の娘さんの子育ての時期が、ちょうどアメリカ滞在の7年間と重なっており、いざ日本へ帰任となれば、それは幸福な子育て時代の終わりを意味していたという話には、今の日本の子育て事情を思えば納得せざるを得ず、また未だに状況があまり改善されていないことにも、問題の根深さを感じます。

今回語られたエピソード以外にもさまざまな出来事があったのだろうと推察しますが、帰任の辞令を受けた時には、家族全員に1日でも長く居たいという感情が生まれていたそうで、慣れない場所でも長く暮らしていると、やはりその土地に対する「愛着」というものが生まれてくるものなのかと思いました。その場所での人とのつながりができて、その土地との精神的なつながりなどもおそらくは生成されていき、そして7年という時間を経たあとでは、デトロイトが第2の故郷とさえ呼んでもいいくらいの場所になったということは、むしろ当然だったのかもしれないなと、ポール・サイモンの「パパ・ホーボー」が流れる中で、そう感じました。

今回も制作してくださったNHKのスタッフのみなさま、磯﨑憲一郎さん、津嘉山正種さん、大伴良則さん、小倉エージさんに、感謝いたします。




★「2018新春」の放送予定   2017/12/17

2018年のお正月もクロスオーバーイレブンが復活してくれます。制作スタッフのみなさま、ありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2018新春」
1月2日(火)~5日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2018新春(NHKサイトへ)
NHKラジオ らじる★らじる>番組を探す>特集>(平成29年度)1月ページに情報あり





★タワレコ企画のフュージョン・コンピレーションCD   2017/12/16

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、タワーレコード企画のおもしろいCDがリリースされました。

『エニイタイム・フュージョン! ザ・ベスト・フュージョン・オブ・ビクター・アーカイヴズ』
ビクターエンタテインメント NCS 10172~3 2017年11月3日発売

タワレコ限定販売!フュージョン名曲コンピ『ANYTIME FUSION! The Best Fusion of Victor Archives』(タワーレコードサイトへ)

2枚組のCDで、1枚目の1曲目がアジムスの「フライ・オーバー・ザ・ホライズン」、そして2枚目の最終曲がアジムスの「オウトゥブロ(オクトーバー)」となっています。クロスオーバーイレブンのオープニング・テーマとエンディング・テーマが、このCDでもオープニングとエンディングを飾っています。そして全編がフュージョン楽曲でコンパイルされており、フュージョン好き、クロスオーバーイレブン好きの僕としては、もうど真ん中のCDであります。このCDの監修・選曲・解説をされたタワーレコードの馬場雅之さんは、きっと、いや絶対にクロスオーバーイレブンをお聴きになっていらっしゃった方だと思います。2枚目の終盤、サリナ・ジョーンズの「マイ・ラヴ」から、アジムスの「オウトゥブロ」へつながる部分は、さながら小倉エージさんの選曲パターンのようで、本当にクロスオーバーイレブンを聴いているかような感覚になりました。この素敵なCDを世に出していただいたことに、賛辞を贈ります。

クロスオーバーイレブンにおいて、フュージョンの楽曲は欠かせないものですよね。レギュラー放送時代はスクリプトのナレーションが2回あって、その合間にはさまれる曲は、ほとんどがフュージョンを中心としたインストゥルメンタルの曲でした。それもスクリプトの内容に合わせて、イメージや思索を増幅させてくれるような、そんな曲が多かったと思います。僕は歌詞のある曲よりも、それがないインスト曲のほうが元々好きだったので、スクリプトの合間の曲は、毎回聴くのが楽しみでしたし、そこでエアチェックした曲がきっかけで、好きになったアーティストもたくさんいます。フュージョンをはじめ、クロスオーバー、スムーズジャズなど、インスト音楽というものは、歌詞の意味に縛られない分、より自由に純粋に音楽の持ち味を味わえるし、イマジネーションの増幅にも影響を与える、いわば栄養剤のようなものではないかと、僕は常々思っています。




★「2017夏 怪力娘と雷光」の所感   2017/12/16

今回は小沢章友さんによる「厄介半次郎かわら版 怪力娘と雷光」という人情物語でした。江戸時代、深川の船宿但馬屋に奉公する怪力の飯盛り女おつたと、乱暴な相撲で悪名高い大関雷光の腕相撲。この勝負を半次郎がお膳立てし、その腕相撲のてんまつを鉄平や写楽らとともにかわら版にするという物語でした。勝負の後には雷光の意外で粋な取り計らいがあり、その場にいた人たちがほろりとさせられ、最後にはおつたと好い仲の船頭が、二人で故郷へと旅立っていきました。この物語は江戸情緒の香りがし、躍動感もあり、ジーンとくるところもあって、落語の人情噺にすることもできるのではないかと思いました。今たまたま僕は隅田川のそばに住んでいるので、永代橋や深川界隈の描写が語られると、時代はもちろん違いますが、どこか身近なものを感じながら、物語世界を想像していました。

今回も津嘉山さんの声演技はすばらしかったです。とりわけ雷光の声演は秀逸で、腕相撲の勝負シーンではまさに手に汗を握りました。また大伴さんと小倉さんの選曲も相変わらず抜群でした。特に大伴さんの初日の選曲、ずっと乾いたロックで構成していき、最後にジャニス・イアンの「17才の頃」でしっとりとまとめるあたりは好きでしたね。

なお、双葉社から今回のスクリプトの原作本が出版されました。下記リンク先では、文芸評論家・細谷正充さんによるブックレビューが紹介されています。

双葉社 やっかい半次郎 かわら版屋繁盛記(双葉社サイトへ)

2017夏を制作してくださったスタッフのみなさま、津嘉山正種さん、小沢章友さん、大伴良則さん、小倉エージさんに、感謝申し上げます。




★「2017夏」の放送予定
   2017/07/28

2017年の夏もクロスオーバーイレブンが復活します。スタッフのみなさま、ありがとうございます。

「クロスオーバーイレブン2017夏 厄介半次郎 かわら版」
8月7日(月)~11日(金・祝) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2017夏 厄介半次郎 かわら版(NHKサイトへ)




★「2017新春」の所感   2017/07/28

今回は出久根達郎さんによる、新春の時期に聴くにふさわしい、「お正月」や「福」に関するおめでたいエッセイでした。和服、初詣、年賀状、しの字ぎらい、縁起鍋、餅、上棟式、笑い初め、福助人形、笑い屋などなど、聴いているだけで気分が明るくなる感じがしました。

北関東の小さな町で上棟式を見かける話がありました。僕がまだ栃木の実家にいた頃、近所で新しく家が建てられる際に、この上棟式(実家の周辺では「建て前」と呼んでいました)がたまに行われていて、僕も参加していました。まだ骨組みだけ家の2階から、お金やお餅やお菓子など、いろいろなものが投げ落とされ、それを近所の人たちが我先にとキャッチしてもらって帰るという、とても気前の良いイベントでした。

