歩いて元気に
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−注意しましょ,夏の運動−

ここんとこ毎日暑いよね〜.みなさんのところはどうかな? もう名古屋は一気に真夏って感じにヒートアップ! すんごいムシ暑くて,少々バテてます^^; 
そこで,こういう暑い夏の運動の注意,緊急アップしま〜す.

体温の調節

 暑さで起こる運動事故.これはもう,みなさんわかるかな? そう,日射病.熱中症っていうのが大きな概念かな.だいたい6〜8月頃に多いっていうから,みなさん,運動するときは注意してね.
 サブ・コンテンツ「手のひらの汗」 「精神性発汗ってなに?」に,ちょこっと書いてるけど,「不感蒸泄」ってやつ.これは汗じゃないんだけど,身体全体から出て,体温を下げる.
 気温が22゚Cくらいだと,その不感蒸泄が皮膚表面からちょっとだけ出てて,皮膚の温度が30゚Cくらい,体温が36.5゚Cくらいに保たれる.周りの気温が低いと,熱の放射や伝導・対流(小学校の頃,理科の時間に勉強したよね)によって皮膚から体温を下げられるんだけど,これが28゚Cあたりになると汗が出始め,水分の蒸発による熱の放散がプラスされて,放射などの分は減る.気温が36゚Cを越えちゃうと,もう身体(皮膚温)と外部との温度差がなくなっちゃうから,放射や伝導では下げられず,あるいは,逆に,外から熱をもらうことにもなっちゃうから,熱の放散は,その全部を蒸散に頼らざるをえなくなる(参考.伊藤 朗:成人病などを予防し改善する運動処方).
 つまり,こういう暑い時に運動すると,たくさんの汗が出て,その蒸発で体温を保つわけ.もう1つ,吐く息の中にも湿度100%の水蒸気が含まれてて,ここから熱を吐き出すってのもある.でも,この蒸散が間に合わなくなると,体温はどんどん上がっちゃう.血液が温められ,脳の温度が上がっちゃうと,体温調節中枢が狂って,熱中症,てなことに..ひどくなれば死に至る.こいつは恐ろしい...

ここでも「汗」のはなし

 汗っていうのは,周りの空気の湿度にも大きく関係してる.空気中に含むことができる水分の量は,その温度で決まってる(飽和水蒸気量).だから湿度が高いと汗が渇かない.特に,私の住んでる名古屋の夏なんかは「ムシ暑く」って,もうすごい湿度.そんな環境では,なかなか汗は,乾いてくれない.ということは,気化熱による体温奪取が,なかなかうまくいかないわけ.そうすると,やっぱり熱中症になりやすい.
 汗が渇かず皮膚に残ったままになってると,表皮(角質層)が「ふやける」.すると汗腺が閉じてしまうんだ.必然的に汗は減る.これを難しく「発汗漸減」なんていう...が,気にしない.汗が蒸発しにくいってことは,汗かいても体温を下げられないわけで,じゃあ,かかないで水分を保存しておこうっていう身体のしくみは,ある意味,理にかなっているよね.
 ところで,1年を通して気温が最も高いのは8月だよね.だけど,6月の方が熱中症による事故は多いんだってさ.なんでか? これには2つくらいの理由が考えられる.1つは,梅雨の時季ってこと.湿度が高いよね.これでうまく,汗の蒸散が行われない.
 もう1つ.ここで,メインのコンテンツでもある「自律神経」が登場してくる.何って感じ? 汗をかくっていうのも「慣れ」(暑熱馴化).春からだんだん暑くなって汗かくようになるんたけど,まだ身体の方が暑さに慣れてなくて,汗かく準備が整っていない.いつも運動してて,春からよく汗かいてる人なら熱中症の危険は少ないんだけれど,夏になって急に運動考えてる人,要注意だよ!

「熱中症」対策

 さて,その対策.安全に夏に運動するには...
 高温多湿,特に日中の運動は注意しましょう.できれば避ける.朝夕の涼しい時がいいね.そして,運動する時は,通気性がよく,汗を乾かしやすいウェアを着る.汗のかきすぎによる脱水にも気をつける.その予防のために,もちろん水分をよくとること.私が学生の頃(部活に青春かけてました(笑))は,運動の途中で水を飲むとバテるから飲むな,なんて言われたけれど,それは間違い.確かに摂り過ぎはよくない,疲れる.だけどマラソン中継見てればわかるよね.汗かいた分の水分補給は必要ってことだよ.この補給が十分でないと,体温が高くなっても汗が増えない.ということは,体温の上昇が抑えられない.体重の2%,60kgの人なら1.2kg以上の水分を発汗で失うと,その影響が顕著になるんだってさ(参考.小川徳雄:新・汗のはなし).じゃあ,いつ飲めばいいか? そんなののど渇くからわかるでしょ.答えはノー! それでは手遅れ.脱水がかなり進んでからでないと,強いのどの渇きは感じないらしい.だから「運動の前」や「運動中」,時間を決めて強制的に補充すること,なんだって.
 それと塩分,こいつも一緒に補給するといい.汗の出る速度が速いほど,汗の中の塩分濃度が高くなるって実験結果もある.塩分濃度が上がると,激しく活動している筋肉に,けいれんや痛みが起こることもある.真水よりスポーツ飲料がベターってとこかな.

紫外線対策も忘れずに

 もう1つ付け加え.この時季,忘れてならないのが紫外線.日焼けは皮膚ガンの元っていうのは,もう常識化しつつある.ガンにならずとも,色素沈着,シミ一杯って,汚いお肌になっちゃうもんね.「きれいなお姉さん」は何処へやら? 帽子やウェアは,ホント重要アイテムだ.それに,やっぱり紫外線量の多くない,朝夕がいいね.

決してムリしない

 もし運動の途中で具合が悪くなったら,すぐに運動を止め,涼しいところで休みましょう.うちわなどで風を送ったり,特に顔や頭を冷やし,脳を冷やすこと.水分(スポーツドリンク,できれば
5〜15゚Cくらいに冷やしたもの)や生理食塩水(熱けいれんの場合)を補給するが大切です.
 運悪く熱中症にかかってしまったら,一刻も早く体温を下げないと生死にかかわります.ここでは詳しく述べませんが,よく勉強し,対処法を身につけておくといいと思います.特に心疾患,糖尿病,向精神薬を常用されてる方,熱中症にかかりやすいそうだから,急な運動は要注意だよ.

関連情報のご紹介

 もし勉強されるって方,私がよく読ませていただいている「健康ネット」をご紹介.ここは「(財)健康・体力づくり事業財団」ってとこのページで,情報としては確かだからね.
■熱中症になったら
 http://www.health-net.or.jp/kenkonet/html/category/05/data/k844.html
■運動と脱水
 http://www.health-net.or.jp/kenkonet/shoziten/html/c7026.html
■運動と水分摂取をかんがえる
 http://www.health-net.or.jp/kenkonet/html/category/07/data/p096.html
今回,短期集中,思いつき講座(爆)ってことで,夏の運動の注意,書いてみました.
こんなショートショート(でもないか^^;),いかがです?


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