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★2011新春も復活!   2010/12/21

2011年新春もクロスオーバーイレブンが復活します。お正月と夏休みに復活するというパターンが定着しつつあるようで、とてもうれしい限りです。NHKさん、ありがとうございます! みなさん、ぜひご一緒に放送を楽しみましょうね。

「クロスオーバーイレブン2011新春」
2011年1月3日(月)~7日(金)夜11:00~
Listen♪♪NHK-FM年末年始特集番組ラインナップ決定!

「クロスオーバーイレブン」という魅力的で、稀有で、貴重な番組フォーマットは、NHK-FMにとって、そしてリスナーにとっても、非常に大切な「宝物」だと思います。ぜひこれからも、お正月と夏休みに復活特番を放送していっていただきたいと、衷心から願っております。




★2010夏復活   2010/09/21

今年の夏は、「2010新春」の再放送から始まり、それから新作の「2010夏」まで、2週にわたり贅沢なひとときを堪能することができました。実際には仕事などによりリアルタイムで楽しめなかった日もありましたが、そこは録音して、後日じっくり聴いていました。これは毎日定刻に聴くことができていた学生時代とは違うところですね。あぁ、悲しいかな社会人。。。

2010夏は矢島正雄さんによる「カゲロウが舞った夏」と「リバーサイド・エレジー」というスクリプトでしたが、両方ともに、とてもとても大人な物語でしたね。どちらのお話も、人生の中には自分ではどうにもならない領域があるけれど、それでも一歩立ち止まってみると、ある種のカタルシスや希望を持つことができる、そんな風に感じられる物語でした。

津嘉山さんのナレーションは、またさらに渋みを増していて、時にささやくような語りもほどよく、そして物語の展開に応じた語りのテンポも秀逸で、本当にすごい域に達していると思いました。

大伴さん、小倉さんによる選曲も、いつもの通りすばらしかったですね。個人的には大伴さんによる2日目の選曲が好きでした。特に最後ジュリー・クルーズの「ザ・ワールド・スピンズ」は、やはりツイン・ピークスを思い出しますが、この物語にもぴったりとあっていましたね。それから小倉さんの2日目の最終部、クリス・ボッティ「ノー・オーディナリー・ラヴ」からジョン・レノン「スターティング・オーヴァー」に至る一連の流れも好きですね。ちょうど物語が終わり、いったいその後の二人がどういう風になっていくのか、リスナーがそれぞれに思い浮かべているであろうところに、最後「スターティング・オーヴァー」、いやぁうまく計算されていますよね。

今回もスクリプト、ナレーター、選曲とすばらしいコンビネーションでした。またこの新作「2010夏」を制作してくださったスタッフのみなさんも、すばらしい仕事をしてくださいました。本当にありがとうございました! また今後も定期的な復活を、ぜひぜひよろしくお願い申し上げます。

ところで、先日大伴さんからご自身のサイト「大伴良則の音楽のまんよう」のリンク情報をいただきましたのでご紹介いたします。このサイトは大伴さんが月に一度、新旧のアーティストや、大伴さんにとって重要な人や作品についてのエッセイを連載していくものだそうです。また大伴さんがライナーノーツをお書きになったアルバムも紹介されています。今でも原稿は万年筆による手書きを貫かれていらっしゃる自他共に認めるアナログな大伴さんですが、サイトは大伴さんのお友達が制作されているそうです。これから楽しみなサイトになっていきそうですね。みなさんもぜひブックマークを!

大伴良則の音楽のまんよう




★もうすぐ2010復活   2010/08/09

このページに2010夏の放送のお知らせを掲載してからひと月あまりが、なんだかんだであっという間に過ぎ去り、気がつくともうすぐ2010新春のアンコール放送が始まりますね。ワクワク、ドキドキしています。

今回もこのサイトのトップページやメールにて放送の告知してまいりましたが、どうかたくさんのクロスオーバーイレブン・ファンの方々に2010新春アンコール、および2010夏を楽しんでいただけますように、願っております。

今夜から2週間、再びのクロスオーバーイレブンに酔いしれたいと思います。




★2010夏も再びよみがえる!   2010/06/23

2010年NHK-FM夏の特集番組に、再びクロスオーバーイレブンが登場です。いやぁ、いい流れですね。まずは今年の年頭に放送された「2010新春」のアンコール放送、そして「2010夏」が放送されます。NHKのご担当者さま、そしてこれまで復活希望メールをお寄せいただいたみなさま、本当にありがとうございます!!

