冥王星 その6
冥王星「その2」〜「その5」まで調べてきた明示的な場合をまとめました。
2005/4/2 <「明示的な場合」と「非明示な場合」のまとめ>
まず予想L-4を書いておきます。
予想L-4
cos(x/2)/sin(x/2)=2(sinx + sin2x + sin3x + sin4x + ・・・) -----@
(0 < x < 2π)
-1/2=cosx + cos2x + cos3x + cos4x + ・・・・ -------A
(0 < x < 2π)
@、Aと2次体Q(√m)の間には、ディリクレのL関数L(χ,s)を介して次のような関係が存在している。
(ただしmは整数で、1以外の平方数で割り切れないものである)
[T]mが4n+2 または 4n+3の整数のとき
k=2|m|とおく。@とAの重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=2k (つまりN=4|m|)で
ある2次体Q(√m)に対応するL(χ,s)かあるいはその分割ゼータ(複数)が特殊値の形で出現する。
[U]mが4n+1の整数のとき
k=|m|とおく。@とAの重回積分-重回微分の結果に q π/k を代入すると、導手NがN=k (つまりN=|m|)である
2次体Q(√m)に対応するL(χ,s)かあるいはその分割ゼータ(複数)が特殊値の形で出現する。
ここで分割ゼータ(複数)とは、それらを適当に足したり引いたりするだけで上の条件を満たすL(χ,s)を出現させられる級数を指す。
なおk, q は互いに素な整数で、0 < qπ/k < 2πを満たす。
そして、上の2次体 Q(√m)が実2次体ならば、それに対応するL(χ,s)の全特殊値が@の奇数回の積分・微分の
所とAの偶数回の積分・微分の所に現れる。
また虚2次体ならば、それに対応するL(χ,s)の全特殊値が@の偶数回の積分・微分の所とAの奇数回の積分・
微分の所に現れる。
これは、[T],[U]ともに適応される。 |
この予想L-4の明示的な場合の具体的な検証を冥王星 「その2」〜「その5」まで延々やってきたわけですが、
見てきたとおり、予想L-4は完璧に成り立っています。
ただ「その2」で述べた通り、「 土星 その3」等の考察の通り、非明示の場合検証から、明示的な場合でも論理的に
考えて予想L-4が成り立つことは容易にわかることから、この冥王星での検証は、いわば具体的に書き下しておきたい
という欲求から生じたものでした。
(具体的に書き下しておくこと自体大切であり、後々にいろいろと役に立つものですから。)
念のため、くり返し説明しておきますと、「明示的な場合」とはL(χ,s)の特殊値が現代数学ではっきりとわかっている
場合であり、「非明示の場合」とは現代数学で不明とされる特殊値の場合をさします。
予想L-4は、現代数学で不明とされるL(χ,s)特殊値を次々と解明していくたいへん力の強い
予想なのです。
とにもかくにも、「土星 その3」の 表B-2と、「天王星 その5」の 表A-2はもはや名実ともに完全に成り立つものとして
提示できることになりましたので、再掲しておきます。
[明示的な場合の結果(予想L-4)]
表B-2
Q(√m)
m=4n+2
or
m=4n+3 |
・・・ |
-13 |
-10 |
-6 |
-5 |
-2 |
-1 |
2 |
3 |
6 |
7 |
10 |
11 |
14 |
・・ |
導手N |
・・・ |
52 |
40 |
24 |
20 |
8 |
4 |
8 |
12 |
24 |
28 |
40 |
44 |
56 |
・・ |
L(χ,s) |
|
|
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s) |
LE(s)
LG(s) |
LC(s)
LD(s) |
L1(s)
L2(s) |
L(s) |
L1(s)
L2(s) |
LB(s) |
LE(s)
LG(s) |
LI(s)
LJ(s) |
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s) |
LM1(s)
LM2(s) |
|
|
本体->◎
分身->○
|
|
|
○ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
○ |
○ |
|
|
代入した
qπ/k |
|
|
π/20 |
π/12 |
π/10 |
π/4
3π/4
5π/4 |
π/2
3π/2 |
π/4
3π/4
5π/4 |
π/6 |
π/12 |
π/14 |
π/20 |
π/22 |
|
|
n回積分
n->奇数
or
n->奇数 |
|
|
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
|
|
注意1:青字は、2次体に対応するL(χ,s)を示す。
注意2:一番下の行の「奇,偶」は、Q(√m)に対応するL(χ,s)特殊値が奇数回の積分(微分)の所に現れた場合に「奇」、偶数回の積分(微分)
の所に現れた場合に「偶」と記しています。
注意3:L(χ,s)本体で成り立つ場合は◎で、分割ゼータ(分身)で成り立つ場合は○としています。
表A-2
Q(√m)