5日間の話を聴いて思うのは、「言霊」と言いますか、ネガティブな言動ではなく、ポジティブな言動を多くしている方が、やはり幸せにつながっているような気がするということです。縁起を担ぐようなさまざまな習慣が昔から受け継がれているのも、その伝統に身を置くことで、何かしら福を得たような、明るい気持ちになるからではないかと思うのです。生き方の姿勢として、そういうことって結構大事だよなと、しみじみと身にしみて感じる今日この頃です。

今回も制作してくださった関係スタッフのみなさま、津嘉山正種さん、出久根達郎さん、小倉エージさん、大伴良則さんに、感謝申し上げます。




★「2017新春」放送予定   2016/12/23

2017年のお正月も復活です。制作スタッフのみなさま、ありがとうございます。

「クロスオーバーイレブン2017新春」
1月2日(月)~6日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2017新春(NHKサイトへ)




★2016夏“老ボクサーの夢”の所感   2016/12/23

今回はナレーターの津嘉山さんがスクリプトも執筆されていましたが、これは今までなかったことで、驚きました。津嘉山さんは2010年に青年座公演での一人芝居『10カウント ある老ボクサーの夢』の作と出演をされており、今回のクロスオーバーイレブン『老ボクサーの夢』は、おそらくこの一人芝居をもとにして、クロスオーバーイレブン用に改稿されたものなのだろうと推察します。そもそも一人芝居『10カウント』は津嘉山さんの深い思い入れがあって創作されたものであり、その大切な物語をクロスオーバーイレブンという舞台で再演されることに、津嘉山さんの熱い意気込みを感じました。

年老いた元ボクサーの清掃員の男と、病床にありほとんど口をきくことのできない少年が、ボクシングを通じて心を通いあわせていく。男は沖縄出身で、少年に向かってボクシングの話をするとき、しばしばウチナーグチが混じる。男の話を楽しみにしていた少年であったが、やがて病気に勝てず亡くなってしまう。少年の死を知るや男は怒りで身を奮い立たせ、少年の命を奪った敵の病気をサンドバッグに見立てて、本気で戦いに挑む…… 少年との交流、とりわけロッキーのテーマを歌いながらのシーンでは、男の優しさがにじみ出ていましたし、サンドバッグを相手に戦うシーンには、胸が熱くなりました。ご承知の通り津嘉山さんは沖縄のご出身で、かつて役作りのためにボクシングジムに通われていたことがあり、そのようなバックボーンがあってこの物語を創作されたであろうことは想像に難くなく、この物語の男の姿には、どこか現実の津嘉山さんの姿が重なって見えました。

選曲もいつもと変わらず秀逸でした。マイルス・デイヴィス&ロバート・グラスパーの「トーキング・シット」、アラン・トゥーサンの「サザン・ナイツ」、アンディ・サマーズの「ミステリアス・バリケーズ」が、物語の流れと相まって、印象深かったです。

今回も放送していただいた制作スタッフのみなさま、津嘉山正種さん、大伴良則さん、小倉エージさんに、感謝いたします。




★「2016夏」の放送予定   2016/08/06

2016夏は、なんと、津嘉山さんがご自身で執筆されたスクリプトで、もちろんナレーターも津嘉山さんが担当されるという、津嘉山さん大活躍の放送となるようです。楽しみですね。

「クロスオーバーイレブン2016夏 老ボクサーの夢」
8月8日(月)~11日(木・祝) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2016夏(NHKサイトへ)




★「2016新春」の所感   2016/08/06

小沢章友さんによる遊民爺さんのお話でした。身なりと言動は相変わらずの遊民爺さんでしたが、今回の相手は哲郎くんではなく、47年前の高校生のころに藤木悦子との別れを経験した男・ユキオでした。流されるのが大半の人生の中で、遊民爺さんに促され、1パーセントの勇気を振り絞り、自分の人生を取り戻そうとするユキオ。最後に教会でシスター藤木との再会を果たしましたが、そのラストシーンは悲哀に満ちていました。しかし、それでも1パーセントの勇気を出した意味は、おそらくあったのだろうと思います。ユキオが流した涙には、それまでのユキオと悦子の人生への思いがあふれていたのでしょう。「それがあんた、人生だがや。人生というもんだがや」という遊民爺さんの言葉が、胸に沁みました。

それにしても、小沢さんの美術や文学に対する造詣の深さには驚きます。遊民爺さんシリーズももちろんいいのですが、往年のリスナーからすれば、やはり小沢さんといえば、土御門典明などが活躍する王朝ゴシックロマンや、奇々怪々とした不思議な幻想物語というイメージがあるので、またの機会にぜひ聴いてみたいです。それから津嘉山さんが演じる遊民爺さんの声は、もう遊民爺さんのキャラクターそのものですね。遊民爺さんの本を読んでいると、遊民爺さんのしゃべり部分では、津嘉山さんの演じる遊民爺さんの声が自然に頭の中で鳴り響いてきます。

今回の放送に携わられたすべてのみなさまに感謝いたします。




★「2016新春」放送予定   2015/12/20

気がつけば、2015年も残りわずか。2016年のお正月も、クロスオーバーイレブンが復活してくれます。関係者のみなさま、ありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2016新春」
1月3日(日)~7日(木) 夜11:00~0:00 NHK-FM

クロスオーバーイレブン2016新春(NHKサイトへ)

津嘉山さんはこのところ、テレビドラマ『無痛~診える眼~』や『いつもまぢかに』の出演や、青年座の公演『招かれざる客』での台本・演出・出演など、精力的に活躍されておられますね。先日、青年座劇場で『招かれざる客』を観劇させていただきましたが、とてもよくできており、人種差別という重いテーマを深く心に刻まれる思いがいたしました。劇場の廊下に西島秀俊さんから津嘉山さんへのお花が届けられているのを見つけて、なんだかほっこりしました。ドラマの裏で、どんなお話をされていたのか、興味のあるところです。




★「2015夏」の所感   2015/12/20

2015夏は藤井青銅さんによるスクリプトでした。真空管ラジオでは時代をトリップし、トランジスタラジオでは甘酸っぱい思い出がトランジスタグラマーの一言で一気にほろ苦くなり、ラジカセではエアチェックしていたカセットテープがよみがえり、カーラジオではラジオ局を掃天観測し、スマホのラジオアプリでは小さいゆえ大きなものに合体して生きていくレモラ(コバンザメ)のようなラジオの在りようを思う、というラジオがテーマの5編でした。ラジオのチューニングを掃天観測になぞらえた話には、僕もアナログチューナーを使っていたころ、特に夜中や朝方につまみをくるくるとまわして、雑音混じりに聞こえてくる音楽や話に耳を傾けていたことを思い出しました。

僕が使ってきたラジオは、最初の小学生の頃がラジカセで、次に中学高校の頃がステレオ・コンポ(アナログチューナー)、大学の頃がCDラジカセ、そして現在がCD・MDミニコンポという変遷です。今のミニコンポはもう10年以上使っています。真空管ラジオは残念ながらまだご縁がありません。そういえば中学の技術の授業でラジオを作りました。一時期はそれでクロスオーバーイレブンを聴いていました。自分の作ったラジオで聴くクロスオーバーイレブンは、また一味違っていたような気がします。

