手のひらの汗
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−わきの下の汗−

わきの汗じみ,臭い,気になっちゃうよね.できれば止めた〜いなんて思うよね.
わき,脇,腋...みなさんが使い慣れているのは,きっと「脇」だよね.でも,なんだか私には抵抗があるので,今回は「腋」で統一させてくださいね.
ということで,腋にかく汗ってなんなのよってことを,小川先生の「汗の常識・非常識」を参考に書いてみたいと思います.

腋の汗って...

 前に,手のひらや足の裏の汗と,腋窩(えきか:腋の下)の汗は同期しないってお話をしましたね.腋の下の汗については,専門書の中でも様々な記載があり,なにを信用していいのか正直なところよく分かりません.しかし,手のひらと腋窩の汗の変化を,同時に計ってみることで,その様相が分かってきます
 最初に言ったとおり,ある条件下では非常によく同期することもありますが,普段はあまり一緒にはなりません..ということからして,腋窩の汗は精神性発汗とは言いがたいのです.

腋の汗は温熱性

 腋の下の汗,その量にはかなりの個人差があるようですが,一般的にはあまり多くはありません.ただ腕で塞がれることが多く,汗が蒸発しにくいため溜まったり,流れやすくなり,汗が多いと感じられやすい.また腋は他の部位が発汗するより低い温度で(体温調節のための)汗が出るようになっているそうだ.
 だから,緊張したり興奮したりすることで,手のひら同様汗をかくことが多い.つまり温熱性発汗が出やすい状態で,そのような刺激が脳に入ると,汗出せ命令を各所に送る.それが腋に出てくるんですね.じゃあ精神性発汗じゃないかって...そうですね,なかなか表現が難しいのですが「精神的な刺激によって温熱性発汗が出た」というのが,正しい言い方になるのかな.(~ヘ~;)ウーンややこしい...
 ほら,前回の私の手の甲の汗を思い出してください.まさにこれだと私は思いますよ.
 ところで腋窩と同じような発汗様式を示すところがまだあります.そう額です.緊張すると額から汗,吹き出してくることありますよね.

腋の汗は臭いの元なの?

 さて,汗腺の話を前にしましたが,腋にはアポクリン腺という毛孔のところに開口している汗腺がある.腋の下をはじめ乳輪,外陰部,外耳道...身体の一部にあるアポクリン腺なのだが,この汗がまたまた厄介モノなのだ.
 フェロモンって言葉,聞いたことあるよね.異性を誘う匂い「性フェロモン」..なんて.国語辞典を引いてみると「動物の体内で生産され体外へ分泌放出して同種個体間に特有な行動や生理作用を引き起こす有機化合物(大辞林)」だって.なんと分かり辛い表現...^^;
 毛のあるところにアポクリン腺から汗が出る.これは体毛に分泌液をにじませ発散させる効果がある.臭いに悩む人には迷惑な話だが,フェロモン発散には理にかなってるよね.人間の身体ってのは,本当によくできている...
 さてこの分泌物だが,エクリン腺からの汗とは違い蛋白,炭水化物,脂質,アンモニアなどが含まれる.この汗が臭うのかっていうと,毛孔から出た時点ではほとんど臭いはないそうだ.しかし,エクリン腺からの汗も含め,これらが毛につき皮膚の表面に放置され,そこに雑菌がつく.その雑菌によって汗が分解され,臭いのある物質がつくられる(分解臭).腋臭(わきが)のもとは,男性では3-メチル-2-ヘキセノイン酸,女性では直鎖脂肪酸といわれるが,これら脂肪酸にくっついた蛋白が雑菌によって外されることで刺激臭となるそうだ.
 さらにもう1つ.ゴマキ登場「Ban」ブランドでお馴染み,ライオンさんが初めて見つけたという「酸化臭」.汗が毛孔から出た直後に酸化されされると,ツンとする臭いを発するという.となると,殺菌消毒だけでは完全に臭いを消せないのかも...^^;
ネットの中にその制汗剤のプレスリリース文を見つけたので,参考になるかもね.
http://www.lion.co.jp/press/2002088.htm
腋の下は汗が蒸発しにくく雑菌がはびこりやすい.腋汗,腋の臭いを抑えるには,その汗を止めることより,風通しのいい衣服や姿勢などで汗の蒸発をよくする工夫と,清潔を保つ(腋の殺菌)がよさそうですね.
うちのリンクページにもあるしんじょう薬局さんの「塩化アルミニウム・塩化ベンザルコニウム液」.塩化アルミニウムで汗を抑え,塩化ベンザルコニウムで皮膚を殺菌消毒する..なんとまぁ腋のことを考えた処方であることか,と思います.腋の汗,臭いでお悩みのあなた.一度お使いになって損はないかもよ.


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