「クロスオーバーイレブン2010新春 アンコール放送」
8/9(月)~13(金)夜11:00~0:00

「クロスオーバーイレブン2010夏」
8/16(月)~20(金)夜11:00~0:00

この夏はどんな“夢”に出会えるのか、楽しみに待ちたいと思います。

NHK-FM夏の特集番組ラインナップ決定!




★2010新春復活   2010/01/25

2009年夏に引き続き早くも復活した今作は、全編戸井十月さんのスクリプトをベースにしていました。戸井さんといえば、自らバイクにまたがり、世界中を旅して回るルポライターでいらっしゃいますが、今回のスクリプトは、長年にわたる五大陸走破行の旅を終えられてから書き下ろされたものだったようです。さすがに自分の目で見て、耳で聞いて、肌で、心で、実際に感じ取ってきたその物語には、そこかしこに真実の響きを感じ取ることができました。聴いていると、どこかへ旅してみたくなるような、そんな衝動に駆られました。

初日のブラジル「そして、船は行く」では、当地独特の生活文化の中で必要不可欠となっているモレイラの船の存在と、その船に乗っては降りていく人々の姿が描かれていました。ナレーションの合間にかかった「ワイルド・オーキッド・ラヴ・テーマ」は、映画「蘭の女」を思い出すと同時に、この曲の別バージョンが、1992年のクロスオーバーイレブン・沖縄スペシャルの最後にかかっていたことを思い出しました。男女の情事を匂わせ、夜の深い霧の様子を感じさせるこの曲は、圧倒的な愛の世界を醸し出すとともに、もう20年も前の曲であることを忘れてしまうくらい、まだそのみずみずしさを失っていないという印象でした。最後一人旅の女性が船を降り、ジャングルの中を歩き去っていくときの蛍の情景は、非常に美しく想像できました。

2日目のキューバ「老人の見る夢」アルベルト・グラナドス。若い頃チェ・ゲバラとともにアルゼンチンから北米へと旅をし、のちにキューバで偉業を成し遂げたおじいさん。もしこの旅がなかったら、歴史も少し違ったものとなっていたのかもしれません。ゆるぎない信念と、何かを成し遂げるパワーが、並々ならぬ男達。いやはやすごいなと、感心するばかりでした。自分が老年になったときに、はたしてアルベルトおじいさんのように、無垢な顔をしていられるのだろうかと、今の自分の生き方を再考させられました。この日の最後の曲「リベルタンゴ」は、スクリプトの内容からして絶妙なセレクトであることは間違いないと思いますが、この曲も昔クロスオーバーイレブンでOAされており、好きな曲でした。(余談ですが、中学の体育の時間に1500m走があって、この曲を頭の中で流しながら走ると、結構良いタイムが出ていた、という記憶があります)

最終日のメキシコ「原野の中へ」。メキシコのバハ・カリフォルニア半島で行われるオフロードレース「バハ1000」。1984年から幾度もバイクで参加されているという戸井さん。果てしなく続く原野、あたりには人も明かりもない。初参加のときコースを離れてしまい、食料も飲み物も残りわずかという状態で夜を越すことに。枯れ木をかき集めて焚き火をしていたら、サソリが一匹やってきて、火に向かってはさみを上げ、静止した。冷えた体を温めて生きようとするその姿に、大自然の中でたくましく生き抜く生命力を感じ、元気付けられたというエピソードに、なんだかすごく感銘を受けました。そしてこの日の後半に流れたマッシヴ・アタック、フィリップ・セス、ケティル・ビヨルンスタ、エニグマの一連の流れは、バハ・カリフォルニア半島の原野、闇に包まれた夜、そして光を髣髴とさせ、大いなる自然と大地に思いをはせるに十分すぎるくらいの、すばらしい音楽でした。

戸井さんのスクリプトは、非常に落ち着いた文章であり、話の根底に1本筋が通っているようなところもあるので、そのような文章と津嘉山さんの冷静沈着な語り口調は、とても相性が良かったと感じました。

5日間、ブラジル、キューバ、スペイン、フィジー、メキシコで、さまざまな人達と出会い、それぞれの生活や文化や、人の生き方に接し、さらに大いなる自然を感じる、そんなクロスオーバーイレブンでした。こんな体験ができる番組は、やはりほかにはありません。また今後も定期的に復活してくださることを祈念しております。




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