ラジオの移り変わりを考えると、今までの自分のラジオとの関わりにも自然と思いを馳せることになりました。なつかしさがあるのと同時に、またこれからも、クロスオーバーイレブンはもちろん、ラジオとの関わりは続いていくのだろうと思います。

2015夏の放送に携わられたすべてのみなさまに、感謝申し上げます。




★「2015夏」放送予定   2015/07/23

2015年の夏もクロスオーバーイレブンが復活します。担当者のみなさま、ありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2015夏」
8月10日(月)~14日(金) 夜11:00~0:00 NHK-FM

NHKの夏の特集番組を紹介しているサイトによると、今回のスクリプトは藤井青銅さんが担当されるそうです。藤井さんといえば、NHK-FMの「青春アドベンチャー」などのラジオドラマでよく脚本を担当されており、個人的には結構おもしろい脚本を書く方だなという印象が昔からありました。その意味でも「2015夏」の放送を、とても楽しみにしています。

クロスオーバーイレブン2015夏 NHK注目番組ナビ!(NHKサイトへ)
クロスオーバーイレブン2015夏(NHKサイトへ)




★「2015新春」の所感   2015/04/25

今回は高木達さんのもやしくんからはじまり、山元清多さんの酒にまつわる物語、麻生圭子さんの京都の桜についてのエッセイ、戸井十月さんの原野の風に吹かれる旅物語、そして小沢章友さんの遊民爺さん初回エピソードと、かなり盛りだくさんな5日間でした。いずれもクロスオーバーイレブンのレギュラー時代に放送されたスクリプトを用いて、今回新たにナレーション収録と選曲がなされて制作されました。

個人的に山元清多さんのスクリプト(1986年)は一度も聴いたことがなかったので、今回初めて聴くことができてよかったです。そのほかはおそらく一度聴いてはいるのですが、もう十数年という時を経ているので、また新鮮な気持ちで聴くことができました。麻生圭子さんのスクリプトの「です・ます」調は、レギュラー時代に聴いたときには随分と違和感を感じたものですが、今回はなぜかしっくりと受け入れることができました。年月を経て僕自身の感覚が変化したからなのかもしれませんし、あるいは津嘉山さんの声の成熟具合が、スクリプトの内容と「です・ます」調にぴったり合うようになったからなのかもしれません。

大伴良則さんにより、もやしくんのエピソードの間にトゥー・チェロズの楽曲が3曲セレクトされましたが、チェロの音色の豊かさ、しなやかさ、迫力が感じられ、とてもよかったです。この3曲はアルバム発売に先立って今回のクロスオーバーイレブンで紹介されたようです。小倉エージさんにより、遊民爺さんの1曲目にクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」が選曲され、今回久しぶりに聴きましたが、いつ聴いてもこの曲には不思議な印象を受けます。昔のクロスオーバーイレブン・リクエスト特集で、小倉エージさんのセレクトによるクイーンの特集が組まれたことがありました。それをカセットテープに録音して、当時よく聴いていましたが、その特集の1曲目も「ボヘミアン・ラプソディ」だったことをよく覚えています。

生活・人・モノ・動植物・料理・趣味など、多岐にわたるテーマのエッセイ、日本のみならず海外を行く旅行記、さまざまな想像の世界を展開させてくれる小説―― 今回の放送では、レギュラー時代に毎回積み重ねられていった膨大なスクリプトの数々をなつかしく思い出すのと同時に、それらの一片を濃密に凝縮された形で味わうことができました。単なる再体験ではなく、現時点での感覚で、過去とは異なる感じ方ができたと思います。

2015新春を企画・制作してくださったスタッフのみなさま、津嘉山正種さん、大伴良則さん、小倉エージさん、高木達さん、山元清多さん、麻生圭子さん、戸井十月さん、小沢章友さんに、感謝の意を表します。




★「2015新春」放送   2014/12/26

2015年の新春もクロスオーバーイレブンが復活します。しかも今回はいつもとは様相が若干変わるようです。みなさんご存知の通り、NHKの公式サイトでかつてのレギュラー放送の中からお気に入りのスクリプトの募集があり、その中から数本が選ばれ、新たに制作されたものが放送されるようです。おそらく内容盛りだくさんになるのではないでしょうか。今から放送が楽しみです。

「クロスオーバーイレブン2015新春」
2015年1月2日(金)~6日(火) 夜11:00~0:00

クロスオーバーイレブン2015新春(NHKサイトへ)
NHK-FM 2014-2015 年末年始の特集番組ラインナップ決定!(NHK-FMブログへ)
新年1月2日(金)から5夜連続放送!今日と明日が出会うとき...『クロスオーバーイレブン2015新春』あの作品がふたたび!(NHK-FMブログへ)




★2014夏の所感   2014/12/26

今回は吉村喜彦さんによるスクリプトでした。沖縄(琉球)を旅する吉村さんとさまざまなウチナーンチュとのふれあいが語られ、その中から沖縄の食や酒の文化、歴史、風習が、鮮やかに浮かび上がってくる旅行記となっていました。牧志公設市場と宮廷料理、島バナナ作りと沖縄戦、泡盛の古酒(クース)作り、花酒と与那国ションカネー、そして沖縄のお盆の風習。いずれにしても、沖縄という地域性とその歴史に思いを馳せる内容でした。

第1夜の宮廷料理のお話の中で、店の主人について「言葉数は少ないが、微笑みを絶やさない。凛としながらも物腰が柔らかい。かつての琉球士族はこうであったのかもしれない」といった表現がありましたが、それって津嘉山さんにもそのまま当てはまる形容ではないかと感じました。そういえば、かつてのNHK大河ドラマ「琉球の風」に、津嘉山さんが琉球士族の役で出演なさっていたことも、なつかしく思い出しました。また豚のもつを使った「中味のお吸い物」にも、個人的に興味を惹かれました。

津嘉山さんによるゆったりとした語りとウチナーグチの声演は、やはり本物でありました。そして大伴さんと小倉さんによる、南の島・沖縄にふさわしく、またスクリプトの流れにも呼応した音楽の数々は、とても心地よいものでした。

今回の放送の影響もあり、年末の一時ではありますが、沖縄で過ごしてきます。今回も企画・制作・放送してくださった関係者のみなさまに、感謝申し上げます。




★「2014夏」放送   2014/08/01

今年の夏もクロスオーバーイレブンが期間限定で復活しますね。毎回本当にありがたいことです。

「クロスオーバーイレブン2014夏」
8月11日(月)~15日(金) 夜11:00~0:00

クロスオーバーイレブン2014夏(NHKサイトへ)
NHK-FM 2014 夏の特集番組ラインナップ(NHK-FMブログへ)
11日(月)から5夜連続放送!今日と明日が出会うとき...『クロスオーバーイレブン2014夏』(NHK-FMブログへ)




★サイト・リニューアル   2014/08/01

月日の流れは早いもので、もう8月。気付けば「2014夏」の放送まで、あとわずかとなりました。4月9日にウィンドウズXPのサポートが終了するということで、2月にパソコンの買い替えをしたのですが、それから紆余曲折ありまして、ずっとこのサイトの更新ができませんでした。