m=4n+1
|
・・・ |
-23 |
-19 |
-15 |
-11 |
-7 |
-3 |
5 |
13 |
17 |
21 |
29 |
33 |
・・・ |
導手N |
・・・ |
23 |
19 |
15 |
11 |
7 |
3 |
5 |
13 |
17 |
21 |
29 |
33 |
・・・ |
本体->◎
分身->○
|
|
|
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
|
|
L(χ,s) |
|
|
LU(s) |
LS(s) |
LQ(s) |
LP(s) |
LA(s) |
LN(s) |
LR(s) |
LT(s) |
LV(s) |
|
|
|
qπ/k |
|
|
π/19 |
π/15 |
π/11 |
π/7 |
π/3
2π/3 |
π/5 |
π/13 |
π/17 |
π/21 |
|
|
|
n回積分
n->偶数
or
n->奇数 |
|
|
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
|
|
|
注意:「L(χ,s)」では、2次体に対応するL(χ,s)のみを示しています。N=15とN=21の場合は他のL(χ,s)が出ている可能性がありますが、それは
まだよく調べていないため書いていません。
さらに、ついでに非明示の場合も示しておきましょう。(以下は木星「その2」の 表Bと、天王星「その5」の 表Aです)
[非明示的な場合の結果(予想L-4)]
表B
Q(√m)
m=4n+2
or
m=4n+3 |
・・・ |
-13 |
-10 |
-6 |
-5 |
-2 |
-1 |
2 |
3 |
6 |
7 |
10 |
11 |
14 |
・・ |
導手N |
・・・ |
52 |
40 |
24 |
20 |
8 |
4 |
8 |
12 |
24 |
28 |
40 |
44 |
56 |
・・ |
L(χ,s) |
|
|
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s) |
LE(s)
LG(s) |
LC(s)
LD(s) |
L1(s)
L2(s) |
L(s) |
L1(s)
L2(s) |
LB(s) |
LE(s)
LG(s) |
LI(s)
LJ(s) |
Lk1(s)
Lk2(s)
Lk3(s)
Lk4(s) |
LM1(s)
LM2(s) |
|
|
本体->◎
分身->○
|
|
|
○ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
○ |
○ |
|
|
代入した
qπ/k |
|
|
π/20 |
π/12 |
π/10 |
π/4
3π/4
5π/4 |
π/2
3π/2 |
π/4
3π/4
5π/4 |
π/6 |
π/12 |
π/14 |
π/20 |
π/22 |
|
|
n回積分
n->偶数
or
n->奇数 |
|
|
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
|
|
注意1:青字は、2次体に対応するL(χ,s)を示す。
注意2:一番下の行の「奇,偶」は、Q(√m)に対応するL(χ,s)特殊値が奇数回の積分(微分)の所に現れた場合に「奇」、偶数回の積分(微分)
の所に現れた場合に「偶」と記しています。
注意3:L(χ,s)本体で成り立つ場合は◎で、分割ゼータ(分身)で成り立つ場合は○としています。
表A
Q(√m)
m=4n+1
|
・・・ |
-23 |
-19 |
-15 |
-11 |
-7 |
-3 |
5 |
13 |
17 |
21 |
29 |
33 |
・・・ |
導手N |
・・・ |
23 |
19 |
15 |
11 |
7 |
3 |
5 |
13 |
17 |
21 |
29 |
33 |
・・・ |
本体->◎
分身->○
|
|
|
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
|
|
L(χ,s) |
|
|
LU(s) |
LS(s) |
LQ(s) |
LP(s) |
LA(s) |
LN(s) |
LR(s) |
LT(s) |
LV(s) |
|
|
|
qπ/k |
|
|
π/19 |
π/15 |
π/11 |
π/7 |
π/3
2π/3 |
π/5 |
π/13 |
π/17 |
π/21 |
|
|
|
n回積分
n->偶数
or
n->奇数 |
|
|
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
偶 |
奇 |
奇 |
奇 |
奇 |
|
|
|
注意:「L(χ,s)」では、予想L-4での2次体に対応するL(χ,s)のみを示しています。N=15とN=21の場合は他のL(χ,s)が出ている可能性がありま
すが、それはまだよく調べていないため書いていません。
以上、すべての場合で、予想L-4は成り立っているわけです。
「明示的な場合」と「非明示の場合」の偶と奇は、正反対の関係になっています。
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