旧PCで新PCの購入手続きをしたその翌日、もう自分の役目は終わったとでも思ったのか、あるいは新PCへの嫉妬なのか、旧PCがクラッシュを起こしました。メーカーに相談したところ、リカバリするしかないとのこと。つまり旧PC内のデータはもう二度と呼び起せなくなってしまいました。

結局このサイトもゼロから再構築することになりました。新PCが家に届けられて以来、休日の合間を見つけては、少しずつ作業を続けてきました。意外と地味に時間がかかるのですが、それに加えて歳のせいなのか、かつてよりPCの前に座っていられる時間が確実に短くなっていました。このような事情で、長い間、更新ができませんでした。

また2014年1月から2月にいただいたメールのデータを呼び起せない状態ですし、アドレスのデータも呼び起こせません。したがいまして、一部のメールをご紹介できておりませんし、これまで行ってきましたクロスオーバーイレブン放送のお知らせのメール配信も中止せざるを得なくなってしまいました。みなさまには、心より深くお詫び申し上げます。




★2014新春の所感   2014/08/01

久しぶりにもやし君の登場でした。今回は話の内容からしても選曲からしても、1960年代という時代が色濃く出ていたような気がします。

どんど焼き、これは僕も少年のころに体験しました。僕の住んでいた地域ではどんどん焼きと呼んでいましたが、やはり1月の小正月に行われていた行事でした。稲刈りを終えた休耕中の田んぼに竹や藁で建てられた大きなやぐらが、それを上回るほどの大きな炎を巻き上げて燃え盛る光景と、その炎の熱さに、子どもながらにも興奮していた覚えがあります。また、寒風吹きすさぶ屋外でふるまわれたおにぎりや豚汁のうまかったことや、それらを近所の友達と一緒に食べたことも、なつかしく思い出しました。

数の子かっちゃんのウエスト・サイド・ストーリーのものまねから始まる話には、お正月休みの楽しい雰囲気と、この時代の熱気を感じました。映画館でのニュース映画が映し出す夢の超特急・新幹線、日本初の高速道路を走るスポーツカー、そして東洋の魔女の回転レシーブ。高度経済成長期まっただ中の1964年、東京オリンピックを前に、日本全体を覆っていたであろう盛り上がる雰囲気と熱気。「素晴らしい未来が僕たちを待っているんだ。この国はなんと素晴らしい国だろう。僕たちはこの素晴らしい国の国民なのだ」 このモノローグを、2020年の東京オリンピックを控えている我々が、はたしてそのまま共有できるでしょうか。社会も経済もここまで、ある意味成熟した今となっては、何とも時代の雰囲気の違いを感じさせられる言葉でした。

いとしのカースケと一緒に写った運動会のスナップ写真を枕の下に入れて見てしまう悪夢の話。カースケときりちゃんが顔面のカマキリ姿はおどろおどろしかったですが、振り返ってみると、いつの時代にも少年少女たちが抱え込む悶々とした悩みやせつない感情が下敷きとなっているエピソードでした。そして最後の東京タワーの話では、還暦を過ぎたもやし君が、いまだにカースケへの思いをどこか抱き続けている……。そういう気持ちの在りようは、多かれ少なかれ皆持っているものなのかもしれません。

そして今回の選曲は個人的に好きなものが多かったですし、物語との融合具合がとても良かったと思います。また津嘉山さんの語りと声の演技もすばらしく、もやし君の物語の世界をありありと浮かびあがらせ増幅させてくれるものでした。このナレーションの巧みさと選曲のセンスの良さは、クロスオーバーイレブンのいわばブランドと言っていいと思います。

今回の放送を企画され制作されましたスタッフのみなさまに感謝申し上げます。また今後の放送も楽しみにしています。




★2014新春放送決定!   2013/12/05

2014年お正月特番の放送が決定しましたね。いやぁ、ホッと一安心です。NHKさん、ありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2014新春」
2014年1月2日(木)~6日(月) 夜11:00~0:00

クロスオーバーイレブン2014新春(NHKサイトへ)
NHK-FM 2013-2014 年末年始の特集番組ラインナップ決定!(NHK-FMブログへ)

今年は個人的にいろいろなことがあり過ぎました。来年は平穏な日々を過ごしたいと思っているのですが、どうなることやら…。ともかく「2014新春」とともに、よいスタートを切りたいものです。


(追記)   2014/01/02

新年おめでとうございます。いよいよ今夜から5夜連続でクロスオーバーイレブン2014新春が放送されますね。ご一緒に楽しんでまいりましょう。

新年1月2日(木)から5夜連続放送!今日と明日が出会うとき...『クロスオーバーイレブン2014新春』モヤシ君が登場(NHK-FMブログへ)




★2013夏~迷える者たち   2013/10/25

2013夏は有栖川有栖さんによるスクリプトでした。クロスオーバーイレブンには今回が初登場だと思いますが、有栖川さんのスクリプトはこの番組のテイストにしっくりくるものだったと思います。ミステリー、ホラー、トリック、いろいろな要素が絡んでいましたが、「館の一夜」、「出口を探して」、「謎のアナウンス」、いずれもフィクションでありながら、どこか現実感があったと思います。大げさにいえば、すべて本当にあってもおかしくないお話なんですよね。そういうところがただの虚構ではない、絶妙な説得力を醸し出していたと思います。

またこの3つの物語は、それぞれ全く別のお話ではありましたが、登場人物の関係性において、片方が事情を把握していて(把握しているかもしれない)、もう片方が何も把握していないという構図が共通していて、そういった構成も実にうまく創出されているように感じました。いろいろな迷いがありましたが、その先に待ち受けているであろう何かを、どこか明るい兆しのようなものも感じました。

津嘉山さんの語りはいつもどおり落ち着いていて聴きやすく、声演技もすばらしいものでした。大伴さん、小倉さんによる選曲にも磐石の安心感がありました。言葉にすると何気ないですが、しかしこちらが期待する一定レベルの(あるいはそれ以上の)パフォーマンスを、毎回世に送り出すことができているということは、その裏に並大抵ではない尽力があってこそのものだろうと思います。

今回もこの特番を企画され制作していただきましたNHKのスタッフのみなさまには、深く感謝いたします。そして期間限定のHPにあった言葉のとおり、今後も夏と冬の復活を、どうか実現していただけますように、よろしくお願い申し上げます。

最後に津嘉山正種さん、有栖川有栖さん、大伴良則さん、小倉エージさん、NHKスタッフのみなさま、そしてNHKへ復活の要望をお送りいただいたみなさま、復活希望メールをお寄せいただいたみなさまに、感謝の意を表します。ありがとうございました。




★2013年の夏も復活!   2013/07/20

2013年の夏も期間限定で復活してくれます。NHKの関係者のみなさま、復活の要望をNHKへ届けてくださったみなさま、復活希望メールをお寄せいただいたみなさま、本当にありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2013夏」
8月19日(月)~23日(金)夜11:00~0:00

クロスオーバーイレブン2013夏(NHKサイトへ)
NHK-FM 2013 夏の特集番組ラインナップ(NHK-FMブログへ)



(追記)   2013/08/16

先日これまでに当サイトへメールを送っていただいたことのあるみなさまへ、2013夏放送のお知らせメールを配信させていただきました。この配信メール、なんだか季節のご挨拶のような感じになってきましたが、年に2回この配信が続いていることをうれしく思っています。それからたくさんのお礼のメールを頂戴しました。ありがとうございます。いよいよ来週ですね。楽しんでまいりましょう。

来週19日(月)から5夜連続放送!今日と明日が出会うとき...『クロスオーバーイレブン2013夏』(NHK-FMブログへ)




★大伴良則さん出演 『とことん真夜中でもティーブレイク』   2013/06/09

最近NHK-FMで放送中のこの番組、お聴きになっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。大伴さんがクロスオーバーイレブンでも選曲されていたお馴染みの曲が結構かかっていますよね。まるでクロスオーバーイレブンの選曲を、大伴さんの解説付きで聴いているかのような錯覚をしてしまう、近ごろ楽しみな番組です。僕もリクエストしてみようかな…

「とことん真夜中でもティーブレイク」紹介文(NHK-FMブログへ)




★2013新春放送の所感   2013/02/24

今回のスクリプトは戸井十月さんでした。第1夜の物語は、レギュラー放送最終回のスクリプトに、少しアレンジが施されたものでした。グッディー船長の生き様と、その生き方にあこがれつつ、これから自分なりのやり方で生きていこうとするヨウスケの心情が、海の美しい夕景とともにあいまって、ただ悲しいだけではなく、希望も感じられる物語でした。

第3夜は童話作家となったヨウスケがサン・テグジュペリのゆかりの地タルファヤへ旅をする物語でした。恥ずかしながらまだ『星の王子さま』をきちんと読んだことがないのですが、今回のことをきっかけにサン・テグジュペリに興味がわき、今後の読書予定リストに加わりました。それにしても現地の人にとっては日常すぎてあまり気にならないことであっても、そこ以外の人にとっては何かしら価値を見出せる物事がしばしば存在するようですね。

第5夜はカイエというアフリカの灼熱の町で、友がくれた壱万円札を、換金することなくお守りのように大切に持っていたことが、現地で体調を崩したときに、前に進む力を与えてくれたという物語でした。他者との関係で自分に原動力を与えてくれるという意味では、南米大陸でのサソリとの邂逅の物語を彷彿とさせられました。

ゆったりとしたわかりやすい語りと、登場人物の姿が浮かんでくるしゃべりと、音楽の持つ魅力とそれが放つ雰囲気によって、世界各地の大自然(ときには超自然)の中での1シーンを、美しく、あやしく、みずみずしく、ありありとした風景として、想像することができました。この愉しみは、やはりクロスオーバーイレブンならではのものです。

クロスオーバーイレブン2013新春を制作してくださいましたNHKの関係スタッフのみなさま、戸井十月さん、津嘉山正種さん、大伴良則さん、小倉エージさんに、感謝の意を表します。また復活の要望をNHKへ送られたみなさまにも、感謝の意を表します。ありがとうございました。今後も復活特番が放送されますように、よろしくお願い申し上げます。




★2013新春放送   2013/01/02

新しい年を迎え皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

当HPにこれまでメールを送っていただいた方々へ、『クロスオーバーイレブン2013新春』の放送のお知らせを、昨年末にメール配信させていただきました。早速それに対するお礼のメールをたくさんいただきまして、誠にありがとうございました。

いよいよ今夜から5日間『クロスオーバーイレブン2013新春』が放送されます。ぜひご一緒に放送を堪能してまいりましょう。

新年1月2日(水)から5夜連続放送!今日と明日が出会うとき...『クロスオーバーイレブン2013新春』(NHK-FMブログへ)




★追悼:ジョゼ・ホベルト・ベルトラミさん   2012/12/21

年の瀬、今年一年を振り返る時期ですが、やはり触れておかねばなりません。ご存知の方も多いと思いますが、今年の7月に、アジムスのジョゼ・ホベルト・ベルトラミさんがお亡くなりになりました。

【追悼】ジョゼ・ホベルト・ベルトラミ/アジムスのキーボード奏者(タワーレコードサイトへ)

このニュースを知ったのは8月くらいだったと思いますが、そのときはとてもショックで、しばらく何もすることができませんでした。このサイトで触れることにも、なかなか気が進みませんでした。

ようやく最近になって、アジムスの「ラスト・サマー・イン・リオ」を聴いて、なんてすばらしい音楽なんだろう、という感慨に浸れるようになりました。

彼がアジムスのメンバーとともに創り出した音楽は、遠く海を越え、時間を越えて、これからも色褪せることなく、僕たちを楽しませ続けてくれることでしょう。そしてもちろん、クロスオーバーイレブンのテーマ曲であるあの2曲も、夜空の星のきらめきとともに、永遠に…。




★2013年お正月特番   2012/11/25

NHK-FMブログによりますと、2013年新春の放送が決定したようです。

「クロスオーバーイレブン2013新春」
2013年1月2日(水)~6日(日)
夜11:00~0:00

NHK-FM 2012-2013 年末年始の特集番組ラインナップ発表!(NHK-FMブログへ)

年末年始特番の発表される時期は毎年心配でたまらないのですが、決まってくれるとやはりありがたく、ホッと胸をなでおろしています。これもひとえに、復活の要望をNHKへ送っていただいた皆様、また実際に復活特番の企画をされ制作されていらっしゃるNHK関係スタッフの皆様のおかげです。ありがとうございます!




★『2012夏』放送   2012/09/26

「2012夏」は小沢章友さんによるスクリプトでした。小沢さんはレギュラー放送時代に、「世にも奇妙な物語」のような不思議な奇々怪々としたストーリーや、陰陽師が活躍する連作歴史物語、そして遊民爺さんシリーズなど、たくさんの小説をクロスオーバーイレブンで展開されていました。小沢さんのスクリプトの週は、毎回楽しみでなりませんでした。ナレーターの津嘉山さんも、普段のエッセイを読むような語りとは少し違って、時折入る登場人物のセリフの声演技にも力が入っていたように思いますし、選曲のお二人も、おそらく普段のエッセイのスクリプトではしないような、物語の想像世界をより増幅させてくれる音楽を、巧みに添えられていたように思います。

今回は「就活」ならぬ「就勝乙女」のさまざまな物語でしたが、女子大の創作講座の講師を長年勤められている小沢さんならではのテーマであったと思います。黒々黒助はもしかしたら小沢さんご自身がモデルのキャラクターだったのではないでしょうか。物語では個性的な女子学生と就職先との邂逅がさまざまに描かれ、時には人間くさい部分を垣間見させてくれる部分もあり、とても楽しめました。そして津嘉山さんの声演技もすばらしく、物語の展開をありありと想像することができました。またその想像世界を音楽でよりいきいきしたイメージに膨らませてくれる大伴さんと小倉さんによる選曲にも、熟練の技を感じました。

今回も「2012夏」の放送前に、これまでこのHPにメールを送っていただいたみなさまへ放送のお知らせメールを配信させていただきましたが、早速お礼のメールをくださったり、またNHKへ復活の要望を送信されたというメッセージをいただきました。みなさまありがとうございました(一部をそれぞれの想いのページに掲載させていただきました)。

最後に「クロスオーバーイレブン2012夏」を制作されました関係スタッフのみなさま、津嘉山正種さん、小沢章友さん、大伴良則さん、小倉エージさん、そしてNHKへ復活の要望をお送りいただいたみなさま、また当HPで募集している復活希望メールをお寄せいただいたみなさまに、あらためまして感謝申し上げます。ありがとうございました! また今後も復活特番が放送されていきますように、重ねてお願い申し上げます。




★2012夏放送決定!   2012/08/15

今年の夏も番組が復活することが決まり、内心ホッとしています。いよいよ来週、クロスオーバーイレブン2012夏が放送されます。

「クロスオーバーイレブン2012夏」
8月20日(月)~24日(金)夜11:00~0:00

Listen♪♪NHK-FM 夏の特集番組カレンダー

今回も復活の運びとなりましたのも、ひとえに復活を希望されましたみなさまの声が確実にNHKへ届いたこと、そして実際に番組の制作に携われた関係者のみなさまのご尽力によるものだと思います。心より感謝申し上げます。

また今回も重ねてのお願いとなってしまいますが、今後も復活放送が実現されていきますように、来週の2012夏の感想や、これからの復活特番の要望など、我々リスナーの声をNHKへ届けてまいりましょう。よろしくお願い申し上げます。

●NHKへのご意見窓口
みなさまの声にお応えします(NHKサイトへ)




★2012新春放送   2012/02/01

今回の『クロスオーバーイレブン2012新春』のスクリプト担当は、内山安雄さんでした。内山さんと言えば、海外紀行のエッセイが思い返されますが、今回の5日間も4日分が海外、そして最後は日本でのお話でした。

中国とベトナム国境でのパスポート紛失騒ぎ、フィリピンで昔の恋人の面影を求めての旅、ラオスのまっすぐな少女、ネパールでの夜の出来事、故郷の北海道の実家でのタイムカプセル探し。これらすべてのエピソードが内山さんご自身の旅や経験をもとにしたお話であることを考えると、本当にすごい方だなと今更ながら思います。

中越、ネパールでのお話はトラブルや危険に見舞われる臨場感あふれる珍道中でしたが、そこで出会った人たちの優しさやあたたかさには本当に救われる思いがしました。

それから、ラオスの少女ボンマリのお話にはただただ泣かされました。内山さんのブログでボンマリちゃんのことは多少知ってはいましたが、今回詳しくその出会いから奨学金援助までの経緯を知り、そしてどこまでも純真でまっすぐに生きようとするボンマリちゃんの姿に、本当に感動しました。世界にはこんな奇跡のような少女がいるものなんですね。

大伴さん、小倉さんによる選曲ですが、今回内山さんのスクリプトだったこともあるのか、レギュラー放送当時のような感覚を、懐かしく味わうことができました。つまり最初洋楽のポップチューンが数曲流れたあと、津嘉山さんのナレーションに耳を傾けながらさまざまな情景をイメージしているところに、その風景の空気、雰囲気にピッタリな曲が流れてきて、イメージがさらに膨らんでいく、この感覚はやはりクロスオーバーイレブンならではのものだなと、改めて思いました。トゥー・チェロズの「スムーズ・クリミナル」、ニッキー・ジーンの「ペニーズ・イン・ア・ジャー」、ニコラス・ガンの「テラ・ヌーボー」、アール・クルーの「ザ・サマー・ノウズ」、ブッゲ・ヴェッセルトフトの「フリック」、ロジャー・イーノの「イン・ウォーター」は、今回とりわけスクリプトのイメージを増幅させてくれた曲でした。

津嘉山さんのナレーションは相変わらずの安定感でとても聴きやすく、また内山さんの文章との相性もすごく良いなと再認識しました。ボンマリちゃんの第3パートのナレーションでは、もしかしたら津嘉山さんも涙しながら語られていらっしゃったのかもしれないなと、舞台「The Guys 消防士たち」や「人類館」での津嘉山さんの姿とオーバーラップしながら、そう感じました。

内山さんのブログによりますと、これからまた海外への長い旅へ出られるそうなのですが、どうかご無事で帰国されること、そしてまたクロスオーバーイレブンで内山さんのスクリプトを堪能できる日が来ることを、心から願っています。

「クロスオーバーイレブン2012新春」を企画・制作してくださいましたNHKのスタッフのみなさま、津嘉山正種さん、内山安雄さん、大伴良則さん、小倉エージさんに、甚大なる謝意を表します。ありがとうございました。またこれからも復活特番を企画・制作していただけますように、重ねてお願い申し上げます。

そして今回、2012新春放送のお知らせメールやこのページで、クロスオーバーイレブンの復活要望をぜひNHKへお送りくださいという趣旨のお願いを掲載しましたところ、早速たくさんの方々からNHKへ要望を出しましたというメッセージをいただきました。みなさまのご協力に、深く感謝いたします。本当にありがとうございます! またこれからもその声をNHKへ届けてまいりましょう。よろしくお願い申し上げます。




★みなさまへのお願い   2011/12/25

本日、これまで当サイトにメールをお寄せいただいたみなさまに、クロスオーバーイレブン2012新春放送のお知らせメールを配信させていただきました。みなさま、ぜひご一緒に放送を楽しみましょうね。

なおご存知の方も多いと思いますが、今回からはFMラジオだけではなく、NHKのネットラジオ「らじる★らじる」でも放送を聴くことができます。

さてここで、みなさまにお願いです。

2009年より続いている「夏」と「新春」のクロスオーバーイレブン復活特番は、現在のやる気のある制作の主要スタッフの方々の企画が、その都度通ってやっと実現している状況に過ぎず、年2回の放送が既定路線として定番化しているわけではないそうです。

今後その企画が出なくなれば、クロスオーバーイレブンの放送はなくなってしまいます。

そこで鍵となるのは、我々リスナーの声です。これをNHKへ送り続けることが肝要となります。その声は一つひとつ必ず、放送を決定する権限のある部署の方々へ届くシステムになっています。

今度の2012新春の感想や、これからの定期的な番組復活の要望など、みなさまの声をぜひNHKへお送りください。

●NHKへのご意見窓口
みなさまの声にお応えします(NHKサイトへ)

また当サイトでも引き続き「クロスオーバーイレブン復活希望メール」を募集しています。

この番組の魅力が、リスナーと制作関係者のみなさまの中に生き続けている限り、クロスオーバーイレブンは存在し続けるだろうと思いますし、実際の放送実現への原動力となるのは、私達リスナーの声の集積であると思います。

みなさまのご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。




★内山安雄さんからメッセージをいただきました   2011/12/11

「2012新春」のスクリプトを担当された内山安雄さんから、またメッセージをいただきました。ありがとうございます! このクロスオーバーイレブン・ファンサイトをご覧になっている皆様へのメッセージとなっております。

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Sent: Friday, December 09, 2011 4:39 PM
Subject: 内山安雄です。


昨日、NHKの502スタジオで、1月4~6日までの、
残っていたスクリプトの収録を終えました。
順調な仕上がりに津嘉山さん、スタッフ一同、おおいに満足です。
津嘉山さんのナレーション、スクリプトの私から見ても最高です。
思いの強さ、年輪、技の円熟、全てが素晴らしいです。

で、その後、近くのお店に移動して、津嘉山さんの芸術選奨のお祝いを、打ち上げをやりました。

そして散会後に、内山安雄は津嘉山さんに誘われて2人酒を、です。
津嘉山さんの半生についてしっかりお話しを伺ってきました。
で、当然の午前様です。

その類のことは「内山安雄のユーモア通信」にありますので、よろしくお願いいたします。
適宜、クロスオーバーイレブン関連のトピックをアップしていきます。

  http://uchiyamaya.exblog.jp/


津嘉山さんにとって、クロスオーバーイレブンは俳優人生で最初についた大きな仕事だったとのことです。
それだけに番組への思いが強く、番組の完全なる復活を強く望んでおられます。
その思いは私も同じです、クロスオーバーイレブンによって育ってきた物書きが内山安雄ですので。

で、復活の方法としましては、津嘉山さんや内山安雄がいくら望んでも、応援してくださる方々の声がNHKに届かないかぎり、
現場ではどうしようもない、どんなに情熱があっても、という現実があります。

ファンの皆様の声をNHKへ
メールで、電話でお寄せいただくのが番組復活の鍵となります。
皆様のメールも電話も、ひとつずつ、必ず決定権のある部署の担当者、責任者に届くシステムになっております。
どうか、ご声援のほどをよろしくお願いいたします。

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津嘉山さんや内山さんも熱い思いを抱いていらっしゃるようです。皆様、これまで以上に復活希望の声をNHKへ届けていきましょう! 

●NHKへのご意見窓口
みなさまの声にお応えします(NHKサイトへ)

上記リンクはNHKのサイトです。電話やメールで直接NHKへ声を届けることができます。

また当サイトで行っている「クロスオーバーイレブン復活希望メール」も引き続き受け付けております。お寄せいただいた復活希望メールは、当サイトで掲載させていただくとともに、プリントアウトしてNHKへ届けております。

別のメールで内山さんから聞いたお話では、当サイトのクロスオーバーイレブン・ファンの皆さんの思いを番組制作スタッフにお伝えいただいたそうなのですが、制作担当者の皆さんも、クロスオーバーイレブンに対する思いは熱いものがあるそうです。あとは私達の声をNHKへ届けていくことのみでしょう。

どうかよろしくお願い致します。




★2012新春特番放送決定   2011/11/27

もう恒例と言ってもいいと思います。2012年の新春、クロスオーバーイレブンが復活します。

今回スクリプトを担当される内山安雄さんからメールをいただきました。感謝感激です。そのメールをご紹介いたします。

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Sent: Saturday, November 26, 2011 3:47 PM
Subject: 内山安雄です。


なかみ様、そしてファンサイトの皆様へ

お世話様です。

内山安雄です。

下記のように「クロスオーバーイレブン」の放送が決まり、発表の運びとなりましたので、ご報告いたします。

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『クロスオーバーイレブン2012新春』
1月2日(月・祝)~6日(金)後11:00~前0:00

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

脚本は5本とも内山安雄が担当します。

テーマは「旅と出会い」です。

中越国境を舞台にした「歩いて国境を越える」

フィリピンを舞台にした「どこまでもバスに揺られて」

ラオスを舞台にした「メコンの少女」

ネパールを舞台にした「真夜中の人々」

そして我が故郷、北海道を舞台にした「故郷」の5本です。

どういう放送順になるかはまだ未定のようです。

というのは、すでに脚本の第一稿は上がっているのですが、さらにスタッフとの打ち合わせ、すり合わせの作業が残っております。

どうか、よろしくお願いいたします。

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内山さんからはいつも折に触れてメールをいただいたり、今回も早々に放送決定のメールを送っていただけたりと、本当に感謝してもし足りないほどです。ありがとうございます。

レギュラー放送時代、内山さんは僕の最も好きなスクリプト担当者のお一人でした。主に海外でのお話が内山さんのスクリプトの中心でしたが、まだ世界のことをよく知らない中学高校の頃の僕にとっては、とても刺激的な内容で、かつおもしろく、内山さんのスクリプト担当週はいつも楽しみでなりませんでした。いろいろなエピソードがありましたが、どれも予測不能で、また世界の人々との交流にもあたたかさを感じていました。そんな旅のお話の根底には、内山さんご自身の人柄の良さと、人とまっすぐにつきあう姿勢がありました。だからこそそのお話はとても生き生きとしたリアルな物語となって、リスナーをはるかな異国の世界へといざなうことができていたのではないかと思います。

来春の放送を楽しみに待ちたいと思います。

Listen♪♪NHK-FM 年末年始の特集番組カレンダー




★2011夏の復活放送   2011/10/19

この夏の復活は、まずは2011新春の再放送、そして新作の2011夏「命(ぬち)どぅ宝・沖縄紀行」の2週にわたる放送でした。聴いていると、やはりどうしても3月に起きた大震災のことが想起されました。おそらくこれを企画されたスタッフの方達も、少なからず意識されたのではないかと思います。不思議なことに、震災が発生する前に放送された2011新春と、震災後に制作された2011夏には、ともに同じテーマが、つまり日常や家族の貴重さ大切さが、貫かれていたように思います。

藤井清美さんによるスクリプト2011新春では、日常のなんでもない風景の中での、いろいろな家族の側面が切り出されていました。ときにその情景が胸にしみてくるような、素敵なスケッチの数々を眺めているような感覚でした。とりわけ初日「娘の初恋」の女の子のかわいらしさには、愛おしさすら感じてしまいました。

謝名元慶福さんによるスクリプト2011夏では、沖縄の歴史を織り交ぜながら、さまざまな試練の中でもたくましく生きる人たちの姿が描かれていました。もしかしたら謝名元さんの実体験に基づくお話だったのかもしれませんね。そして沖縄出身の津嘉山さんならではのウチナーグチ入りのナレーションには、沖縄の人々の素朴でおだやかな、それでいて芯の強いウチナーンチュの姿が、ありありと想像されました。

今回もこの復活放送を企画・制作してくださった関係者の皆様に感謝申し上げます。またこれからもこの復活放送を続けてくださいますよう、重ねてお願い申し上げます。




★2011年の夏も復活!   2011/07/25

今年の夏は復活放送があるのかどうか、結構不安がありましたが、やはり決まってくれるとありがたいものです。NHK-FMの関係者の皆様、ありがとうございます!

「クロスオーバーイレブン2011新春(アンコール)」
8月8日(月)~12日(金)夜11:00~0:00

「クロスオーバーイレブン2011夏」
8月15日(月)~19日(金)夜11:00~0:00

Listen♪♪NHK-FM夏の特集番組ラインナップ

8月8日からまずは2011新春の再放送、そして翌週15日からは新作の2011夏が放送されます。今年もクロスオーバーイレブンに浸りながら夏を過ごせる喜びをかみしめたいと思います。


(追記)   2011/08/08

今回もこれまでにこのHPへメール(普通メール、復活希望メール)をお寄せいただいた皆様に、「クロスオーバーイレブン2011夏」放送のお知らせメールを配信させていただきました(8月2日付)。ただ残念ながらメールアドレスが変わってしまった方には配信できませんでした。御了承ください。どこかで放送の情報をキャッチされていることを願っています。

またこのお知らせメールに、たくさんの返信お礼メールをいただきました。ありがとうございました。今夜からの2週間、御一緒に楽しみましょうね。




★アジムス・ライブ   2011/07/25

6月17日、丸の内のコットンクラブで行われたアジムスのライブに出かけてきました。

クロスオーバーイレブンがレギュラー放送で続いていた時代、番組のテーマ曲であるアジムスの「フライ・オーバー・ザ・ホライズン」と「オクトーバー」を、それこそ毎日のように聴き続けていました。このテーマ曲は、クロスオーバーイレブンのために作られたものではなく、アジムスの既成曲から選ばれたものですが、クロスオーバーイレブンという番組のコンセプトに本当にぴったりで、いや、逆にこのアジムスの楽曲がクロスオーバーイレブンという番組の雰囲気や性格を形作っていったようにも思います。レギュラー放送当時は、このテーマ曲の曲名もアーティスト名も分かりませんでしたが、2001年にインターネットでその曲名、アーティスト名を知るにつけ、渋谷のCDショップへ走り、アジムスの輸入盤CDを即行入手("LIGHT AS A FEATHER"、"OUTUBRO"の2枚、いずれもBLACK SUN盤)、帰ってから「フライ・オーバー・ザ・ホライズン」と「オクトーバー」を、その日ずっとリピート再生で聴き続けました。その2曲を最後まで聴けたときの感動は、今でも鮮明に覚えています。

輸入盤CDには長年聴いていた2曲のほかにも知らない楽曲が入っていましたが、同じアジムスの楽曲であるにもかかわらず、なぜか全然別物のように感じられました。クロスオーバーイレブンのテーマ曲として毎日慣れ親しんでいた楽曲との違いだけではない、何か根本的な違いがあるような気がしていて、この感覚は今でも変わらず僕の中に残り続けています。その後アジムスのほかのアルバムも入手していき、いろいろなアジムスの曲に触れていくなかで、アジムスの一ファンとなりました。

そして先日、アジムスのライブにはじめて行くことができました。ジョゼ・ホベルト・ベルトラミ(キーボード)、アレックス・マリェイロス(ベース)、イヴァン・コンチ(ドラムス)。ステージに姿を見せた3人は、共に1946年生まれ。歳を重ねてはいるけれど、音楽をこよなく愛しながら積み重ねてきたであろう年月が、その姿に昇華され、オーラを放っているように感じました。ベルトラミはなんだかとてもシャイな方で、それでいて実にクールにシンセを操り、マリェイロスもクールに揺れながらベースを弾き続け、コンチはMCを務めながらテクニックあふれるドラムをたたき、全体的にすごく落ち着いた雰囲気でライブは進行していきました。

新譜「オーロラ」からの楽曲が多いのかと思いきや、1曲目にいきなり知っている曲「ライト・アズ・ア・フェザー」からはじまり、耳なじみのある曲が結構多く演奏されて感激、アジムスの楽曲以外にもスタンダード「イパネマの娘」が演奏されました。そしてタンバリン(おそらくパンデイロ)を奏でるだけの部分もあって、もうそれだけでブラジルの音楽、サンバのリズム。根っからリオの人たち「カリオカ」なのだと改めて認識しました。聴いていると自然に体が揺れ、足がリズムを刻み、手をたたき、「ラスト・サマー・イン・リオ」ではコンチに促され会場が一体になってメロディーを口ずさむ。そして最後に「フライ・オーバー・ザ・ホライズン」の演奏……

生きているうちにアジムスの3人の姿を見ることができ、生演奏を聴くことができて、本当によかったですし楽しかったです。一生忘れられないライブになりました。




★アジムス来日公演   2011/06/02

来る6月14日から17日まで、あのアジムスが来日し、東京の2つのジャズクラブでライブを行うそうです。滅多にない機会だと思いますので、いずれかの公演には出掛けるつもりです。ニューアルバム「オーロラ」からの演奏がメインとなるようですが、僕の期待はもちろん「フライ・オーバー・ザ・ホライズン」です。初ジャズクラブ、初アジムスで、今から緊張しています。

CDジャーナルニュースより
ブラジリアン・フュージョンの至宝アジムスが6月単独来日!

アジムス・ライブ情報
6月14日(火)&15日(水) ブルーノート東京
6月16日(木)&17日(金) コットンクラブ




★皆様へ   2011/05/01

先日次のようなクロスオーバーイレブン復活希望メールをいただきました。ご紹介します。

__________

Sent: Friday, April 22, 2011 11:27 AM
Subject: <クロスオーバーイレブン復活希望メール>


> 東北からです。地震に遭いました、ラジオだけ聴いています
> が。クロスオ-バイレブン聴いてみたいです
> ぜひ元気を下さい
__________


2011年3月11日に発生した大地震のあと、しばらくはとても悲しく、はかなく、無常観に浸ってしまう日々でした。僕にできることなどささやかなことでしかありませんが、多くの力が集まればきっと復興できると、今はただそう信じています。




★おかげさまでファンサイト開設10周年   2011/01/26

このクロスオーバーイレブンのファンサイトを開いたのが、2001年の元旦でした。あれからもう10年が過ぎたわけですが、この10年、いろいろなことがありました……。

2001年3月にレギュラー放送終了、途方に暮れてしまいましたが、その後このサイトで復活を求めてメールによる署名活動を展開、その甲斐あってか2005年に4枚の番組CD発売、そして8月に期間限定で番組が復活(熱帯夜)、2009年8月にはCDボックスのリリース、番組再復活(もやしくん&遊民爺さん)、2010年以降はお正月と夏休みに番組復活(戸井さん、矢島さん、藤井さん)……。

またこれらの出来事と平行して、このファンサイトを通じてさまざまな出会いがありました。関わっていただいたすべてのみなさまに、あらためて感謝申し上げます。

さて2011新春のクロスオーバーイレブンに関しまして、さまざまなメールをいただいております。みなさま、ありがとうございます。言い訳になってしまいますが、何せ数が多いのと、当方個人的に今月はいろいろと忙しい時期でして、なかなかサイトでご紹介できずにおります。本当にすみません。2月の上旬にはUPできるように致しますので、もう少々お待ちください。

これからもこんな調子になってしまうかと思いますが、ゆっくりとマイペースで更新を続けていきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願い致します。




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